2021/04/30

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最近観た映画メモ「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」他

ちょっとペース落ちてる。80年代映画はまだ残ってるけど、今回はポイント消化特集。

●ようこそ映画音響の世界へ(2019年)

映画の音響に関するドキュメンタリー。無声映画〜トーキー映画〜ステレオ〜多チャンネルの歴史や、革新的な音響スペシャリストたちについて。「スターウォーズ」「地獄の黙示録」「プライベートライアン」やピクサー作品など豪華作例多数。以前観た「すばらしき映画音楽たち」(2017年)とスタッフが同じ姉妹編。めちゃくちゃ面白かった。照明や衣装やメイクアップや撮影など、どんな分野のスペシャリストたちの歴史のドキュメンタリーでも面白くなりそう。

「音が与える印象は映像よりずっと強い」!
2003年、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(第三作)」を映画館に観に行く前の日に、未見だった「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(第二作)」のDVDをシネマディスプレイ(23インチ)で見た。音はパイオニアのワイヤレスサラウンドヘッドホン。翌日、「本物の大スクリーン」で第三作を見て、「あれ?」と思った。前日ディスプレイで見た粗いDVD画質の第二作と迫力の点で同等だったのだ。その時、迫力や臨場感の点で、視覚より聴覚のほうが効いてるかも。。と初めて思ったのだった。そういえば、最近音量ボリュームを小さくして観てること多いな。ヘッドホンで大きな音で観よう。

このドキュメンタリーでは、映画は1976年の「スター誕生」でバーブラ・ストライサンドがステレオ音声の価値を認めて初めて取り入れたということになってるけど、それ以前は映画はステレオじゃなかったって? そんなわけあるかよ??と調べたら、70年頃まで、ミュージカルなど音楽主体の映画以外はほとんどがモノラルだったとのこと。先にステレオ化が進んだレコード音楽に比べて映画は完全に取り残されてた。

70年代後半のコッポラやルーカスやスピルバーグたちの革新によって現在の映画音響が出来上がっていく。その直前まで、60年代からのどん底だったハリウッドの映画会社の重役たちは「音は重要じゃない」って言ってたそう。劇場の設備がステレオ対応になるのにも時間がかかったが、ドルビーステレオも普及していく。

「地獄の黙示録」(1979年)が5.1chサラウンドを取り入れた(というか手探りでゼロから開発)のは、冨田勲の影響ってのが誇らしい(音楽を依頼しようとしたけど契約の関係で実現しなかったらしい。冨田勲はコッポラに招かれてフィリピンのカーツ王国のセットまで出かけたそう。アルバム「宇宙幻想」に入ってる「ワルキューレの騎行」はその関係らしい)。

http://eigaonkyo.com/

◯映画のステレオのことを検索してたら、3D映画「肉の蝋人形」(1953年)の音声として立体音声のステレオが使われたという記述。この映画、僕的に「大昔テレビで見てめちゃくちゃ怖かったけど、なんていう映画が不明」なやつかも! 調べると、1933年の「肉の蝋人形」のリメイク。人間を蝋人形に加工して展示する男の話。火事で燃える多数の蝋人形から死体が出てくるやつ。「お前も蝋人形にしてやろうか?」で、1993年に三度目の映画化されてて、その際のタイトルが「蝋人形の館」w モロだ。

↑ と思ったんだけど、YouTubeの映像断片やあらすじを調べると違うかなあ。。。ラストは火事で巨大なからくり時計で回ってる人形が溶けて、死体が露出するみたいな感じだった。

●パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(2006年)

シリーズ第2作。ラストまで観て知った。これと3作目の「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」で、前後編。っていうかそもそも1〜3で三部作とのこと。2時間半、長いのがんばって観たのに3作目を観る気があまりしないw

ゴア・ヴァービンスキー監督、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ。

第1作を観たのがもう5年も前。登場人物とか設定とか忘れかけてるので、最初「あれ?これって何だっけ?」みたいなのが多くてちょっと混乱。半分わからないまま数十分観てたら、「ああ、そういうことだったか」とちょっとずつ納得する感じ。

