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2014/02/18

安易な表現/記号的表現とマンガ絵

●安易な表現

TDW作品を作ってるとき、何か物足りなくてひと味加えたいとき、トゲトゲを付けてみることがある。ところが、トゲトゲって何にくっつけてもかっこよくなっちゃうんだよね。キケン。そういう『安易な手』はなるべく使わないようにしたい。Furで毛を生やすのも見た目がリッチになるので「安易な手」の仲間。

見た目が様になってるようにお茶を濁す。キャラクター的によく見かける代表的なのは天使みたいな翼をつけるやつ。武器を持たせたりタバコをくわえさせるのも同等。目を閉じて瞳を見せないのもそう。本体に関係なく様になって見えてしまう。

そのような、絵を描くときの「定番モチーフ」は無数にあって、ひどい場合にはそういうものだけでできてる絵とかあるもんね。慢性化すると悲惨。そういう「制約」の中で新味を出していくのが面白いのかもしれんけど。

○余談。天使の羽根をつけるところまではなんとか許せても、頭の上に輪まで描くのはいかがなものか? 何も考えてないとバレてるぞみたいな。「天使の輪」ってもともと聖者の後光の表現が輪として定着したんだろうけど、転じて「死者」の記号でもあるわけで。つまり、額に三角つけるのと同じ表現。あんまりかっこよくないよねえ。

「天使の翼」って、手が下方向に伸びているときに肩の空間が空きすぎるのを埋める効果があるんだよね。同様に、ロボットや戦士の肩パットみたいなものも同じ効果があるから定番になってる。と推測。

●記号的表現とマンガ絵

何かを表現するための「記号的表現」って、見る人みんなに通じる前提で使うし、「ある意味を表現するための既製の素材ユニット」だから表現の省力化ができるわけだけど。少なくとも、幼児向けアニメなどでマンガの記号的表現を使うのは間違ってると思う。

目がバッテンになったり点目になったり、焦ったときなど汗の水滴を使ったり等。それは登場人物の感情を読み取らせるのではなく、こういう時にはこういう表現をするのでよろしくという強制。「仲間内にしか通じない記号で表現」になってるおそれがある。

あと、効率よく描くこと最優先で進化・特化したマンガ・アニメ絵が、唯一の表現方法みたいに思っちゃってる世代の年齢がどんどん上がってきてるのを感じる。3DCGの立体的なアニメさえ一般的には抵抗があるそうで、「セル画調でないと日本ではダメ」という常識が出来ちゃうほど。イラストレーションだって、マンガ絵以外の表現があるってことを知ってるのは相当の物好き、みたいな。

2013/07/17

絵具は作り置きしなくていいんだ!

アクリル絵具を使い始めて35年、ここ数年はなんやかやで年に数度くらい使うリキテックス。で、「あれ〜〜〜?!」 って気づいた件。

フィギュアのカスタムペイントショーに時々参加するんだけど、ラッカー塗料は全部実家に運んじゃったので、アクリル絵具を使うことに。

今までずっと、作った色をフィルムケースや皿にラップで保存してた。アクリル絵具は一度乾くと終わりだから、二度と作れない微妙な色とかそうやって保存してた。大がかりな絵だとラップをかけた皿が何十枚も机を占領してオオゴトに。

今回、とにかく手早く仕上げちゃおうと、紙パレットを使用。チューブから出して混色した絵具はすぐ乾いてしまうけど、かまわず二度目作って塗り、三度目作って塗りしてたら、あれ〜〜!! 多少色がちがってもぜんぜん問題ないじゃん!! むしろ、完全に同じ色じゃないほうが絵具で塗った面としての味が出てカッコイイ。そうだったのか〜〜! 35年間、なぜこれに気づかなかったんだ??

作り置きの色の保存や管理に悩まされず、その都度気分でテキトーに色を作って塗りゃいいってことだわ。それでいいなら、絵具で塗るのってかなり楽しい!

●アナログとデジタルの時間感覚
 
カスタムペイントには丸二日かかった。デジタルでペイントしたらどうか? たとえば、MODOでモデルとUV展開が出来てる状態からテクスチャペイントをスタートしたら、たぶん15分で完成する。ってことは、およそ100倍速!!! アナログ作業って、デジタル作業との時間の流れ方の違いに耐えられるかどうかの勝負かもしれない。
 
21年前にPainterを使い始めたとき、絵具なら数週間かかりそうな絵が1日で出来ちゃって、もうアナログには戻れないって思った。絵の「モノとしての存在感や価値」なんかこのスピードの前にはどうでもいいと思ったもん。デジタルは目の前でどんどん出来上がるスピード感が気持ちよくてやってるところがあるから。・・・逆はツライ! 

 

2013/04/02

知らないモノはおもしろくない?

何にも似ていなく何も連想させないようなモノってつまらないよね。何かを想起させたり知ってるモノとの微妙な距離が「おもしろさ」の正体じゃないかなと。だから、自分に関係なく興味の手がかりもない知らないモノっておもしろくない。ってことは、他人が感じる面白さって推測不能じゃん!

