黙秘(1996年)
ダークタワー(2017年)
イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-(2019年)
スティーブン・キング原作映画その4。16本続けて観たけど、ここまでで一応やめとく。ドラマは後回し。次回からしばらく止まってる「なぜか観てなかった映画、落穂拾いシリーズ」の続き、70年代半ばに戻る。
●黙秘(1996年)
これもぜんぜん知らなかった。なんか格調高い画面。メイン州の小島に住む母ドロレスが殺人事件で逮捕されたと知った新聞記者の娘が故郷へ戻る。徹底的に虐げられた人生を送ってきたメイドのドロレスと、娘セリーナの子供時代からの確執や疑惑をベースに、事件の真相が次第に明らかになっていく、という暗い話。かなり面白かった。日蝕のシーンが幻想的!
一流スタッフとキャスト。キャシー・ベイツ、ジェニファー・ジェイソン・リー(「ヘイトフル・エイト」の女盗賊)の母娘の女優の演技が火花を散らす一騎打ちって感じで、ものすごい見応えある。しつこい警部のクリストファー・プラマーも加わって深みもある。音楽はダニー・エルフマン。
原作はキャシー・ベイツをイメージしてキングが書き下ろしたそう。映画はドロレスの完全一人称だった原作を、娘も含む開かれた視点で語りなおしたものらしい。ベイツはこれ以上ないくらいのハマり役。追想シーンで
はかわいらしく見えるほどの若さが自然で、特殊メイクすごいな!と思ったら、当時四十代半ば。逆に現在のシーンが老けメイクだったんだ。
●ダークタワー(2017年)
少年が悪夢で見て一心不乱に絵に描いている「世界を支えるダークタワーを守るガンスリンガーと、タワーを破壊しようとしている黒衣の男」の平行世界にワープする。そこでガンスリンガーと出会って行動を共にし、、、って話。原作はキングがライフワークとも言ってる7巻だか14巻もある大長編なので、たぶん物語世界の紹介と極端なダイジェストって感じなんだろう。子供向けかな? 「IT」や「シャイニング」の要素がちょっと出てきたりする。
評判良くないのは知ってたのでぜんぜん期待してなかったけど、娯楽ファンタジーとしては普通レベルで面白かった。ガンスリンガーのイドリス・エルバはかっこよさが少し足りない気がした。黒衣の男のマシュー・マコノヒーは文字通りの役不足な感じ。
カッコいいにちがいないけど、中二病心をくすぐるいろんなしかけや要素(ちょっとスチームパンクっぽい)がちょっと恥ずかしかったw アクションはすごかったけど、せっかくのネタをどんどん通り過ぎる感じでもったいないし、いろんな部分で甘い感じはした。この映画も1時間34分という短さに救われてる。
●イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-(2019年)
Netflixオリジナル。原作はキングと息子のジョー・ヒルの共作。似たような話だから選ばれたんだろう、立方体の迷宮から出られなくなる「キューブ」のヴィンチェンゾ・ナタリ監督。
「高い草」の不思議な草原に迷い込んで出られなくなった兄妹と、以前からさまよっているらしい子供と家族、兄妹を追ってきた妹の恋人。草原の中は方向も時間の前後も混ぜこぜの異次元の無限迷路、謎の教会と黒い巨石。果たして草原から出られるのか?という話。
運命や時間が錯綜するのは「LOST」みたいな味わい。景色がぜんぜん変わらない草原の中での展開は、人の生き様を浮き彫りにする感じもわかった。三分の二くらいまではかなり面白かったけど、家族の父親の邪悪な面がむき出しになって以降は、普通の超自然ホラーみたいな感じに。
父親役のパトリック・ウィルソンが若い頃のポール・ニューマンにそっくりなのがイイ。草原で方向や距離がどんどん変わる恐ろしさは、遠くで呼ぶ声の位置がヘッドホンだとすごいわかって面白かった。あと、「トワイライト・ゾーン」冒頭でクルマの二人がノリノリで歌う「ミッドナイト・スペシャル」がフィーチャーされてる。
0 件のコメント:
コメントを投稿