2025/06/15

最近観た映画メモ「嵐を呼ぶ男」他



日活プラスで観たことない有名映画を急いで何本か見てしまう特集その2。

石原裕次郎を認識したのは1977年頃に放映された「素晴らしきヒコーキ野郎」(1965年)だった。「日本を代表して欧米の大作映画に出てるのはすごい人なんだろうな」とw で、後で「太陽にほえろ」の「ボス」と同一人物と知ってびっくりしたのだった。

●嵐を呼ぶ男(1957年) 1:40 日本 Amazon(日活プラス)

ナイトクラブのバンドのマネージャー美也子。引き抜かれた人気ドラマーの代わりに、喧嘩っ早いドラマー国分正一を採用し、鍛え上げる。正一は、弟も目指している音楽をヤクザな仕事と認めない母を見返そうとがんばり、人気ドラマーとなる。そこへ美也子に気がある音楽評論家の左京が絡んできて……というような話。

監督:井上梅次、出演:北原三枝、石原裕次郎、岡田眞澄、金子信雄、芦川いづみ、他。

意外に面白かった。裕次郎かっこよかった。なるほど、そりゃブームにもなる。中盤までは痛快成り上がりアクションだけど、次第に「母に認められたい若者」「兄弟愛」がメインになってくる。裏社会の暴力も。終盤、弟の指揮するオーケストラの曲と同時進行する展開が良い。

・「大事な試合の前に手を潰される」的なシチュエーションって、マンガやドラマとかいろいろあった気がするけど、この映画が元祖なんだろうな。

・金持ちの娘である女性マネージャーに雇われて住み込みで修行、といえば、「あしたのジョー」の力石徹。こちらも影響受けてるんだろう。

・「おいらはドラマー」。なぜ歌うのか?は、必然性のある展開だったんだ。多少唐突ではあるけど。

・有楽町あたりからの東京の風景、ネオンの夜景、活気あるなあ! 走るクルマは確かにその時代のものだけど、賑やかさに違和感はない。

・これまで何本か見た日活のアクション映画にたいていある「ナイトクラブのフロアダンス」、当時はかっこよかったんだろうけど、かなり滑稽というかグロテスクに見える。

・冒頭で平尾昌晃が日本語歌詞のロカビリーを歌うんだけど、この映画のために抜擢されたそう。

・2度リメイクされてる。1966年(渡哲也主演)と1983年(たのきんトリオ主演)。

●太平洋ひとりぼっち(1963年) 1:36 日本 Amazon(日活プラス)

堀江謙一の、小さなヨットによる太平洋単独無寄港横断の手記の映画化。家族や仲間に反対されながらも、どうしても太平洋横断に挑戦したい堀江青年。大阪を出発するも凪が続き、日本近海から離れられない。少し進んだと思ったら今度は台風……。出発するまでのいきさつと困難続きの航海の描写を行き来しながら、サンフランシスコにたどり着くまでを描く。

監督:市川崑、出演:石原裕次郎、浅丘ルリ子、田中絹代、森 雅之、ハナ肇、芦屋雁之助、他。石原プロモーション第一回作品として裕次郎自ら製作。

わー、これも面白かった。すごいちゃんと撮られてて「堂々とした娯楽映画作品」って感じ。トム・ハンクスの「キャスト・アウェイ」とも重なる。狭い船内の一人芝居や凝った構図もあったり、映像も面白い。

・裕次郎、ちょっと小太りに見える。大阪弁が最初ちょっと違和感あるけど、すぐ慣れる。

・浅丘ルリ子、前年の「雲に向かって起つ」(1962年)より若く見える。高校生みたい。

・音楽(芥川也寸志と武満徹)が邦画っぽくなくロマンチックでカッコイイ。後半の現代音楽風なのが武満徹?
https://youtu.be/pXU4o0UeuK4?si=x2rH9R_t7fr5Pl-l

・円谷プロの特撮も交えて小さなヨットの航海が描かれるが、空撮がないのが惜しい……と思ってたら、たぶん海近くの山の上から撮ったと思われる空撮っぽいロングの映像! 

・牛肉煮の缶詰が食べたくなるよw

●錆びたナイフ(1958年) 1:30 日本 Amazon(日活プラス)

監督:舛田利雄、出演:石原裕次郎、北原三枝、安井昌二、宍戸錠、小林旭、他。原作は石原慎太郎。


運輸会社の社長、実は暴力団のボス。5年前、偽装殺人を目撃したというチンピラ三人組の一人がボスをゆすって金を取ろうとするが、あっさり殺されてしまう。名前がバレた残り二人も追われることになる。更生してバーで働いていたが、ボスから脅しを受け……という話。

白黒作品で、暗いフィルムノワール的というかハードボイルド的というか、へんなカッコつけなしのリアルなタッチ。ボスをやっつけたつもりが、思わぬ巨悪が立ち上がってくるのもいい感じ。

石原裕次郎、宍戸錠、小林旭って、すごいメンバー。特に、ブレイク前の小林旭はホントに若造って感じ。

・昔、ビートたけしがオールナイトでネタにしてた。「あこがれて、砂場にナイフを埋めて錆びさせた」w

0 件のコメント: