2013/04/04

特撮やCGに興ざめする話

●リアル表現とお約束の間

どの映画とは書きませんけど、また予告編見てガッカリした。う〜ん、「特殊メイク」ってことをアピールする特殊メイクはいかがなものかと思います。特撮好きだけど、一目で作り物とわかる特殊メイクと、ワイヤーアクションは大嫌いなのだー。伝統芸能的お約束とか様式美とか言われても納得したくないのだー。

ワイヤーアクション、なんで嫌いかというと、重力とか慣性が不自然に見えるから。放物線ってちょっとでも狂うとわかるじゃん! そのへん、不自然に見えないギリギリを狙うならいいけど、たいていめちゃくちゃに見えてそこで映像が台無しになる。

物理法則とか重さ表現の件で、僕が子供の頃から気になってしょうがないのが、ウルトラシリーズとかで戦闘機などがあり得ない半径で進路を変えること。テグスで吊った天井を中心に回ってる感じ。スターウォーズの撮影はそのへんをクリアしてたから大好きになったわけだけど、「帝国の逆襲」でミレニアムファルコンがルークを救出しに行こうって雲越しに反転するカット。あれはない! と思った。

基本的に、ああいう重そうな飛行物体はほぼ直線上にしか動かないようにしないとダメ。曲がる場合は、進路を変えるのがすごいしんどい感じでどうにかムリヤリ曲がっているくらいにしないと。遠心力で中の人つぶれるし。「スターシップ・トゥルーパーズ」のでかい宇宙船の描写は僕的に満点! ちゃんと重いし方向変えるの大変ってところ。なんであんなに艦隊が密集してるの? ってのはおいといて。

重心や慣性や放物線とかって、CGアニメ見ててもすごい気になる。そこが不自然な箇所があると、ハッと我に帰らされちゃう。キャラクターの重心がどこにあるか? 立ち止まるときの慣性の殺し方とか。自分で動きつけるときもそこが一番重要と思う。あんなリアルに作った「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」も、派手なアクションの遠景で人が不自然な落ち方してるところが引っかかって印象に残っちゃってる。

特撮で重力が変っての気になり始めたのって、幼稚園くらいかも。あんなでかい怪獣があんなに速く動いたら重量感ないじゃん! とか思ってた。あと、4年生くらいから戦艦とかのプラモが流行ってたけど、水に浮かべて動かしても本物みたいな波ができない。洗剤の泡とかでも白い航跡を作るのは無理だし、水しぶき自体が船のプラモに対してでかすぎる。同様に、「ミクロの決死圏」で目頭から救出するシーンで足元バシャバシャ細かい水しぶきがすごい変だと思った。

そのへんの描写の不自然さに気がついて以来、特撮怪獣もロボットアニメもほとんど興味なくなっちゃった。仮面ライダーは等身大だから大丈夫だったんだけどw でも高く飛び上がってのライダーキックは、飛び上がった瞬間に着地(つまり怪人にキック)の位置は決まってるわけだから、よけるの簡単なんだよね〜。

一寸法師的小人やダイダラボッチ的巨人の描写もずっと引っかかってた。声の高低もあるし。まあ、そのへんを「お約束」として処理できない性格は何か問題あるんだろうw

●ウナギイヌの正しい表現とは?

ウナギイヌが出てくるCMあるじゃん? 最初に見た「掃除機篇」はピンと来なかったけど2本目の「ギター篇」は色や質感がなじんでてなかなかイイ。CMはこれでいいんだけど、現実世界にCGキャラを登場させる系の映像でいつも感じる不満がある。

人間とデフォルメキャラがいっしょに写る違和感。人物も赤塚キャラ的デフォルメになってるとか全部作り物感があれば大丈夫なんだけど、実写の人間ってことは、人物に関しては究極のリアル表現がされてるってことで、他のモノをそれに合わせるのは大変。そのへん違和感なく成功してる映像ってほとんど見たことないな。

実写の人物を優先するのだったら、そのへん、映画「ヤッターマン」のときに寺田克也氏が言ってたアレをしなきゃいかんと思う。「キャラがマンガになったときのデフォルメや、何が省略されたか検証し、現実寄りにもどしてやる必要がある」ってこと。ある程度は、だろうけどね。

っていうか、30年前に大友克洋がバラエティ誌の連載に描いていた「リアルウナギイヌ」が頭に残ってるので、どうしても頭に浮かんじゃうのだw

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