2021/03/27

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最近観た映画メモ「悪魔の毒々モンスター」他

順調に「なぜか観てない映画を観るシリーズ落穂拾い編」の80年代映画を消化。のはずだったのに、カルト映画というかZ級映画とかバカ映画とか言われるような作品3本を追加。こういった映画って「さんざん映画を見倒してきたマニアたちが余裕の気持ちでくだらなさを楽しみ、話のネタにする」ものだと思うけど、僕はまだまだその境地には達してないなあ……けっこう腹立つw あと「ケンタッキー・フライドムービー」くらいは観ておきたいけど、配信されてない。

●ハンナとその姉妹(1986年)1:47 U-NEXT

ウディ・アレン監督、ミア・ファロー、マイケル・ケイン他。ニューヨークに住む三姉妹と、ダメな夫や恋人や、ややこしい不倫などの恋愛模様。キャリー・フィッシャーも出てる。

マイケル・ケインがいかにもウディ・アレンの本人代理で出てる感じと、そのウディ・アレンが演じる主人公の元夫の病気恐怖症でストーリーの中心からちょっとはずれた位置にいる男が、うまくバランスをとってくれるというか。ウディ・アレンが中心にいる場合のクドい感じにならず楽しめた。

なんか、基本的にはニューヨークのショービジネス界隈のある程度金持ちの都会人たちのすごい狭い範囲でのくっついた離れたの話で、どうぞ好きにやっててください的なものw この感じって、バブルの頃のトレンディドラマに影響してる? 三姉妹設定も。

●アンタッチャブル(1987年) 2:00 U-NEXT

ブライアン・デ・パルマ監督、ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・マーティン・スミス。ちょっと過剰なくらい音楽で盛り上げるエンニオ・モリコーネ。

あれ? こんな軽い感じの映画だったんだ。名作的な深みはないけど、面白かった。マンガの実写化みたいにわかりやすくドラマチックかつコミカルな軽いタッチというか。そもそも、テレビドラマのリメイクなので、そっちのテイストなのかも。ケビン・コスナーは若造。ロバート・デ・ニーロのカポネは「モノマネ芸」って感じで、面白いけど、なり切ってる感は薄かった。ショーン・コネリーの頑張ってる感は良かった。

オデッサの階段オマージュのシーンはイマイチというか、青臭くてかっこわるい。わざとらしいドラマチックな撮り方が緊張感を削ぐ。わざわざ夜の12時に「乳母車の赤ちゃんと母親」って変だし。必要なかったかも。水兵たちは明らかに余計で、やりすぎ。あと、屋上のアクションもなんか間抜けな気がした。悪役のビリー・ドラゴのキートンみたいな顔がイイ。

あと、関係ないけど、昨夜U-NEXTでこの「アンタッチャブル」を見始めたんだけど、Netflixに日本語吹き替え版があるのを見つけたので、交互に見てた。若山弦蔵じゃないのが残念。今朝、続きを見ようと思ったらNetflixから消えてる! ちょうど終了時期だったのか。

●悪魔の毒々モンスター(1984年)

トロマ・エンターテインメント作品。Wikipediaによれば、『トロマ作品はカルト映画として取り上げられる事もあるが、あまりのくだらなさから「おバカ映画」「Z級映画」とも呼ばれ馬鹿馬鹿しさを楽しむための映画であるため、鑑賞の際には寛容さが必要である。』w

トロマヴィルで清掃員をしてるいじめられっ子のアホ青年メルヴィン。悪い若者たちに追われて有毒廃棄物が入ったドラム缶に落下、醜い巨漢モンスターと化す。悪を嗅ぎつける能力を発揮し、町の悪者たちを退治し始める……という話。見始めてすぐ、「やっぱりやめておけばよかった」と思ったw 気を取り直し、早回し気味にざっと一応全部観た。

お下劣だし、くだらなすぎるし、雑だし、そりゃもう徹底的にひどい映画なんだけど、「醜いモンスターを、外見にとらわれない盲目の女性だけが愛す」って、チャップリンの「街の灯」か、心温まるテーマが隠されてたりする。クライマックスの頃には「表現は不真面目だけど、いい映画じゃん」って印象になってきた……いや、基本的に胸糞悪くなるくらいひどい映画なんだけどw 特に残虐描写。

なんか関根勤が関係あるように記憶してたけど、続編の舞台が日本で、関根勤が出演してたんだった。しょうがないので続編も観るw

●悪魔の毒々モンスター 東京へ行く(1988年)

トロマヴィルを足掛かりにニューヨーク征服を企ててる世界的悪のアポカリプス社。刺客を送っても全部やっつけてしまうジャマな毒々モンスターを「父親が日本にいる」と騙して追い出すが、、という話。

1988年の日本を舞台にしてて関根勤と安岡力也が出てるのを見たかっただけ。永井豪も。前作にも増してくだらなくてヒドイ。どうやったらこういった「テキトーに撮った感」になるのか勉強になる。毒々モンスターが「愛すべき怪物」としてすでに定着してるのが微笑ましい。

なんかU-NEXTにトロマ作品多いな、と思ったら、昨年9月に27作品の配信が開始されたんだ。
「トロマ27作品を本日よりU-NEXTで独占配信スタート。ロイド・カウフマンのインタビュー映像も初公開」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000391.000031998.html

●アタック・オブ・ザ・キラートマト(1978年)

なぜかトマトが襲ってくるんだけど、具体的な状況がほとんど不明なまま政府や軍が右往左往してて、中心の登場人物が何をしようとしてるのか、どうなってるのかわからないまま時間が過ぎていって、1ミリも面白くない。

