2013/04/30

Iam8-bit作品GW制作 0430-2

夕方になって、もう待ち切れん。ぶった切って、発泡スチロールをえぐり出した。発泡スチロールとクレイが密着しすぎてて、剥がすのに苦労した。ボロボロのクレイは再使用になりそうなの半分くらい。粉がつくだろうと思って水性トップコートを吹いたせいで密着度が上がってしまったらしい。ガムテープを巻いておくといいって教えてもらった。

クレイを横から剥がして行って、ある程度来たところで引っぱると、ポン! 抜けました。あまりに薄かった部分が欠けた以外、一応、クレイから石膏型を取るの成功。困るのが、正確な合わせ目がイマイチわからん。分ける前に線を引いておくとかしないと。
っていうか、やっぱこの方法、しんどすぎないか? 発泡スチロールを芯にパテを盛っていきなり原型を完成させ、シリコン型取りするほうがぜんぜん早いかもなあ。。。。

Iam8-bit作品GW制作 0430-1


切り金ってのをパーティングラインに差し込むんだそうで、やってみた。アルミ板。クレイの厚みが薄く、ほとんど発泡スチロールに差し込んでる感じ。

んで、石膏をふりかける。何度も石膏をたらして固めながら、普通の仕事もしなくちゃならん。昨夜から今日午前中にかけて6〜7回くらい振りかけて厚くした。表側の石膏だけ「割れ防止樹脂」っての入れてみた。どのくらい強くなるかテスト用。っていうかこれ自体が試しですので。

石膏はまだ脆い状態。水分飛んでカッチカチになるのに丸一日くらいかかるらしい。しばらく待つ。っていうか、切り金部分からヘラでこじ開けるらしいけど、成功する気がしない。ぜったい割れると思うww 何やってんだろうねw テストですけどね。割り金のところからパカッと石膏がはずれないことはわかりきってる。今回は表面のすぐ下が発泡スチロールなのでナイフ差し込んで切断すれば二分割するのは骨じゃないと思う。全部クレイだったら相当たいへんだった。シンナーで溶かしちゃう手もあるらしい。インダストリアルクレイが再使用できる状態で残るか微妙だけど、最後の手段としては強力!!!!


昨日買ってきたnittokuの穴埋め用パテ。グレーで大量入りってことで昨夜テストで石膏に塗ってみたけど、まったく固まる様子がない。再度硬化剤を多めに入れて混合してみたけど1時間過ぎたけどまったく硬化の様子なしorz どうなってんだ? 99工房のボデーパテ厚づけ用も昨夜やったけど、こちらはすぐ固まった。硬化剤を混ぜると黄色くなる、ウェーブのモリモリパテと同じ製品かな? の黄色いやつは工作しやすいけどちょっと脆い。ホルツのパテも買ったけど、これは以前試したことあるので問題ない。カッチカチになるはず。部分の細工用に2年前に買った未開封新品持ってきたけど、まだ使えるか不明〜。

その後、硬化剤をたくさん入れたほうは、いちおう固まってきた。たぶんこのまま硬化する模様。ただ、収縮してるのか、石膏との間に隙間が出てる。石膏ちゃんと固まってないうちにやったのが原因かもしれんけど。 どっちにしても、パテ置き換えで表面処理用としては99工房の黄色いパテのほうがいい。ちょっと盛ってすぐ作業できるし。

2013/04/29

Iam8-bit作品GW制作 0429 スタート

GW制作スタート。作品を送る締め切り日があるので、期限は二週間しかない。昨日夕方と今日と、材料チェックや買い出しでそこらじゅう動き回り歩き回り、制作には数時間しか取れなかった。それもやったことないことやるのでひととおりテストしたりとか。

発泡スチロールを芯にインダストリアルクレイを巻き付け、石膏型取りしてパテに置き換えるテスト用のモノ。15センチくらい。目を彫る練習も兼ねてみた。

買い出し、ホームセンターとオートバックスでたいていのモノは揃う。便利。けど、塗料だけはダメだー。ラッカーってスプレー以外はほとんど売ってない。小さい缶ラッカーの白赤黒ミドリ茶色黄色、みたいのはあるんだけど、複数の店でもなぜか青だけない。なんだろ?

