2021/12/22

最近観た映画メモ「アングリーバード」他

●グッドモーニング、ベトナム(1987年)

ベトナムに派遣されてきた型破りなラジオDJ。放送は兵士たちには大人気になるが、上官たちは無理解。クビにされそうになるものの、将軍は彼の味方。一目惚れしたベトナムの女の子を追っかけて英語教師になりすまし、その兄と親友になるなどベトナム人たちと仲良くなる。そんなとき、爆弾テロが起き、、、という話。

監督 バリー・レヴィンソン。出演 ロビン・ウィリアムズ、フォレスト・ウィテカー、J・T・ウォルシュ他。

Disney+だけの問題なのか、字幕の日本語がひどい。壊れた機械翻訳のよう。この映画の大きな魅力の一つがラジオDJとしてしゃべりまくるロビン・ウィリアムズなのに、ひどい字幕で意味不明な部分が多い。吹き替えは別物だし。

軍隊の価値観から自由でありたいロビン・ウィリアムズの役は愛されキャラなはずなのに、前半で「そんな彼も日本人の目から見ると、アジアの国で傍若無人に振る舞うアメリカ人でしかないこと」が引っかかってしまい、素直に見れなくて戸惑う。原住民扱いされてるベトナム人の描写もイヤだ。

「他人の国に来てお前ら何やってんだ??」、最後まで観たら、一応そういうテーマだった。よかれと思ってやってても相手はそう思ってないよ、身勝手だよと。

半分はコメディ仕立てなのに素直に楽しめる部分があまりなくて残念。ポルカ好きのブルーノ・カービーの上官など、笑っていいのかかわいそうなのか不気味なのか判断つかなくて困るw

当時のヒット曲が次々かかる中、クライマックスの劇判のこの感じは!と思ったらやはり音楽はアレックス・ノースだった。最晩年の仕事らしい。

●あの夏のルカ(2021年)

ピクサー作品。エンリコ・カサローザ監督。イタリアの漁村近くの海中に家族で暮らすシーモンスターのルカ。シーモンスターは人間に恐れられ忌み嫌われている。あるとき、地上で暮らす同族のアルベルトと出会って仲良くなる。家族に内緒で漁村に行って人間の少女と出会い、あこがれのベスパを手に入れるため、トライアスロンレースに参加することになる。という話。

2つ前の「2分の1の魔法」と同じく、ピクサー味のあまり濃くない一般的なファンタジー映画の路線か。大人にもズシンと響く系作品と交互にやってるのかと思ったけど、リスト見ると厳密にはそうでもないな。たぶん人種や移民問題に対するピクサー的に楽天的な子供向け寓話なんだろう。

普通に面白かった。細かいネタもいちいち全部面白い。そもそもキャラクターのちょっとした動きだけでも感動してしまうディズニー/ピクサーの技術。CG映像もめちゃくちゃ濃厚で、どんどん密度が高くなっていく。ラストシーンなどの深みのある雲の描写! ルカの想像や夢を映像にする部分はちょっとクドかった。

ジブリ/宮崎駿オマージュがあちこちに。アルベルトのタンクトップと半ズボンって未来少年コナンだよね? 村の名前がポルトロッソとか、シーモンスターのユーモラスな化け物っぽい表情や、上下差のあるアクションシーン、身振り手振りの演技なども。

2Dアニメーション的にキャラクターを自在にデフォルメ変えてるのが面白い。立体的に口がありえない場所にずれたり、叫ぶ横顔がまるっきりマンガだったり。

ところで、シーモンスターが地上に出ると当たり前のように人間に変身するのなら、実は人間も海に入ったらシーモンスターになる的な匂わせをしないとバランスとれなくない?

https://amzn.to/3ss84yy

●アングリーバード(2016年)

飛べない鳥たちが住む島。おこりんぼではみ出し者のレッドは裁判所の命令でアンガーマネジメント教室へ通っている。ある日、大勢のブタ軍団が上陸してきて鳥たちと仲良くなるが、レッドは侵略者ではないかと疑うが最初は相手にされない。そのうち手に負えなくなってきたブタたちの狼藉に、伝説のヒーロー、マイティーイーグルに力を借りようと、教室で出会った仲間と彼が住む島の最高峰を目指す、、、という話。

人気ゲームの映画化。ブタ軍団やパチンコ(スリングショット)で鳥を飛ばすのもゲームの設定だそう。監督、Clay Kaytis、Fergal Reilly、声の出演、ジェイソン・サダイキス他。ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス作品。元のゲームを作った会社ロビオ・エンターテイメントはフィンランド企業なのね。

面白かった。子供向けすぎないのもイイ。「はみ出し者が侵略者をやっつけるヒーローに」って定番の骨格の話だけど、小ネタも全部面白くてダレなかった。後半の大戦争も立体的でスピード感あってよかった。あの大爆発の描写はすごいな。

とにかくキャラクターの形と動きと羽根の質感が最高。僕、2016年当時、MAYAを使ったレッドのキャラモーションの解説動画を見て、MAYA使いたい!って3年のサブスクリプションを購入しちゃったくらい。プロダクションアート集「The Art of Angry Birds」も持ってる。

MAYAを使ったレッドのキャラモーションのサンプル
https://youtu.be/Xf8zU6sPJKI

ゲームと映画のキャラクター比較
https://youtu.be/wba3087qWHE

2021/12/13

2014年の作りかけ立体






2014年の実家での大型立体制作中に、ウレタン吹くための完全乾燥待ち時間の間に作ってたもの。白いほう(高さ28cm)。黄色いのは2018年の3Dプリンタ立体作品。

