2024/03/30

最近観た映画メモ「11人のカウボーイ」他



●X エックス(2022年) 1:45 アメリカ U-NEXT

1979年、自主映画を撮りにテキサスの田舎の古い農家にやってきた6人の若者たち。そこに住む老夫婦は殺人鬼だった。特に、若さに執着する不気味な老婆が……という話。タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ他。

この映画も観たきっかけはFacebookに流れてきた断片だった。歌「In the Summertime」がかかり、一行が出かけるシーンだった。

映画の冒頭で警察がすべてが終わった惨劇の現場を調べてるところ→過去へ戻って出発のシーンからタイトルバック。ここまでの7〜8分は「めちゃ最高!」。しかし、その後は普通。

この映画、評価高いらしいけど、僕にはイマイチに思えた。いろんなホラー映画のシーンを表面的というか軽薄になぞってるのもイヤだな。ドアを斧で破ろうとするときのあのカメラワークが下手すぎるww 若い世代がターゲットなんだろうけど。

あと、老婆が若い女優に特殊メイクしてるのが見え見えなのが残念。主演のミア・ゴスの二役だったのね(隠されてるわけじゃなく、キャスト表に二役で載ってる)。話題的にはいいかもしれんけど、老婆がリアルに怖く見えることがこの映画のキモなのに。

白黒テレビにずっと映ってる伝道師のアレも、何か匂わせるものがなければ唐突でしかない。お店のテレビで目にして何か気になる反応でもしておけば伏線になったのに。

続編で前日譚の「Pearl パール」がU-NEXTに出てたのもこれを見ようと思った理由だった。「エスター」の続編で前日譚の「エスター ファーストキル」がめちゃくちゃ面白かったから。う〜ん、「Pearl パール」は見るかどうか……。あの老婆の過去に興味ないなあw

●クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年) 1:40 アメリカ U-NEXT

タランティーノのドキュメンタリー。脚本作品と、監督デビューの「レザボア・ドックス」から「ヘイトフル・エイト」までの作品(少しだけ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」も)関係者へのインタビューと裏話エピソード。アニメーションで再現されたものは良くできてる!

監督 タラ・ウッド。出演はサミュエル・L・ジャクソンやティム・ロスなど大勢の常連俳優たち。

タランティーノ作品を一本ずつ振り返りながらいろんなエピソードを関係者から聞けるのはそりゃもう楽しい! 本人が出てないことがキモになってて、タランティーノもそれを気に入ってるらしいけど……、やはり物足りない。「常連俳優たちがタランティーノを褒め称える」調子になっちゃってる。ユマ・サーマンの事故やワインスタインの件も軽め。

●11人のカウボーイ(1972年) 2:11 アメリカ U-NEXT

↑のタランティーノのドキュメンタリーで、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に出演したブルース・ダーンが語った。『「11人のカウボーイ」で史上初めてジョン・ウェインを殺した役を演じたとき、「憎まれるぞ」って言われた』と。「なぜか観てなかった映画を観るシリーズ 落穂拾い編」リストには入れてたし、この機会に見てしまう。

マーク・ライデル監督、ジョン・ウェイン、ロスコー・リー・ブラウン、ブルース・ダーン、ロバート・キャラダイン他。音楽については下の別項で。

1500頭の牛を400マイル先の市場まで動かさなきゃいけないのに、金鉱ブームに行かせてくれという牧童たちを全員クビにしてしまった初老の牧場主。友人の計らいで、学校に通う少年たち10人を牧童として雇うことになる。昔、二人の息子を失っている牧場主、子供たちに仕事や西部で生きるための術を厳しく優しく教える。黒人のコックも加わって旅が始まる。雇ってくれと言われて断った怪しい若者グループが道中つけてくる……という話。

よかったです。少年たちのそれぞれの成長物語であると同時に、父親をやり直す男の話。昔だったら少年たちの立場で見ただろうし、今はジョン・ウェインの立場か。ちょっとひねりがなさすぎる呑気な話かなと思ったら、次第にけっこうハードな展開に。ええ?いいのか?子供たちなんだぞ?とか思ったけど、ちゃんと着地する。

「憎まれるぞ」って言われたというブルース・ダーン、確かにめちゃくちゃ憎々しい。こんなわかりやすく憎々しい悪役は珍しいくらい憎々しいw 黒人コックのロスコー・リー・ブラウンって、先日の「2300年未来への旅」で「ホント真面目にやってくれよ、トホホ」と書いた「ボックス」というロボットを演じた人! この映画ではいい役。出演作を見てもよくわからないけど、特別に尊敬されるポジションの人だったのかな?

【別項】知ってる人には当たり前すぎて「今ごろ何を言ってるんだ?」かもしれんけど。

いかにも西部劇らしいはつらつとした明るいテーマ曲は、テレビ番組でときたまBGMとして使われてるのを耳にする。昔、NHK少年ドラマシリーズの一本「少年カウボーイ」(1974年10月〜11月)のテーマ曲として使われてた。

なぜ覚えてるかというと、6年生のとき買ってもらったばかりのラジカセでテレビからそのテーマ曲を録音したから。初めてのカセットテープの3曲目に入れた曲だったのだ。

タイトルバックでびっくり。この曲、ジョン・ウイリアムスだったんだ! 「ジョーズ」を1976年の正月に観てサントラ盤を買う一年ちょっと前に、ジョン・ウイリアムスの音楽にハマってたのか!

あと、「11人のカウボーイ」と「少年カウボーイ」の関係について、何かに説明があったような気がすると思ったら、「11人のカウボーイ」の後日談ドラマが「少年カウボーイ」なんだ! 原題はどちらも「The Cowboys」。テーマ曲は流用じゃなかった。

1974年に見たテレビドラマの前日譚を、50年後の2024年に見るってすごくない?w

◯おまけ。カセットテープの内容はMP3化してあるので確認してみた(サンプルカセットのため、両面で20分しかない、Side2から録音始めてるので逆)
1曲目は以前『「地獄のバスターズ」と作曲者が同じ!』と書いたマカロニ戦争アクション「空爆大作戦」、2曲目「史上最大の作戦」、3曲目が「少年カウボーイ」、4・5曲目は映画音楽全集のレコードから録音した「荒野の七人」「燃えよドラゴン」、6曲目「荒鷲の要塞」、7曲目はラジオからの「ボルサリーノ」、7曲目「素晴らしきヒコーキ野郎」、8曲目「コマンド戦略」。放送日を調べると、録音日時は1974年9月25日(水曜ロードショー)〜1975年7月12日(土曜映画劇場)からってわかるって、すごい時代だなあ。

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