2013/05/14

実家でFRP立体制作

ゴールデンウイーク、4月28日(日)から愛知県の実家で展覧会用の立体制作をしてました。東京に戻ってきたのはおとといの5月13日(月)。正味二週間ものロングバケーション! じゃない、猛烈に働いてたわけですが。

なぜ実家で制作かというと、樹脂や溶剤の臭いや削った粉や電動工具の音などが出し放題で、広い部屋を使えるから。東京の自分の部屋じゃ無理、っていうか気を使って遠慮がちにやるのがきゅうくつなので、ここ2年くらい立体制作は休止してたのです。

とにかく大変でした。何がたいへんかって、GWを立体制作かかりきりにするべく残ってる仕事を全納品&待機状態にした上で実家に行ったのに、新しい仕事がいくつも入っちゃって、並行して進めながらだもん。コンペ仕事のキャラ制作も立体制作も、どちらも楽しいことなのに、両方同時に限られた時間でやるのはキツイ。1.5人前の寿司とカレー大盛りを5分以内に食え!みたいなもん。

特に今回は、FRPに初挑戦。FRPと言えば、猛烈な臭いに加え、そこら中に散らばるガラス繊維のチクチクで有名な、とってもとってもハードコアな造形素材。立体アート作品や遊園地の造形物などはたいていFRPで作られており、あこがれてたのでした。

FRP、やってみてわかったのは、臭いはポリエステルパテをちょっと強くした感じで、猛烈ってほどでもないかな。まあ東京のマンションでは無理としても。ガラス繊維はゴム手袋をしてれば大丈夫だけど、それでも靴下にくっついたらしく足がチクチクした。

ガラスマットをちぎって貼り付け、刷毛でポリエステル樹脂を染み込ませる「含浸」って作業は楽しい! ガラス繊維につゆだくに含ませた樹脂がカチカチに硬化して強力なFRPになるわけです。

全体の手順は、
インダストリアルクレイで一次原型を作る→石膏で型取り→ポリエステルパテで置き換え→二次原型を制作→増粘剤を入れたシリコーンで前後二つに分けた型を作り、石膏で補強→FRP積層を数回→前後のパーツを接着して合わせ目を処理→下地塗装→本塗装→クリアースプレーを吹き、表面をコンパウンドで磨く
という具合。

今回の完成作品にはいくつも不満点がある。全体の曲面がちょっと雑で、微妙に大きな凸凹がある。そのあたり、本来ならしつこく何日もかけて修正を繰り返すのに、十分な時間が取れず、ほとんど全工程が一発勝負。目とかの輪郭の凹みのエッジも甘い。ここが一番時間がかかるのだ。

エッジが甘いから、塗り分けのときに中央の境界線がわからないまま塗ることになり、別の角度からの光で見るとエッジから離れたところで塗り分けになっちゃってる。そこがいちばん残念。完全にアナログで作ったわけで、「味」とか「作家の手の痕跡」とか解釈してもらえたらいいんだけど。

完璧にするにはかかりきりで3週間くらいは必要だなあ。客観的に冷静に作業結果を評価する余裕がなかった。

「原型を作り、型を作り、一個抜くところまで」って、その一個のための大変な工程なわけだけど、順調に複製できれば全工程の苦労が個数分で割られるんだよね。複製前提ってのは数を作ってこそのものだなあ。3個複製するだけだったら、丸太から木彫りで3個作るほうがラクかもと思った。

あと、型からはみ出したFRPを切り取って、前後を貼り合わせて表面処理する作業が大変すぎ。やっぱ中空レジン方式でポリエステル樹脂を「流し」するのがいいかな。気泡の問題もなくなるし。ガラスマットを入れないと強度の問題があるけど、ガラスマットを5mmくらいに細かく切って樹脂に混ぜて何層か流し込むのがいいんじゃないかと思う。それで何層か流し込めば相当強くなるんじゃないかな。

塗装は下地の色以外、マスキングなしの筆塗りだったけど、やはり面倒でもマスキングしてエアブラシを使わないとダメだな。何度も塗り重ねても不透明度が上がらず、目の輪郭一組を塗ってる間に、45分のポッドキャストを2本聴けちゃうくらい時間かかるのはどうかしてる。