インダストリアルクレイを型取りしてポリパテに置き換え、FRPで複製するための原型として作りかけたのだが、そのまま作業が止まってた。

先日、実家に行ったときに引き上げてきた。複製用の原型ではなく、これをそのまま表面仕上げして色を塗っちゃうつもり。

「クレイで作って簡単に型取りし、ジェスモナイトに置き換え、一点ものとしてそのまま表面仕上げてリキテックスで塗装」ってのをやってみたい。の、予行演習的な。




石膏で型取りしたはずだが、どうやってポリパテにしたのか覚えてなく、写真を探したら出てきた。たぶん離型剤か何か石膏型に塗った上でパテを詰め込み、硬化後、金槌でかち割ったらしいw 乱暴なw

クレイで作ったものって、他の3D切削ではなく手で削り出した発泡スチロールから作った作品とも共通するけど、「元の3D作品の形状の特徴が無意識にデフォルメされる」のと「理想の形状にできなくて歪んだり左右対称が不完全」からか、非常に味のある形になる。3Dプリンタ的に完璧じゃないところがイイ。
以前「3Dプリントを何十時間させてる間にクレイなら完成しちゃう」とか言ってたけど、それをやってみたい気分。








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2021/12/11

ドバイ万国博覧会記念デジタルおみやげ EXPO Token

世界各国から一人ずつのアーティストがドバイ国際博覧会の「デジタルおみやげ」として、EXPO Tokenを発行。TikoかRokoの二つの3Dフィギュアのどちらかを選び、その国を思わせる何かを取り入れて表現。今日、僕のChikoうさぎが発行されたそうです。

制作意図は「日本には伝統的な紋様がたくさんあります。吉井は水の国である日本を表現するために水の紋様を選びました。また、日本では兎は月の妖精です。兎の体で宇宙を表現しました。」。

公式ページはこちら
https://expo.chikoroko.art/



デジタルおみやげEXPO Tokenは1000個が無料で配布されてるらしいけど、よくわからない。Apple IDかGoogleで参加してゲットするとARで見れる。他フィギュアと並べてみた。



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2021/12/04

最近観た映画メモ「カジノ・ロワイヤル」他

2週間に1本のペースに落ちてる。用事で観れない期間があったり、Disney+のドラマ計3シーズン分観るのに時間かかったとはいえ、昨年の三分の一くらいしか観れてない。

●カジノ・ロワイヤル(1967年)

各国の諜報部員が次々に失踪。情報部は隠居したジェームズ・ボンドを引っ張り出そうとするも、ボンドは断る。成り行き上、ボンドが情報部のトップにつき、情報部員全員に007と名乗らせるが……という話だけど、あちこち飛んでて支離滅裂(下記に経緯)。

出演もしてるジョン・ヒューストン含め5人による共同監督。デヴィッド・ニーヴン(プライムビデオの吹き替えが中村正じゃないのが残念)、ピーター・セラーズ、オーソン・ウェルズ、ウッディ・アレン、ウルスラ・アンドレス、デボラ・カー他、20人くらいの主役級大スターが共演の超オールスター映画。キャストのリストを見ると、えっあの人が!って感動する。SF映画的にはデヴィッド・プラウズやキャロライン・マンローまで。

Wikipediaによれば、デヴィッド・ニーヴンのボンドが二代目007に指名したピーター・セラーズが活躍する映画のはずが、猜疑心の強いセラーズが超大物のオーソン・ウェルズと共演するのを恐れるあまり無理な要求ばかりした末、撮影途中で降板してしまう。撮影済みフィルムをできるだけ使い、新しくキャストを増やし、ストーリーもまったく変えたため、デタラメでアバンギャルドっぽい映画になってしまったとのこと。

45年ぶりに見たら、めちゃくちゃ面白い! 今年観た中では一番好きかも。昔、テレビで見たけどほとんど覚えてなかった。当時は「なんかグダグダでつまんないコメディ」って印象だったのだが。

なんちゅうか、背筋を伸ばしたまま演じる英国式のドタバタコメディって感じで品があって好み。バカバカしくぬるいギャグでも見れてしまう。ノレなかったらつまらなく感じただろうけど、これはノリノリにノレた。

クライマックスのカジノの乱闘他、普通なら早々にウンザリするようなやりたい放題のドタバタ。多数の早回しカットを絶妙に入れてるためかぜんぜんOK。すべて面白かった。

60年代の、古い時代と新しい時代の交錯した感じもいいし。いかにも007映画っぽいセットやくだらないギミック、60年代後半っぽい各種デザインなども最高。見るからにお金がかかっててゴージャス。無意味に豪華なエスニックダンスとか、カリガリ博士のセットとかw「オースティン・パワーズ」がこれを真似してるため、変に90年代感まであるw

バート・バカラックの音楽が素晴らしい。筋肉少女帯の「ゴーゴーゴー!ハイキングバス」になってた主題曲他、盛りだくさん。めちゃ楽しい。

「ゴーゴーゴー!ハイキングバス」の歌詞に出てくる「山賊の歌」を何十年ぶりに思い出して歌詞を検索したら頭に張り付いてしまった。「雨が降れば小川ができる」はいいとして、「風が吹けば山ができる」には納得できなかったなw
https://youtu.be/iz7PXMp8sf8

あと、ハーブ・アルパートのトランペット。自ら進んで聴いてたことはないけど、代表的な曲はたいていテレビやラジオのテーマやCMなんかで使われてて知ってる曲ばかり。オールナイトニッポンとか。で、洋楽全盛の80年代にハーブ・アルパートの曲もヒットしてたけど何だっけ?と調べたら、「Keep Your Eye On Me」。これもYouTubeで確認したら頭に張り付いてしまったw
https://youtu.be/orwzPxwtL0A