中盤以降は遊園地のアトラクション的に豪華なノンストップアクションが続く。ノンストップアクションっても感覚的に普通の3倍くらい長く続くのでちょっとダレる。ボーッと観てても普通に楽しいけど、やっぱあまりタイプじゃない映画かなあ。次はどうなるんだろ?って引っ張ってくれない。まあ、ジョニー・デップの表情見てるだけでももつけどね。

この映画、ZBrushが映画で使われるようになった初期のもの。タコ男デイヴィ・ジョーンズやその他魚介類の部下たちの描写。15年も前の映画だけど、CGはよく出来てて違和感なく見れる。

●パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(2007年)

宙ぶらりんなまま放っておくわけにもいかないので、後編の第三作も見ておく。しかし、2時間48分って長すぎるよ〜。第2作、第3作は同時に撮ってるのでスタッフもキャストも同じ。

なんちゅうか、第一作を観た時は「おお!これがディズニーが作った現代の純粋娯楽映画か!さすが!」って感激したんだけどなあ。純粋娯楽すぎて、まあ楽しそうにやってるけど別に僕の人生には関係ないなあって感じがしてくる。

いろんな要素が複雑に絡む割に、どの話もそれほど惹きつけるものでもないし。心配になって途中でレビュー見たらやはりめちゃ不評。後半は飛ばし気味でw

映像は14年前って感じさせないくらいすごいけどね。

2021/04/23

3Dプリンタ作品、アイコンベアーなど4点 その3




動画撮影とか手間取って作業が本来のスピード感出ないけど、続き。昨日、アクリサンデーで接着、今日午前中に継ぎ目のパテ盛りを2回。パテ盛りは従来割と念入りにやってたけど、大きな凹みを埋めたら、モデリングペーストで下地作る作業にさっさと移る予定。

「ペンキぬりたて!! さわらないでください!!」のテープは、ずいぶん前に何かのおまけについてきてたくさん持ってて重宝してたのが終わっちゃったので、モノタロウで探して買った。


このテープ、切り方によっては「ださい!!」になる。


2021/04/19

最近観た映画メモ「カリフォルニア・ドールズ」他

「なぜか観てない映画を観るシリーズ落穂拾い編」の80年代の追加分。

●ピーウィーの大冒険(1985年)

ティム・バートンの劇場映画デビュー作。ダニー・エルフマン音楽。ポール・ルーベンス=ピーウィー・ハーマン。

お気に入りの自転車を盗まれたピーウィが、インチキ占い師のせいでアラモ砦を目指して旅に出るが、、、という話w テレビで人気が出たキャラクターを使って一本映画を、って感じなんだろうけど、目覚めのシーンから頭おかしい。

キャホキャホ言いながらおもちゃで遊ぶ幼児のような大人は、怖い。白塗りの顔やアクションはサイレント時代のドタバタコメディのよう。

現実にいたら疎外されたり気味悪がられたりするにちがいないピーウィーだけど、映画の中ではいじめられたりもせず普通の人たちと完全に対等なのね。

そんなピーウィーと、初監督作品で舞い上がってるティム・バートンのマニアックな作風の掛け合わせ。イメージは強烈。ティム・バートンは以降の作品で応用してるようなネタをやりたい放題やってる。その割に、おもしろいかどうかといえば、う〜ん。

当時、あんなブームだったのに突然いなくなった……と思ったら、この人も変態で逮捕されてたのねorz

で、25年後の2016年に「ピーウィーのビッグ・ホリデー」ってNetflixオリジナル映画で復活。

中盤で、アラモ砦のガイドが観光客に「日干しレンガ=アドービ」を紹介してて、「みなさんいっしょに『アドービ』!」って復唱させてた。この映画を当時に見てたらMac使い始めたときに「あ、あのアドービ!」って思っただろうな。。

●カリフォルニア・ドールズ(1981年)

ロバート・アルドリッチ監督、ピーター・フォーク。バート・ヤングって「ロッキー」エイドリアンの兄ちゃん! 日本のミミ萩原とジャンボ堀がちょっとだけ出る。レニー・モンタナって見たことあると思ったら、「ゴッドファーザー」の!

