2021/05/25

行方不明だったSmoky 3色セットを発見!



2015年以来、行方不明になっていた「Smoky 3色セット(織田さんに作ってもらったもの)」を発見! 同じく行方不明だった「MoonFox」も同じ箱に入ってた。

2015年5月に部屋で撮った写真はあるのだが、それ以降、貸し出しとかしてないはずなのにどこにも見当たらなかった。物置部屋やクローゼット、トランクルーム。機会があるたびにあちこちひっくり返して探してた。ここ数日も、物置部屋の棚などを整理したついでに探したし、荷物を取りに行くついでにトランクルームも探したのに……。

今朝、物置部屋の反対側の足元の紙袋や荷物の下、フィギュアが入ってるとは思えないひしゃげた段ボールの中に入ってるのを見つけた。6年も探してて、そこを見なかったのか〜!


この地層か煙的な塗り分け作品の実物を見せられないのはもったいない。と思ったから、改めて大きいサイズのを作り始めたんだぞw この3つ、スタンドがほしいな。そのうち作ろう。

Smokyは2セット分作ってもらって、1セット分はClutter Galleryで売れた。
https://shop.cluttermagazine.com/art-toys/smokey-blue

2014〜2017年頃は、立体制作のあまりの大変さに(2013年の大型立体8個作った反動w)、「費やす時間の長さと作業の労力とか考えたら、プロに作ってもらうほうがぜんぜんいいや。上手いし速いし。」ってことで、織田さんに何度も作ってもらってた。このSmokyとかも、めちゃくちゃ美しい仕上がり。

その後、「やっぱ自分で作りたい!」に戻ったw

2021/05/14

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最近観た映画メモ「永遠の門 ゴッホの見た未来」他

「配信終了間近」1本とその他2本。3本とも画家の話。ちっとも80年代映画の続きに戻れないけど、あと数本はポイント消化系の新し目映画の予定。

●永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年)

普通の意味の「劇映画」じゃなかった。監督はジュリアン・シュナーベル。デフォーとゴッホをモチーフに撮った映像芸術作品って感じか。濃い映像が非常に美しい。

ウィレム・デフォー、顔は確かに合ってるけどやはりジジイすぎるよ、、、ゴッホって若者だもん。せめて20年前のデフォーなら。オスカー・アイザック、冒頭出てきた瞬間に「あっ!ゴーギャン」ってわかるくらいなりきってる。ラストは最近の説が取り入れられてる(ただし、「西部劇のような」は、映画の西部劇が成立するずいぶん前なのでちょっと不自然?)。

手持ちカメラによる撮影、めちゃくちゃ酔う! 勘弁してくれ!ってくらい。「クローバーフィールド」並み。揺れる手持ち撮影って臨場感の代わりに没入感を失う。中盤以降は割と普通に見れるようになってきたものの。

後半、牧師との対話がスリリング。圧巻。その後のガシェ医師との会話と合わせて、絵画とは何か、芸術家とは何か的な問いかけがされている。画家である監督自身の問いかけなんだろうな。同監督の「バスキア」も観る予定。
https://video.unext.jp/?td=SID0047462

ところで、ガシェ医師って、たまたまゴッホの担当になったオーヴェールの美術愛好家の精神科医、と思ってたけど、Wikipedia見たら、謎がとけた。→ガシェは絵を描く上に、ゴッホの担当になる18年も前からピサロやセザンヌと交流持ってた。ファン・ゴッホ自身が、ピサロと親しいガシェを頼って、オーヴェールに行ったんだそう。テオもガシェを知ってて賛成。1909年に亡くなったときにはヨーロッパ最大級の印象派コレクションを持ってたって!! もともと只者ではなかった!

あと、オーヴェールってどこなのかイマイチはっきりしなく、また南フランスなのかな?とか思ったら、パリの北東すぐのところだった! 中心部からでも25kmかそこら。近っ!

あと、これはしばらく前に知ったんだけど、、、アルルやサン=レミ、プロヴァンスも、漠然とフランスの南のほうと思ってたら、地中海に接した南端、マルセイユあたりだったのね。

●ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(2017年)

イマイチ売れないゴーギャン。パリに限界を感じ、タヒチへ家族とともに渡ろうとしたが妻に断られ、単身向かう。島では13歳の幼妻との暮らし、絵も描き、弟子もいたりするが、金がなくなり肉体労働、健康を害してフランスに送還されるまでの話。

エドワール・ドゥリュック監督、ヴァンサン・カッセル主演。「ブラックスワン」で見たことあるけど、オスカー・アイザックやアンソニー・クインにくらべるとちょっと線が細いというか、ゴーギャンの粗野で体力ありそうなイメージじゃない。当時40代前半なわけだし、やはり老けすぎ。

