
●見えざる手のある風景(2023年) 1:45 アメリカ Amazon Prime
近未来。暴力的ではないが奇妙にビジネスライクかつ官僚的な異星人「ヴヴ」に支配された人類。仕事を奪われホームレスになる人々もいる。絵を描くのが好きな少年アダム(父は行方不明、母は元弁護士で現在無職だが、まだマシな生活)は、過酷な境遇の少女クロエと仲良くなり、その家族ごと地下室に間借りさせることになる。生活費を稼ぐため、二人は異星人に人気の「恋愛リアリティショー」を配信することに……というコメディ。
監督・脚本:コリー・フィンリー、出演:アサンティ・ブラック、カイリー・ロジャース、ティファニー・ハディッシュ他。
面白かったけど、ずっと居心地悪いw 間借り家族の兄、何あれ?マジムカツクww 爆笑ってより、あっけにとられる系のネタが多い。動画配信のために捻じ曲がってしまう行動の馬鹿馬鹿しさも描かれる。ふざけんな!っていう外見の異星人の描写が面白い。筒井康隆「関節話法」を思い出したw
なぜか、裕福だったり教養や地位を持っていた大人しか出てこない。もしかして、「ちゃんとやっていけるはずの我々」の代表? 中流でこれだと、下流の人たちはどうなるんだ? 「もしも、彼らのような階級がいきなり格差の下側に行ったら?」でもあるんだろう。
いろんなテーマが交錯する。貧富、植民地支配、資本主義、人間の尊厳、アートとは、などなど。異星人が関与することで、人間のいろいろな問題が浮き彫りになっていく。
最初、黒人と白人の思春期カップルという設定は、露骨なポリコレかと思った。近い将来、ポリコレが進んだ結果、人種問題は無いものとして描かれてるのかな? ちょっと不思議な感じ。
「上空に、恵まれてたり金持ちだったり、支配層が住んでいる」って映画、いろいろある。この映画ではさらに「地下と一階」という入れ子構造もあったりする。
近年観た映画でも「ATOM」(2009年)「アリータ:バトル・エンジェル」(2019年)。この二つは「彼らのゴミが下界に落ちてくる」も共通。(宇宙都市だけど)「エリジウム」(2013年)もあった。それで言うと、「機動戦士ガンダム」では富裕層でない人たちがスペースコロニーに住むという、逆なのが面白い。
・主人公の少年アダムが、ファラオというかツタンカーメンみたいな、まつ毛が長くやけに美しい顔で、少々ノイズになってしまった。
・「見えざる手」→アダム・スミス→アダム少年。なるほどぅ!
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