2021/11/16

最近観た映画メモ「クレージー作戦 先手必勝」他

また古いシリーズ喜劇のつまみ食い。一般的に、コメディアンや芸人が出る映画やドラマって本来の面白さを発揮できない印象。手足がんじがらめに縛られてる。「ここはアドリブ、いつものアレでお願いします」的な部分で手持ちのギャグや動きをするしかなく、それは芸人が望むタイミングじゃないんだろう。

●ズンドコズンドコ全員集合!!(1970年)

シリーズ第5作。漁村の問題児5人組、リーダーの鮫吉は東京で一旗上げるぞと宣言するも4人は拒否。芝居一座に弟子入りして逃げようとする加藤を無理やり連れて、東京へ。屋台の商売を始めるが、うまくいかない。地元の3人に見栄を張った手紙を送ったら、3人も上京してきてしまう。そして、出所してくるヤクザの女に手を出していた左とん平が、加藤が身代わりに殺されるよう図る悪だくみ巻き込まれ、、という話。

従来、あらすじは2行くらいで書こうとしてるのだが、キモの部分を一言で書くのが困難。いつものように要素が多いけど、この映画ではなんとなくすんなり繋がってて違和感が少ない。立場の逆転も面白い。

監督 渡邊祐介(この人、松竹以外のドリフ映画でも監督やってるのね)、ザ・ドリフターズ、中尾ミエ、宍戸錠、左とん平、若水ヤエ子、他、大物ゲスト多数。久美役の小川ひろみ、場違いなほどカワイイ。Wikipediaページもないけど、「俺は男だ!」に出演してて人気だったらしい。なんとなく覚えてる。

いかりや長介がやたらイキイキしててうれしそうに演じてるのがなぜか感動的w あと、ものすごい凶悪メイクした宍戸錠がノリノリでバカバカしい役をやってて素晴らしい。「ズンドコ節」他、歌もいろいろ入る。みんな上手いなあ。

公開は1970年8月8日、僕的に小2の夏休み、大阪万博に行く一週間前(劇中でもゲストの藤田まことが「万博に来てや!」と言ってる)。やはり当時の鮮明な映像にはグッと来る。

●クレージー作戦 先手必勝(1963年)

「クレージー作戦」シリーズの第一弾。14本もあってクレージー映画としては最も長続きしてる。植木等だけ主演ではなく、メンバー全員が活躍するシリーズとのこと。監督 久松静児、出演 クレージーキャッツ、池内淳子、他、ゲスト多数。こちらにも中尾ミエと若水ヤエ子が出てる。

会社をクビになった植木等がメンバーを集めてもめごとを解決する「よろずまとめや」を開業。最初はまったく仕事がなかったが、中尾ミエが持ち込んだ件をきっかけに大当たりするが……という話。

内容はものすごく面白いわけじゃないけど、いろいろ興味深い点が多くて楽しめた。中尾ミエ、この時16〜17歳くらいだけど、クレージーに引けを取らないベテランのような風格がすごい!

映像や風景はドリフの1970年前後とくらべると、1963年は明らかに「昔」に見える。終盤で出てくるゲストのQは、「風采の上がらない青年」と外見を笑われる種類のタレントだったんだ、やはり。とちょっと驚いた。

僕にとっての植木等的な立ち居振る舞いは、「本人は面白いかもしれないが周囲はしらけてる、みっともない大人の不愉快なカリカチュア」として見えてしまうから、基本的に好きにはなれない。当時はたぶん、空気を読まない新しい日本人像として新しかったんだろうな。

●コント55号 世紀の大弱点(1968年)

コント55号映画の第一作。監督、和田嘉訓。コント55号、真理アンヌ。天本英世や内田裕也も出てる。水垣洋子って甲高い声が特徴的で、声優として有名らしいけど知らなかった。

週刊誌記者とカメラマンのぐうたらコンビ。小説家から原稿を取れなくて困ってたところ、たまたま拾った小説の原稿に適当な作家名をつけて掲載したら大評判。なじみのキャバレーの女の子を作者に仕立ててマスコミ対応させたら人気爆発するが……という話。

若くてめちゃくちゃ元気で明るくてノリノリな二人のドタバタは素晴らしいんだけど、後半は悪夢のようなつまらなさだった。う〜ん、ちょっと期待したんだけどなあ。そのうち、どれかあと一本くらい観ておく。


ところで、ドリフ映画第一作の「なにはなくとも全員集合!!」の「なにはなくとも」は、三木のり平の江戸むらさきから来てたとはw

最近観た映画メモ「マイケル」他

Disney+で、ChromeのVideo Speed Managerのショートカットの挙動がおかしい。場面が数秒飛んでしまったりする。いろいろやった末、ショートカットを別のキーに変更したら直った。なんだろ?

●プライベート・ベンジャミン(1981年)

ジュディ・ベンジャミンは甘やかされて育った金持ちの娘で世間知らず。2回目の結婚当日に夫が死んでしまった混乱の中、陸軍の募集係に甘い言葉で騙されて入隊してしまい、鬼教官と地獄の訓練の日々が始まる……という話。「パラダイス・アーミー」の女性版かと思ったら、こちらのほうが1年早い。「愛と青春の旅だち」よりも早い。まさか、新兵訓練映画の元祖??