「マーズアタック」の元ネタとも言われるネタもあるど、アイディアというか、企画書段階ではけっこう秀逸に思える面白ネタが満載なのに、表現がヘタすぎ。ことごとく滑ってて居心地が悪い。思わず笑ったのは「臨時ニュース」くらいかなw  ミュージカルシーンはとても良いのだがw 冒頭のヘリ墜落、びっくりしたわ。

「毒々モンスター」の撮り方がまったく投げやりなのにくらべれば、「キラートマト」は映画の画面としては割とまとも。しかし、まともだからこそ、ひどさが際立つというかw

ただし……一度観てしまった後で解説を読んだりして振り返ると、ダメと思った点が「そうそう! そうなのよw」的にすべて面白ポイントになってきて、もう一度観たくなる。そういったところが「カルト映画」なんだろうな。

2021/03/24

最近観た映画メモ「ビクター/ビクトリア」他

ようやく本来の「なぜか観てない映画を観るシリーズ落穂拾い編」の80年代映画に戻れた。どんどん消化しておく。

●ビクター/ビクトリア(1982年)

ブレイク・エドワーズ監督。ジュリー・アンドリュース、ロバート・プレストン、ジェームズ・ガーナー。音楽はヘンリー・マンシーニ。

1934年パリ。仕事が無く酒場の歌手のオーディションに来たソプラノ歌手。そこをクビになったゲイの芸人が彼女の持ち味に気付き、男装させて「ゲイの歌手」として売り出してみたら大成功。アメリカから来たギャング関係らしい男が惚れてしまい、、、という話。

最初の数分のいくつかのシチュエーションでがっちり「つかみはOK」状態。おもしろい! そっか、エドワーズ監督的に、先日観て面白かった「テン」と同時期の作品なんだ。……と思ったんだけど、中盤以降、失速。「バレるかバレないか」のサスペンスをちゃんと盛り込めばよかったのに、どうでもいい感じのドタバタコメディになっちゃってもったいない。

それでも、ジェンダー的な概念を揺さぶるテーマはなかなか。ミュージカルとしても楽しい。アカデミー賞7部門ノミネート、作曲賞受賞。アカデミー助演女優賞にノミネートされたバカ女役のレスリー・アン・ウォーレンって、先日観た「メル・ブルックス逆転人生」のホームレス娘!

「テン」はジュリー・アンドリュースの無駄遣いだったけど、こちらは最高! もともとのボーイッシュっぽさも、女性らしさも、歌も、コメディエンヌとしても、魅力を存分に発揮。この時47歳。70年代以降は精彩を欠いてたけど、代表作ってもいいんじゃないか?

スチル写真で損してるかも。公開当時から「僕らのジュリー・アンドリュースが生真面目っぽい男装」ばかり強調されてたから。実際には男装シーンは少ないし、ショーも華やか。

1933年のドイツ映画「VIKTOR UND VIKTORIA/カルメン狂想曲」がベースというかリメイク。YouTubeで見てみると、テイストは似てる。原作のほうが大作っぽい。カツラを取ることを『実は男でした』の記号に使ってるのは原作からなんだ。僕的には違和感あったけど、80年代に通用したのかどうか。
https://youtu.be/KXS6ALMggfM

●2010年(1985年)

公開当時にオールナイトで観に行ったのに、後半は居眠りがちでちゃんと見れた気がしなかったので再見。目を開けたら木星がいきなりああなっててびっくりしたな。あと木星がどうにかなる点でほぼ同時期の「さよならジュピター」と印象が混じってる。

キューブリックの「2001年宇宙の旅」の続編。アーサー・C・クラーク原作。ディスカバリー号の木星探査失敗とボーマン船長の行方不明事件の米ソ合同調査。ディスカバリー号計画の責任者フロイド博士やHALの設計者らも木星軌道へ同行する……という話。ピーター・ハイアムズ監督、ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ボブ・バラバン、ヘレン・ミレン、キア・デュリア。

感動的にまとめてあって悪くない。HALもよかった。ラストのアレはすごいスケールの感動をくれる。オカルトっぽい要素がちょっと唐突だけど。ただ、80年代特撮黄金時代なのに、どうにも画面が粗い。緻密さがなく、美しくもない。マスクのフチが見えてたり黒味のコントロールが甘かったり。光の塊が飛んでいく描写が特にひどい。前作はキューブリックの美意識があったからあの画面だったんだと再確認。

最も時代感覚が混乱した映画かもしれない。なにしろ、2001年を描いた1969年の映画の続編として作られた、2010年を舞台にした1985年公開の映画を、当時と2021年の今、観たわけで。1985年の25年後の未来世界が、2021年からは11年前の過去。(「ニューヨーク1997」も似た感覚あったな。1997年を描いた1981年の映画を2014年に観た点で。あと、「バック・トゥー・ザ・フューチャー Part2」も描かれた2015年が到来したときはおかしな感覚だったな)

「2001年宇宙の旅」から「2010年」まで16年。ずいぶん昔の映画の続編作るなあ!と思ったけど、85年から2021年まで36年www ひっくるめて大昔!

85年にはまだソ連の脅威というか冷戦の最中。劇中でも相当の危機。前半でロイ・シャイダーが海岸で操作してるのはApple IIcらしい。液晶はApple IIc Flat Panel Display Moduleか?