ひたすらゆったりとした進行と美しい自然。派手な事件とかあまりなくて静かだけど、退屈はしなかった。

タヒチって未開の南国の楽園ってイメージあるけど、19世紀末には首都パペーテは文明化しすぎてゴーギャンが逃げ出したほど開けてたそう。映画でも島民にキリスト教が浸透済み、すでに南国を売り物にした観光地になりつつある。「バウンティ号の叛乱」はこの120年前。

調べると、実業家や画商としてそこそこイケてたゴーギャンの転落と画家への転身、妻と5人の子供を捨てたり、タヒチでの好き放題の生活など、アンソニー・クインが演じたイメージそのままのけっこう「ひでえヤツ」。ゴーギャンがモデルの「月と六ペンス」は1942年の映画化のみか。キーファー・サザーランドとナスターシャ・キンスキーが出てるゴーギャンを描いた映画「シークレット・パラダイス」(2003年)というのがあるらしいけど、配信には見当たらない。

●バスキア(1996年)

ジャン=ミシェル・バスキアの伝記。それほど劇的な盛り上がりとか成功物語とかではなく、監督のジュリアン・シュナーベルが、友人だった彼の物語を暖かい目で描いて残しておいてあげようって感じの映画。ゲイリー・オールドマン演じる架空の画家がシュナーベルの役割。お皿破片の絵も出てくる。

バスキア役はジェフリー・ライト。ウォーホールになり切ってるデヴィッド・ボウイが素晴らしい! カツラは本物だそう。身長が高すぎるんじゃ?と調べたら、ウォーホールって180cmあったんだ!(178cmのボウイのほうが低い!) で、バスキアが184cm!! 高身長の世界w

脇役がものすごいメンバー。ベニチオ・デル・トロやデニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケンやウィレム・デフォー、ギャロやサム・ロックウェル、テイタム・オニールまでチラッと出てる。他にもいろいろ。それぞれの演技見てるだけでも相当楽しめる。

40年前のニューヨークのアートの世界の再現、渦中にいた一人が作ってるわけで、たぶんリアルなんだろう。いろいろ興味深かった。まあ大変な世界なのは確実で、うらやましい感はあんまりないけどw

冒頭、「ファン・ゴッホの神話」について触れてる。やはり、シュナーベルは「永遠の門 ゴッホの見た未来」を究極の芸術家物語として撮っておきたかったんだろうな。

2021/05/09

最近観た映画メモ「パシフィック・ウォー」他

前回から10日もたってるけどイレギュラーで追加した2本のみ。他にも60年代の石原裕次郎や三船敏郎の戦争映画をマイリストに追加したけど、「なぜか観てない映画を観るシリーズ落穂拾い編」を終えてからにする。このペースじゃ今年中に終わらない。

●パシフィック・ウォー(2016年)

「ジョーズ」でも語られた「インディアナポリス号の悲劇」を描く映画。原子爆弾の部品をテニアン島に運んだ後のまだ極秘任務中に日本の潜水艦に撃沈され、鮫の海に放り出された乗組員たちの運命。マリオ・ヴァン・ピーブルズ監督。ニコラス・ケイジがマクベイ艦長役。伊58艦長は竹内豊。竹野内豊かと思ったら別人の俳優。いい役。

タイトルが出てすぐの初っ端から「ライトグレー塗装の零戦が爆弾ではなく増槽をつけたまま編隊で飛んできて特攻する」はいくらなんでもひどい。検索すると、なんとこの攻撃は零戦ではなく陸軍の隼部隊だったとのこと。何ひとつ合ってない。

娯楽大作っぽい雰囲気を出したかったんだろう、ダンスシーンや恋愛要素や親友話や黒人と白人の水兵たちの確執など(監督は黒人)、要素が多すぎて過剰感。帰国後の軍事裁判や伊58艦長との話などはなかなか良かったんだけど、やはり描写が雑なのが残念。特に、あのラストに行き着くまでの経緯がすっ飛ばされてて、ものすごい唐突感。

全編、CGが信じられないほど安っぽい。前半の回天攻撃のところなんか、ニュースのために即成で作った説明CGのよう。

その回天シーン、何がどうなってるのかよくわからなかった。何度か確認したら、「インディアナポリス号で行われた砲撃訓練」と「伊58潜水艦が商船を回天で攻撃」っていう無関係の2つのシーンを関係あるように編集してたのか……なぜ?? フェイント?? 両者に因縁があるように誤解してもらうのを狙った?