製作総指揮と主演 ゴールディ・ホーン。監督 ハワード・ジーフ。アイリーン・ブレナン、ロバート・ウェッバー。クレイグ・T・ネルソンとハリー・ディーン・スタントンがちょっと出てる。音楽、ビル・コンティ。

ゴールディ・ホーンのキャラクターが自然に活かされてて、コメディだからって無理に笑わせたりのぐだぐだのおふざけ感が少ないのがイイ。さすが制作総指揮。自分のキャラはどういう環境に配置したら最も活きるか?って考えたんだろうな。

前半はめちゃくちゃおもしろい! しかし、訓練終わったところから大失速。初めて自分の意思で決断するラストは感動的だけど。新兵訓練パートがあまりに面白いためか、以降のパートが一段階つまらなく感じるのは他の映画も同じだなあ。「パラダイス・アーミー」「ハートブレイク・リッジ」や「フルメタル・ジャケット」も同様だった。

アイリーン・ブレナンの大尉がイイ。演習後の大尉の態度と新兵たちの復讐イタズラ、後半の出番もちょっと違和感あった。根はいい人ってキャラかと思ったら、ちがったらしいw

◯「プライベート」について

「プライベート・ライアン」のときに調べた人も多いだろうけど、タイトルの「プライベート」って「兵卒=二等兵=ヒラの兵士」という意味。なんで「プライベート」かというと、中世に荘園主とかの領主が自分のポケットマネーで「個人的に」雇っていた兵隊だからだそう。日本語的に誤解されるのでカタカナ語としては使わないほうがいいと思う。主人公の個人生活や内面の話かと思うじゃん。

「プライベート」がタイトルにつく映画をざっと検索してみたけど、これらはどれも「個人的な」という意味。
・「プライベート・パーツ」(1972年)
・「プライベート・レッスン」(1981年)
・「マイ・プライベート・アイダホ」(1991年)
・「プライベート・パーツ」(1997年)●
・「プライベート・ウォー」(2018年)
・「プライベート・ライフ」(2019年)●

ポール・ジアマッティがこのうち2本に出てる(「●」つけた)。その上なんと、「プライベート・ライアン」にも出てる。ブーツ内の小石を取ろうと腰かけたら材木が倒れて壁を壊してしまい、中にいた大勢のドイツ兵と対峙する原因になった兵士の役。プライベート俳優w

●マイケル(1996年)

「トラボルタが中年太りの天使を演じる」なんて、めちゃくちゃおもしろそう!ぜひ観たい、と思ってから四半世紀もたってしまったが、ようやく観れた。監督 ノーラ・エフロン、ジョン・トラボルタ、ウィリアム・ハート、アンディ・マクダウェルなど。テリー・ガーはこれにも出てるw ウエイトレス役のジョーイ・ローレン・アダムス、いいな。音楽 ランディ・ニューマン。

シカゴの雑誌の編集部に「うちに天使がいるので見に来てほしい」とアイオワ州のモーテルの女主人からの投書。記者のフランクとヒューイ、新人ドロシーと犬のスパーキーが取材に向かう。そこにはちょっとイメージちがうけど本物の天使マイケル(=ミカエル)がいた。取材や写真OKの約束を取り付け、シカゴへ連れて帰る道中、マイケルがいろんな騒動を引き起こす、、、という話。

面白かった。突飛な題材だけど地に足がついてる感じで良い。トラボルタのキャラがハマってる。だらしない前半も、さすが天使って後半も、めちゃくちゃイイ。

ただ、やっぱ最初の「ええ?天使がこんなやつなの?」的な面白さは長続きせず、後半ちょっとダレる。ラストはかなり無理目な「実はぜーんぶ○○でした」でだまされた感じで残念ではあるけど、ほっこりさせられたので許す。まあ、ほのぼのクリスマス映画だったんだろうな。あと、犬がイイ。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00FIWI0D4/ref=atv_wl_hom_c_unkc_1_8

●ゴーストハンターズ(1986年)

Facebookなどでしばしば引用されたり動画が流れてくるので気になって観たくなった。当時からヒドい邦題だなあって思ってたw 監督 ジョン・カーペンター、カート・ラッセル主演。

サンフランシスコ。トラック運転手のジャックは、博打仲間の中国人ワンの婚約者が空港で誘拐された事件に巻き込まれる。彼女を救出しようとチャイナタウンに乗り込むが、二千年以上も肉体を持たずに復活を狙っている魔人ロウ・パンと対決することに……という話。

コメディだけど、面白いかと言えば、グダグダなだけw アクションはそこそこ見れるけど、メリハリがない一本調子で飽きてくる。しかし、魔人ロウ・パンと三人組はキャラとしては最高w

香港映画のごちゃごちゃ感をハリウッドに持ち込んだ感じ? 中国人社会の紹介とかそういうのほとんど関係なく、ただエキゾチックな道具立てとして使っただけっぽいけど。とはいえ、チープではなく、けっこうお金かかってるように見える。

2021/11/09

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最近観た映画メモ「カンバセーション…盗聴…」他

Mac+外付けディスプレイではSD画質でしか観れないと思ってたけど、Safariで観ればDisney+もアマゾンプライムビデオもHD最高画質で見れるとわかって以来、なるべくならHD画質で見ようとしてきたけど、弊害も大きい。重くて早送り・戻しなどでストップしてしまうなど手間取り、頭にきて見るの中断してしまうことしばしば。

WindowsノートではどのブラウザもHD最高画質で見れるため、逆にどの配信サイトでも重くなってしまう(画質を下げる設定がある配信サービスもあるけど)。総合的には、MacのChromeのSDモードで見るのが最も快適かもしれない。もちろん、高画質で見たいシーンもあるけど。

●シンドバッド 七回目の航海(1958年)

マイリストにずっと残ってたハリーハウゼンのシンドバッド三部作を見始めたつもりだったのだが、2作目「黄金の航海」3作目「虎の目大冒険」ともに、「このビデオは、現在、お住まいの地域では視聴できません」になってた。残念。

バグダッドのシンドバッド王子は友好国のパリサ姫を連れて帰国の途中、補給のためある島に上陸し、そこで怪物から魔術師ソクラを助ける。ソクラは魔法のランプを怪物に取られてしまうが、一行はバグダッドへ到着する。魔法のランプを取り戻すため、シンドバッドをまた怪物の島に行かざるを得ないように陰謀を企む……という話。

