ポイントの失効がせまってたので有料ポイント映画を急いで観る特集その1。ディズニー名作2本。他に3本分のメモがあるけど長くなったので分ける。
美女と野獣(1991年)
白雪姫(1937年)
●美女と野獣(1991年)
どうしても「ストックホルム症候群」に見えてしまう。もうこういう物語は純粋に楽しめないな。実写版でベルを演じたエマ・ワトソンはそれを否定してるようだが。「大好きなパパの身代わりに自分が虜になる」って、それパパが死ぬほど嫌がるぞ? 純粋悪役のガストンの言動も観客に対する嫌がらせなだけで、まったく受け付けない。
っていうかそもそも、「醜い老女(正体は美しい魔女)が泊めてほしかったのを断られて『外見で判断するな』って王子に呪いをかけて野獣に変えた」自体が、魔女の自分勝手な逆恨みというか罠。「ちゃんと扱ってほしかったら、ちゃんとしろ!」だ。
「リトルマーメイド」と「アラジン」のときも思ったけど、冒頭、絵のクオリティがとんでもなく粗くてびっくりする。モブシーンが多い前半は粗さが目立つ。中盤以降はそう気にならないものの。
ベルの顔がアップになったときの表情がラストまでものすごく不安定。突然「えくぼ」を描写したり、下まぶたが不自然に歪んだり、陰影表現の効果が出てなかったり。ただ、原画の鉛筆の線が見えるような生々しさがあり、最終的な完成度とは別に2Dアニメーション表現としては感動するところもある。
細かいキャラ、時計や燭台やティーポットなどなどがウザくて好みじゃない。小さい子供を引きつける用?ってそういうの最初に意識したのは「未来少年コナン」の次にやったNHKのアニメ「キャプテン・フューチャー」。なんかだんだん小さいペット的キャラが増えてきてウザかった。宮崎駿的にも「千と千尋」の後半で電車乗るあたりは小さいペット的キャラが増えてきて「え〜!?」って思ったw
「フランス料理は最高〜!」ってところで、皿やフォークで「エッフェル塔」を表現するのは時代的にいいのか?w 「ガリバーの宇宙旅行」でテッド少年の「好きな食べ物はラーメンとカツ丼!」と同じくらい違和感あった。
エマ・ワトソンの「美女と野獣」(2017年)の前に、2014年フランスドイツ合作の実写版もあるのね。
●白雪姫(1937年)
世界初の長編アニメーション映画。アニメーション映画全体のルーツ。83年前だけど、「カリオストロの城」が41年前で、そのまた42年前って考えると、そんな昔じゃない気がしてくる。
なぜか一度も観たことなかったけど、最近流れてきたパロディ動画で気になってた。主題歌は最近競艇のCMに使われてたね。掃除の歌、テレビの「ディズニーぱれーど」のエンディングで、ミッキーマウスの歌の前にかかってた曲はこれだったんだ!とか、ネタの宝庫的にいろいろ含まれてる。
1980年代の特撮ブームや1990年代のCGの興盛と同じく、当時のアニメ映画「これが描写できちゃうならもう映像化不可能なものは何もないぞ!」的に、表現の喜びがあふれてるのがイイ。ロトスコープも!
「ストーリーが進行するシーン」が極端に少なくて驚く。1時間23分のうち、10分もないんじゃないか? 時間をとってるのは枝葉部分の、動物たちのドタバタや掃除、7人の小人が仕事を片付けて帰る、手を洗う、寝る、など(歌やダンスのシーン含む)。世界初の長編アニメーション映画として、ペース配分がまだ固まってなかったからか。ミュージカルと同じく、ストーリーよりエンターテインメント優先な位置付け?
女王(魔女)、作った毒リンゴを食べさせて眠った場合(殺す、じゃないのね)、どうやると蘇生するか?について、なぜか本でわざわざ調べ、観客に対してラストをネタバレしてるw 子供が見る前提で、絶望じゃないことをあらかじめ知らせておく目的?
いろいろツッコむのは大人気ない。と思ってたけど、あるレビュー見て気がついた。仕事先から大返ししてきた7人の小人、家を素通りしたので白雪姫がどうなったか見てないのに、思い込みだけで魔女を追い詰めて殺してるw あと王子様のキスで目覚めた後の平然さもすごい変。まあ、観客がストーリーを知ってる前提のミュージカル映画なんだろうなあ。
次作が3年後の「ピノキオ」。こちらは数年前にちゃんと見直したけど、「白雪姫」にくらべてずいぶんこなれてる印象。
「ハイホー、ハイホー、仕事が好き」、すごい歌詞w
ところで、料理シーンと「食事の前に手を洗おう!」(なんかしつこく感じるけど、衛生の啓蒙?)であんなに時間を使ってる割に、食事のシーンがないのは不自然。と思ったら、(「内容が下品」とのウォルトの判断により)丸ごとカットされちゃったそう。まあ、子供が真似するとクレームが来て困る系かな。
彩色前まで出来上がってた食事シーン↓
https://youtu.be/1JyFGLViKc0
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