・「2001年」ではタブレットも使われてたのに、10年後のコンピュータは、でっかいデスクトップマシンやゴテゴテの機械。あのタブレットはただの「端末」でHALとか大きなコンピュータに繋がってたのかもしれんけど。あと、「2001年」ではブラウン管に見えるものを極力排除して液晶っぽいディスプレイを先取りしてたのに、「2010年」ではブラウン管丸出し。

・あと、「ずっしり重い金属のゴテゴテ機械の塊」な宇宙船について。「2010年」のレオーノフ号がそうだし、「さよならジュピター」もそうだった。必死で軽量化してなきゃいけない宇宙船なのに不自然に重そうなのがリアル感を削ぐ。「SW」などではメカを金属の薄板で覆ってる感じがリアルだった。白くペイントしてあることも多いし。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00FIWC7VK/ref=atv_wl_hom_c_unkc_1_40

●いちご白書(1970年)

「いちご白書をもう一度」って、ばんばひろふみが荒井由美に依頼して書いてもらった曲だったのね。75年にヒットしたらしい。歌詞の内容から「いちご白書」が映画なことは知ってたけど、話題にされてるのを読んだり聞いたりしたこと無い。忘れられた映画なのか? ってのを先日思い出して検索したら、配信されてるじゃん! 観てみた。

スチュアート・ハグマン監督、ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー、バッド・コートって「ハロルドとモード」の!

コロンビア大学の学生による占拠事件。興味ないくせに、たまたま見かけた女の子リンダに惹かれて潜り込んだ学生サイモンの、州兵突入により強制排除されるまでの体験、という話。

あんまり面白くなかった。アメリカン・ニューシネマの流れなんだろうけど、テキトーにカメラを回して気分で編集みたいな感じにユルユルだし。学生運動の「考えなしに雰囲気で参加してる若者のリアルな気分」を描写。この時代にありがちなカメラの動かし方や編集がちょっとウザく、60年代末の気分を盛り上げるw

先日の「ハンバーガー・ヒル」で、兵士たちが本国の反戦デモや学生運動のことを苦々しく話してたけど、そっち側。作者=主人公は学生運動をかなり白けた目で見ている。

主題歌「サークル・ゲーム」、イイ! ジョニ・ミッチェルの曲のカバーだそうで。時代を代表する雰囲気のこの曲がこの映画の主題歌ってことさえ知らんかった。なぜか「2010年」がかぶる→「ツアラトゥストラはかく語りき」が流れるのと、若きボブ・バラバンが出てるのと。

2021/03/21

ガッシュアクリリック プラスとウレタンニスのテスト

ガッシュアクリリック プラスの本番と同じにマスキング有りで塗装してみるテスト。丸いのを5つ3Dプリントしたけど、今回塗るのは2個。ガッシュアクリリック プラスで塗るのは実はおまけで、始めて使う2種類のニスを試すのがメイン。



・2〜3度の重ね塗りでちゃんとベタ色になってくれるのはかなりラクかもしれない。

・暗い色の上に明るい色を塗ってみたけど、(最初は白をまぜつつ)5回も塗れば下地の色は透けない。これもリキテックスよりずいぶんマシ。

マスキングはがした。自分の作業が雑な以外は非常に良好。

・写真でもわかると思うけど、ガッシュ系には見えない。普通のアクリル絵具の質感。ガッシュ系として売らないほうがいいんじゃないかなあ。。w



段差を削った。やはり塗膜が厚くて頑丈なので削りすぎの危険は少ないっぽい。濡れ雑巾でがしがし拭ってもびくともしない。この後、粉がついて色移りしてるところを簡単に修正。












この写真載せたらアレも載せないと的にめんどくさくなるので詳しくキッチリやるのはヤメタ!

で、途中経過。今回試すメインは「アサヒペン水性高耐久2液ウレタンニス」がアクリル絵具塗装に使えるかどうかの確認。

写真は5回塗りくらいしたところ。かなりツヤツヤ。重ね塗りするには4時間くらい置くとのことだけど、2液混合したニスが使える時間は4時間w

混合の手順は少々ややこしく、いちいち作るのが面倒なので、ドライブースで乾かす&「混合ニスの容器を氷水に入れて反応が進まないようにする」ワザを使った。ウレタンスプレーも数時間のうちに使い切らなきゃいけないところを冷蔵庫に入れておくと何日も使えるという話で。

完全硬化サンディングできるようになるまで24時間。今10時間くらいたったけど、まだ爪で傷がつくくらいの硬度。






2液ウレタンニス、サンドペーパーがけして、さらに5〜6回塗布した。結局、筆塗りのボコボコとホコリがつくのは1回目も2回目も同じ。多少、皮膜が厚くなるだけの話。分厚く塗った上で、サンドペーパーがけし、コンパウンド磨きするほうが手軽にきれいにできる気がする。タミヤのコンパウンドがカチカチになってたので、新しく取り寄せ中。
パジコとリキテックスバーニッシュのほう。こちらもついでにサンドペーパーがけしてから数回塗り重ねたけど、上と同じく、一回目と二回目はそう変わらない。パジコは爪で傷がつかない程度には硬いので、このまま簡易仕上げとしてもいいし、ウレタンニス同様に磨いてコンパウンドかけるといいのかも。







1500番サンドペーパー→タミヤのコンパウンドで磨いてみた。上が磨く前、下が磨いた後。木の映り込みとか見ると、どんだけ平坦にできたかわかる。
とりあえず、今回の結論、『「2液ウレタンニス」をある程度分厚く塗ってから磨く』で決まりな感じ。非常に良い仕上がりではあるけど、もっともっと鏡面仕上げになるコンパウンドを探してみたい。