監督 ネイサン・ジュラン、主演 カーウィン・マシューズ、お姫様の女優キャスリン・グラントがカワイイ。なんと、ビング・クロスビーと結婚してキャスリン・クロスビーとして活躍、今も健在。音楽はやはりバーナード・ハーマン。

面白いかどうかで言えば、やっぱおとぎ話的な説得力もサスペンスもないグダグダ騒ぎという感じで、ちょっとツライ。

「スター・ウォーズ EP4」でルークとレイアが奈落の底をロープで越えるやつって「ターザン」って言われてたけど、この映画が元じゃん! 二人で越えるし構図も同じ。あと、ガイコツ戦士は「アルゴ探検隊の大冒険」の前にこの映画でもやってのは知らなかった。それで完成度高かったんだ。

その「アルゴ」のガイコツ戦士は今の目で見ても見事!と思うくらい例外的な出来であって、その他の化け物などのコマ撮りアニメーションはそれほどものすごいクオリティってわけでもないのね……が率直な感想。

70年代以降、特撮が急速に進歩する以前の肥えていない目で見た人たちに「ハリーハウゼン、すごいすごい!」って言われすぎちゃったのかもしれない。1981年の「タイタンの戦い」は観に行ったけど、当時でもやはり「う〜〜んんん……」って感じだったもんなあ。すでに「伝統芸能」化してたかも。もちろんそれを「味わい」と見れば「作り物が動く魅力」ではあるんだけど。

(「タイタンの戦い」を調べたところ、「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」の併映だった!)

●カンバセーション…盗聴…(1973年)

広場に群れる人々の全景を俯瞰でゆ〜〜っくりクローズアップ。冒頭から心を鷲掴みされるすごい映像。ジーン・ハックマン主演の何か評価の高い映画としか知らなかったけど、これ、コッポラ作品じゃん! 監督、脚本、製作。「ゴッドファーザー」と「ゴッドファーザー PART II 」の間に撮られた作品。ジョン・カザールやハリソン・フォード、シンディ・ウィリアムズやロバート・デュバルなどコッポラ/ルーカス組が出演。テリー・ガーも。

サンフランシスコ、通信傍受のプロとして業界で有名なハリーは、とても真面目で神経質、おまけに信心深い。プライベートでも神経を尖らせてるが故に孤独な毎日。大企業の重役の依頼で行った盗聴、ユニオン広場での男女の会話は非常にヤバいものだった。ハリーは「プロとして盗聴内容には関わらない」というポリシーを破ってしまい……という話。

前半は超完璧。こういう映画を見たかった! ただ、複雑で繊細な性格のハリーが精神をやられていき、現実か妄想かわからなくなってくる後半。モロなサイコスリラー描写にちょっと興醒め。せっかくのどんでん返しが薄まっちゃった感じ。当時はめちゃくちゃ新鮮だったんだろう。たぶん、「真似され続けた結果、元祖が陳腐に見える」パターンか。

トイレのアレとか、「シャイニング」じゃん!と思うようなシーンがいくつもある。キューブリックが真似したんだろうw 「ユニオン広場とそのミニチュア」はあの迷路に使ってるし、ゆっくりクローズアップだって、迷路やラストシーンの写真でやってる。

ジョン・カザールのスタンや、同業者モランの、神経に障る感じがイイw 慎重なハリーもついムキになっていろいろしゃべってしまったり。モランを演じたアレン・ガーフィールドは2020年にコロナで亡くなったそう。

あれ?と思って確認したらやはりそうだった。ジョン・カザールの役名スタンって、「ディア・ハンター」でもスタンだったw

ハリソン・フォード、ちょっと若すぎるけど、危険な感じを漂わせててイイ。シンディ・ウィリアムズ、前の年の「アメリカン・グラフィティ」では高校生だったのに、この映画では30代にしか見えない! (実際には当時26歳くらい)

音の表現が凝ってる。ハリーが音響技術を駆使して会話を鮮明にしていくところ、テープレコーダーやエフェクターやケーブルでやるのは視覚的にわくわくする。そのへん、今は全部デジタルなんだろうな。この映画の撮影中にウォーターゲート事件が発覚。盗聴がホットだったんだw

カンヌ映画祭でグランプリはもちろん、アカデミー作品賞に「ゴッドファーザー PART II 」とダブルノミネートってすごい!

廃墟みたいなビルの仕事場、カッコいい!

2021/11/06

最近観た映画メモ「フリー・ガイ」他

●フリー・ガイ(2021年)

ゲーム内のモブキャラの一人、銀行窓口係の「ガイ」が、かっこいい女性プレイヤー(人間のアバター)に一目惚れしたのがきっかけで、自分の立場を知り、自我に目覚めてしまう。監督、ショーン・レヴィ。ライアン・レイノルズ、ジョディ・カマー、ジョー・キーリー、タイカ・ワイティティ他。

すごい面白かった! 爆笑シーンやじわっと感動ポイントなど多数。パロディや引用も多数。僕はゲームぜんぜんくわしくないのが心配だったけど、ぜんぜんわからない点はなかった。まあ、気づいてないんだろうけど。

ただ、一本の映画で一つあれば十分なポジティブなメッセージが、何段重ねかわからないくらい大量に積み上げられてるのは非常にクドい。宗教くささにも繋がってしまう。「自分だってその他大勢の背景キャラだけど、そんな自分でもがんばれば」、「みんなもそれに気がつけば世界を変えられる!」、「何でも好きなことしていいんだ僕らは自由!」、あと「この世界がたとえ虚構だとしても、目の前の現実や感情は本物だ!」などなど。

「スナミ・ゲームス(Soonami)」って? ジャンプの編集者がモデルのメタクソ団のスナミ先生? コナミに音が似てるから?