とか考えてたら、おとといまで「立体なんて二度と作らん!」とか思ってたのに、また作りたくなってきた。思いついた方法を試したい。経験値上がってるし、次は絶対にもっとうまく要領よく早く作れるに違いない!とか思っちゃうんだよなあ〜。いつもそう思うんだけど、作り始めると「やっぱ大変〜〜!」って後悔するw

・・・っていうか、元にしたCGで作ったキャラは、「展覧会用に、こんなの作ったらどうかな?」の参考見本として、2時間くらいで作ったもの。それをアナログで立体にするのに2週間もかかるって、クリエイティブとしてはどうなのか? まるまる2週間使えたら新しいキャラがCGで40〜50個は作れてしまう。僕にとっての立体制作はそこまで価値があるものなのか、ちょっと悩んでみたり・・・。

・・・先日、「3Dプリントは「作品」になり得るか?」で、立体作品作るならぜったいアナログ!とか書いたけど、ちょっと揺らいだ。形を作るところまでは3Dプリンタ利用で多少はデジタルを取り入れてもいいかな。

2013/05/13

Iam8-bit作品GW制作 0513 最終日

コンパウンドで何度も入念に磨き、完成。
梱包前に作品写真を撮って送らなきゃいけないので、塗装に体力使い果たしてバッタリ倒れて寝てしまいたいところを、気力を振り絞って撮影。朝の4時くらいまでかかった。
一つをロサンゼルスに送るので、梱包直前に原形を含めて記念写真。この後すぐ新幹線に飛び乗って、東京中央郵便局でEMSで発送。 終了。。。。
これが「決め写真」。安いコンパクトデジカメじゃ限界ある。一眼レフを買わないと。

2013/05/12

Iam8-bit作品GW制作 0512

台の紙コップを外した。
紙コップがくっついてた底面は未塗装で下地が見えてる。
もちろん黄色を塗っておく。
これで彩色段階は完成だけど、まだツヤがない。
クリアーラッカーを吹いてしばらく乾燥。コンパウンドでつや出し。
で、一応、完成〜。

2013/05/11

Iam8-bit作品GW制作 0511


彩色開始。黄色を吹いた。

どんどん行く。口の赤と目のブルーを塗る。

目の周囲の茶色。何度塗っても濃くならない。ここが塗装作業でいちばんキツかった。

黒目のグレー。

目の黒。作業場全景w

2013/05/10

Iam8-bit作品GW制作 0510

昨日、塗装を始めようかというタイミングで雨が降り出すとはなかなかorz 雨が降ってきて塗装には不向きと思ったけど、虫がこないって利点があった!これはチャンス。下地は塗っちゃおう。
下地の白をスプレーしたんだけど、あまりの気泡の多さにガッカリ。
ほとんど「ごま塩頭」。これを全部濃い白で埋めてった。ブツブツの白ボコボコにサンドペーパーをかけて、まあとりあえず見れる状態まで来たところ。

2013/05/09

Iam8-bit作品GW制作 0509-2

続き。2個を前後貼り合わせてるところ。シリコーン型に入れて貼り合わせる方式はやはり、合わせ目が合うかどうかわからないのが不安なのでやめた。レジンでも合わせ目合わないことあるし。やはり、合わせ目のパテや段差を整えるのに半日かかった。丸洗いしてサーキュレーターで乾かした。
困ったのが、どう宙に浮かしてスプレーするか? そうだ紙コップ! 強力両面テープで貼り付ける。びくともしない頑丈。
FRPプライマー、底面を先に吹き、台座を取り付けて全面を吹いて、乾燥中。FRPプライマー、ベタベタしてなかなか乾かない。

Iam8-bit作品GW制作 0509-1



やはり、「のりしろ」を分厚く作りすぎたのが失敗だった。糸鋸をポキポキ折りながら合わせ目を削る。でかい棒ヤスリとかも使って。半日かかったわ。失敗。シリコーン型を使って貼り合わせるとか言ってたけど、合ってるかどうか見えないのは不安なので、とりあえず手動でくっつけた
で、失敗を教訓に2個目をFRPした。こっちは表面を触らなかったし分厚くないので作業がラクなはず。日に当ててるのは紫外線で硬化が進むらしいので。
最初のはどうも失敗ぽいのでもう一個だけ抜こうとしたら樹脂が足りなそう。そこで、注型用でない普通のFRP用樹脂を買ってきた。それが大正解。やはり注型用はたぶん気泡抜きとかの関係で硬化が遅くしてあるのかも。普通のFRP樹脂は、硬化剤をちょっと多めにすると15〜20分で刷毛で塗れなくなり、1時間もするとほぼカチカチ。ぜんぜん速い! 朝8時から始めてすでに3回目の積層がカチカチ。パテも接着剤も、もうこの樹脂使えばいいや。スバラシイ!