半日眺めてたけど、今までの立体作品全部を仕上げ直したくなるくらいキレイだわ。気に入った。








リキテックスの新製品「ガッシュ・アクリリック プラス」





リキテックスの新製品「ガッシュ・アクリリック プラス」というのを見つけて買ってみた(新製品っても発売は2018年。知らんかったw)。従来のガッシュ・アクリリックは廃止になっており、ガッシュ系のリニューアルらしい。

http://liquitex.jp/products/gouache_plus/

僕的に「おお〜!」と思った特徴は、「ひび割れにくい」「濡れ色と乾いた後の色の差が少ない」「強靭」「耐光性が高い」という点。従来のガッシュ系アクリル絵具の弱点をなくした感じか。リキテックスの不透明度が足りないときにガッシュ系を混ぜて使ってた。触れ込み通りなら、僕がフィギュアを塗装する用に開発してくれたみたいなもん。夢の絵具かも。

さっそく購入してテスト中。

・確かに練りが柔らかい。筆で触ると軽くて頼りない感触。ジェッソの上に伸ばしてみると、やはり軽い感じ。粒子が泳いでる感。僕がメインに使ってるソフトタイプと比べても、粘り気がなく腰が弱い感じの描き味。

・ガッシュタイプとはいえ、従来のいかにも「ポスターカラー」的な不透明感じゃなく、リキテックスに近い濃度。似たような色で塗り比べてみると、まあ確かに不透明度は高く、リキテックスだと不透明色でも5〜6回かかるところを、アクリリックプラスは3回重ね塗りすればほぼベタ色になる。

・全色、完全にガッシュ的不透明色ではなく、色によって不透明度がかなり違う。「三原色」的に入ってる「プライマリー」色はほとんど透明色だし。「蛍光グリーン」なんて色もほぼ透明色。紺や茶などで透明度が高い色がいくつか。セットに入ってた黒はマースブラックではなく、なぜか透明度が高いランプブラック。色の選択を間違ってる。

・グリーンの一部に、どう見ても危険っぽい染料が入ってそうな色がある。危険ってのは、上に白とか塗ると染料が泣いて(染み出して)くるやつ。試しに白を塗ってみたけど、今のところ染み出してこないっぽい。その白はチタニウムホワイトで、不透明度高くて良い。

・「リキテックスの絵具の中でも、最も顔料濃度の高い絵具」だそうで、発色が非常に良い。仕上がりはガッシュ感は薄くリキテックスのツヤツヤじゃない色な感じ。

・マット感が強い色もいくつかある。そういう色は爪で引っ掻くと白く跡がつくけど、他はそこそこ強い感じ。もちろん引っ掻いても剥がれない。どっちにせよトップコートで固めちゃうけどね。

・「従来のリキテックスとは組成が違うので注意」と書かれてるけどたぶん顔料の種類のことで、いちおうアクリル絵具の範疇なのは同じっぽい。混ぜて塗ってみたけど特に不都合なさそう。リキテックスをアクリジョンとかと混ぜてつかってたのに比べれば特に冒険ではないと思うw

……試した感じだと、リキテックスソフトタイプの全面置き換えではなく、アクリリックプラスをメインにソフトタイプで補強するのが良さそう。フィギュア塗装の本番と同じ状態でテストできるものを出力したので、次はそれに試す予定。試しに買ったニスのテストも兼ねて。

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2021/03/18

苦手なマスキングを克服したい


苦手なマスキングを克服したい。段差がイヤ。マスキングテープの断面に向かって絵具が溜まって斜面になるのが特にダメ。
あと、マスキング切り抜きは一発勝負すぎる。筆塗りなら何度も塗り分けを整えつつ完璧なカーブにできるのだが、マスキングだと切り抜きのチャンスは一回限り。不器用にギザギザっぽくなってしまう。マスキングを剥がした後は段差があるから修正すると見苦しくなるし。
とはいえ、面倒な塗り分けをハズキルーペ使って全部筆描きするのはめちゃくちゃしんどいし、時間かかりすぎる。塗装を「イヤな作業」と思いたくない。
とりあえず、マスキングの段差さえ目立たなければいいや。不器用なギザギザはゆっくりやれば何とかなる。


●厚紙にマスキングしてリキテックスの塗り分けテスト。右はリキテックスのハイグロスバーニッシュを一度塗っただけ。左、ファレホのバーニッシュを何度も塗って分厚くしたら、段差が消える! バーニッシュの表面で光が反射するので下の絵具の反射が目立たなくなる。トップコートを分厚く吹けば大丈夫かも。






段差、ほぼ消えた。水性プレミアムトップコートを7回くらい吹いた。4回くらいだとマスキング段差がちょっと浮く。ピンク部分の紫色の汚れはサンドペーパーの粉を拭き取ったときに染まったもの。本番では修正上塗りするから問題ない。


あと、「ファレホのバーニッシュはホントに剥げるのか?思い過ごしじゃないのか?」について。やっぱペリペリと剥げた。ファレホバーニッシュと同じ水性ポリウレタン系のバーニッシュやニスはどれも剥げるのかも。今取り寄せ中のやつもダメかもな。。。

これはリキテックスの上だけど、ファレホを塗った上にファレホバーニッシュを塗っても剥げるんだよ。完全硬化すれば非常に強い皮膜になるのだが、それでも強く引っ掻けば剥げる。