各種パテやFRP用品、石膏や発泡スチロールやハカリとか。紙コップやその他いろいろ超たくさん。「家庭化学 セメント混和剤割れ防止」っていうのも買ってきた。アクリル系粉末樹脂と書いてある。たぶん、石膏に混ぜると、以前使った「樹脂入り石膏」みたいな効果があるんじゃないかなと。

2013/04/20

三越のショーウインドウ、まもなく終了

銀座と日本橋の三越のショーウインドウ、4月22日(月)の夜まで展示されてます。館内の展示はエスカレーター周辺にあります。


銀座店ショーウインドウ

銀座店館内展示

銀座店ショーウインドウに映り込む銀座和光

日本橋店の入り口付近

銀座店地下1階

銀座駅改札付近。メイン用にはボツになったロゴをここだけ使ってる。

2013/04/18

YMOも過去のものか?

アーチストのJon Burgerman氏がWACOMのCintiqでドローイングしてるYouTube動画。絵もすごいけど、音楽!! アメリカのアーチストが自分のムービーのBGMにこの曲をつけるってすごくないですか!?

高橋幸宏のソロアルバムに入ってた曲で、すごい好きだった。よく見るとちゃんと「The music is by Yukihiro Takahashi, the song is called Curtains.」と書いてある。YMOの「BGM」の頃のソロアルバム「ニウロマンティック-ロマン神経症」の中の曲。

レンタルレコードからのカセットテープでしか聴いてなかったからCDも持ってない。iTunesストアにはない! 音楽でも本でも、今すぐダウンロード購入できないってのはすごいストレス。一気に10年くらい昔に引き戻される気分。

当時のYMOメンバーのソロアルバムって、YMO本体の曲の数が少ないのを補う感じで、YMOそのものとして聴いてました。メンバー同じだし。そのへんまとめてTSUTAYAで借りてこようっと。

・・・甘かった。近所のTSUTAYAには、高橋幸宏のコーナー見出しがないどころか1枚もなかった。細野晴臣もなし。坂本龍一はさすがに十数枚あった。そもそもYMOですら3枚しか置いてない(確認のため寄った他の店舗にはYMOコーナー自体がなかった)。YMOはもうすでに忘れ去られる寸前か。

YMO、人気の全盛期って33年前だから無理もないんだけどね。33年がどのくら昔かというと、僕が高校生のときの戦後すぐくらいだもん。「東京ブギウギ」とか「青い山脈」くらいww

ダウンロード時代のレンタルCDは現代の高校生が利用することあるのか? ってのもあるけど、そもそもダウンロード販売してないんだから存在しないに等しいわけで。YouTube等で探すと全部聴けたりするけどね。あ、そっちか。

その後、CD買いました。やっぱもうCDを買ってアマゾンで届くってこと自体がおかしな気分。

2013/04/17

「ボーカロイド」対「生身の人間」

ボーカロイドのイベントで「音楽は生身の人間が魂を込めてやるものでしょ。バーチャルのなにがそんなにおもしろいの?ふざけんなよ!」と女性歌手が叫んで乱入。だそうで。

おもしろい! 歴史の変わり目には時間差があるんだなあ。僕にとってのイラストやデザインは21年前にその変わり目があった。文章書きや書類仕事はもっと前からだろうし、フィギュアの原型師さんは数年前からデジタルに置き換えが進んでるらしい。

「歌」はデジタルに置き換えが効かないと思われていた最後の一つなのかも。初音ミクなどのボーカロイドはプロ歌手からすれば完全にオモチャみたいなもので、自分らの仕事とは関係ないと思われていたにちがいないけど、さすがにボカロの盛り上がりに危機感を感じたんだろうな。自分の技術や存在をないがしろにされてる感というか。

