「なぜか観てなかった映画を見るシリーズ 落穂拾い編」の80年代に戻る前に、やはりヒッチコックの残りが気になっちゃって、先に観てしまうことにする。白黒時代で観てないものはまだたくさんあるので、追々観ていく。
●泥棒成金(1955年)
上流階級しか狙わず洗練された腕を持つ宝石泥棒ジョン・ロビー。戦後はレジスタンスの英雄として恩赦され、引退して優雅な暮らし。しかし、まったく同じ手口の泥棒が現れ、昔の仲間や警察から疑われる。偽物の正体をつかむために罠をしかける……という話。
アルフレッド・ヒッチコック監督。ケイリー・グラント、グレース・ケリー、ジョン・ウィリアムズ。リヴィエラ、モナコなどロケ。立体的な眺望。前半のクルマの追跡の空撮が圧巻! 1955年頃だとまだヘリコプターじゃなく飛行機かな。めちゃくちゃ美しい撮影。
ストーリーは多少ゆるいけど、グレース・ケリーのプロモーションビデオって感じでぜんぜんOK。よかったです。っていうか、全編がうっとりするくらいゴージャスな観光映画+リッチな人々の描写。思わずロケ地など検索してストリートビューやGoogleアースで見ちゃったよ。
https://video.unext.jp/mylist/favorite?td=SID0026281
●ハリーの災難(1955年)
森に横たわるハリーという男の死体。通りがかる何人もの男女がそれぞれ自分が殺したのではと思い込み、埋めたり掘り返したり、共謀したりくっついたり、変な方向へ転がっていく……という話。
アルフレッド・ヒッチコック監督。エドマンド・グウェン、ジョン・フォーサイスなど。シャーリー・マクレーンはこれがデビュー作だそう。
ものすごいのんきな舞台劇を見てる感じw 大きな山場が無く淡々と展開される。つまらないと言えばつまらないんだけど、人物キャラクターがそれぞれ一癖あって、飽きない。バーモント州の紅葉がめちゃ美しい。気持ちに余裕があるときにゆっくりもう一度見たい感じ。
●ファミリー・プロット(1976年)
ヒッチコックの遺作。日本公開は1976年8月。「ジョーズ」をきっかけにロードショー誌など読み始めた頃、新作映画として紹介されてたと思う。サイレントの20年代から50年、まだ現役の監督だった。この映画に出てくる70年代半ばの風景や人や小道具は、もう完全に現代。(前作1972年の「フレンジー」は、ロンドンで撮られたとはいえ、「現代」には見えなかった)
完全犯罪を繰り返す誘拐犯の宝石商カップルと、遺産相続が絡む行方不明者を探しているインチキ霊媒師の女とタクシードライバーのカップル。鍵となるある人物をきっかけに両者が接近することになる。。。という話。
こちらも多少ゆるい感じはあるけど、コメディっぽい軽妙なタッチはよかった。ラスト、ヒッチコック本人にウインクされたかと思った。「じゃあね」ってw 人を食ったような面白い後味。
出演、ブルース・ダーン、カレン・ブラックなど。エド・ローターは「ロンゲスト・ヤード」などでもすごいいい味出してて好き。音楽がなんとジョン・ウイリアムス。「ジョーズ」と「スター・ウォーズ」の間の時期。テーマ曲はなぜかなじみ深い。当時、FMラジオで録音したかも。
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