最近観た映画メモ「東京物語」他

U-NEXT「まもなく終了」を先に観る特集。なかなか先に進めない原因の、「まもなく終了」と「有効期限のポイント消化」は一ヶ月ごとに来るw 

●ハンバーガー・ヒル(1987年)

ベトナム戦争、1969年。ある丘を確保する過酷な戦いに臨む空挺師団の話。ジョン・アーヴィン監督。大勢の若い俳優が出てるけど、見覚えあるのは「アイアンマン」とかに出てるドン・チードルと、ドラマ版「シャイニング」(1997年)でジャック・トランスをやったスティーヴン・ウェバーくらいか。兵士を演じる俳優たちの年齢が僕と同世代ってところに感慨。

戦闘中でない日常の描写がすごくイイ。隊にはいろんな境遇やいろんな考えの人がいて、故郷での人生を中断されて兵士になってる。誰もここにいたくないって感じがリアル。戦場に戻って来ざるを得ない男もいる。新兵も配属されてくる。戦闘シーンは、今となっては割と淡々としたおとなしい描写に見えてしまうけど、不必要な誇張がされてないってことか。

4大ベトナム戦争映画では「プラトーン」が印象近いかな。でも、大勢のキャラクターが入れ替わり立ち替わりの群像劇っぽいので、より現実的な感じはした。もちろん、楽しい映画じゃなく、はやく終わってくれ。僕だってそこにいたくない!って。

●くもとちゅうりっぷ(1943年)

戦時中に作られた、16分の短編アニメーション。白黒。ずいぶん前に知った、というか中1頃に百科事典のアニメーションの歴史の項目で知ったはず。ようやく見れた。

てんとう虫の女の子を巣へ誘惑するクモ。救いの手を差し伸べるチューリップ。ミュージカル仕立て。同時代のディズニー作品とはもちろんくらべものにならないけど、戦時中にここまで力を入れて作ったのはすごい。

クモのキャラクターは今はキツいだろう(実はけっこうえげつない悪役なのに、ぜんぜん悪く見えないw)。嵐のシーンで出てくるミノムシはめちゃくちゃカワイイ! ここだけ、現代のキャラとして通用しそう。

●桃太郎 海の神兵(1945年)

「くもとちゅうりっぷ」を観てしまったら、こちらも観ざるを得ない。桃太郎一行を日本軍、鬼ヶ島をアメリカ軍(というよりイギリス軍に見える)に見立てた、思いっきり国策アニメーション。雑誌「FRONT」みたく、必死で背伸びして文化的な豊かさを見せようって意図があったのかも。たぶんアニメーションで戦ってたんだろう。

観るのはかなりしんどかった。現地の動物たちを巻き込んだ明るい八紘一宇な思想もキツい。しかし、戦争末期にこんなに手の込んだアニメーションを74分って驚異的。「桃太郎の海鷲」(1943年)に続く2作目。ストーリーは太平洋戦争初期の雰囲気なのに、時間かかりすぎて戦争末期に。アニメーターの大半が招集されてしまい人手不足も。瀬尾光世監督。

絵の様式が未完成で、全体に洗練されてない。動かす必要がないところまでしつこくグニャグニャ動いてて違和感ある。メインキャラのアップの描写はクドくて見てられないものの、遠景での省略描写、水に映った描写などは、良いところも多い。やはり、メインでは力みすぎてる感。

大勢の動物キャラがミュージカル仕立てでいっしょに何かしてる系の描写が多く、時間も長い。気が遠くなるような作業量。完成度は別として、圧巻。

「くもとちゅうりっぷ」のてんとう虫キャラと同じく、口の表現が奇妙。戦後マンガの様式成立前のおちょぼ口がいっしょうけんめい動く様は、浮世絵からの表現の呪縛から逃れられないんだろうか。

クライマックス前の鬼ヶ島の歴史のパートは作風がぜんぜん違って大人向けなシルエット調でなかなかイイ。やはり、「子供向け表現はどうすべきか?」って部分で四苦八苦してたんだなとわかる。

音楽や歌などは、僕的にもなつかし目な60年代のNHKの子供向け番組に雰囲気が残ってる。

飛行場や空挺部隊の描写など非常に濃い。綿密に取材したんだろうなあ。戦闘シーンも非常に生々しい。山下大将か、、、、。

あ、あのキャラはw っていうか、ハリウッド映画大好きでアメリカも大好きだったはずの日本人がこのアニメーションを作ってるときどう思ってたんだろ。あと半年ほどで敗戦。

セルが貴重品で、撮影後洗って再使用してたってのは泣ける。NHKがビデオテープを上書き使用してたみたいな。

「桃太郎 海の神兵 / くもとちゅうりっぷ デジタル修復版」カップリングのブルーレイがあるのね。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01ELLY78O/ref=pe_1895532_416442742_em_1p_0_ti

●男はつらいよ(1969年)

シリーズ第一作。山田洋次監督。渥美清、倍賞千恵子。テレビドラマの最終回の不満を受けたリブート版がこれ。なんとなく大昔から続いてた映画シリーズってイメージだったけど、1969年が小1だった僕的にはほぼ現代。69年の風景ってマイルドでいいねw

20年ぶりに柴又に戻ってきた寅さんが、妹さくらのお見合い会席をぶち壊して逃亡し、旅先で偶然出会った幼なじみの冬子に入れあげる……という話。

途中まで寅さんがウザすぎたけど、中盤以降はさすがに引き込まれた。日本人的に何かツボを押されるものがあるんだろうな。特別出演の志村喬の重み! 「マドンナに惚れる→ダメでした」が、やたらあっさりしてる印象。盛り込むことが多すぎたのか。