フルにやったら1日に4個くらい複製できるんじゃないか? 限定生産数10個くらいならそれほど苦じゃなさそう。まあ、今回は最低限の数にするけど。とか言いつつ、普通の仕事も平行してやってるのです。どっちかにかかりきりなら楽しいのに、急いで両方やるのはキツい。寿司1.5人前とカレー大盛りを5分以内に食え!みたいなもん。

とりあえずFRP積層の作業は全終了。次は、つなぎ合わせて塗装。それでもあと最低2日はかかるなあ。で、思うのは、原型作って型作って一個抜くところまでって、その一個のための超大変な全工程なわけだけど、順調に複製できると、その全行程の苦労が個数分で割られるんだよね。

2013/05/08

Iam8-bit作品GW制作 0508

FRP、一層目を塗りつけたんだけど、1時間たってようやく硬い水飴くらい。やっぱけっこう時間かかりそう。硬化剤が少なすぎたかもなあ。タルクの分入れたら2%なかったかも。次は4%くらい入れてみよう。
ケバケバがはみ出したりして、いよいよFRPらしくなってきましたよ〜。3回積層すりゃ十分すぎるくらい丈夫だろう。後で接続部分にパテでのりしろ作ろう。
と、やっちゃった後で気がついた。これは失敗。合わせ目を切り抜くの大変だ! 切り抜いてからのりしろ作るほうがラクだ。

せっかくシリコーン型に合わせ目のポッチをつけてあるんだから、両側接着のとき、正確にピッタリ接着するのに使えるじゃんね。ちょいと余分目に削っておいて、ポリパテつけて合わせる。

FRPの含侵、積層って楽しいねこりゃ。ガラスウールをペタペタ貼った上からたっぷりの樹脂を刷毛で含ませてつゆだく状態に。ガラスウールは一旦べっとり平面状になると、刷毛でずらしたりけっこう自由自在。ただやっぱ、硬化が遅い〜。
いちおう抜けた。けど、数カ所大きな気泡があって埋めるだけでなくちょっと整形しなきゃならん。もうひとつ問題。抜いたの早すぎたのか硬化剤少なかったのか、まだ表面がカチカチになってなかった。なんで手の跡が付くんだろと思ったら、ビニール手袋の跡がベタベタと! 机に乗せた跡までついてる。硬くなってから磨けば大丈夫だろうけど。まだ21時間くらいだからか。塗装できるくらいカッチカチになるのに何日も待つんじゃ間に合わないぞ!

その後、朝から日に当ててたらそこそこ硬くなってきた。これならあと半日待てばたぶん大丈夫。これを仕上げよう。別のポリエステル樹脂を買いに行こうかと思ったけどいいや。このままの材料でやっちゃう。

2013/05/07

Iam8-bit作品GW制作 0507

油粘土をはずしてひっくり返した状態。 ぽちぽちの合わせ印も入れたけど、型は別々に使うから関係ないんだけどね。ところで、
実家の部屋には虫が来る。シリコーンにべたっとくっつく。むかつくー! 十数匹は塗り込めてやった。白いから虫が集まるんだよな〜。覆いをかぶせて硬化を待ったり。
最終のシリコーンかけ終わり、石膏を盛りつけ。今回はガーゼ状のタオルを塗り込んでみた。
分割に1時間近くかかったものの、シリコーン型と石膏バックアップ、完成〜。クレイで形を作りはじめて苦節7日間(材料テストを除く)、ようやく。