実力はあるのに今ひとつパッとしない女子プロレスの美女タッグチームとマネージャー。お金もなくなって泥レスなど含む屈辱的な旅巡業を続けるが、ついにチャンスをつかむ。という話。

しみじみ良かった。女子プロレスは筋書きのない真剣勝負として描かれてて、けっこう燃える。「やられてやられて最後に逆転!」にまんまと乗せられてしまうw

興行師やライバルチームや大物選手など、たくさん出てくるいろんな登場人物の配置がすごく良くて、彼らがいるだけで説得力持つ。あと、ストーリーがぜんぜんひねってなくてストレート、意外性もほとんどないのも合ってる。

若い世代と中年世代で見るところがちがうだろうな。僕的にはピーター・フォーク演じる中年男のマネージャー、ダメダメに見えるけどそれなりに一生懸命に仕事してて味わいがあって素晴らしい。僕的には彼の奮闘だけで全編もつ。あちこち旅するアメリカの片田舎や工業地帯のリアルな感じもイイ。

https://video.unext.jp/title/SID0029248

・うん、傑作と思った。男の世界を描いてきたアルドリッチの遺作がこれかよ??的なレビューもあったけど、ぜんぜんいいじゃん、て。これ含めてアルドリッチ作品は6本観たけど、どれも良かった。
・何年か前に「七人の侍」と「荒野の七人」を続けて見直したら、格が段違いでびっくりした。

●ガープの世界(1982年)

男要らない主義の母親を持って生まれたガープは成長して小説家をめざし、家族も持つ。母親も本を書いて大ベストセラーとなり、女性運動のリーダー的な存在になるが、、、という話。

ジョージ・ロイ・ヒル監督、ロビン・ウィリアムズ、グレン・クローズ、ジョン・リスゴーが強烈なイイ役! あと、アマンダ・プラマーって、「パルプフィクション」冒頭の強盗の女。クリストファー・プラマーの娘だったのか! 確かに顔が似てる。

レビュー見ると、「冗長でクソ」とか言ってる人と「傑作!」って人に分かれる。僕には面白かった。人生のいろいろが凝縮されてる。「フォレスト・ガンプ」的なホラ話っぽさもある。変な母親の話もいいし、妻との山あり谷ありもじーんと来た。ジョン・リスゴーがめちゃくちゃ良くて、全部持っていく感じw

「プー」は、歪んだ視点ではあるものの、コメディリリーフ的なものかと思ってたら、とんでもなかった。マジだったんだ。女性運動の根本となる動機を持ってるらしく、重い。それがアメリカ特有の暴力的な行動に結びつく怖さ。

ロビン・ウィリアムズ30歳くらいなのに、50歳くらいの小太りの中年に見えてしまうのだけ残念。

●ロジャー・ラビット(1988年)

テレビでチラ見したくらいで全編ちゃんと観たことなかった。1947年、探偵のエディはスタジオから依頼されてカートゥーンのスター、ロジャー・ラビットの不調の原因と思われる、彼の妻の浮気調査をする。そこから大きな陰謀が浮かび上がってくる、、、という話。

ロバート・ゼメキス監督、ボブ・ホスキンス、クリストファー・ロイド、ジョアンナ・キャシディ。音楽アラン・シルヴェストリ。

ワーナーブラザーズのルーニー・テューンズの印象が強かったけど、この映画自体、ディズニー映画なのね。いろんなカートゥーンアニメ会社のキャラが入り混じって出演するんだけど、各社に出演・権利交渉したんだろうな。スピルバーグ製作総指揮ってことで、同じく膨大な数のキャラを共演させた「レディ・プレイヤー1」は初めてじゃなかったんだ。

冒頭のアニメーション、すげえ! 空間と動き。緻密な描写。古き良きカートゥーンアニメのエッセンスをゴージャスなエアブラシ陰影付きのフルアニメーションで再現。「リトルマーメイド」で復活する直前のディズニーアニメの底力って感じで鳥肌立つ。

で、映画として面白いかどうかというと、クドかったw 人間とカートゥーンキャラの共演がよくできてるとはいえ、30分くらいで慣れてしまうし、カートゥーン的リアクションやネタをいちいち再現してお約束の羅列として見せてくれるのがどうでもよくなってくる。陰謀というかミステリー要素があまり面白くない。クリストファー・ロイドのムダ遣い感w

