「なぜか見てなかった映画を見るシリーズ 落ち穂拾い編」(とプラスアルファ)のリストの残り約70本をどのサービスで観るか検討。昨年夏に一旦解約したU-NEXTでは追加料金なしで観れる映画がめちゃくちゃ多く、他サービスで探すより手っ取り早い。
というわけでU-NEXTを復活。同じく現在解約中のNetflixのほうはリストのU-NEXT分がある程度片付くまで復活させないでおくつもり。加入したばかりのDisney+はそのままおいとく。
●震える舌(1980年)
泥遊びしてて指をケガして破傷風になった小さい娘。入院して治療を受けるもののかなり危険な状態。過酷な状況に追い詰められていく両親。作家三木卓の娘の破傷風菌感染をモチーフにした小説が原作。野村芳太郎は「八つ墓村」とかの大ベテラン監督。渡瀬恒彦と十朱幸代、若い! この時、36歳と38歳。他にも「あ!若い!」って有名俳優がいろいろ出てくる。
リアルな闘病ドラマなのに、公開時にも「恐怖映画」と宣伝されてたらしいw 確かにホラーとか言われるの納得するくらい怖かった、というより、いたたまれない。女の子の叫び声、痙攣したりの症状が演技と思えないくらい凄まじい。ほぼエクソシスト(と思ったらいろんなところに「日本版エクソシスト」とか書かれてるねw)。この子役の子、医学関連に進んで立派に活躍してるそう。映画の影響があったのかも。
・夫婦に降りかかった災難によるリアルな感情の動きって点でも良かった。
・音楽、いかにもそれっぽいおどろおどろしいシンセ、それっぽいチェロ曲。ちょっとクドかった。
・「破傷風はこわい」って子供の頃から知ってたけど、これほどとは知らんかった。この映画を見たら、小さなケガとかしないようにめちゃ気をつけるようになるよw 立体制作とかで指先をほんの1ミリ切ったりすること多いから。
・俳優たちがめちゃくちゃ誠実に演じてる医療従事者たちの、かすかな「他人事感」がちょっと怖い。
・病院の廊下のベンチに灰皿があるw
●スローなブギにしてくれ(1981年)
野良猫のような女子高生、二人の男の間を行ったり来たり、ひどい目にあったりしながら成長していく話。片岡義男の短編小説数本を元にした映画。角川映画。監督 藤田敏八。浅野温子、古尾谷雅人、山崎努、他。
当時テレビの予告編で見た、南佳孝のあの主題歌と、夕暮れの高速道路を走るバイクの男(シャツがはためく)を後ろから撮った映像。泣けるほどカッコイイ! それだけでお腹いっぱい的イメージだったのだが。
ラストシーンかと思ってたそのカットは映画が始まってすぐの、特に象徴的でも何でもないものだった。たまたま撮れた一瞬の「神カット」を目ざとく予告編に使った、って感じだったのかも。
始まって10秒で嫌な予感→猫視点カットのあきれる雑さ。何だこれ? 全編、「こういうの映画的にイイでしょ?」って提示されてるっぽいすべてがダメ。米軍ハウスとかも、あれがオシャレに見えるなんて信じられない。面白いとかカッコイイと思う部分がひとつもない。
あと、猫の扱いがひどいのだが、あの猫たちは「映画出演仔猫オーディション」で選ばれた12匹だそう。かわいそう!
ただ、「何度見ても素晴らしい」ってレビューもあったりするから、純粋に好みの問題かもしれない。1981年当時に見ていれば?ってのはあるかもしれないけど、僕的には同じだと思う。日本映画のこういう感じが苦手で洋画ばかり見てたんだから。
山崎努の視点に絞ればよかったかも。人生に疲れた中年男が失った若さや青春を、拾った少女に見出して追いかけ、みっともなく彷徨する。「ロリータ」とか「ベニスに死す」とかみたいな。そしたらあの唐突なラストも活きる。
藤田敏八監督の次作「ダイアモンドは傷つかない」(1982年、山崎努、田中美佐子)とセットで観ると腑に落ちるという説も。
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