●ゴッホ 真実の手紙(2010年)

Amazonプライムを物色してたら、BBCのテレビ映画なのか、若い俳優がヴァン・ゴッホを演じてる作品を発見。テオとの文通に基づく実話ストーリー。50分と短いのでちょいと見始めたところ、この俳優、ベネディクト・カンバーバッチじゃん! ヒゲを生やしてたからサムネールで気づかなかった。

あまり面白くなかった。書簡を元にしたリアルな表現を強調しているものの、従来のゴッホ像からそれほどはみ出さない通り一遍な感じ。ゴーギャンなど重要登場人物も上っ面しか描かれない。ラストも旧来のイメージのままで、今となっては古く感じてしまう。

カンバーバッチはゴッホになりきる方向ではなく、ゴッホの扮装をして語るリポーターっぽい感じで軽い。それでも、ゴッホが「若者」として表現されてるのはよかった。ただ、弟のテオ役の俳優が4歳年下ではなく10歳くらい上に見えるのは惜しい。

●SF巨大生物の島(1961年)1:40 Amazon映画

「シンドバッド 7回目の航海」からのハリーハウゼン三部作を見ようとリストに入れたついでに、別のハリーハウゼン作品を前座として見てみる。ロードショー誌を買い始めた頃に「巨大生物の島」(1976年)って映画あったからそのオリジナルかと思ったら、リメイクじゃなくジュール・ヴェルヌの別の小説の映画化で、邦題が同じだけだそう。

南北戦争中、捕虜の北軍の大尉以下数名が偵察用気球で脱走、太平洋のどこかの島にたどり着くが、そこは巨大生物の島だった、、、という話。ネモ船長やノーチラス号も出てくる。監督 サイ・エンドフィールド。出演者はハーバート・ロムしか知らない(ピンクパンサーでw)。確かに「海底二万マイル」のジェームズ・メイスンに雰囲気似てるが。

あまりおもしろくなかった。島に着くまでの脱出劇と気球のパートはなかなかよかったのだが。あとは成り行きのグダグダな感じ。ハリーハウゼンのストップモーション特撮も生かし切れてない感。ネタバレになるけど、巨大カニを倒して温泉で茹でて食い、巨大鳥をやっつけて焼いて食い、、、、の顛末、それ、テーマだったのかよ!ってびっくりしたわ。おいしそうだしw

音楽がバーナード・ハーマンで、ムダにめちゃくちゃヒッチコックっぽいw

ところで、プライム会員特典のこれ(「Sf巨大生物の島」という表記)と、有料の「SF巨大生物の島」がダブってラインナップされてるミス発見。おまけに後者は製作年が2002年になってる。

2021/11/03

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最近観た映画メモ「正義だ!味方だ!全員集合!!」他

Amazonプライムビデオでドリフ映画がズラズラ出てきて気になってた。とりあえずシリーズの最初と最後を観ておく(プラス、1本)。

子供の頃、コント55号のテレビは割と見る機会あったものの、ドリフのテレビはほとんど見せてもらえなかったため、変にあこがれがあった。小3〜4くらいとき、誰かにもらった明星の付録かなんかのドリフの小冊子をめちゃくちゃ読み込んだし、紙粘土でいかりや長介の胸像を作ったこともあるくらい、あこがれてたw

もちろん「首チョンパ」とかCMその他では見てたものの、小学校時代に「8時だョ!全員集合」を見たのは親戚の家に泊まったときの1度きりだと思う。「全員集合」は高校時代には多少見るようになったけど、それも「ひょうきん族」がブームになるまでの1年くらいの短い間だった。

映画でもテレビでも、コメディアンが(仕事として)ふざけたり変顔したり、(ひねりなしに)持ちネタのギャグをやるのは、まったく面白くないどころか、たいてい猛烈に腹立つんだけどね。それは求められてることだろうから、僕が文句言ってもしかたない。

松竹の「全員集合」シリーズは14本だけど、同時期、他に東宝の「ドリフターズですよ!」シリーズもあって、計21本! どんだけ仕事してるんだ?? 「男はつらいよ」と二本立てだった72〜75年には邦画興行トップだったそう。

あと、主題歌の数々。ドリフ見てなかったのにほとんど知ってる歌ばかり。カバーや替え歌曲が多い。「いい湯だな」「ズンドコ節」「誰かさんと誰かさん」「ミヨちゃん」などなど。「ツンツン節」なんて50年ぶりに思い出したわ(オリジナルは元ドリフでもあった坂本九の1962年の作詞曲)。

他の昔のシリーズ喜劇、クレージーキャッツやコント55号、駅前シリーズや社長シリーズとかいっぱいある。第一作と最終作だけでも見たくなってきた。「ニッポン無責任時代」は「なぜか見てない映画を観るシリーズ」として見たけど、10年前だからほぼ忘れたw

●なにはなくとも全員集合!!(1967年)

シリーズ第1作。ドリフ、めちゃくちゃ若い。テレビの「全員集合」が始まる2年前。この映画ではどちらかというと、三木のり平、中尾ミエ、古今亭志ん朝などが主役で、ドリフはにぎやかしの脇役に近い。監督、渡邊祐介。「なにはなくとも」は三木のり平の江戸むらさきから来てたとはw

草津温泉。客の争奪戦でいがみ合うローカル鉄道の駅員たちと新興バス会社の社員たちの騒動。ゆるいロミオとジュリエット的な話もあったりする、ほのぼのコメディ。まあ、さほど面白くないけど、短めなので大丈夫。

