2026/07/11

最近観た映画メモ「大地震」


新しい映画が続々配信されてて早く観たいのに、Amazonプライムで見つけてしまい、「ネタの宝庫だろう、観たいな」と。次からは新しい映画観ますw

●大地震(1974年) 1:56 アメリカ Amazon

1979年「宇宙空母ギャラクティカ」を観に行った時の併映が「大地震」だった。5年も前の大作パニック映画がなぜ? は、「センサラウンド方式」という音響システムをどちらの映画も使うことから、その方式でヒットした「大地震」との二本立てになったらしい。

監督:マーク・ロブソン、出演:チャールトン・ヘストン、エヴァ・ガードナー、ジョージ・ケネディ他。「ゴッドファーザー」のマリオ・プーゾが脚本だったとは知らんかった!

当時、たいして面白くなかったような気がするけど、強く印象に残ったのは……大地震が起ころうってのに、妻を完全にないがしろにした上で、調子に乗って浮気してるチャールトン・ヘストンが明らかに悪役w 浮気先じゃいい人かよ! 何やってんだ??

チャールトン・ヘストンは勤める建設会社社長の娘と結婚したものの、夫婦仲は冷め切っていた。しかも、ヘストンは事故死した同僚の妻(売れない女優)と浮気している、という冒頭。ここからヘストンが妻を殺害し、ヨレヨレのコートを着た冴えない刑事が現れる……という「刑事コロンボ」のエピソードでもぜんぜん違和感ないw 70年代前半のビバリーヒルズの雰囲気も込みで完璧w

(本当は、上記のヘストン周辺と、警官のジョージ・ケネディ周辺、地震研究所の人々、ダム関連の人々を中心に、LAで起きた大地震と人々を描く話ですw)

70年代パニック映画の構造はたいてい、「一般の人々がトラブルや葛藤を抱えて生きてることが描写される。そこへ最後の審判のように災害や事故が起こり、彼らの精神的な断面が白日の元にさらされる。果たして彼らはそれをどう乗り越えるだろう?」というものなので、まあ、とても正しい作り方w

今回観た感想。前半は、上記の時代的な面白さと、観客は地震が来ると知っててのドラマの不穏な雰囲気がとてもいい感じなのに、地震の後は通りいっぺんのパニック描写とミクロな救出劇ばかりになり、つまらなくなる。ヘストンの土壇場での改心も、そんな急に帳尻合わせられてもな〜、という感じw

・センサラウンド方式は「ズドドドド」って腹に響く強力な低音/低周波だった。「大地震」では非常に効果的だったと思う。「ギャラクティカ」では戦闘機がエンジンをふかして飛行する際に「ズドドドド」ってなったと思う。曖昧な記憶だけど、スクリーンの手前に、円筒形だったか大きな装置があった気がする。

・訪ねてきたヘストンに売れない女優が「コーヒー飲む? インスタントだけど」と言う。当時は「アメリカでもインスタントコーヒー飲むんだ!」とだけ思ったけど、今ならわかる。これは、この女優が裕福でないことを示す記号だったんだ。

・地平線まで崩壊した街全体がマットペイントで、ごく一部が実写、みたいなシーンが多いのだが、大地震にしてもちょっと見境なく壊しすぎだろ?って以外は非常によくできてる。

・キャピトル・レコードのビルが崩壊! なかなか良い特撮、と思った直後、エレベーター落下の血飛沫のひどいアニメーション。これ覚えてたwww

・変名でゲスト出演してる酔っ払いがウォルター・マッソー。あんまり面白くないぞ。

・「刑事コロンボ」の匂いがする件を検索してみた。製作のジェニングス・ラングは1977年の「ジェット・ローラー・コースター」(センサラウンド方式採用!)で「コロンボ」の脚本家チーム リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンクと組んでる。同じ時代で同じユニバーサル映画でもあるし、かなり近い地層にあったんだろう。

