2025/05/12

最近観た映画メモ「刑事コロンボ シーズン2」


●刑事コロンボ シーズン2(1972年〜1973年) DVD

・毎週末に1本のような良いペースで、今年1月から4月にかけて見た分。

・53年も前のドラマって今の子たちにどう見えるんだろ? スマホも防犯カメラもない世界って。

・毎回思うけど、社会的地位があって大金持ちの犯人たちが、なぜ「自分で」やろうとするのが不思議w

・俳優情報をウィキペディアで調べると、「刑事コロンボ」への出演って「テレビシリーズ」ではなく「映画」の欄に書かれてることが多い。「テレビ映画」という扱いなのね。

10「黒のエチュード」(1972年)_____________________

裕福な義母のバックアップのおかげで成功を収めている有名指揮者。ピアニストの愛人に浮気をバラされそうになって殺害してしまう。

いつもなら冒頭からいきなり事件から始まるけど、展開がやたら遅い。と思ったら、1時間36分もある。シーズン2の初回だから特別仕様か(通常通りの1時間15分バージョンもあるらしい)。

いつも通り、追い詰められていく犯人と思いきや、ちょっとしたひねりがある。あと、パット・モリタがチョイ役で出演。

11 「悪の温室」(1972年)_____________________

自由にならない信託財産を引き出したい甥に頼まれ、手の込んだ狂言誘拐を計画、最終的には我が物にしようと企む男の話。

ちょっとイレギュラーな回。まだ殺人は起きてないのに殺人課のコロンボが呼ばれる。コロンボがちょっとしたアクションを演じる。「なんかウザい相棒」としてハイテクマニアでおかしな新人刑事がつく(西村雅彦が古畑任三郎でやった役の元ネタ?)。他にも癖が強い登場人物が多い、など。

決め手はなるほど納得だけど、スッキリしない幕切れ。レイ・ミランドは「4 指輪の爪あと」にも出てたけど、ヒッチコック「ダイヤルMを廻せ!」(1954年)では主演俳優。「ダイヤルM」は僕の映画メモにも「刑事コロンボ的」と書いたけど、元ネタのひとつと言われてるらしい。

12 アリバイのダイヤル(1972年)_____________________

先代のオーナー時代の実績を認められ、フットボールチームの経営を任されている男。アイスクリーム屋に変装して二代目オーナーを殺害、全てを手に入れようと企む。

犯人は4話「指輪の爪あと」でも犯人をやったロバート・カルプ。この人、「悪いロバート・レッドフォード」みたいで悪役がハマる。

よくできたアリバイに悩みまくるコロンボ。細かい観察と逆転の発想からアリバイを崩して超ドヤ顔w

スポーツ描写やさまざまなロケ地、人の関わり方など、なぜか今までで最も「映画らしい」と感じた。スタジアムの客席を背景にしたシーンが素晴らしい。面白かった! (一点だけ。すれ違った同じ格好のアイスクリーム売りはなぜ気づかなかった?)

13 ロンドンの傘(1972年)_____________________

落ち目の俳優夫婦が復活を図る舞台「マクベス」の前夜の楽屋。色仕掛けで協力させられたと気づいて激怒する大物プロデューサーを誤って殺害してしまう。スコットランドヤード視察でロンドンを訪れていたコロンボがたまたま疑問を抱き……という話。

コロンボがひょこひょこ変な行動ばかりしてるし、なんか進行が遅いと思ったら、1時間37分の「コロンボ、ロンドンへ行く」的な海外ロケスペシャルだった。観光地巡りもあるし、いくつかの名物が鍵になる。英国人たちの誇張された描写。

訛りすぎてて聞き取れないアレは「マイフェアレディ」に出てきたコックニー訛りの描写だろう。また、当時はビートルズ解散直後なのに新しい時代の描写は皆無(同じ年のヒッチコック「フレンジー」もそんな感じだった)。

とはいえ、たっぷり時間を使って犯人たちや執事の行動など、ブラックコメディ調で描いた上で、コロンボの鮮やかな機転による一件落着。いつものエピソードとは異質だけど、内容が盛りだくさんでよかったです。