2013/05/06

Iam8-bit作品GW制作 0506-2

シリコーン型作業してます。油粘土の色とポリパテの色でこの形状、どう見てもオモチャ。

シリコーンを2回かけて皮膜を作り、増粘剤を入れたシリコーンを3回くらい盛りつけ。バックアップの石膏も。まあ、バックアップいらないくらいシリコーンは分厚いはずなんだけど、いちおう。
ガーゼや藁を入れるの以前やったんですが、仕上がりがゴテゴテでいろいろはみだしてて汚らしくてダメでした。割れ防止樹脂粉末っての入れてます。が、一週間とかたって完全乾燥しないと効果薄そうですけど、これの場合シリコーン型とセットで保存するので多少は意味あるんですけどね。

Iam8-bit作品GW制作 0506-1

7時間ほとんどぶっ続けで表面処理。大きな穴が2カ所開いてるので塞いだらもう仕上げ。もちろんクオリティ的には不満あるし、あと2日かけたらかなりマシになると思うけど、いいのだ。もうクオリティと間に合うかどうかをハカリにかけたら圧倒的に間に合わせるほう!

いやしかし、素体の細部のクオリティをどんなに上げようがけっこう適当だろうが、色塗ったらほとんどわかんなくなっちゃうんだよね〜。塗り分けとエッジが一致してたりすると、塗り分けで見た目がほとんど決まるっていうか。だから、常々言ってるみたいに、グレーのサーフェイサーの原型がめちゃくちゃ美しいのに、色塗った完成品って「フツー」になっちゃうんだ。

細かい目のサンドペーパーで磨いてほぼ完成、と思ったら、でっかい穴が出現〜〜!! くっそー。

その埋めた穴を処理し全体を磨いて、今度こそ完成と思いきや、またまた重要な箇所に複数の穴が出現〜。もうキリがないわ。削れば深くの穴を出現させることになる。小さい穴十数カ所をピンバイスで大穴開けてパテ埋めして削った。ほぼ穴うまったけど、目のど真ん中にもう一個穴が出現〜〜!! もう一個だけやるわ。もう。なんだったらシリコーン型とるとき、粘土で埋めたっていいんだし。
かなりトホホな出来ではあるけど、とりあえず原型完成〜。 サーフェイサーを吹くと、乾燥時間が必要だし、直したい箇所がいっぱい出てくるに決まってるけど直す時間はない。ならサフなしでってことで。あと、パテのままなら後で完成度を上げたアップグレードもそのままできるし。

2013/05/04

Iam8-bit作品GW制作 0504


昨夜、厚付けパテとグラスファイバーパテを盛った。今朝、周囲を石膏の合わせ目に合わせて削った。石膏を叩き割って、パテの二次原型が出現! あちこちひどい気泡だけど、まあこんなもんか。特に底面の欠けた部分はちょっとめんどくさそう。他に、内側から見ると光が透けてたり極端に薄い部分もあったり。これから補修。

いやしかし、型を作って複製するよりも、3個くらいまでなら丸太から一個ずつ木彫りするほうがラクかもしれんでござる。今回は意地でもデジタル使わず全部アナログでヤル!というテストの意味もあるけど、やっぱ3Dプリンタ活用したいなあ〜〜。

2013/05/03

Iam8-bit作品GW制作 0503

いよいよ石膏型を分ける。切り金部分からナイフを入れてたらグラグラしてきて、パカッと取れた!!ただし、底面部分が割れた〜〜!! 石膏の厚みが5mmくらいしかなかった。そりゃさすがに弱いわ。とりあえず、割れ目はピッタリ合うのでパテ置き換えには大丈夫だろう、、。

背面はスルスルなのでパカッと抜けるけど、前面は引っかかりがあるので絶対取れない。背面がこれだけキレイに抜けたら前面もキレイに抜きたいのは山々だけどそれは無理。なんか壊すの惜しいなあ。。
前面はそこまで薄い部分はないはずなので、もうこのままほじくり出そう。と思ったら、ううう、はっきり言って、クレイの盛りすぎ。厚み3cm以上あったりする。これクレイをはずすのだけで数時間かかりそう。ドライヤーで暖めながら地道にほじり出すハメに。

背面と同じ場所が割れたけど、なんとか対処可能。一番こわい作業終了〜。

なのに、余計なことするから〜〜!! 背面の割れた部分の接着がうまくいったので前面をやったら、途中でぽろっと外れてしまい、もう合わない。。パテに置き換えすればそれほど大した問題じゃないけど。これからパテ盛り作業。早くこのクソいまいましい石膏型を叩き割りたいぜぃ!