他の分野は全部デジタルの洗礼受けて豊かになったんだ。歌だってそうだよ。デジタルの歌に対して生身の人間ができることは何か考え直す機会になるだろうし。専門家の歌手がボカロを調教すれば、素人には真似できないことできるんじゃない? ボカロを使うプロの歌手なんてまだいないのかな? まあ、まだ声のバリエーションが少ないしニュアンス出すためにいじれるパラメーター少ないもんな。少なくとも男声女声老若100人くらいのバリエーションがあれば。あと、数人〜数十人とかの声のサンプリングで、コーラスのボーカロイドって需要多そう。

プロ歌手が、自分の歌の魅力を最大限に出すために、音声編集ソフトとかで音程や音質やタイミングや切り貼りやいろんな手を駆使してるってのはありそうだな。山下達郎とか。一発録りでないとプロじゃない!なんていう人はさすがに少なそうだし。

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2013/04/16

デジカメの中のホコリ

LUMIXコンパクトデジカメの中に入ってて写真にも写り込んでたホコリ、とれた〜〜〜!! 全画面にゴミひとつ無し! 同じ機種だったので非常に参考になったブログ↓

DMC-FX60 LUMIX CCDゴミ取り

このブログのトップの青空の写真ほどではなかったけど、ズームすると大きな黒いゴミがいくつも見えた。沈胴式のレンズは空気が出入りするのでホコリが入るのはしかたないらしい。あきらめてデジカメを新調しようかと思ってたけど必要なくなった。

分解は簡単。参考にしたブログは余計なところまで取り外してるので複雑に見えるけど、ネジはずしてフタを開けるだけ。レンズにもCCDにも盛大に白いホコリがくっついてたのをブロワーで吹き飛ばす。レンズの裏側の隅に一個大きいゴミがあったけど取れなかった。けど、画面には映らないので大丈夫。いやー、簡単だわ。またホコリ入ったら取ればいい。気が楽。

以前にホコリが入ったときにガンガン机に叩きつけたら取れたことがあったので、最近は壊れてもいいや、むしろ壊れてくれれば買い換えやすいと力任せにガンガンガンガンぶっ叩いてたw 丈夫だな〜LUMIX。スマンかった。もう何年かは大事に使うから許せ。

2013/04/08

Expression終了

某所でExpressionの話が出た。Microsoftに買収されて以後はほとんど存在感なくなっちゃってたけど、どうなったかなと検索してみたら、なんと! 昨年末に終了・無償化してた!

「Microsoft Expressionが終了へ、「Expression Web」「Expression Design」は無償化

Fractal Designの頃にずいぶん入れ込んだグラフィックソフト。ドロー系なのにペイントっぽく描ける、というよりも、ペイントソフトは将来は解像度に左右されないこのような形になる!と思ってたソフトです。

昔、Painter風に描こうとして、全ストロークが表示されるのに数分かかってあきらめたことがあるのでした。マシンが高速化した今なら相当複雑な絵を描いても大丈夫にちがいない。

Expressionのストロークの自由自在さは、15年後のAdobe Illustratorでさえ追いついてない部分が多いのです。また、WebやアニメーションでもFlashをひっくり返す存在だったかもしれなかった。いろいろもったいないなあ!

2013/04/07

クールジャパン反対〜!!

また「無報酬」ってところについ反応しちゃうけど。こないだ天王寺区タダ働きデザイナーの件があったばっかしなのにな。いや、ボランティアならそれでもかまわんと思うけど、今回は「日本中の優秀なクリエーターにひと肌脱いでもらうべきだ」、べきだ、だよ。べきだ〜。

500億円投入って、ハリウッドの大作映画2〜3本分の予算で何か効果を期待するほうがオカシイ! だいたい、日本アニメは激安放映料で繰り返し世界中で放映されてた中で育った人たちが、その「ありふれた安物」の中に価値を「発見」したんじゃん。ジャパンはクールだぞって自分からねじ込んでどうする?? シラケるばかりだと思う。

何を危惧してるかというと、外国人が見て超ダッセー動きかもしれない「クールジャパン」のくくりに、僕らも含まれちゃうんだぞ! がんばって自力で世界進出しようとしてる僕を含む日本のアーチストたちが、その一味と否応なく思われてしまうのはイヤだーー! 「クールジャパンだとさwww」って広まっちゃった後、どんな顔して世界に出て行けばいいんだ?

