2026/07/25

最近観た映画メモ「雪風 YUKIKAZE」


少し惜しかったり引っかかりが残る映画ほど、映画メモを書くのが楽しくて、長文になってしまうw

●雪風 YUKIKAZE(2025年) 2:00 日本 Amazonプライム

幸運艦と呼ばれ、太平洋戦争を最後まで生き抜いた駆逐艦「雪風」。ミッドウェー海戦から戦艦大和に同行した沖縄特攻作戦、そして戦後までを描く。

監督:山田敏久、出演:竹野内豊、玉木宏、奥平大兼他。久しぶりに田中麗奈を見たけど、そこそこ歳を重ねた和装姿の彼女には「昭和の大女優」のような風格があって驚いた。

雪風の戦歴自体が興味深いので退屈はしなかったけど、不完全燃焼な感じ。こういった日本の戦争ものではたいてい、故郷に残した妻や子供、恋人の話に時間をかけて感動要素にするけど、この映画では割とあっさり描かれている。

それが盛り上がりに欠ける原因だとしたら、ベタではあっても、やはりそういう要素は必要なのかもしれないな(まあ、そうやってどの映画もだいたい同じ印象になってしまうのだがw)。

ところが、終戦→引き揚げ船としての描写からエンドタイトルまでの約10分間の、唐突な感動要素のてんこ盛り! しまいには「泣ける映像」+主題歌フルコーラスw

CG/VFXは少し物足りない。派手な見栄えより現実っぽさを優先したのか、立体感が乏しくて少し違和感がある。海面に船が上滑りしたりするし。

それ以上に不満なのは、見たい構図をぜんぜん見せてくれないこと。駆逐艦の映画なんだから、低い視点からの海上を疾走する雪風の雄姿をもっと堪能したいのに。

もしかすると、VFXでは波がうねる海面の描写の技術的ハードルが高く、そうしたカットを避けたのかもしれない。(「男たちの大和/YAMATO」(2005年)でも、戦艦大和の横からの全体ショットが極端に少ないのはがっかりだった)

艦上の人物のシーンでも、そこが雪風のどの部分なのかを示す全体ショットがなく、艦全体の大きさや空間がつかみにくい。構造物の一部だけを再現した小さなセットで撮っている感じ。

ところで、「戦争の悲惨さを描く」ははずせないにしても、雪風の場合は「どうかしてるくらい幸運な艦/不死身の艦」という誰もが知ってるイメージがあるんだから、少しは娯楽映画に振ってもよかったと思う。もっといえば、痛快さを出してもよかったのではないか?と。そんな題材、珍しいんだから。

せめて、爆弾や魚雷をひらりひらりとかわし、真っ白な水柱や水煙の中からビショビショになりながら無傷で姿をあらわす雪風! みたいな描写でもあれば。(それが、三角定規を構えた艦長が叫ぶ、ではねえ……)

・「ゴジラ-1.0」(2023年)で雪風の活躍を堪能しただけに、本作にも期待していた。あちらは寺内正道艦長まで本人そっくりに再現するほど力が入っていた。

・唯一の「戦果」シーン。巡洋艦への砲撃や空母への魚雷命中は事実ではなさそう。実際には攻撃自体はあったが、命中は確認されず、戦果を誤認して報告したらしい。

・不発のロケット弾、海に捨てればいいだけでは?と思ったら、捨てたとき爆発すると危険なのかな。しかし、作業を大勢で見守るのはいかがなものかw

●親父が「雪風が建造されてるところを見た」と言ってた、の件

1972年頃。ブームだったプラモデル、ウォーターラインシリーズの「雪風」(当時100円!)を作ってたら、親父が「神戸で『雪風』が建造されてるところを見たことがある」と言い出した。

当時小学4年生だった僕でも「時代が合わないんじゃね?」 と違和感があったものの、へ〜!そうだったんだと半分だけ納得してた。

数年前にその謎が解けた。親父が見たのは海上自衛隊の護衛艦「ゆきかぜ」だったのだ。

親父は1952年に開校した神戸商船大学の一期生だった。「ゆきかぜ」は神戸の造船所で1954年に起工、1955年に進水しており、時期がぴったり一致する。そういうことだったのか! なるほど〜。

ちなみに、この自衛艦「ゆきかぜ」、長門勇主演の映画「駆逐艦雪風」(1964年)では旧海軍「雪風」役として撮影に使われている。1985年に除籍、翌年に海没処分された。

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