・1988年の当時どう思ったかというと、「お金かけて労働力を注ぎ込んで力技で作ったビジュアルなのに、けっこうガクガクしてあちこち破綻してるし、このへんが限界かorz」だったなあ。ようやく限界突破したCGアニメ映画「トイストーリー」が7年後。

・1992年の「クール・ワールド」。ラルフ・バクシ監督でブラピとか出てる映画。こちらもアニメと現実の世界が入り混じるかなり似たタイプの映画。エアブラシ陰影がなくベタっとした絵なんだけど、こっちのほうがカートゥーンと現実の共演的にはなじむと思った。やはり映画的にはおもしろくなかったけど。

2021/04/15

3Dプリンタ作品、アイコンベアーなど4点 その2




9日間かかって出力したもの全部。スタンドまで入れた高さが25cm前後のもの、4点分のパーツと、仮組み。3Dデータを整えたりスライスしたりジョイントの穴をあけたり、出力用に整えるのに計3日はかかってるし。目標としては、9日+3日より短い期間で4点を仕上げたい。

最近観た映画メモ「最後の誘惑」他

「なぜか観てない映画を観るシリーズ落穂拾い編」の80年代はおしまい、のはずだったんだけど、U-NEXTのマイリストにずっと残ってて目障りw な80年代映画を10本ほど追加したのでもうしばらく続く。

●フェリスはある朝突然に(1986年)

高校を何度も仮病でズル休みして楽しくやってるフェリスはみんなの憧れ。友達と彼女を誘ってシカゴの街に繰り出して遊び回るが、コケにされた校長は彼を許さない、、、という話。

ジョン・ヒューズ監督、マシュー・ブロデリック、妹が「ダーティ・ダンシング」のジェニファー・グレイ。校長のジェフリー・ジョーンズは好きな俳優だったんだけど、変態で逮捕されて以来あまり出なくなった。

好きなタイプの映画じゃなかった。主人公がこちらを向いて観客に語りかける系だし、傍若無人だし、典型的な「推進力ゼロ」だし。「ここ笑うところですよー」的な音楽の使い方からしてダメ。ジェフリー・ジョーンズはがんばってるんだけど、空回り。ジョン・ヒューズ監督は「ホームアローン」の製作・脚本だそうで、テイスト含めて納得。

「ブロデリックがとんでもなく大人気のアイドル俳優で、いろんな生意気な真似をしたり歌い踊るのを女の子のファンたちがうっとり鑑賞する」なら、十分成立する趣向だと思うけど、ブロデリックがそこまで人気あったかどうかは知らんw

くしゃみの音を出すのはEmulatorIIだ!

●インナースペース(1987年)

これのサントラ盤(ジェリー・ゴールドスミス)のLPを確かHさんにいただいたと思うのだが、本編を観たことなかった。ジョー・ダンテ監督、製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ。デニス・クエイド、マーティン・ショート、メグ・ライアン。

「ミクロの決死圏」的に縮小された人間や潜航艇によるSFコメディ。実験でウサギに打たれるはずの潜航艇入りの注射が、産業スパイの暴力組織が押し入った混乱の中、無関係の青年に打たれてしまう、、という話。

まあ、どこまでも軽く、ゆるくてくだらないSFコメディだけど、体内の描写とか特撮はなかなか良い。潜航艇の合成がイマイチなのが数カ所ある以外、アナログ特撮時代の頂点とも言えそうなハイクオリティ。

デニス・クエイドって好きな顔だけど、ふと思ったのは表情の動きがジャック・ニコルソンに似てるね。ヴァーノン・ウェルズは「コマンドー」の悪役の人! メグ・ライアンが若くて桐谷美玲っぽく見えるw

●最後の誘惑(1988年)

マーティン・スコセッシ監督、ウィレム・デフォー、ハーヴェイ・カイテル、バーバラ・ハーシーは「ハンナとその姉妹」の三女の人。ハリー・ディーン・スタントンとデヴィッド・ボウイがいい役! メル・ギブソンの「パッション」と印象が混じってた。

