●安易な表現
TDW作品を作ってるとき、何か物足りなくてひと味加えたいとき、トゲトゲを付けてみることがある。ところが、トゲトゲって何にくっつけてもかっこよくなっちゃうんだよね。キケン。そういう『安易な手』はなるべく使わないようにしたい。Furで毛を生やすのも見た目がリッチになるので「安易な手」の仲間。
見た目が様になってるようにお茶を濁す。キャラクター的によく見かける代表的なのは天使みたいな翼をつけるやつ。武器を持たせたりタバコをくわえさせるのも同等。目を閉じて瞳を見せないのもそう。本体に関係なく様になって見えてしまう。
そのような、絵を描くときの「定番モチーフ」は無数にあって、ひどい場合にはそういうものだけでできてる絵とかあるもんね。慢性化すると悲惨。そういう「制約」の中で新味を出していくのが面白いのかもしれんけど。
○余談。天使の羽根をつけるところまではなんとか許せても、頭の上に輪まで描くのはいかがなものか? 何も考えてないとバレてるぞみたいな。「天使の輪」ってもともと聖者の後光の表現が輪として定着したんだろうけど、転じて「死者」の記号でもあるわけで。つまり、額に三角つけるのと同じ表現。あんまりかっこよくないよねえ。
「天使の翼」って、手が下方向に伸びているときに肩の空間が空きすぎるのを埋める効果があるんだよね。同様に、ロボットや戦士の肩パットみたいなものも同じ効果があるから定番になってる。と推測。
●記号的表現とマンガ絵
何かを表現するための「記号的表現」って、見る人みんなに通じる前提で使うし、「ある意味を表現するための既製の素材ユニット」だから表現の省力化ができるわけだけど。少なくとも、幼児向けアニメなどでマンガの記号的表現を使うのは間違ってると思う。
目がバッテンになったり点目になったり、焦ったときなど汗の水滴を使ったり等。それは登場人物の感情を読み取らせるのではなく、こういう時にはこういう表現をするのでよろしくという強制。「仲間内にしか通じない記号で表現」になってるおそれがある。
あと、効率よく描くこと最優先で進化・特化したマンガ・アニメ絵が、唯一の表現方法みたいに思っちゃってる世代の年齢がどんどん上がってきてるのを感じる。3DCGの立体的なアニメさえ一般的には抵抗があるそうで、「セル画調でないと日本ではダメ」という常識が出来ちゃうほど。イラストレーションだって、マンガ絵以外の表現があるってことを知ってるのは相当の物好き、みたいな。
0 件のコメント:
コメントを投稿