「すごい大傑作ができた! これは深いぞ! オレが積み重ねてきた美意識の結晶!」な作品がスルーされ、「数合わせのテキトー作品」ばかりがなぜか絶賛される現象の謎がそれで解けたわ。僕が何かで体験した「深くてマニアックな感動」を他人は経験したことないわけで、単に知らないモノになっちゃうわけだw

つまり、僕と作品を見る人との間に共有できてない多くのものがあるってこと。あまり意識したことないけど、やはり、興味を引くためのフックっていうか手がかりっぽいモノを組み込んでやる必要があるわけね。興味を持ってもらえなくては意味がない娯楽作品・商業作品では特に。自然に受け入れてもらえる部分と見慣れない新しさとのバランス。

以前、町山智浩氏のポッドキャストで「自分に関係ない話や現実から離れすぎた話は映画としておもしろくなりにくいので、脚本家は『テクニック』として現実の事件や人生に起きる様々なことを入れ込んで、『この話、なんかわかるぞ共感できるぞ』って感じてもらうようにする」って聴いて、イラストやキャラクターとかでも同じなんだろうなあと思ってたのでした。

2012/09/01

素人によって修復されたフレスコ画の件

おばあちゃん修復のフレスコ画、苦労がしのばれる。絵を描いてる人はみんな、「なんでうまく描けんのだろう?」を何度もくりかえして「あっそうか!」が何百個も積み重なってなんとかなっていくんだよなあ。

で、思うのは、絵に限らずあらゆる技術に言えることだけど、素人が「プロに頼らないで自分でやっちゃえ!」の結果のほとんどは、これと同じ状態になってるんじゃないか? 支障が出てなくて大きな問題になってないだけで。なによりプロがそれを評価する機会がないわけだし。


そりゃヘタはヘタなんだけど、「邪心のない素人の試行錯誤の痕跡の塊」ってせいか、いい味出してるんだよなあ。量感としてもおもしろい。すでにいろんなところにこの顔を使ったパロディがいっぱい。Web的には2012年を代表する顔になるかも。ぜひタイム誌の「今年の顔」に!

2012/03/28

白バックと角版

TDW_2120。白とSSSのピンクの鏡面反射と白飛びしないよう調整に異常に手間取った〜。白バックって簡単と思うだろうけど、バックの白が飛んで床の影は滑らかに残した上で、オブジェクトの立体感をきっちり出すってけっこう微妙な作業なのでありますっ。

イラストを切り抜き状態にして白バックってのはPainterの昔からずっとやってるけど、そもそものルーツは雑誌の図版でブリューゲルだのボッシュのキャラを切り抜きで使ってたのがあって、すんごいかっこよかった。背景を描くのが大嫌いだったし、これで行こう!ってのが最初。22年前から。

あと、「角版」がキライ。絵を四角で制限されるのが不自由だと思うし。色バックでもいいんだけど、角版じゃなく自由にレイアウトできるほうがいいやって。

絵の中に、真っ白や明度彩度100%の純色はなるべく使わないようにしてる。それ以上明るくしたり派手にしたりできないから。ちょっと下げて余裕を残しておく。真っ黒は「見えなくなるほうの色」だからあまり問題になることないな。

2Dの絵のときは、「印刷可能色」をはみ出さない色だけで描くのはほとんど完璧に実行してたけど、3Dってはみだしまくり。よく、雑誌の3Dイラストとか載ってて、鮮やかなピンクのつもりなんだろうけど汚い紫っぽい陰影になっててみっともないなあ、ああいうのはよそうって思ってた。

白飛びしないようにするのが大変って話、ちょいと暗めにレンダリングして16bitで書き出してPhotoshopで調整って手もあるな。次に白っぽいものやるときそうしてみよう。

2011/07/29

武部本一郎SF挿絵原画蒐集

 加藤直之さんが監修した武部本一郎iPad画集。買いました、、、が、さあ見ようと思ったらダウンロードがあと11分。681MBっていくらなんでも容量大きすぎかなあ。同期も重い~。

プリンセスが最初のページってのニクいですね! モノクロの絵もさすがに絵の存在感が強いです!紙の上に描かれてる物質感というか。やっぱ画集を見る用に24インチのiPadがほしいわ。

スキャンではなく撮影の複写だそう。そんなのあたりまえじゃん!ちゃんとした画集でスキャンで済ませたらおこられるよ。っていう点をちゃんと踏まえて腰の据わった画集になってます。そういえば以前、落田洋子のCD-ROM画集を買ったら、信じられないことに絵の画像に全部シャープネスがかけてあって、全て台無しになっていたことがある。あれとは天地ほどの差。

昔はイラストのスキャンって平面のフラットベッドスキャナではなく、巻く方式のドラムスキャナってものだったので、イラストボードの表面がベリベリって剥がされて、元のボードにセロテープで貼られて返却されてきたものでした。キャンバスを貼り付けたタイプのイラストボードはきれいに剥がせるんですけどね。

ドラムスキャナに巻けないイラストボードに描くってこと自体、複写を前提とするわけで、コストがかかってぜいたくなことなのでした。なので、カットとかはイラストボードではなく、ペラの紙に描いてました。

iPad向けの画集・作品集のアプリってちょこちょこ出てますけど、ちゃんと作られた作品集はなかなかいいな。印刷コストがかからないから、いままであきらめてた作家の人もiPadで作品集を出したらいいと思う。

とはいえ、聞いた話だと、単なる作品集や写真集はアプリとしての審査で落っこちる可能性があるらしいけど。