2026/06/28

最近観た映画メモ「ノスフェラトゥ」他


6月末の「primeでの配信は◯日以内に終了」が多すぎない? ヘルツォーク作品だけでなく、「あっ!これ配信されてるんだ!」って割と最近ウォッチリストに加えた映画(MGM+含む)がごっそり配信終了になってしまう。「ピンク・パンサー」シリーズも観直すつもりだったのに。そこへいくと、U-NEXTの品揃えは強いなあ。そのうち復活しよう。

今回、1979年と1922年の「ノスフェラトゥ」を観たけど、2024年にもリメイクされてる。オルロック伯爵(=ドラキュラ)がなんと「IT」(2017年)でペニー・ワイズを演じたビル・スカルスガルド! 観たい!

もう一本、1922年版の撮影舞台裏を描く「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」(2000年)も面白そう。こちらのオルロック伯爵はウィレム・デフォー! (2024年版にも出てるw)

●ノスフェラトゥ(1979年) 1:47 西ドイツ Amazon

1922年の元祖「吸血鬼ノスフェラトゥ」は小説の著作権を避けた形で作られた、いわばジェネリック「ドラキュラ」なんだけど、1979年にリメイクされた本作では登場人物の名前は変えられておらず、ドラキュラ伯爵やヘルシング教授など本来の名前になっている(他、名前の入れ替えなどある)。1979年時点で著作権切れだったのでそのまま使えたとのこと。

監督:ヴェルナー・ヘルツォーク、出演:クラウス・キンスキー、ブルーノ・ガンツ、イザベル・アジャーニ他

不動産会社に勤めるジョナサン・ハーカーは、ドラキュラ伯爵から依頼を受け、大きな屋敷を売る契約のためにトランシルヴァニアを訪れる。恐れる村人たちの制止も聞かず、古城へ向かう。不気味な伯爵と面会して契約を交わすものの、ジョナサンは閉じ込められてしまう。一方、伯爵はジョナサンの妻を狙い、急いで出発する……という話。

非常に静かな映画。ゴシック・ホラーの様式美を削ぎ落とした怪奇映画という感じ。ドラキュラ伯爵は、何百年も死ぬことさえできない悲しく哀れな存在として描かれる。

吸血鬼映画というよりも、町に疫病と死が広がっていく様子を描く。冷たい禍々しさが画面を支配する。ネズミだらけの石畳、無数の棺桶、誰もいなくなった町。ドラキュラはペストそのもの。前歯までネズミ! 

・イザベル・アジャーニが美しい! ラファエル前派の絵画のよう。

・最初に「手先/しもべ」となるレンフィールドの俳優の演技がウザ怖すぎるw っていうか、ニコラス・ケイジがドラキュラ伯爵を演じる映画「レンフィールド」(2023年)って、このレンフィールドのことだったのか! 今さら気がついたw

・西ドイツの映画なのにセリフが英語(口の動きも合ってる)なのはなぜだろう?と思ったら、英語版とドイツ語版と同時に撮影され、両方が正式版として公開されたそう。

・町を埋め尽くすネズミが白っぽくて違和感があったのだが、ヘルツォークが撮影用に大量に輸入した実験用ラットは白ネズミだった。それを灰色に染めようとしたことや、輸送中のトラブルで、半数が死んでしまったらしい。他にも動物の扱いに問題があったとのこと。

・クラウス・キンスキーの白塗りの特殊メイクが不気味でなかなか良いんだけど、ライティングの具合によってピンクっぽく肌が透ける瞬間がある。ふっくらした干し柿のようだw

●吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年) 1:34 ドイツ YouTube

監督:F・W・ムルナウ、出演:マックス・シュレック他。

日本語字幕入りバージョンがYouTubeにあったので、確認のためにざっと観てみた。大まかなストーリーはほぼ同じだけど、ノスフェラトゥ=ペストということをはっきり描いている他、ヘルシング教授に相当する人物がいなかったりする。

ヘルツォーク版は構図や演出含めほぼこれを下敷きにしてる模様。影絵の描写もこちらがオリジナル。こちらでは影を使って「触れる」までやってる。

マックス・シュレック演じるオルロック伯爵(=ドラキュラ)の外観や演技はクラウス・キンスキーより人間離れしてて、けっこう怖い。ドイツ表現主義的テイスト全開。どんだけ怖い顔の俳優だろうと画像を検索したら、普通の人でしたw 付け鼻や牙など自分でメイクしたとのこと。眉毛は無いほうがよかったなw

・1922年の白黒映画にしては中間の階調がしっかりあって、かなり鮮明。廃棄を免れたフィルムを元に修復されたのかな。

・最初に「手先/しもべ」となるノック(=レンフィールド)は、こちらでもウザ怖すぎるけど、登場場面は格段に多い。

・ヘルツォーク版を観た後なので画面で何が行われてるかちゃんとわかるけど、無声映画の字幕/インタータイトルだけでは説明不足でわかりにくいかもしれない。

・上で「著作権回避のためのジェネリックドラキュラ」と書いたけど、冒頭でタイトルの次に「小説ドラキュラ、ブラム・ストーカー」と思いっきり出てくる。ドイツ人になじみやすいよう固有名詞をアレンジした「無許可ローカライズ版ドラキュラ」だったという説も。まあ、どちらにせよ裁判には負け、フィルムは廃棄されることになるのだが。

YouTube「WY日本語字幕FILM」。パブリックドメインとなった古い映画に字幕をつけて配信してる。すごい映画がいっぱい! 「吸血鬼ノスフェラトゥ」はたった3週間前のアップだった。
https://www.youtube.com/@wysubtitles

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