驚くのは、テレビドラマ版を経ているとはいえ、渥美清演じる寅さんのキャラクターの完成度。第一作で完璧に完成されてるってすごくない? と思ったら、ドラマ版は26話もあったのか。そりゃ完成されてるわ。

1976年、中1の1月前半、友達といっしょに「トラック野郎」を観に行ったら終わってて、しかたなく、「男はつらいよ 葛飾立志篇」とドリフ映画「正義だ!味方だ!全員集合!!」を観た。テレビで断片的に見る以外でちゃんと観た「男はつらいよ」は今回第一作を見るまでその一本だけだった。(その直前に「ジョーズ」を観たことが、その後の進路を決めるきっかけになったのだった)

●東京物語(1953年)

小津安二郎監督。笠智衆、原節子、杉村春子、山村聡、香川京子がカワイイ! カメラ固定で往復するアレを積極的に見たいとは思わなかったけど、やはりウザい。カメラが向くたびにいちいちこちらを振り向き直されるのは、僕的にものすごく苦手。神経を逆撫でされる。

尾道から東京に出てきた老夫婦。長男や長女をたずねるもそっけなくされが、8年前に戦死した次男の妻だけはあたたかく接してくれるが、、、という話。

親子や家族のリアルの話。ほのぼのしてるようで、ちょっとキツい話。前半、これはちょっとノレないかなとも思ったけど、後半になったら没入してた。さすがに良かったです。

2021/03/12

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最近観た映画メモ「ファミリー・プロット」他

「なぜか観てなかった映画を見るシリーズ 落穂拾い編」の80年代に戻る前に、やはりヒッチコックの残りが気になっちゃって、先に観てしまうことにする。白黒時代で観てないものはまだたくさんあるので、追々観ていく。

●泥棒成金(1955年)

上流階級しか狙わず洗練された腕を持つ宝石泥棒ジョン・ロビー。戦後はレジスタンスの英雄として恩赦され、引退して優雅な暮らし。しかし、まったく同じ手口の泥棒が現れ、昔の仲間や警察から疑われる。偽物の正体をつかむために罠をしかける……という話。

アルフレッド・ヒッチコック監督。ケイリー・グラント、グレース・ケリー、ジョン・ウィリアムズ。リヴィエラ、モナコなどロケ。立体的な眺望。前半のクルマの追跡の空撮が圧巻! 1955年頃だとまだヘリコプターじゃなく飛行機かな。めちゃくちゃ美しい撮影。

ストーリーは多少ゆるいけど、グレース・ケリーのプロモーションビデオって感じでぜんぜんOK。よかったです。っていうか、全編がうっとりするくらいゴージャスな観光映画+リッチな人々の描写。思わずロケ地など検索してストリートビューやGoogleアースで見ちゃったよ。

https://video.unext.jp/mylist/favorite?td=SID0026281

●ハリーの災難(1955年)

森に横たわるハリーという男の死体。通りがかる何人もの男女がそれぞれ自分が殺したのではと思い込み、埋めたり掘り返したり、共謀したりくっついたり、変な方向へ転がっていく……という話。

アルフレッド・ヒッチコック監督。エドマンド・グウェン、ジョン・フォーサイスなど。シャーリー・マクレーンはこれがデビュー作だそう。

ものすごいのんきな舞台劇を見てる感じw 大きな山場が無く淡々と展開される。つまらないと言えばつまらないんだけど、人物キャラクターがそれぞれ一癖あって、飽きない。バーモント州の紅葉がめちゃ美しい。気持ちに余裕があるときにゆっくりもう一度見たい感じ。

●ファミリー・プロット(1976年)

ヒッチコックの遺作。日本公開は1976年8月。「ジョーズ」をきっかけにロードショー誌など読み始めた頃、新作映画として紹介されてたと思う。サイレントの20年代から50年、まだ現役の監督だった。この映画に出てくる70年代半ばの風景や人や小道具は、もう完全に現代。(前作1972年の「フレンジー」は、ロンドンで撮られたとはいえ、「現代」には見えなかった)

完全犯罪を繰り返す誘拐犯の宝石商カップルと、遺産相続が絡む行方不明者を探しているインチキ霊媒師の女とタクシードライバーのカップル。鍵となるある人物をきっかけに両者が接近することになる。。。という話。

こちらも多少ゆるい感じはあるけど、コメディっぽい軽妙なタッチはよかった。ラスト、ヒッチコック本人にウインクされたかと思った。「じゃあね」ってw 人を食ったような面白い後味。

出演、ブルース・ダーン、カレン・ブラックなど。エド・ローターは「ロンゲスト・ヤード」などでもすごいいい味出してて好き。音楽がなんとジョン・ウイリアムス。「ジョーズ」と「スター・ウォーズ」の間の時期。テーマ曲はなぜかなじみ深い。当時、FMラジオで録音したかも。

2021/03/07

3Dプリンタ作品、側転ちゃん その3 完成


完成〜!
いつも思うんだけど、最終工程のトップコート吹き。仕上がりを左右する最も重要な工程が、缶スプレーっていうものすごい不安定な運任せのツール。最低4〜5回くらい噴霧と乾燥を繰り返さないとツルッツルにならないんだけど、吹いてる時間が長くなるほどホコリがついたり大きな飛沫が飛んだり、垂れたりする危険も増大する。