新約聖書の物語は詳しくないけど、出てくるエピソードやイエスが言ってることは細かいものまでだいたいなじみのあるものだった。荒野での悪魔の誘惑は頭の中にあったイメージほぼそのまま。

すごい良かった! 正直、途中までは「長すぎるし退屈だし、信心深いスコセッシの自己満足映画か、『沈黙』もこんな感じなのかな……」とか思ってたら、後半の展開には驚いた。現代風ながら通りいっぺんのイエスの物語として、手間暇かけてミスリード状態にしておいての……なのね。長さは必要だったんだ。ラストは鳥肌立った。

音楽はピーター・ガブリエル、良いんだけど狙いすぎで力みすぎな感じでちょっとクドい。

2021/04/10

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最近観た映画メモ「戦慄の絆」他

「なぜか観てない映画を観るシリーズ落穂拾い編」の80年代のラストスパート。「タッカー」と「戦慄の絆」は当時からすごい観たかったんだけど、機会がなかった。この2本が観れて肩の荷が降りた感じw

●タッカー(1988年)

ルーカスフィルム作品! 製作総指揮ジョージ・ルーカスで、フランシス・フォード・コッポラ監督、ジェフ・ブリッジス、マーティン・ランドー、マコ岩松。1945年、画期的な自動車を開発してビッグスリーに立ち向かった、底抜けに前向きな男と仲間と家族たち。

面白かった! 一種の「ライトスタッフ」や「ロッキー」でもある。大工場を建てて鳴り物入りで登場したクルマなのに、50台しか生産されなかったのは歴史的事実で、「巨人たちにひねりつぶされた新興メーカー」ではあるんだけど、前向きな男ってことで、悲劇の印象が残らないのがすごくイイ。

スティーブ・ジョブズ? 画期的新製品で巨人たちが牛耳る業界に殴り込みをかけたり、社内で経営権を握る男にジャマされたりなどの点でジョブズを思わせる。っていうか、制作年からして、タッカーを時代の寵児から転落したジョブズに意図的に重ねてるのかも。ルーカスがジョブズにピクサーの前身の会社を売った直後だし。

常時軽薄なジャズがかかってたり、大家族のドタバタの浮ついた雰囲気の中で話が進むのはあまり好きじゃない。距離を無視した演出が舞台劇みたいだ。40〜50年代のカラー映画の感じも出してるっぽい。そのへん、わざと陳腐にしてるのかも。

●戦慄の絆(1988年)

一卵性双生児の産婦人科医。性格は正反対だが、一心同体で名声をかちえてきた。患者としてやってきた女優を巡って、兄弟の均衡が崩れていく……という話。デヴィッド・クローネンバーグ監督。ジェレミー・アイアンズ、ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド。

すごい良かった。面白かったし怖かった。何ヵ所か、モロにクローネンバーグっぽいモチーフは出てくるものの、最近見た「ヴィデオドローム」や「スキャナーズ」とちがって、一般向けに近いスリラー映画。ヒットした「ザ・フライ」の後だしね。とはいっても、基本的に倒錯してる話なんだけどw 一卵性双生児でイメージする怖さも凝縮されてるし。

ジェレミー・アイアンズ、双子の兄弟を一人二役。同じ顔だけど性格がちがうって、俳優の腕の見せ所なんだろうな。ちょっとした表情のちがいで明らかに弟と兄を演じ分けててそれだけでも見応えがある。

●ツインズ(1988年)

観る予定なかったけど、双子つながりで急遽追加。昔、優秀な人間を作る極秘実験で生まれた双子。片方に長所が全部行ってしまい、もう片方はダメダメ。いい方の男(シュワちゃん)が、弟と母親を探すために生まれ育った離島からカリフォルニアにやってくるが、、、という話。

アイヴァン・ライトマン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー、ダニー・デヴィート。なぜかU-NEXT版は吹き替え版のみ。内海賢二がクドいw めちゃくちゃ軽いコメディ。バカバカしいんだけどほのぼの面白かった。まんまとホロっとさせられたりw これも、音楽や雰囲気がものすごく80年代後半っぽくて心地よい。