もちろん「クールジャパン」はマンガやアニメやゲームに限らないわけだけど、牽引力の大きな柱ではあるだろう。国からそんなもん文化じゃないと冷遇され無視され続けたからこそ、ここまで栄えたのだー。少なくともその文化の基礎を作った一人であるはずの手塚治虫に国民栄誉賞を上げてからの話だっ。

だいたい、「クールジャパンはトニー・ブレアがやったクールブリタニアのパクリ」って先日知ってひっくり返ったわ。もう全部なしにしろ〜〜〜!!

イギリスには「かつて世界を制したのに没落した国、でも音楽やファッションで世界を席巻しててカッコイイ!」というイメージがあった。 クールブリタニアとわざわざ言い始めたのは90年代半ばなのね。グラフィックデザイン以外の分野で90年代に何か目立った動きがあったかどうか、記憶にないなあ。

日本も同じくブイブイ言わせたのに没落したけど、アニメやキャラクターをはじめ料理やファッション、いろんな文化で世界を席巻。外国から見た今の日本の印象って、たぶん僕が80年代くらいに抱いていた「イギリスってカッコイイ!」と重なるんだろうな。

日本のコンテンツの輸出額は2008年以降激減してるらしく、「クールジャパン」自体もう手遅れと思われるけど、この分野での没落をなるべく遅らせるにはやはり国が何かやらなきゃいけないのかもしれん。

で、クールジャパンって具体的に何やろうとしてるわけ? と思って、Wikipediaのクールジャパンの項のリンクの「日本ブランド戦略」のPDFを見ると、けっこうまともなこと書いてあるじゃん。「海外から人材受け入れて将来の担い手として育成」まであったりする。志はまともでも、実際に動くとグダグダになっちゃうのかなあ。

※余談。先週、「クールジャパン」「無報酬」に関連して、「イラストレーターカタログ本で掲載料を取られる、無報酬を通り越して払って載せてもらうのか! ひどい」って話が広まった。「いや営業用カタログ本に掲載料を払うの当然」って実例を挙げて抵抗を試みるも、あまりの浸透の広さにぐったり。しまいにゃ「お前はいったい何と戦ってるんだ?」な気分に。わかってる人はわかってるんだから放っておこう、スルー力が試される。

「カタログ本掲載料商法」を支持するわけじゃないけど、権威とか実績とか関係なしに、お金さえ払えば載せてくれるカタログ本は、むしろ若い人の味方でもあるんだよ。 「お金の前では平等」を否定すると、昔の年鑑みたいに「権威」しかなくなっちゃうよ。

2013/04/04

特撮やCGに興ざめする話

●リアル表現とお約束の間

どの映画とは書きませんけど、また予告編見てガッカリした。う〜ん、「特殊メイク」ってことをアピールする特殊メイクはいかがなものかと思います。特撮好きだけど、一目で作り物とわかる特殊メイクと、ワイヤーアクションは大嫌いなのだー。伝統芸能的お約束とか様式美とか言われても納得したくないのだー。

ワイヤーアクション、なんで嫌いかというと、重力とか慣性が不自然に見えるから。放物線ってちょっとでも狂うとわかるじゃん! そのへん、不自然に見えないギリギリを狙うならいいけど、たいていめちゃくちゃに見えてそこで映像が台無しになる。

物理法則とか重さ表現の件で、僕が子供の頃から気になってしょうがないのが、ウルトラシリーズとかで戦闘機などがあり得ない半径で進路を変えること。テグスで吊った天井を中心に回ってる感じ。スターウォーズの撮影はそのへんをクリアしてたから大好きになったわけだけど、「帝国の逆襲」でミレニアムファルコンがルークを救出しに行こうって雲越しに反転するカット。あれはない! と思った。

