また古いシリーズ喜劇のつまみ食い。一般的に、コメディアンや芸人が出る映画やドラマって本来の面白さを発揮できない印象。手足がんじがらめに縛られてる。「ここはアドリブ、いつものアレでお願いします」的な部分で手持ちのギャグや動きをするしかなく、それは芸人が望むタイミングじゃないんだろう。
●ズンドコズンドコ全員集合!!(1970年)
シリーズ第5作。漁村の問題児5人組、リーダーの鮫吉は東京で一旗上げるぞと宣言するも4人は拒否。芝居一座に弟子入りして逃げようとする加藤を無理やり連れて、東京へ。屋台の商売を始めるが、うまくいかない。地元の3人に見栄を張った手紙を送ったら、3人も上京してきてしまう。そして、出所してくるヤクザの女に手を出していた左とん平が、加藤が身代わりに殺されるよう図る悪だくみ巻き込まれ、、という話。
従来、あらすじは2行くらいで書こうとしてるのだが、キモの部分を一言で書くのが困難。いつものように要素が多いけど、この映画ではなんとなくすんなり繋がってて違和感が少ない。立場の逆転も面白い。
監督 渡邊祐介(この人、松竹以外のドリフ映画でも監督やってるのね)、ザ・ドリフターズ、中尾ミエ、宍戸錠、左とん平、若水ヤエ子、他、大物ゲスト多数。久美役の小川ひろみ、場違いなほどカワイイ。Wikipediaページもないけど、「俺は男だ!」に出演してて人気だったらしい。なんとなく覚えてる。
いかりや長介がやたらイキイキしててうれしそうに演じてるのがなぜか感動的w あと、ものすごい凶悪メイクした宍戸錠がノリノリでバカバカしい役をやってて素晴らしい。「ズンドコ節」他、歌もいろいろ入る。みんな上手いなあ。
公開は1970年8月8日、僕的に小2の夏休み、大阪万博に行く一週間前(劇中でもゲストの藤田まことが「万博に来てや!」と言ってる)。やはり当時の鮮明な映像にはグッと来る。
●クレージー作戦 先手必勝(1963年)
「クレージー作戦」シリーズの第一弾。14本もあってクレージー映画としては最も長続きしてる。植木等だけ主演ではなく、メンバー全員が活躍するシリーズとのこと。監督 久松静児、出演 クレージーキャッツ、池内淳子、他、ゲスト多数。こちらにも中尾ミエと若水ヤエ子が出てる。
会社をクビになった植木等がメンバーを集めてもめごとを解決する「よろずまとめや」を開業。最初はまったく仕事がなかったが、中尾ミエが持ち込んだ件をきっかけに大当たりするが……という話。
内容はものすごく面白いわけじゃないけど、いろいろ興味深い点が多くて楽しめた。中尾ミエ、この時16〜17歳くらいだけど、クレージーに引けを取らないベテランのような風格がすごい!
映像や風景はドリフの1970年前後とくらべると、1963年は明らかに「昔」に見える。終盤で出てくるゲストのQは、「風采の上がらない青年」と外見を笑われる種類のタレントだったんだ、やはり。とちょっと驚いた。
僕にとっての植木等的な立ち居振る舞いは、「本人は面白いかもしれないが周囲はしらけてる、みっともない大人の不愉快なカリカチュア」として見えてしまうから、基本的に好きにはなれない。当時はたぶん、空気を読まない新しい日本人像として新しかったんだろうな。
●コント55号 世紀の大弱点(1968年)
コント55号映画の第一作。監督、和田嘉訓。コント55号、真理アンヌ。天本英世や内田裕也も出てる。水垣洋子って甲高い声が特徴的で、声優として有名らしいけど知らなかった。
週刊誌記者とカメラマンのぐうたらコンビ。小説家から原稿を取れなくて困ってたところ、たまたま拾った小説の原稿に適当な作家名をつけて掲載したら大評判。なじみのキャバレーの女の子を作者に仕立ててマスコミ対応させたら人気爆発するが……という話。
若くてめちゃくちゃ元気で明るくてノリノリな二人のドタバタは素晴らしいんだけど、後半は悪夢のようなつまらなさだった。う〜ん、ちょっと期待したんだけどなあ。そのうち、どれかあと一本くらい観ておく。
ところで、ドリフ映画第一作の「なにはなくとも全員集合!!」の「なにはなくとも」は、三木のり平の江戸むらさきから来てたとはw
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