映画の内容はおいといて、僕的に5歳くらいの1967年というと物心ついた頃の「原風景」みたいなもの。それがHD画質カラー映画のめちゃくちゃ鮮明な映像で見れるのは素晴らしい。画質がめちゃくちゃいい。

●正義だ!味方だ!全員集合!!(1975年)

以前も書いたけど、これ、たまたま映画館で観た。中学1年の冬休みが終わった頃=1976年の1月10日前後に「トラック野郎・爆走一番星」が面白かったからまた見に行くという友達と出かけたら「トラック野郎」は終わってた。代わりに見た「男はつらいよ 葛飾立志篇」の併映がこの映画だった(その数日前に見たのが「ジョーズ」で、こちらは僕の人生の方向を変えたほど大きな衝撃だった)。

シリーズ第16作で最終作。監督 瀬川昌治。ザ・ドリフターズ、榊原るみ、伊東四郎、ミヤコ蝶々、金子信雄、他。財津一郎が若い! ブレイク前の志村けんは、パッとしてないし、フィーチャーもされてない。

横浜、レジャービル建設関連で暴力団に立ち退きを迫られてる商店街。通りがかった広告屋(実は仕事のないチンドン屋)がミニコミ誌を作って世論を味方につける作戦を提案。連載マンガの「ゴリレンジャー」が人気を得るが、、という話(マンガ作成は石ノ森章太郎。マンガの中に「ジョーズ」ネタがちゃんと入ってるのがイイ)。

内容はほとんど忘れてたけど、途中までは普通に面白かった。終盤のチャカチャカ早回しのベタなドタバタ〜学校ネタまで、愕然とするほどつまらなかった。唯一覚えてた「おかしなおかしなおかしな世界」の真似と思われる感電ギャグと、しつこく何度も繰り返し屋根を滑り落ちるギャグ、当時腹が痛くなるほど笑ったはずだけどなあ。今回はノレなかった。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08LB5P93P/ref=atv_wl_hom_c_unkc_1_13

●ミヨちゃんのためなら全員集合!!(1969年)

もう1本くらい見ておこうかと、ザッと見る。シリーズ第4作。69年はドリフ映画は4本も撮られたそうで、ドリフ以外の登場人物のシーンが多いのは、拘束時間を少なくする工夫なんだろうな。監督 渡邊祐介。ザ・ドリフターズ、ハナ肇、倍賞美津子、松岡きっこ、左とん平、他。三木のり平もちょっと出てる。

女房に逃げられた上、人使いが荒くて従業員にも逃げられた漢方薬の工場経営の長吉と、その後輩で、弱みを握られて逃げられないヒデオ。そんな時、高校ときの先生の妹が東京からやってきたのだが、彼女はヒデオの初恋の人にそっくり。あと、町のボスが企む不動産関連の陰謀。などなどw

味わいはあるけど、まああんまり面白くなかった。でも、50年前の鮮明な映像と、若いドリフに浸るのはそんなにイヤじゃない。またそのうち何本か見ると思う。

2021/10/31

最近観た映画メモ「地獄の戦場」他

Amazonプライムビデオのリストにいつまでも残ってる古い戦争映画を一気に見てしまう特集。古いとはいえ、三本とも面白かったし「名作」って感じした。

●サハラ戦車隊(1943年)

監督 ゾルタン・コルダ、ハンフリー・ボガート。アフリカ戦線、ロンメル率いるドイツ軍に三方を包囲されて撤退中、本隊とはぐれてしまった一台の米軍M3中戦車。友軍への合流を目指す途中、生き残りの英軍部隊や捕虜などいろいろ拾って次第に大所帯での移動に。そして飲料水が底をつく……という話

驚くのが、第二次世界大戦の真っ最中の1943年11月公開で、しかも、アフリカ戦線終了直後。ほぼ「今現在の話」として作ってるのがすごい。撮影はコロラドの砂漠なんだけど。

ところで、捕虜のドイツ人とイタリア人の描写。ヒトラーやドイツ軍は人でなし、イタリア人やムッソリーニは人間的だからマシとしてるのが面白い(イタリアが降伏して連合軍入りした直後の公開だから?)。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07PDB4HQ1/ref=atv_wl_hom_c_unkc_1_31

●砂漠の鬼将軍(1951年)

監督、ヘンリー・ハサウェイ。主演、ジェームズ・メイスン。冒頭にアフリカ戦線の描写はちょっとあるものの、タイトルの印象のような戦争映画ではない。ロンメルがヒトラーのデタラメ横暴に耐えきれず、ヒトラー暗殺計画に加担、自決に追い込まれるまでを描く。

ロンメルについて、以前の「連合国側でさえ認める立派なドイツ軍将軍、おまけにヒトラーに反抗したり暗殺計画に加担した正義の人」のイメージそのまんま。これが、戦後たった6年の映画で、そんな手放しで賞賛してどうする?的な。ロンメルが本当に加担したかどうかは不明だそう。現在ではもうちょっとリアルな検証がされてるらしい。

短めだし、メリハリ効いてるし、メイスンはじめ、将校役俳優たちの演技はキビキビとかっこいいし、良かったです。タイトル前のロンメル暗殺作戦のドンパチ、なんかトーンに会わず唐突に付け足された印象だったけど、フリッパー作戦といって本当にあったらしい。

ヒトラー暗殺作戦については、トム・クルーズの「ワルキューレ」にも描写されてた。優柔不断で失敗するアレ。巻き込まれた人がかわいそうだ。

あと、原作はデズモンド・ヤングというイギリス軍の元将校が書いたロンメルの伝記なんだけど、映画の冒頭に出てくる、ロンメルに敬礼する捕虜の将校が本人!!