基本的に、ああいう重そうな飛行物体はほぼ直線上にしか動かないようにしないとダメ。曲がる場合は、進路を変えるのがすごいしんどい感じでどうにかムリヤリ曲がっているくらいにしないと。遠心力で中の人つぶれるし。「スターシップ・トゥルーパーズ」のでかい宇宙船の描写は僕的に満点! ちゃんと重いし方向変えるの大変ってところ。なんであんなに艦隊が密集してるの? ってのはおいといて。

重心や慣性や放物線とかって、CGアニメ見ててもすごい気になる。そこが不自然な箇所があると、ハッと我に帰らされちゃう。キャラクターの重心がどこにあるか? 立ち止まるときの慣性の殺し方とか。自分で動きつけるときもそこが一番重要と思う。あんなリアルに作った「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」も、派手なアクションの遠景で人が不自然な落ち方してるところが引っかかって印象に残っちゃってる。

特撮で重力が変っての気になり始めたのって、幼稚園くらいかも。あんなでかい怪獣があんなに速く動いたら重量感ないじゃん! とか思ってた。あと、4年生くらいから戦艦とかのプラモが流行ってたけど、水に浮かべて動かしても本物みたいな波ができない。洗剤の泡とかでも白い航跡を作るのは無理だし、水しぶき自体が船のプラモに対してでかすぎる。同様に、「ミクロの決死圏」で目頭から救出するシーンで足元バシャバシャ細かい水しぶきがすごい変だと思った。

そのへんの描写の不自然さに気がついて以来、特撮怪獣もロボットアニメもほとんど興味なくなっちゃった。仮面ライダーは等身大だから大丈夫だったんだけどw でも高く飛び上がってのライダーキックは、飛び上がった瞬間に着地(つまり怪人にキック)の位置は決まってるわけだから、よけるの簡単なんだよね〜。

一寸法師的小人やダイダラボッチ的巨人の描写もずっと引っかかってた。声の高低もあるし。まあ、そのへんを「お約束」として処理できない性格は何か問題あるんだろうw

●ウナギイヌの正しい表現とは?

ウナギイヌが出てくるCMあるじゃん? 最初に見た「掃除機篇」はピンと来なかったけど2本目の「ギター篇」は色や質感がなじんでてなかなかイイ。CMはこれでいいんだけど、現実世界にCGキャラを登場させる系の映像でいつも感じる不満がある。

人間とデフォルメキャラがいっしょに写る違和感。人物も赤塚キャラ的デフォルメになってるとか全部作り物感があれば大丈夫なんだけど、実写の人間ってことは、人物に関しては究極のリアル表現がされてるってことで、他のモノをそれに合わせるのは大変。そのへん違和感なく成功してる映像ってほとんど見たことないな。

実写の人物を優先するのだったら、そのへん、映画「ヤッターマン」のときに寺田克也氏が言ってたアレをしなきゃいかんと思う。「キャラがマンガになったときのデフォルメや、何が省略されたか検証し、現実寄りにもどしてやる必要がある」ってこと。ある程度は、だろうけどね。

っていうか、30年前に大友克洋がバラエティ誌の連載に描いていた「リアルウナギイヌ」が頭に残ってるので、どうしても頭に浮かんじゃうのだw

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2013/04/03

3Dプリンタのニュースがすでに陳腐化?

このニュース。「日本に数台しかないソリューションで制作した3Dフィギュア"栗原類"が完成」


ショック! なんちゅうか、「話題/ニュース」的に、すでにフルカラー3Dプリンタが陳腐化しちゃってる〜〜! こんなの一般人だって喜ばないだろう。 人やモノを3Dスキャンして3Dプリントしてミニチュア化フィギュア化するってこと自体、元々おもしろいわけじゃないもんね。もうみんな飽きてると思う。テレビや雑誌でもたくさん特集されたし。

