当時からずっと観たかった「フィツカラルド」。割と最近Prime Videoで見つけ、そのうち観るつもりだったのだが、「primeでの配信は14日以内に終了」って出てしまい、急いで観ることに。
●フィツカラルド(1982年) 2:37 西ドイツ Amazon
「船頭多くして船山に登る」、あのビジュアルで思い出してしまうw とりあえず、「船が山を登る」って点はネタバレではないものとします。
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク、出演:クラウス・キンスキー、クラウディア・カルディナーレ他。
天然ゴムによる好景気(ゴムブーム)に沸く二十世紀初頭のペルー。アマゾン奥地の町にオペラハウスを建てることを決意した男フィツカラルド。その資金を手に入れるため、まず、大きな蒸気船を買う。その目論見とは、ゴムの輸送方法がなく誰も手を出さない地域の河に、山越えさせた船を浮かべて輸送に使えば、大儲けは確実……という話。
(僕もずっと勘違いしてたけど、「未開のジャングルのど真ん中にオペラハウスを建てよう!」という話じゃないです。ゴムブームで栄えたペルーの地方都市にオペラハウスを建てようという話ですw)
めちゃくちゃ良かった! 特別な映画を観てる感が大きく、終始圧倒される。「つかみ」的なものとして、ちょっと長めにオペラを映してるんだけど、それがもう圧巻! 嫌ったらしい有力者のおっさんも圧巻!
っていうか、クラウス・キンスキーの顔自体が圧巻w 「オペラハウスを建てるぞ!」「船を山越えさせるぞ!」すごい熱量のキャラ。こちらまでやみくもに元気が出てしまうw
これ、土木工事映画w なぜか地元のインディオたちが大勢で協力してくれるんだけど、「300トンの蒸気船を実際に山越えさせるにはどうしたらいいか?」を説得力ある形で見せてくれる。っていうか、映画を撮影するために本当に山越えさせた一部始終のドキュメンタリーみたいなもんで。
蒸気船が本当にゆっくりゆっくり山を登っていく様子は、思わず「おお〜〜〜!」って声が出てしまうw
最終的にはフィツカラルドの目論見通りにはいかないのだが、思わぬ形で夢を実現。これが本当に幸せそうで、こちらとしても「よかったねえ、よかったねえ!」ってなってしまうw いいラストだなあ。
娼館の主人役のクラウディア・カルディナーレは愛人なんだけど、キンスキーのクドったらしさを中和する役割のようで、ホッとする。有力者のおっさんも、船長も機関士もコックもみんないいキャラ。
ヘルツォークは映像で魅せてくれるけどキューブリック的な完璧主義者ではないようで、主なツッコミどころは次の通りw
・遠景に普通のビルがw
・ボートの船外機が現代風
・急流のシーンの船にスタッフが乗ってるのが見えるぞw
・それほど必要と思われないいくつかのミニチュア撮影が残念。
・二人の肖像画がひどすぎるw
ところで、ヘルツォーク監督。「シャイニング」撮影中のキューブリックところに来て、ジャック・ニコルソンに「フィツカラルド」への出演を直談判したらしい。
あと、ダニー少年の三輪車の耳障りな音に悩んでたキューブリックに、「いいじゃんこの音!」って採用させたのがヘルツォークだそう。いや、僕的には走り回る三輪車の木の床とカーペットの響きの違いはすごくいいなあと当時思った。
ヘルツォーク、映画芸術の巨匠で小難しい文化人かと思ったら、「マンダロリアン」のドラマに出てたんだ。「孫が喜ぶから」だってw 見覚えあるわ。大滝秀治っぽい俳優だなとは思ったけど、気がつかなかった。
●「Burden Of Dreams」(1982年)1:26 YouTube
メイキングドキュメンタリーがYouTubeにあったので見た。ざっとメモ。原題「夢の重荷」w
河を遡る点で「地獄の黙示録」(1980年)を思い起こさせたけど、ドキュメンタリーもそのメイキング「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」(1991年)と合わせて語られるそう。
撮影キャンプが地元の争いに巻き込まれて移動せざるを得ず、主演俳優ジェイソン・ロバーズが赤痢で降板、目玉だった助手役のミック・ジャガーも降板して脚本書き直しなど、とんでもない困難が次から次へと。こりゃもう、映画自体が「困難を乗り越える」そのもの。
メイキングを観ると、「ジョーズ」のスピルバーグも「地獄の黙示録」のコッポラも、死ぬほど大変な目に遭いながら、映画をなんとか「完成」までたどり着かせてるんだなあ。執念!
同じ外観の船を3つ用意、一つは座礁してしまって雨季待ち、一つは山を登りかけて立ち往生、残りの一つで命懸けの急流の撮影。すごいギリギリ!
カルロス・フィツカラルドという実在のゴム富豪がモデルとのこと。ただし、実話としては30トンの船を分解して山を越えたのを、ヘルツォークは船を300トンにして分解せずに山を越えさせたというムチャクチャw
映画では数百メートルの坂を登って反対側へ降りるように見えるけど、空撮を見ると、とてもそんな距離じゃない。少なくとも2kmくらいありそう! どんだけ大変な作業だったか!
故障してばかりの中古のブルドーザー一台での工事は難航、引き上げかけた船はずり落ちる。主人公フィツカラルドと監督のヘルツォークが同じく「絶対に船を山を越えさせる!」と一致w その狂気の熱量が映画からはみ出てる。
・インディオたちが「原住民」的ではなく、TシャツやGパンなど洋服を着たりメガネかけてたりサッカーしたり、普通の文明人。1980年代当時では当たり前だけど。
・操舵室にいる青いシャツを着た人を確認。急流のシーンに映ってた人だ!
・休憩中にあやとりしてるインディオの少年! あやとりがペルーにもあるのは知ってたけど、実物初めて見た!

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