●地獄の戦場(1950年)

太平洋戦争、ある島へ上陸した米軍海兵隊。教師であった中隊長が長いこと率いている生き残り部隊。日本軍のロケット砲陣地の場所をつきとめるため、日本兵を捕虜に取る任務に出る。

監督、ルイス・マイルストン。リチャード・ウィドマーク、ジャック・パランス、ロバート・ワグナー。プライムビデオに1965年とあったけど画面も音楽も古すぎると思ったら、1950年の映画だった。

カラーの戦争映画としてはなかなかの出来なんじゃないか? 面白かった。まあ、南の島には見えなくて、どう見ても西部劇に出てくるアメリカの荒野。海兵隊の全面協力のもと、Camp Pendletonで撮影されたそうで、写真を検索するとたしかにこういう場所。年代から言って、朝鮮戦争の国威高揚映画なのかも。

日本兵の描写が意外。多少は手こずるものの、けっこうしっかり人間扱いしてる。捕虜の日本兵が何人も出てくるんだけど、それぞれちゃんと個性や教養までまでしっかり描かれているし、ある意味尊敬の対象になったりしてる。(たどたどしいけど)日本語もいっぱい話される。海兵隊の全面協力ということで、太平洋戦争経験者のリアルな日本兵のイメージなのかも。

原題の「The Halls of Montezuma」は冒頭でも流れる海兵隊賛歌のタイトル。別タイトルは「Okinawa」だそう。

ところで、日本陸軍にそんな大量に射てる強力なロケット砲なんてあったんだ?と検索したら、四式二〇糎噴進砲といって、太平洋戦争末期に連合軍を相当苦しめたらしい。

2021/10/24

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最近観た映画メモ「ソウルフル・ワールド」他

●ソウルフル・ワールド(2020年)

(多少のネタバレを含むので未見の人は注意)
ピクサー作品。監督 ピート・ドクター、 ケンプ・パワーズ。声の出演 ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ。とんでもなく濃いCG。キャラクターの何でもない一挙一動の表現にいちいち感動してしまうほど。

煮え切らないまま中年になった、ジャズピアニスト志望の中学の非常勤教師、ジョー。初めてすごいチャンスが舞い込んだ直後に事故で死んでしまう。成仏するのを嫌がって逃げ回った結果、「生まれる前のソウル(魂)たちの世界」に迷い込む。そこで「生きる目的が見つからず、生まれることを何千年も拒否してきた問題児のソウル、22番」と出会い、元の世界へ生き返る方法を探す過程で、自分を見つめ直すことになる。

「インサイド・ヘッド」と同じく、ぼんやり考えてたイメージを(多少図式的だけど)めちゃくちゃ具体的に提示され、自分に当てはめざるを得ない映画。特に、自分の人生の様々なシーンを彫刻みたいに展示され、「クソみたいな人生」と見せつけられるシーンはキツい! (後で回収されるが)。

ピクサーってそういうところスゴイ。今までの作品のテーマも、人生の節目など誰もが「自分の問題」として共感できる普遍的なもの。実写では「自分の問題」としての共感度はこれほどまで強まらないかも。

特定の宗教色が出ないよう配慮されてるのが、かえって強烈に宗教的になってるかも。嫌な感じはしなかった。「ゾーン」と「迷子のソウル」の説明には膝を打った。

トロンボーンの女の子を「好きだったら続けなよ」と応援する一方で、しまいには「人生のきらめき=才能、夢中になれるもの、生きる意味の追求」すら最重要事項から外してしまう! 必死にがんばってきたのにイマイチぱっとしない普通の人々にとって、これ以上ない「救い」かも。

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ところで、「22番」というと、思い浮かぶのは……YMO「Nice Age」の途中のナレーション「22番は今日で一週間たってしまったんですけども、でももうそこにはいなくなって、彼は花のように姿を現します」(ポール・マッカートニーが収監されてたときの部屋番号だそう)。もちろんそれとは関係なく、映画にもなった「キャッチ=22」から生まれた慣用句(どうしようもない・逃れられないジレンマに陥っている状態)から来てるらしい。

●レニ(1993年)

レニ・リーフェンシュタールのドキュメンタリー。ダンサーから映画女優、映画監督へ。ナチ党大会の記録映画「意志の勝利」、ベルリンオリンピックの記録映画「オリンピア」で世界的高評価を得る。戦後、ナチ党のプロパガンダ映画の監督として糾弾され続ける。監督、レイ・ミュラー。ドイツ映画。

「怪物的才能を持った歴史上の人物が自ら語る」という意味で、めちゃくちゃ迫力がある。すごかった。

80年代の雑誌などの、石岡瑛子ディレクションのヌバ族の写真集やスキューバダイビング写真の記事。ナチの件では批判にさらされ続けるも、高齢なのにとんでもなくエネルギッシュな、陽に焼けた怖いおばあさんという印象だった。十数年年後のこのドキュメンタリーでは90歳に見えないほどかわいらしくてびっくりした。

ミュラー監督は、レニにナチ協力者として責任があると考えていてしばしば追求するが、レニは「私には責任はない。ナチ党員でもない。芸術家としてベストを尽くしただけ。あの当時に生きていたら他にどんな選択肢があったのか?」と反発・激昂する場面がいくつもある。

戦後、レニが批判をかわすために作ったウソが混じってるニュアンスは確かにある。「自分の芸術の実現のためには、他は些細なこと」という傲慢さはあるだろう。直接の責任はないとしても、特権的立場を享受してたわけだし。大戦後半は悪化する戦況をよそに、チロルの邸宅にこもって自分の作品の編集をしてたらしい。

激昂といえば、ミュラー監督の撮影上の演出「歩きながら話してください」という指示に、レニはブチ切れて「私はそんなことしない!」って拒否して怒りまくる。なのに、次のカットでは演出通りおとなしく歩きながら話してるのがオカシイw