類くんが登場したのは、3Dプリンタを駆使した人形アニメ映画「パラノーマン ブライス・ホローの謎」の宣伝イベント。なので、類くんをフィギュア化して3Dプリンタの威力を見せる意味はちゃんとある。しかし、類くんフィギュアを見て「へー! すごーーい!」って言い終わったら、もうそれ以上何の反応も示しようがないもんね。江戸時代に写真を初めて見て「へー! すごーーい!」って言ってた段階と同じ。

で、この「へー! すごーい!」以外に反応のしようがない状態ってのは、3D/2Dプリンタ出力物に限らず、ディスプレイ上で3Dモデルをぐるぐる回せるライブ3D表示にしたり立体視にしたりってのにも共通する「どん詰まり感」がある。その状態以上に動かず進展しないことがわかってるからだろう。

(余談。よく、「大丈夫だよ。3Dでキャラクターをぐるぐる回して見れるだけでも十分おもしろいよ!」って言う人もいます。僕はさんざんやってみたのですが、ものすげく、激しく、つまらんです!! つまらんどころではなく、回して見たその3Dキャラクター自体に興味がなくなってしまうという怖ろしい弊害すらあるのです! 360度見てしまうと、もう知りたい部分がなくなってしまう。)

3Dデータそのものに利用価値があるのであって、3Dプリンタ出力物は、プロジェクターで壁に投影された静止画と同じくらいの価値しかないと思う。そのへん、昔、大きくプリントされた写真やデジタル絵にぜんぜん価値を感じないけどその原因は? と考えたことと同じだろう(表参道3D写真館の場合は、家族写真/記念写真というはっきりした目的があるためか違和感はない)。

この記事では3Dプリンタ等の機器が2000万円で類くんのフィギュアは7万円などと書いてあるから、投影物でしかないものとのギャップをどう心が埋めようか悩んでしまうのが、僕の違和感だと思う。

なんでこう粘着的に書いてるかというと、先週書いたように、「3Dプリンタ出力物は作品になり得るか」ってのをまだまだ悩んでるのです。投影物にすぎない3Dプリントをどうしたら価値が伴う「作品」にできるのかって。

類くんフィギュアや表参道3D写真館みたいな現物のミニチュア化ではなく、自作のフィギュアやオブジェの実体化なら、もうちょっと面白みがあるというか造形そのものを鑑賞する姿勢にはなると思うけど。それ以上の何かないのか? ジブリやピクサーの3Dゾーエトロープはうまいこと価値を見出したよなあ。

この「パズルのピースがうまくはまらない感じ」ってのは、工業製品の試作等に普通に大活躍している3Dプリンタが一般に知られてきて、娯楽方面に使えるかどうか、しっくり来る使い方はないか、模索してる状態なんだろうな。

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2013/04/02

知らないモノはおもしろくない?

何にも似ていなく何も連想させないようなモノってつまらないよね。何かを想起させたり知ってるモノとの微妙な距離が「おもしろさ」の正体じゃないかなと。だから、自分に関係なく興味の手がかりもない知らないモノっておもしろくない。ってことは、他人が感じる面白さって推測不能じゃん!

「すごい大傑作ができた! これは深いぞ! オレが積み重ねてきた美意識の結晶!」な作品がスルーされ、「数合わせのテキトー作品」ばかりがなぜか絶賛される現象の謎がそれで解けたわ。僕が何かで体験した「深くてマニアックな感動」を他人は経験したことないわけで、単に知らないモノになっちゃうわけだw

つまり、僕と作品を見る人との間に共有できてない多くのものがあるってこと。あまり意識したことないけど、やはり、興味を引くためのフックっていうか手がかりっぽいモノを組み込んでやる必要があるわけね。興味を持ってもらえなくては意味がない娯楽作品・商業作品では特に。自然に受け入れてもらえる部分と見慣れない新しさとのバランス。

以前、町山智浩氏のポッドキャストで「自分に関係ない話や現実から離れすぎた話は映画としておもしろくなりにくいので、脚本家は『テクニック』として現実の事件や人生に起きる様々なことを入れ込んで、『この話、なんかわかるぞ共感できるぞ』って感じてもらうようにする」って聴いて、イラストやキャラクターとかでも同じなんだろうなあと思ってたのでした。