「きれいなジャイアン」ってあんな感じかなw シュワちゃん初のコメディ映画。ああいう特殊なキャラだし、演技がガチガチに硬く見える。ダニー・デヴィートの弟のほうが楽しく幸せに暮らしてる感あるし、彼の演技見てるだけでぜんぜんもつ。この「愉快なジョー・ペシ」的キャラクターだけ独立させた作品があってもいいくらい。

っていうか、超優秀な兄とダメダメの弟っても、外見以外、能力にそんなに差があるように見えなかったぞw

ボニー・バートレット、なんか格調高い昔の有名女優さんをあそこに据えたって感じしたけど、あまり有名な人ではないらしい。

クローネンバーグの「戦慄の絆(Dead Ringers)」のタイトルは最初「Twins」だったそうで、この「ツインズ」を制作中だったライトマンの要請で、譲ったんだそう。

●チャイルド・プレイ(1988年)

警察に追われておもちゃ屋に逃げ込んだ凶悪殺人犯のチャールズ。撃たれて絶命する前にブードゥーの呪文で人気のグッドガイ人形に魂を乗り移らせる。その人形を路上の物売りから手に入れたシングルマザーのカレン、誕生日プレゼントとして6歳のアンディに渡してしまう。。。という話。トム・ホランド監督。キャサリン・ヒックス、クリス・サランドン。

ずっと見逃してたがようやく見れた。面白かった! 怖いし楽しい。そりゃシリーズ化されるよね。最近も作られてるようでちょっと観たくなった。あちこちちょっとゆるい出来なんだけど、ぜんぜん大丈夫。子供が自発的に動くのは「ホームアローン」と思ったけどこちらのが早い。何度も復活して襲ってくるのは「ターミネーター」っぽくもある。警察が頼りないw

チャッキー人形、よくできてるなあ。よく動くし邪悪な表情もイイ。優しい友達人形グッドガイからの変貌が素晴らしい。
https://video.unext.jp/title/SID0029623

2021/04/08

3Dプリンタ作品、アイコンベアーなど4点 その1





2日半かかって、新しいものを出力完了。先日テストしてたマスキングを本番で試すのにふさわしいものを選んだ。うねうね模様のやつ。
これ、スタンド込みで高さ26cmくらいなのに9分割w 分割とジョイント仕込みに半日かかる。断面整えと接着と継ぎ目処理に丸一日かかる。一発出力できるGuider2があれば!


3色ある立体の写真は2014年に織田さんに作っていただいたもの。これらが入った箱をどこにしまったか目下行方不明ってことも、これを出力した理由のひとつw あと、出力用に一度はデータを整えたことがあるやつなので、ブラッシュアップの手間が不要だし。


底面の接着面の出力がめちゃくちゃ時間かかる。3時間と見積もられた出力時間なのに、へたすりゃ見積もり時間外で1時間くらいかかって底面を出力した後に3時間かかったりする。じゃあ、底面が小さけりゃ早いんじゃないかと、薄皮状態で出力時間を見積もらせてみた。同じ条件で約4時間が3時間に短縮された。底面の出力時間を考えたら、実際には5時間と3時間半ってとこか。。。まあ、データのくりぬき作業や薄皮の位置合わせとか考えると、そんな良いわけじゃないな。。。


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2021/04/04

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最近観た映画メモ「リーサル・ウェポン」他

「なぜか観てない映画を観るシリーズ落穂拾い編」、80年代映画に突入したのが昨年9月頭、いつ終わるか心配してたけど、残りわずか。80年代は「観たかったのに観に行けなかった」が多いのに対し、上京後の90年代はそもそも映画情報を入れてなかったから「観たかった」が少なく、今のところリストには6本しかない。重要作品は見に行ったし、試写会は何度も行ったけど。2000年代も十数本しかない。

●ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場(1987年)

1983年、朝鮮戦争からずっと戦い続けてきたハイウェー軍曹は平和な時代から浮きまくって荒れ放題、パトカーに小便して捕まって留置所で喧嘩騒ぎする始末。辞令で古巣の小隊に戻ってきた。隊はなめくさったグダグダの若者たちばかり、上司の将校は実戦経験の無い書類バカ。当然ながら、海兵隊魂を体現するハイウェー軍曹と衝突する……という話。グレナダ侵攻の際の実話だそう。