・前年に公開されて大ヒットした「アメリカン・グラフィティ」のポスターが不自然によく映る。と思ったら、同じユニバーサル映画だった。なるほどw

2026/07/09

最近観た映画メモ「帝都大戦」


●帝都大戦(1989年) 1:47 日本 Amazon

4月に「帝都物語」に続いて見始めて中盤でギブアップ。止まってたのをリスタート。最初から見直した。

1945年、戦争末期。ルーズベルト大統領やチャーチル首相など連合国の要人たちを、霊力を強力な電波に乗せて呪い殺すという作戦。それをジャマして連合軍による帝都壊滅を助けようとする加藤保憲。対するは霊力エリートの青年中村雄昴と、前作で生き延び、成長した辰宮雪子……という話。

監督:一瀬 隆重/ラン・ナイチョイ、出演:嶋田久作、南果歩、加藤昌也、丹波哲郎、野沢直子ほか。特殊効果にスクリーミング・マッド・ジョージ、音楽が上野耕路!

「帝都物語/戦争編」の映画化だが、荒俣宏は「原作を読んだ人は怒らないでほしい」と言ってるらしいw 制作費を減らされて構想が崩れ、実相寺監督にも頼めず、スケジュールが押す中、しかたなくプロデューサー自らメガホンを取ることになったとのこと。

当時、映画館に観に行ったのにほぼ記憶がなかったのも合点がいく。記憶に残らないタイプのつまらなさだったんだな。本来はクライマックスに向けて霊的作戦を盛り上げていくべきなんだろうけど、中盤ではほとんど忘れられ、終盤で思い出したように作戦が始まる。

っていうか、丹波哲郎などが連合国首脳を呪い殺そうとしており、嶋田久作/加藤保憲はそれをジャマして連合軍による帝都壊滅を助けるって、どっちもイヤだw 本当にどうでもいい物語w

まあ、「嶋田久作をたっぷり見せてくれる」という楽しみは確かにあるw あの顔と声だけで画面は十分もってしまうw 特殊メイクもなかなか良いです。

・前作のような有名俳優やゲストが大勢登場する「お祭りイベント」でもないので、ふと我にかえって「いったい何を見せられてるんだろう?」って感じにもなる。

・野沢直子、いいじゃん! 癖の強いおばさん女優としてそのままイケた気がする。

・一瀬隆重って当時1つ上の同世代の若者だったのか。その後のプロデュース経歴はJホラーの代表作ばかり! そう思うと、この作品はいろいろ勉強になったんだろうなあ。

・おかしな空白の時間がある。表情をじっくり捉えようとしてるんだろうけど、単に時間が止まってるだけに見える。余韻でもタメでもなく、無駄時間。観ていて何度も蹴つまずいたような気分になる。

・結局、念じたり祈ったりする場面は、それが設定上どんなに強力な霊的バトルだとしても、映像としては「青筋立てて、なんかブツブツ言ってる人」にしかならないんだよなあ。小説では迫力があったとしても。耳なし芳一的に全身にお経を描いた男たちが祈る場面など、思わず吹き出してしまったw

・霊的作戦の隠された意外な目論見は成功するのだが、じゃあ、他の登場人物たちの奮闘って何だったんだ?  これはひどいw

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実家にあった大判マンガ「ナウシカ」「AKIRA」「火の鳥」など


先日、実家から引き上げてきた大判マンガ。1990年9月の上京の際に、かさばるので置いてきたのだった。

「ナウシカ」も「AKIRA」も当時最終巻まで出てたわけじゃないので、足りない巻がいくつかあった。っていうか、両方ともストーリーがわからなくなって投げ出した、というのもあるw

写真の横に赤丸をつけたものを購入して追加した。すごいよ!「ナウシカ」125刷、「AKIRA」75刷ww

朝日ソノラマ版「火の鳥」1〜5巻は1977年の中学ときに買ったもの。全12巻だけど、こちらはKindle版も持ってるのであらためて買うつもりはないです。

「ポップコーン」は1980年創刊。第2号で赤塚不二夫の過激な作品が問題になって回収騒ぎになったアレ。右開きで日本のマンガ、左開きでアメコミという構成だった。アメコミの絵にあこがれてこれ見てよく模写してた。スパイダーマンのTシャツの懸賞に当選したのはこの雑誌だったと思う。