今回で言うと、昨日5〜6回吹いてもう完成だと思ったら、お尻下部あたりがザラザラのまま残ってた。しかたないので今朝また2回ほど吹いたんだけど、吹きすぎてしまい垂れ下がる始末。氷柱のように垂れ下がってきた箇所を紙にくっつけて除去してなんとかセーフだったけど、ヒヤヒヤもの。(相当垂れてても、完全乾燥してしまえばほぼ平らになるんだけどね)
筆塗りできるトップコートやニスなどいろいろ試してるんだけど、どれもイマイチ。ルアー制作に使うエポキシかウレタンが良さそうだけど、溶かしてしまう可能性もあるし。

ところで、今回は「複数いっぺんに作るより一個だけのほうが、作業がどんどん進んでスピード感出るんじゃないか?を試してみる」がテーマだったわけだが、、、結局、出力用に3Dデータを整えるところから数えて11日かかってる!! フルパワーのかかりきりじゃなく、どちらかというと片手間に1日に長くて6時間くらいしか使ってないけど、11日って! かかりすぎ! 塗装がラクなものを選んだのに! 1個だったら2〜3日で完成させたいなあ。。。


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2021/03/06

最近観た映画メモ「ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!」他

ポイント消化のための最新有料ポイント映画特集、後半4本。

●ペット・セメタリー(2019年)

スティーブン・キング原作。ケヴィン・コルシュ、デニス・ウィドマイヤー監督、ジェイソン・クラーク主演、ジョン・リスゴー他。

1989年版は3年前に観た。前半はほぼ同じ印象で、ちょっとブラッシュアップされてるだけな感じ。クライマックス前まではなかなか良かった。前作の男の子は笑わせようとしてるんじゃないか?的おかしさがあったけど、今作の女の子は非常に禍々しくて良い。

クライマックス以降、あのどうしようもない衝動というか切なさを出す方向ではやってくれなかったか。意思の無い自然現象みたいな感じがよかったのにな。なんか楽しそうに見えるラストw

●ソニック・ザ・ムービー(2020年)

「予告編を見たネット民の反応によってキャラデザインが変更に追い込まれた」で記憶されるだろう映画だし、ポリコレ度合いが非常に強い。今のエンターテインメントの置かれた状況を象徴する映画なのかもしれない。

ジェフ・ファウラー監督、ジム・キャリーはいい味出してる。ジェームズ・マースデン、若者かと思ったら1973年生まれなのね。

地球に逃げてきたソニック、一人で楽しく暮らしてたが、寂しさがつのって暴れてたら電磁パルスを発生させてしまって大停電を引き起こし、政府が雇ったドクター・ロボトニックに追われることになる。助けたのは町の警官トムで、、、という話。

ものすごく軽く普通な娯楽映画だったw まあ面白かったし、キャラクターを活かすのも成功してると思う。

ソニックにほとんど思い入れがない僕的には、実写の人間と共演する際の違和感を少なくするには変更前のソニックもアリと思ったけど、映画のテイストからしたら、変更後キャラの方向でぜんぜん大丈夫だったじゃん。という印象。

ただ、ポケモン映画も同様だったけど、毛が細かすぎで、顔のアップの際のサイズ感が変になる。あと、やはり毛ではなく「トゲ」でなんとかするべきだったんじゃないか?もあるけど、割とうまいこと毛にトゲを混ぜる形で解決してた。

●ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年)

フィンランドの村のヘビメタバンドの若い4人はライブもしたことなく自作曲もない。ある偶然からノルウェーのフェスに出られるチャンスが舞い込む。。。というコメディ。
https://youtu.be/DcEMKYIVaQU

めちゃくちゃ面白かったし笑えるところ多い! ここ1年くらいでは「ジョジョ・ラビット」と「エレファント・マン」に並ぶくらい好き。主人公のトゥロやメンバーもいいし、脇役の村の人とか道中出会う人たちとか全部イイ。作品や才能を世に問いたい若者たちって点でキュンとするところもたっぷり。

「アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~」もヘビメタバンドの話(ドキュメンタリー)だったけど、よかったなあ。見た目や音楽とは裏腹に、すごい純粋で繊細。

「ライオンから堂々と餌を盗む3人の動画」、見たことあるわw

●囚われた国家(2019年)

ルパート・ワイアット監督。ジョン・グッドマンって「フリントストーン」の人か! いい顔だなあ。他、ヴェラ・ファーミガなど。

宇宙からの侵略者に支配された地球。レジスタンスたちは反撃の火をつけようと爆破テロを計画する。。。という話。SFでなくても成り立つレジスタンスもの。「アルジェの戦い」をモデルにしてるそうで、なるほど。手持ちカメラの臨場感も効果的。

ただ、暗いばかりで楽しめるポイントがほとんどないし、予告編やキービジュアルの「ものすごくSFなイメージ」は、本編にはあまり出てこない。宇宙人もほとんど見せてくれない。ちょっと肩透かし。若い世代が観ると現状打破的な共感があるのかもしれないけど。あと、ポリコレ的に「ソニック・ザ・ムービー」と同じ部分アリ。

2021/03/05

3Dプリンタ作品、側転ちゃん その2 作業動画

 フィギュアの塗装作業の動画を初めて撮ってみた。タイムラプス主体になったけど、再生速度を調整したところもあったり。ピンボケ失敗部分も混在。


あとはスタンドの接着とトップコート吹き。

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2021/03/02

最近観た映画メモ「TENET テネット」他

ポイント消化のための最新有料ポイント映画特集、前半

●TENET テネット(2020年)

時間を扱ったクリストファー・ノーラン監督の話題作。面白さのポイントがイマイチよくわからなかった。レビュー見るとみなさんわからないようなので、ちょっと安心w

「実はテストでした」とか、それほど重要と思えない部分をド派手な見せ場にしてることが多くて、本筋が何なのかよくわからなくて紛らわしい。シチュエーションと映像を見せたいだけなのかも。確かに、IMAXカメラで撮影された映像はめちゃくちゃ美しいし、ものすごく前のめりに次々に派手なイベントを見せてくれるのはそりゃ最高!