 (回天の実際の突入時は潜望鏡を見ながらじゃなくほとんど勘に頼った操縦で、当たらないことも多かったらしい。あと、あそこまで回天と搭乗員を描写したのなら、使わなかった理由と搭乗員の反応はちょっとでも入れてほしかったな)

しかし、今さら「タイタニック」の沈没シーンの表現をひとつひとつ真似する必要が?? 20年近くたってるのにCGが退化してるぞ。。。他にもCGというかデジタル合成のひどいアラがあちこちにあって、ギョッとさせられること度々。

サメ映画としてもどうなんだろ。まったく怖くないし。やっぱサメを見せすぎなんだろうなあ。あと、襲撃シーンが全部同じフォーマットで最後に画面が赤くなるパターン。もうちょっとなんとかできなかったのか。。

内容以外の要因もあったんだろうけど、結果、製作費4000万ドルに対して興行収入が210万ドルっていう、桁違いの大コケ。。。

正直いうと、描写や表現に大きな難はあるものの、退屈はしなかった。こだわりの目で見なきゃそんなに悪くない娯楽映画なのかも。「パールハーバー」+「タイタニック」+「サメ映画」+「ア・フュー・グッド・メン」?

原題の直訳は「インディアナポリス号 勇気ある男たち」で、「パシフィック・ウォー」って邦題なんだ、、、ひでえ。

などなど、映画メモが長い映画ほど楽しめている証拠。その意味ではめちゃくちゃ面白い映画かも。コメント欄に続くw



◯雑な画面処理にギョッとしてスクリーンショットした3つ。

(上)テニアン島の基地。距離感がおかしい。様々な要素を合成してるけどパースが合ってないっぽい。

(中)右上の漂流者は「画面的にちょっと足りないので足そう」ってことだったんだろう。単に重ねてあるだけ。波が素通りしててものすごく不自然。

(下)ピックアップトラックが止まり、男が降りてドアを閉めるが、まったく揺れない。たぶんこのクルマは静止画のCGを書き割りのように合成。他2台のクルマも同様。

おまけ。「ジョーズ」の「インディアナポリス号の悲劇」のシーン。古傷を見せ合うところからのこのシーンは今見てもホントによくできてるなあ。スクリーンショットを撮るために見返したけどやはり引き込まれた。

76年に見た時、原爆の部品を運んだ後のインディアナポリス号が日本の潜水艦に撃沈された話は本で読んで知ってたため、「あ、あの話だ」ってわかった。鮫の海に放り出された水兵たちの過酷な運命を語るロバート・ショーの表情が素晴らしい。

「漂流者たちが円陣を組んで近づいてくる鮫を叫んだり叩いたりして追い払う」や「知り合いが漂ってたのでゆすったら下半身がなかった」とか「発見されてから救助されるまでの間が最も怖かった」を「パシフィック・ウォー」でも少しはやってくれたら、映画の世界つながりでの大きなリアリティアップになったのにな。あるいはクイントって名前の水兵を出すとかw

そういえば、ロバート・ショーの話ではイタチザメだったのに、「パシフィック・ウォー」ではナショジオまで持ち出してホオジロザメを強調してた。

●人間魚雷出撃す(1956年)

インディアナポリス号を撃沈した伊58と搭載回天の搭乗員たちの話。「パシフィック・ウォー」を日本海軍側から描く。「マクベイ艦長の裁判に呼ばれて証言する伊58の橋本艦長」から始まる(実際には予備尋問のみで帰国させられた)。古川卓己監督、石原裕次郎主演、長門裕之他。

伊58の作戦行動は史実よりかなり盛り気味(伊58ほとんど唯一の戦果であるインディアナポリス号撃沈の他、フィクションで大戦果を上げまくってる)なものの、おおまかには沿っている。「インディアナポリス号攻撃の際、回天を使わなかった理由と搭乗員の反応」はさすがにちゃんと描いてる。

僕的に「パシフィック・ウォー」の裏返しとして興味アリアリで観たから大丈夫だったけど、たぶんあまり面白い映画じゃないかも。特に、後半の爆雷攻撃なんか緊迫シーンなはずなのに、あまり盛り上がらなかった。

石原裕次郎の魅力が発揮できてない? 長門裕之は初々しいw それでも、艦長と回天搭乗員たちの心や交流、他乗組員たちの明るさなど、よかった、っていうか潜水艦って楽しそう!って思っちゃうくらい描写が明るいw

撮影の潜水艦は何を使ったんだろう? 実写や本物を使ってる部分はビジュアル的には相当ハイクオリティだけど、ミニチュア特撮部分はイマイチ。水面スレスレで撮らなくちゃいけないのに、俯瞰で撮っちゃ台無し。