2022/03/25

最近観た映画メモ「セルピコ」他

2本とも気が滅入る映画。ただでさえ映画観る意欲が落ちてるのにw 次回は楽しいのを観ようっと。

●サウルの息子(2015年)

ゾンダーコマンド(強制収容所の核心部分で過酷に働かされるユダヤ人労働部隊)のサウル。すでに極限状態を通り越して生ける屍として黙々と作業している。ある少年の遺体をなぜか自分の息子だと思い込み、せめてユダヤ教の正式な埋葬をしてやろうと必死でラビを探すが、、、という話。

カンヌ映画祭でグランプリをとったハンガリー映画。ほとんどの場面がゲームの三人称視点のようなサウルの顔周辺や後頭部からの視界、見える部分以外はぼやけてる。強制収容所内のひどい状況の地獄めぐり。その場にサウルとして居合わせるよう強制される。全編手持ちカメラなので酔いまくる。

めちゃくちゃキツかった。当たり前だけど、1ミリも楽しいところがなく、ひたすら耐えるのみ。埋葬にこだわるのは人間性を保ったりとか、民族全体への想いなんだろう。今の世界情勢から言えば、歴史上の話ではないな。。。。

●セルピコ(1973年)

シドニー・ルメット監督。アル・パチーノ主演。昔、1977年のテレビ放映で見たことあった。ラストシーンを録音して繰り返し聴いたので野沢那智の声が耳に残ってる。

撃たれて病院に運び込まれるセルピコ。夢を抱いて警察学校を卒業したのに、配属されたニューヨーク市警は犯罪組織などから巻き上げる金や賄賂が蔓延、腐敗しきっていた。金を受け取らないセルピコを周囲の警官たちは警戒し始める。命の危険を感じつつも、セルピコは告発に動きはじめる……という実話ベースの話。

そりゃもう名作。よかった。勇気ある男の物語としても完璧だし、周囲のほとんどが敵、味方かと思ったら敵、のスリラーとしてもめちゃ怖い。淡々としたリアルなタッチに、キレキレのアルパチーノのコントラスト。

フランク・セルピコ本人としばらくいっしょに暮らして完全同化したそうで、パチーノの本気の成り切りぶりがすごい! 本人はアル・パチーノの4歳上。現在はニューヨーク州に住んでるらしい。

ちょっと疑問。冒頭、セルピコが撃たれたと連絡が入る警察署内の時計は夜10時40分だし、信頼を寄せてた地区総監は就寝中を電話で起こされる。でも、セルピコたちが麻薬取引現場に踏み込んだのってまだ明るい時間なんだよなあ。

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