残念ながら、時間の逆行は映像としてあまり面白くない。特撮無しで時間を遡る演技や仕掛けを働かせて撮影するのが監督として面白いのはわからなくもないけど、絵面としては面白くもなんともない。ルールや仕組みはだいたい読み取れたと思うけど、それを踏まえたからといって、面白いかどうかとは別。

あと、因果関係の逆転やその場に複数の自分がいて何か操作してるってのは、「時間=物語は不可逆だからこそ面白い」から外れてしまう。僕的にインタラクティブを面白く感じないのと同じく。

こだわりの実写という意味でも、本物のジャンボジェットを使った大掛かりな場面も、「ダンケルク」なんかと同じく、確かに本物を撮った密度はわかるけど、画面に映ってる以上でも以下でもないのは味気ない気がした。あと、ノーラン監督的には毎度のことだけど、やかましい音楽に神経を逆撫でされて気を削がれる。

・シネマトゥデイ「【ネタバレ注意】『TENET テネット』解説&考察:迷子にならないためには」
https://www.cinematoday.jp/page/A0007447

・「難解映画【TENET テネット】攻略-文系にもやさしい徹底解説・考察 ※ネタバレあり」
https://note.com/iso_zin_/n/n1735240d4cfa

二度目の方が面白いらしいので再度ざっと観てみたけど、あまり印象は変わらなかった。

「世界に散らばった9つの○○を集める」って「ドラゴンボール」みたいなw あと、「プレデスティネーション」を観たばかりなので、時間の扱いの違いは面白かった。「プルトニウムを奪取」って、「太陽を盗んだ男」にもあったな。

●2分の1の魔法(2020年)

修行も不要でラクな科学技術の普及で魔法が廃れたファンタジー世界。エルフのイアン、16歳の誕生日に母親から渡された亡き父親の魔法の杖&石で、1日だけ父親を復活させようとするが失敗、下半身が現れたところまでで止まってしまい、石も失われてしまう。もうひとつ魔法の石を手に入れる冒険へ兄のバーリーと共に旅立つ、、、という話。

モンスターズユニバーシティやトイストーリーなどでも描写される、アメリカ西海岸の中産階級のティーンエイジャーの日常がイイ。監督やスタッフたちはこういう感じに育ったんだろうな。

印象としてはちょっと小粒な感じだけど、良かった。安心して観てられる。モンスターズユニバーシティ的に何でもアリ的にぶっ飛んだキャラがいっぱいいて良さそうなのに、ずいぶん抑えてる印象。ピクサーらしい特別感があまり無い代わり、画面の密度が一段階上がってる。カーチェイスとかすごい。ラスト、感動ポイントのずらし方がニクい。

主人公のイアンは、若い頃のジョージ・ルーカス(ルーカスのILMの一部門がピクサーのルーツ)に似せてる? あと、「インディ・ジョーンズ」オマージュ多い。

母親の声が近藤春菜。顔が似てるからキャスティングされた? 棒読みっぽい感じのところもあったけど、まあOK。でも、顔と声が一致しちゃうと、春菜が出てるように思えちゃうのはNG。

●ミッドウェイ(2019年)

ローランド・エメリッヒ監督。中国資本が入ったアメリカ映画? の娯楽大作とはいえ、それほど変な感じしない。よく出来てると思った。太平洋戦争の何年も前〜真珠湾攻撃〜東京初空襲〜ミッドウェイ海戦までを詰め込んでて、そこまで広げなくてよくない?ってのはあるけど。「パールハーバー」もそんな感じだった。

日本が追い詰められて暴発って点を踏まえて必要以上に悪者にしてないし、日米双方が死力を尽くしての戦い、妙に爽やかな印象さえある。

映像は安っぽいCGではなく、念入りに作られてる。ウォーターラインシリーズのプラモに夢中になってた頃からの「こういう映像が見たい」ってのが全部見れた感。対空砲火がいくらなんでも派手すぎな点以外w

豊川悦司の山本長官にはびっくりした! 悪くない!

ミッドウェイ海戦で勝ったとしても、すぐに巻き返されたはずというのが定説になってるけど、この映画の雰囲気だと日本軍マジ強く、米軍の士気は最悪。ミッドウェイ海戦で米空母3隻がやられたらもう空母も戦艦も0隻になって、ハワイ→西海岸まで来られたら手の打ちようが無かったとかなんとか。そこまでひどくはないだろw 弱かった敵でも超手強かった敵ってことにして、それに勝った俺らスゴイ!ってのが常套手段らしいけどね。

ミッドウェイ海戦のIfについてはいろいろ語られてるけど、実際のところ、アメリカ的にはミッドウェイを取られたらオーストラリアと東南アジアへアクセスできなくなり、反撃のハードルが相当上がったのは事実らしい。そこで日本に有利な停戦交渉ってのは有りえたんだろう。

ところで、陸軍が「海軍は俺らを戦地に運んでくれりゃそれでいい」的に言うの聞いたの最近3度目w