面白かった。バカの若者たちが立派な海兵隊員に育っていくのはありがちな描き方なんだけど、実戦でちゃんと役目を果たせるほどに成長してるのにはまんまと感動させられてしまうw まあ、「80年代の56歳から見たチャラい若者」の描写はあまり好きじゃないけど。

イーストウッド、カッコいい。けっこうジジイに見えるけど、イーストウッドこの時56歳、シュワルツェネッガーみたいなすごい体してる。しかし、自分の監督作品で、なんでいつもいつも「オレは誰よりも強いし不良だしモテるんだぜ」アピールするんだろw

●リーサル・ウェポン(1987年)

リチャード・ドナー監督、メル・ギブソン。「ダイ・ハード」と並んで80年代後半の娯楽アクション映画の代表みたいな映画だけど、見たことなかった。自殺願望のある危険な男を相棒として組まされた実直なベテラン刑事。若い女の飛び降り自殺をきっかけとして、麻薬取引に絡む巨悪の存在が浮かび上がるが……という話。

普通に面白かった。コメディとまではいかないけど雰囲気が軽い割にアクションがド派手。アクションを見せるのが最優先なせいか、ツッコミどころは多い。あの格闘シーン、必要か?w 音楽、マイケル・ケイメンとエリック・クラプトン。ギターとサックスの音がものすごくディープ80年代って感じで心地よい。「ダイ・ハード」もマイケル・ケイメンなのね。

メル・ギブソン。この時31歳! 「マッドマックス」ときが23歳かー。若いときから大活躍なんだなあ。相棒のダニー・グローヴァー、「50歳になってしまった、年寄りになると」とかボヤいてるけど、調べたらこのとき40歳だよw

●ダーティ・ダンシング(1987年)

Facebookに流れてきたダンスの動画が素晴らしくて、なんていう映画?と調べたらこれだった。当時話題になってたし主題歌のヒットは覚えてるけど、興味なかった。とんでもなく大ヒットした映画だったのね。エミール・アルドリーノ監督、ジェニファー・グレイ、パトリック・スウェイジ他。

1963年、ファミリー向け避暑地にやってきた裕福な家族。17歳のベイビーが、ダンスのインストラクターとして働く若者たちの世界に足を踏み入れ、恋とダンスを通じて成長していく……という話。「女の子のためのスター・ウォーズ」と言われてるそうで、昔の少女マンガ的な要素全部入り。

まあ、ちょっとしんどい。男の子が観て夢中になるような映画じゃないのは仕方ない。ベイビーの立場からの物語は納得するとしても、ベイビーのお父さんより年上の僕的には「17歳の娘がリゾート地の地元の不良にぞっこんになり、堕胎騒ぎにも巻き込まれ、しまいにゃお別れ会のステージに乱入して公衆の面前で官能ダンスを踊る」って、「娘は立派に成長したなあ」って感心してる場合か?w 裏の顔の存在を漂わせてるリゾート地で、年頃の娘二人を何日も完全放置とか。

表向き品の良い富裕層の世界と、裏の若者たちのセクシーなダンス(ダーティ・ダンシング=マンボ)の世界の対比が極端すぎて違和感。17歳の女の子が「大人の世界」と思ってる20歳前後の若者たちの幼さも。そのへん、「ハートブレイク・リッジ」のステレオタイプ的80年代若者の描写と重なって、げっそりする。というのは、僕も80年代に若者だったからw

FBに流れてきたのはラストの二人のダンスシーンだった。ジェニファー・グレイの顔を少し傾けた一瞬の笑顔がめちゃ素敵。このダンスシーンは60年代を描いてることを放棄。ちゃんと自己ツッコミがあって好感持てるw →最後の最後でこの映画の印象がめちゃくちゃ良くなった。

YouTubeにラストのダンスの動画あった。ネタバレではあるけど、「落ち着くところに落ち着いたハッピーエンド」なので、見ても支障ないと思う。(「一瞬の笑顔」は2:08)
https://youtu.be/WpmILPAcRQo

ところで、ジェニファー・グレイ。17歳を演じたこのとき27歳! あと、「フェリスはある朝突然に」で共演したマシュー・ブロデリックの重大交通事故の同乗者って彼女なんだ!!