なぜ実家で制作かというと、樹脂や溶剤の臭いや削った粉や電動工具の音などが出し放題で、広い部屋を使えるから。東京の自分の部屋じゃ無理、っていうか気を使って遠慮がちにやるのがきゅうくつなので、ここ2年くらい立体制作は休止してたのです。
とにかく大変でした。何がたいへんかって、GWを立体制作かかりきりにするべく残ってる仕事を全納品&待機状態にした上で実家に行ったのに、新しい仕事がいくつも入っちゃって、並行して進めながらだもん。コンペ仕事のキャラ制作も立体制作も、どちらも楽しいことなのに、両方同時に限られた時間でやるのはキツイ。1.5人前の寿司とカレー大盛りを5分以内に食え!みたいなもん。
特に今回は、FRPに初挑戦。FRPと言えば、猛烈な臭いに加え、そこら中に散らばるガラス繊維のチクチクで有名な、とってもとってもハードコアな造形素材。立体アート作品や遊園地の造形物などはたいていFRPで作られており、あこがれてたのでした。
FRP、やってみてわかったのは、臭いはポリエステルパテをちょっと強くした感じで、猛烈ってほどでもないかな。まあ東京のマンションでは無理としても。ガラス繊維はゴム手袋をしてれば大丈夫だけど、それでも靴下にくっついたらしく足がチクチクした。
ガラスマットをちぎって貼り付け、刷毛でポリエステル樹脂を染み込ませる「含浸」って作業は楽しい! ガラス繊維につゆだくに含ませた樹脂がカチカチに硬化して強力なFRPになるわけです。
全体の手順は、
インダストリアルクレイで一次原型を作る→石膏で型取り→ポリエステルパテで置き換え→二次原型を制作→増粘剤を入れたシリコーンで前後二つに分けた型を作り、石膏で補強→FRP積層を数回→前後のパーツを接着して合わせ目を処理→下地塗装→本塗装→クリアースプレーを吹き、表面をコンパウンドで磨く
という具合。
今回の完成作品にはいくつも不満点がある。全体の曲面がちょっと雑で、微妙に大きな凸凹がある。そのあたり、本来ならしつこく何日もかけて修正を繰り返すのに、十分な時間が取れず、ほとんど全工程が一発勝負。目とかの輪郭の凹みのエッジも甘い。ここが一番時間がかかるのだ。
エッジが甘いから、塗り分けのときに中央の境界線がわからないまま塗ることになり、別の角度からの光で見るとエッジから離れたところで塗り分けになっちゃってる。そこがいちばん残念。完全にアナログで作ったわけで、「味」とか「作家の手の痕跡」とか解釈してもらえたらいいんだけど。
完璧にするにはかかりきりで3週間くらいは必要だなあ。客観的に冷静に作業結果を評価する余裕がなかった。
「原型を作り、型を作り、一個抜くところまで」って、その一個のための大変な工程なわけだけど、順調に複製できれば全工程の苦労が個数分で割られるんだよね。複製前提ってのは数を作ってこそのものだなあ。3個複製するだけだったら、丸太から木彫りで3個作るほうがラクかもと思った。
あと、型からはみ出したFRPを切り取って、前後を貼り合わせて表面処理する作業が大変すぎ。やっぱ中空レジン方式でポリエステル樹脂を「流し」するのがいいかな。気泡の問題もなくなるし。ガラスマットを入れないと強度の問題があるけど、ガラスマットを5mmくらいに細かく切って樹脂に混ぜて何層か流し込むのがいいんじゃないかと思う。それで何層か流し込めば相当強くなるんじゃないかな。
塗装は下地の色以外、マスキングなしの筆塗りだったけど、やはり面倒でもマスキングしてエアブラシを使わないとダメだな。何度も塗り重ねても不透明度が上がらず、目の輪郭一組を塗ってる間に、45分のポッドキャストを2本聴けちゃうくらい時間かかるのはどうかしてる。
とか考えてたら、おとといまで「立体なんて二度と作らん!」とか思ってたのに、また作りたくなってきた。思いついた方法を試したい。経験値上がってるし、次は絶対にもっとうまく要領よく早く作れるに違いない!とか思っちゃうんだよなあ〜。いつもそう思うんだけど、作り始めると「やっぱ大変〜〜!」って後悔するw