あと、最初「小池朝雄か?これ」とイヤホンがおかしいのかと替えてみたくらい声が変だった。

女優を演じるオナー・ブラックマンはボンドガール、被害者役のジョン・ウィリアムズは作曲家と同じ名前で覚えてた「ダイヤルMを廻せ!」(1954年)の警部役。やはり「ダイヤルM」にこだわりがあるらしい。

14 偶像のレクイエム(1973年)_____________________

落ち目の女優、芸能ジャーナリストに過去の不正をネタに恐喝され、手違いでジャーナリストとつきあっていた自分の秘書を殺してしまった、ように見えるが実は……という話。ミスリードや伏線がいっぱい仕掛けてあって、あれ?あれ?の連続。面白かった!

これ、2019年に「十戒」(1956年)を観た時に、アン・バクスターが犯人をやってる「刑事コロンボ」があると知り、これだけ先に見たのだった。6年も前だと細かいところ忘れてるな。他にメル・ファーラー ケヴィン・マッカーシーなど大物俳優。
https://fbook.cc/6Iqy

中盤に出てくるイーディス・ヘッドという衣装デザイナーの女性は、アカデミー衣装デザイン賞を8回(ノミネートは35回w)も獲った本人が出演w 机にずらりと並んだオスカー蔵も本物! アン・バクスターの出世作「イヴの総て」の衣装も担当。ピクサーの「インクレディブル」のエドナ・モードのモデル?と思ったら、やはりそうらしい。

「映画スタジオに来たのは初めてなんですよ〜」って、「殺人処方箋」でも行ってるじゃん。いろんな衣装の俳優かエキストラがうろうろしてる撮影所は楽しい! こういうのがコロンボの好きなところ。

・中盤でコロンボと撮影所長が話している後ろを女性が階段を上がっていくが、15秒後に同じ女性がもう一度上がっていくw

・犯人が「落ち目の俳優」の話が2つ続くのはいかがなものかw

15 溶ける糸(1973年)_____________________

レナード・ニモイ(!)演じる心臓外科医が、師匠との共同研究の成果を独り占めすべく、彼の心臓手術である細工をするが、それを看護婦に察知されてしまい……という話。賢く冷静で抜け目ないはずの医師なのに、余計で危険な後始末と保身行動に走りすぎる。

激怒するコロンボは珍しい。意表をつくラスト。名作とされてるようだけど、それほど面白くなかったかな……。あまりにネタバレなタイトル。

16 断たれた音(1973年)_____________________

いつも補聴器をつけてるチェスの世界チャンピオンの男。試合前日のホテル。引退から復活してまで挑戦してくる偉大な名手に恐れをなし、ノイローゼ状態に。ついに殺害を企てるが……という話。コロンボは些細な違和感から攻めていく。

前回同様、犯人のプロとしての能力を活かした犯行もあるけど、やはり無理目で余計な小細工に走りがち。こちらもネタバレすぎるタイトル。「耳が聞こえない」設定からの決め手となると、その設定の都合のいい付け足し感が目立ってしまう。

犯人が非常に賢いって点を置いといても、なんとなく前回と似てる印象。(病院で)殺すのを中止する手術をしたり、殺し直したりが2本続くのもどうかとw

17 二つの顔(1973年)_____________________

資産家の叔父が孫のような若い女性と明日結婚する。相続権を取られる前に叔父を亡き者にし、財産を手に入れようとする料理研究家の男……という話。マーティン・ランドーが双子を一人二役。

二重三重にひねってあって面白かった! 視聴者まで騙されちゃう。どちらに解釈したらいいか悩まされる。今回はコロンボの活躍というより、犯人が余計なことやって自滅の感じが強いかな。面白かった割に、後で「あれ?」って箇所がいくつもあるけど。

あの悪い財産管理人のおっさんはどうなったんだろw コロンボ葉巻関連いろいろひどい。そりゃお手伝いさん激怒するわw

今回初めて知った。マーティン・ランドーは「宇宙大作戦/スタートレック」のスポック役のオファーを受けたが断って「スパイ大作戦」に出演。レナード・ニモイも後に「スパイ大作戦」に出演。なるほど、マーティン・ランドーがスポックやったら似合いそう。っていうか、ランドーはニモイがうらやましくて「スペース1999」の主演を請けたのかな?w

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