2025/11/25

最近観た映画メモ「新Mr.Boo!アヒルの警備保障」他



いろいろバタバタしてて映画をぜんぜん観れなかった。前回観た「シェーン」「火垂るの墓」が7月半ば。ドラマ「エイリアン・アース」8話を挟んだとはいえ、8月後半から11月末の今までかかってMr.Boo!シリーズを5本というスローペース。

なんでMr.Boo!シリーズを見始めたかというと、6月27日に金曜ロードショーで「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)が放映されて話題になり、「Mr.Boo!ギャンブル大将」が併映だったことを思い出したから。当時、「カリオストロの城」を二度観に行って、二度とも「ギャンブル大将」はパスしたのだった。つまり、46年ぶりの併映作品鑑賞w

日本公開第一作の「Mr.Boo!ミスター・ブー」は5年前にようやくちゃんと観た。「Mr.Boo」はマイケル・ホイ作品に日本で勝手につけられたシリーズ名であり、本国公開順と日本公開順はぜんぜん違うので注意。

今回観た5本の他にAmazonプライムに「Mr.Boo!」を冠した作品は2本あるけど、観るとしても後回し。

●Mr.Boo!インベーダー作戦(1978年・日本公開1979年) 1:36 香港 Amazonプライム

テレビ局と8年の専属契約を結んでいるのに仕事をもらえないタレントのマイケル。たまたまライバル局に出演したころ大ウケ、専属契約を持ちかけられる。しかし、8年契約は破棄してもらえない。そこで、発明家のリッキーといっしょにその契約書を盗みに入るが……という話。

監督・脚本:マイケル・ホイ、出演、マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ他。

古典的なテレビ局あるあるネタで放送業界を風刺。ドタバタとくだらないコントの連続w 元のタイトルは「契約」。邦題「インベーダー作戦」は日本公開当時の「インベーダーゲーム」ブームに引っかけたものだろう。後半で宇宙人っぽい格好で踊るシーンはあるもののw

マイケル・ホイの煮え切らない表情やセリフは、毎度のことながら判断に迷うw 広川太一郎の吹き替えだとキャラがはっきりして面白く感じるのだろう(今回は字幕版視聴。ニコ動に吹き替え版あり。テレビ放映でカットせざるを得ないあのシーンはやはり広東語に切り替わっていた)。

個人的に、コメディ映画の「めちゃくちゃ面白い!」は、ネタそのものよりテンポだと思ってる。いいタイミングで畳み掛けられた一連のシーンの印象が「あ〜〜面白かった!」って残る。

その意味で、このあたりの映画はテンポは悪く、ゆるいコントをのんびりしたタイミングでつないだだけ。なのに、居心地が良くて幸せになってしまうw

・冨田勲「展覧会の絵」の「卵の殻をつけた雛の踊り」の音が一瞬使われてる。

・愛車がえんじ色のホンダN360!

●Mr.Boo!ギャンブル大将(1974年・日本公開1979年)1:40 香港 Amazonプライム

日本公開は三作目として1979年12月だけど、実はシリーズ第一作。

監督・脚本:マイケル・ホイ、出演、マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ他。(本来はリッキー・ホイは出演してなかったのだが、ホイ3兄弟と宣伝された日本公開のために撮り直して差し替えたらしい。差し替えられたのは武術指導兼俳優のサモ・ハン・キンポー!)

刑務所で知り合ったギャンブル狂の二人。あの手この手のイカサマで一攫千金を目指す。ドッグレースのノミ屋のボス相手に大勝負をしかけるが……という話。

テレビの人気番組から飛び出した第一作目。ホイ兄弟映画的な様式が固まってないからかもしれないけど、意外と普通に映画として観やすい。マイケル・ホイは頼りなくて曖昧な感じが少なく、小悪党的なキャラがしっかり立ってる。サミュエル・ホイも無駄にカッコイイキャラでなく、なじんでる。

●Mr.Boo!ミスター・ブー(1976年・日本公開1979年) 1:40 香港 Amazonプライム

2020年に初めてちゃんと通して観たのだが、かなり忘れてるので見直してみた。(以前のメモ https://fbook.cc/6U4q)

監督・脚本:マイケル・ホイ、出演、マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ、リチャード・ン、シー・キエン他

探偵事務所のマイケルと雇われたサミュエル。万引きだの浮気調査だのしょうもない案件を解決していく。映画館の爆弾脅迫事件に絡む強盗団と対峙することに……という話。

やはり面白い。爆笑シーンはいっぱいあるし、ゆるさもいいし、映画らしくまとまってるし、特にマイケル・ホイの小市民的で微妙な感じなどとても良い。

これもニコ動に広川太一郎吹き替え版があるけど、あのいい声と広川節だと小市民的な感じが消えちゃう。当時から合わないと感じてた。(「つまんないギャグ映画だから徹底的にふざけて面白くしてやった」発言もちょっとね)。サミュエル・ホイとリッキー・ホイの吹き替えはビートたけし・きよしでまったく合わない。

ネタ的にはたぶん古今東西のコメディからのパクリやオマージュが多いんだろうけど、厨房カンフーやホテルの風呂、料理番組から体操番組にチェンジ、映画館の強盗団まで、名シーンがいくつもあって楽しい。

・やはり冨田勲の「火の鳥」の一部が使われてる。

●新Mr.Boo!アヒルの警備保障 (1981年・日本公開1982年)1:31 香港 Amazonプライム

公開当時のテレビCMで、まず「真昼の警備保障」と重々しいタイトルが出て、その文字が「アヒルの」に差し替わる演出があった記憶がある。結局なぜ“アヒル”なのかは今も不明。

監督・脚本:マイケル・ホイ、出演、マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ他。

いじわる隊長マイケル・ホイが部下サミュエルとリッキーたちをいびる警備会社。社長の息子が身分を隠して入社し、マイケルの無能がバレてしまい立場が逆転……という話。

銀行、船上パーティ、展覧会など、いろんな警備の場面でのコントの数々。運転練習w 食事シーンww 強盗団前の影絵ww 全部面白い。爆笑シーンの多さではこれが一番かも。

マイケル・ホイの、小市民的なのに調子づくと大胆な感じって何かに似てると思ったら、「トイレット博士」のスナミ先生っぽいかもw

リッキー・ホイはいつもどこか悪い。今回は色盲、他作品では鞭打ち症や難聴など。この作品ではちょっとした恋愛要素も織り込んであって良い。

●新Mr.Boo!鉄板焼 (1984年・日本公開1985年) 1:32 香港 Amazonプライム

監督・脚本:マイケル・ホイ、出演はホイ三兄弟ではなくマイケル・ホイのみ、サリー・イップ他。

鉄板焼きレストランを営む一家の婿養子として修行中のマイケル・ホイ(中国からの難民として香港にやってきて、祖父といっしょに世話になってる立場)。猟銃をぶっ放す恐ろしい義父と太ってわがままな妻の目を盗んで、一目惚れした美人の客との浮気を狙うのだが……という話。

これもかなり面白い。細かいコントのシチュエーションがこれまで以上に豊富。テーマ曲まで使った「インディ・ジョーンズ」のパロディなどほとんど新春隠し芸大会レベルw 全編ゆるいのだが、やはり居心地が良いw

サリー・イップが80年代の日本のアイドルを思わせる感じでとてもカワイイ。

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