ページが茶色に変色してるし(「ナウシカ」の1〜4と5〜7の紙の色!)、糊がバリバリに剥がれて分解しかけてたりする。そのうちPDF化するつもり。貴重といえば貴重かもしれないけど、「ポップコーン」以外は今も普通にAmazon等で買えるし。

2026/07/07

最近観た映画メモ「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」


●ゆきゆきて、神軍(1987年) 2:02 日本 YouTube

当時からとんでもない映画ということは知ってた。なるべくなら観ないで済ませたかったけど、たまたまYouTubeで無料配信されてると知り、怖いもの見たさで、つい……w

監督:原一男、企画:今村昌平。

傷害致死罪で実刑を受けるなど、ここには書きたくないほどのすさまじい経歴を持つ超危険アナーキスト、奥崎謙三。自分が所属していたことのある部隊で終戦直後に起きた銃殺事件や人肉食をめぐって、異様な熱量をもって当事者たちを問い詰め、真相を聞き出そうとする姿を追ったドキュメンタリー。

奥崎は日本一上官を殴った男と自称。自身は終戦の1年前に捕虜になっている。復員時にも暴力で問題解決してきたなど、歪んだ成功体験を持つ。

話をしに訪れた上官や戦友たちに殴りかかって警察沙汰になるなど、カメラを意識したであろう暴走が目立つ。戦後38年もたって、それぞれ過酷な過去と折り合いをつけているだろう元兵士たちに「責任を取れ!」と怒鳴り、暴れ回る奥崎(ブチ切れてる時以外はとても穏やかな人に見えるのだが)。

裏話を知ると、「ドキュメンタリーって何?」という視点にならざるを得ない。奥崎が関係者の証言を引き出したのはすごいけど、過程がめちゃくちゃすぎる。

奥崎が演技していることが判明したり、原監督に思い通りに撮らせようとして決裂したりもする。さらに、事件の責任者の家族を改造拳銃で襲撃し、殺人未遂事件で懲役12年が確定する。

また、編集者が監督の意向を無視して独自に編集したらしい。最終的に、企画の今村昌平と原監督の意図がどのくらい反映されているのかも不明。

っていうか、原監督は自分の名前でこれが世に出て大丈夫だったのか? 海外の有名監督らも認める「怪物的な映像作品」になってしまったのは確かなので、ドキュメンタリーかどうかは置いといて、これはこれで価値を認められた、ということなんだろう。

(Wikipediaなど読むと、原監督はドキュメンタリーと虚構の境界をあいまいにし、「やらせ」さえ真実を明らかにする手法として使う監督、とのこと)

撮影は1982〜1983年頃とのことで、奥崎は当時62歳。現在の僕よりひとつ下だけど、同世代とはまったく思えない。他の登場人物含め、昔の大人はこんな感じだったなあ。

●全身小説家(1994年) 2:37 日本 YouTube

監督:原一男。小説家・井上光晴の晩年/闘病の5年間を記録したドキュメンタリー。ドラマ部分も少しある。NHK「ファミリーヒストリー」のように関係者のインタビューを通じ、彼の年譜/経歴がほとんど虚構であったことも明らかになっていく。

冒頭からの井上の描写が強烈。1989年時点で63歳、つまり現在の僕と同い年なのだが、若い頃に「嫌だな、ああはなりたくないな」と思った大人の振る舞いのフルセットのような俗物ぶり。「35年前の63歳ってこんなだったのか??」とショックを受けるほどw

しかもモテモテなのがまた嫌だなww 取り巻きの女性たちは、井上がいかに素敵かを夢見る少女のように語る。男性たちさえメロメロw すごい引力だなあ。

とはいえ、奥さんや家族といる場面ではごく普通の男にも見える。外ではそういう“井上光晴”を演じてしまうのだろう。

……というような悪印象からの、癌告知、手術、闘病。それでも彼なりにまっとうに生きようとする描写がかなりキツくてこたえる。彼についてのまとまった印象を持ちにくい分、「ゆきゆきて、神軍」よりも心に強く残る映画かもしれない。