・・・っていうか、元にしたCGで作ったキャラは、「展覧会用に、こんなの作ったらどうかな?」の参考見本として、2時間くらいで作ったもの。それをアナログで立体にするのに2週間もかかるって、クリエイティブとしてはどうなのか? まるまる2週間使えたら新しいキャラがCGで40〜50個は作れてしまう。僕にとっての立体制作はそこまで価値があるものなのか、ちょっと悩んでみたり・・・。
・・・先日、「3Dプリントは「作品」になり得るか?」で、立体作品作るならぜったいアナログ!とか書いたけど、ちょっと揺らいだ。形を作るところまでは3Dプリンタ利用で多少はデジタルを取り入れてもいいかな。
ガラスマットをちぎって貼り付け、刷毛でポリエステル樹脂を染み込ませる「含浸」って作業は楽しい! ガラス繊維につゆだくに含ませた樹脂がカチカチに硬化して強力なFRPになるわけです。
全体の手順は、
インダストリアルクレイで一次原型を作る→石膏で型取り→ポリエステルパテで置き換え→二次原型を制作→増粘剤を入れたシリコーンで前後二つに分けた型を作り、石膏で補強→FRP積層を数回→前後のパーツを接着して合わせ目を処理→下地塗装→本塗装→クリアースプレーを吹き、表面をコンパウンドで磨く
という具合。
今回の完成作品にはいくつも不満点がある。全体の曲面がちょっと雑で、微妙に大きな凸凹がある。そのあたり、本来ならしつこく何日もかけて修正を繰り返すのに、十分な時間が取れず、ほとんど全工程が一発勝負。目とかの輪郭の凹みのエッジも甘い。ここが一番時間がかかるのだ。
エッジが甘いから、塗り分けのときに中央の境界線がわからないまま塗ることになり、別の角度からの光で見るとエッジから離れたところで塗り分けになっちゃってる。そこがいちばん残念。完全にアナログで作ったわけで、「味」とか「作家の手の痕跡」とか解釈してもらえたらいいんだけど。
完璧にするにはかかりきりで3週間くらいは必要だなあ。客観的に冷静に作業結果を評価する余裕がなかった。
「原型を作り、型を作り、一個抜くところまで」って、その一個のための大変な工程なわけだけど、順調に複製できれば全工程の苦労が個数分で割られるんだよね。複製前提ってのは数を作ってこそのものだなあ。3個複製するだけだったら、丸太から木彫りで3個作るほうがラクかもと思った。
あと、型からはみ出したFRPを切り取って、前後を貼り合わせて表面処理する作業が大変すぎ。やっぱ中空レジン方式でポリエステル樹脂を「流し」するのがいいかな。気泡の問題もなくなるし。ガラスマットを入れないと強度の問題があるけど、ガラスマットを5mmくらいに細かく切って樹脂に混ぜて何層か流し込むのがいいんじゃないかと思う。それで何層か流し込めば相当強くなるんじゃないかな。
塗装は下地の色以外、マスキングなしの筆塗りだったけど、やはり面倒でもマスキングしてエアブラシを使わないとダメだな。何度も塗り重ねても不透明度が上がらず、目の輪郭一組を塗ってる間に、45分のポッドキャストを2本聴けちゃうくらい時間かかるのはどうかしてる。
とか考えてたら、おとといまで「立体なんて二度と作らん!」とか思ってたのに、また作りたくなってきた。思いついた方法を試したい。経験値上がってるし、次は絶対にもっとうまく要領よく早く作れるに違いない!とか思っちゃうんだよなあ〜。いつもそう思うんだけど、作り始めると「やっぱ大変〜〜!」って後悔するw
・・・っていうか、元にしたCGで作ったキャラは、「展覧会用に、こんなの作ったらどうかな?」の参考見本として、2時間くらいで作ったもの。それをアナログで立体にするのに2週間もかかるって、クリエイティブとしてはどうなのか? まるまる2週間使えたら新しいキャラがCGで40〜50個は作れてしまう。僕にとっての立体制作はそこまで価値があるものなのか、ちょっと悩んでみたり・・・。
・・・先日、「3Dプリントは「作品」になり得るか?」で、立体作品作るならぜったいアナログ!とか書いたけど、ちょっと揺らいだ。形を作るところまでは3Dプリンタ利用で多少はデジタルを取り入れてもいいかな。
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