2020/04/27

最近観た映画メモ「アパートの鍵貸します」他

道(1954年)
ダイヤルMを廻せ!(1954年)
裏窓(1954年)
アパートの鍵貸します(1960年)
麗しのサブリナ(1954年)

11日ぶりの映画メモ。70年代半ばに戻るとか言いつつ、U-NEXTの洋画を古い順で確認したら「あ、これ忘れてた」で見つけた50〜60年代の十数本を先に観る。このペースだと、70年代を終えて80年代にたどりつくのは6〜7月だなあ。

●道(1954年)

フェリーニ監督、ジュリエッタ・マシーナとアンソニー・クイン主演。40年以上前に観たはずだけど、いちおう当時よりはずいぶん大人になったのでw、この映画のズシンとくる感じはめちゃくちゃわかる。特殊な世界の話のようで、人間や人生そのものを描いてる。いい映画だわ……。

昔観たときとジェルソミーナのイメージがずいぶん違って見えた。「ちょっとトロい少女」と思ってたけど、声も低いしずいぶん歳いってる大人として描かれてたのね。マシーナはこの時33歳だし
(粗野そのものの怪力芸人を演じるクインも39歳でそんなに離れてない)。マシーナの知性が目に表れちゃうのは想定外だったなw 綱渡り芸人との交流もよかった。

ニーノ・ロータの主題曲は筋肉少女帯の「戦え!何を!?人生を! 」に引用されてるね。

●ダイヤルMを廻せ!(1954年)

アルフレッド・ヒッチコック監督。ロンドン。元テニスプレーヤーの男、推理作家と浮気している資産家の妻(グレース・ケリー)の殺害を計画。男は昔の知り合いを罠にはめて実行させるが、案の定、事態は思わぬ方向へ転がっていく……という話。「刑事コロンボ」的。

物語のカナメがグレイス・ケリーってところがポイント。たいした演技はしてないはずだけど、引き込まれてしまう。あと、ほとんど同じ室内で展開するので、登場人物たちの演技の面白さが際立つってのもある。元は舞台劇だそう。

警部が来て、作り話でごまかそうとするもどんどんボロが出て、それでもなんとか取り繕って、あろうことか逆転して、などなど、もうずっとドキドキドキドキ。僕が悪いことしてるわけじゃないのに、主人公の男は悪いやつなのに、なんでこんなにハラハラさせられるんだ、くっそーって感じの。

「執念深く用意周到で、非常に頭の切れる主人公」「犯罪捜査のプロでタヌキ親父の警部」「勘が鋭く犯罪手法の専門家の推理作家」の3人の対決。面白かった。

3D映画として撮られたそう(当時公開されたのは2D)。おもしろいのが、電話のダイヤルを回すカットは接写すぎて3Dカメラで撮れず、巨大な電話機を作って撮影したそう(検索するとヒッチコックがその巨大電話機といっしょに写ってる写真がある)。よく見ると、指もでかい作り物だし、数字の塗りムラが見えるw 一瞬だから止めないとわからないけどね。3D撮影の都合なのか、なんでもないシーンで前景と背景が別撮り合成されてたりするのもちょっと気になった。Blu-rayには3Dバージョンが入ってるそう。

●裏窓(1954年)

ヒッチコック監督。ジェームズ・スチュワート、グレイス・ケリー。足を骨折して静養中の車椅子カメラマン。退屈しのぎに裏窓から住人たちをのぞき見してたところ、状況から殺人事件が起きたにちがいないと確信。動けないかわり、恋人や訪問看護婦や本気にしない旧友の刑事らが行動。ほぼ完全に室内だけで進行。「安楽椅子探偵」そのものみたいな。

めちゃくちゃ面白かった。ジェームズ・スチュワートは表情を見てるだけで満足なほど好きな俳優だけど、動けないから表情が際立ち、顔芸って感じでずっと楽しめる、グレイス・ケリー、最初のうちは美人でお洒落だけど主人公の立場的にちょっと困る押しかけ女房と思ってたら、主人公の妄想みたいな考えが実証されてくにつれ、どんどんチャーミングになっていく。自らいろいろ過剰なほど行動しちゃって「ヤバイヤバイ!やめてやめて!」って思わず叫んじゃうw

のぞき見ってことで、後ろめたい感じがずっと伴うのも上手いし、いろんなタイミングやリアクションが本当よくできてるなあ。しかも、ラストになっても本当に殺人事件があったのかどうか「間接的な説明やリアクションや状況」だけなので、はっきりと描かれてないのがおもしろい。

のぞき見してるいろんな部屋でいろんな人生やストーリーが進行していくのがイイ。みんなそれぞれ人生を生きてるんだなあってw

●アパートの鍵貸します(1960年)

ビリー・ワイルダー監督、ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン。巨大な保険会社に勤める男。ひょんなことからアパートを時間貸しすることになったがその後エスカレート、上司たちの秘密の逢引の場所として便利に使われちゃってる。そんな中、片思いしてる社内のエレベーターガールが連れ込まれたことを知ってしまい……って話。

面白かった! ロラブコメ的なものは得意じゃないけど、これは隅々まで面白かったし切なくてよかった。レモンの主演映画ってもしかして初めて観たかも。名コメディアンって呼ばれる人は変なクセとかわざとらしさが鼻につくことが少なくないけど、レモンは軽妙なのにそういうのが無い。しかも、劇中だんだんカッコよく見えてくるしw なんとなくヘンリー・フォンダに似てるかな。

シャーリー・マクレーンはパッと見それほどきれいでも可愛らしくもないけど、ちょっとスレた感じの容貌からだんだん「なんとかしてあげたい」感が出てくるのがイイ。

ジャック・レモン演じる役名がC. C. バクスター。「C. C.レモン」ってここから来てるのかな?

●麗しのサブリナ(1954年)

ビリー・ワイルダー監督、オードリー・ヘプバーン、ハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデン。先日の「ダイヤルMを廻せ!」で警部だったジョン・ウイリアムスが父親役で出てる。

大企業をやってる富豪の2人の息子。弟のほうに思いを寄せる住み込み運転手の娘。パリに留学して見違えるように素敵になって戻ってくると、弟は娘に夢中、しかし、、、って話。昔の少女漫画の原型みたい、っていうか影響受けたマンガは多いだろうな。

ラブコメっていうか恋愛ものって、初志貫徹ではなくねじれた形でめでたしめでたしって多いのね。面白かった。オシャレで素敵すぎて尻がかゆい。あ、尻が痛い話でもあったw

シンデレラ物語というか女の子の夢なんだろうけど、魅力的になったことをめちゃくちゃ自覚してるし、「思い上がった勘違い女、一家の社会的役割や平和を乱す悪女」に見えなくもなくて、ちょっとヤバい感が漂うw 同じあの場所で待ち合わせってのも怖い。そもそも、使用人の娘ってもぜんぜん貧乏じゃないしね。

ハンフリー・ボガートのあの小悪党みたいな魅力が全開。吹き替えで観たんだけど、吹き替えは先日亡くなった久米明。ヘプバーンはいつもの池田昌子だし、すごい良かった。

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