経歴詐称といっても、自分を大きく見せるためではなく、自分の人生そのものを作品化している感じ。「嘘つきみっちゃん」と呼ばれていたそうで、嘘ばかりなのは家族も周囲も薄々知っていたとのこと。

「全身小説家」というタイトルが効いてる。本人にとっては経歴も記憶も空白も、すべて小説の材料だったのかもしれない。しかも、その手法を講演で大勢に紹介してるw

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2026/06/29

最近観た映画メモ「奴らを高く吊るせ!」

6月末で配信終了の映画を駆け込みで観るシリーズ第7弾。もうこのへんで打ち止めにしておく。「ピンク・パンサー」シリーズも50年ぶりに観直したかったけど、今回はあきらめた。

●奴らを高く吊るせ!(1968年) 1:49 アメリカ Amazon

テレビ出身のイーストウッドがマカロニウエスタンで映画スターの仲間入りした後の、ハリウッド主演第一作。それも自ら設立した会社による製作で総指揮を取る力の入れよう。

監督:テッド・ポスト、出演:クリント・イーストウッド、エド・ベグリー、ベン・ジョンソン他。ブルース・ダーンやデニス・ホッパーも出てる。日本語吹き替え版、イーストウッドはもちろん山田康雄!

オクラホマ。突然現れた9人の男たちに牛泥棒の濡れ衣を着せられ、裁判もなしに縛り首にされた男ジェド。通りがかった囚人護送中の連邦保安官に助けられる。判事によって無罪と判断され釈放されたものの、合法的に復讐を果たすため、ジェドはかつて務めていた保安官に復職するが……という話。

冒頭で、いきなり超強力な復讐の動機が示される。こりゃもうマカロニウエスタン風に、9人の犯人たちを一人ずつ血祭りに上げていく映画かと思ったら、ぜんぜん違った。そこはアメリカ映画。なんと、「法を守ること」「法の残酷さ」についての映画なのだった。

絞首刑が小さな町のお祭りみたいになっており、その詳細な描写に驚く。その刑に関連して、途中からとんでもない冷血漢に見えてくる判事も、準州に一人しかいない判事、つまり「その上には神しかいない」という立場で、裁きを下さざるを得ないことに苦しむ描写は良かった。

犯人たちも無法者ではなく大半は善良な市民で、一時的な思い込みから私刑/リンチに走ってしまったことも判明。一人の「良心的」犯人の存在もあって、「復讐」については途中から観客的には置いてけぼりを食った感じになる。とりあえず西部劇的には半分決着をつけたものの、「続く」という感じで幕が降りる。

・フルオーケストラの戦争映画みたいな大げさな音楽がちょっとジャマ。かと思えばモロにエンニオ・モリコーネ風の音楽も混在してて微笑ましいw 真似させられたかわいそうな作曲家は誰かと思ったら、「逃亡者」等を手がけたドミニク・フロンティア。「ラット・パトロール」のテーマ曲は中学時に録音して好きだった(「要塞攻略戦」っていうひどいタイトルをつけられてたw)。

・クリント・イーストウッドの映画って、最近の作品まで含めて、半ば強引だけど結局モテモテなシチュエーションがたいていある。このハリウッド第一作目にあたる映画でも、すでにそうだったw

・ブルース・ダーンの憎ったらしい小悪党ぶりが最高。「11人のカウボーイ」(1972年)も良かった。

・デニス・ホッパーの使い方がとても正しくて笑ったw 出てきた瞬間に「あ、こいつ絶対ヤバい」とわかる。っていうか、本人があのイメージで売っていこう!って思ったのかな?w

・あれ?と思った点。判事の部屋のランプと、大尉と呼ばれる犯人のリーダー格の家のランプ。同じものでは? 上部のガラスのホヤの有無の違いはあるものの、小道具の使い回しかも。まあ、当時流行ってたランプの形なのかもしれんけど。


このランプだな。1800年代後半に人気だったランプとのこと。

ガラスのホヤがついたタイプもあった。こちらは電灯だな。どちらも1968年の撮影時点で割とありふれたタイプのレトロ照明器具だったらしい。