Kindleストア、ついに始まりましたね。否応なく電子書籍の普及は進むんだろうな。もう待ったなし。Kindleストア見てみたけど、値段けっこう高いのね。紙の本より少し安めなだけ。従来の日本の電子書籍の高めな値段設定にアマゾンがお墨付きを与えちゃったって形だなあ。値段は日本の出版社が決めてるらしいけど。どっちにしても、電子書籍は安い流れには行かなそう。
紙の書籍映像でも本でも何でもデジタルになって「所有」って概念が曖昧になっちゃってるんだから、「書籍を購入」じゃなく、レンタルでもなく、「見る権利」的な扱いになるべきだよなあ。・・・と思ったら、WIRED.jpに「Kinldeは書籍を販売するビジネスではなく、その利用を認めるライセンスを販売している」という記事があった。
「紙の本を所有する」が「紙とインクのシミを所有」ってことだとしたら、そんなもん当然いらん。読む権利といつでも読める環境だけ売ってくれればOK。iTunesの音楽だって、「電磁データ」そのものを買ってるんじゃなく、聴く権利を買ってるんだもん。音楽を所有っても著作権を買ってるわけじゃないから、自分のものだからと勝手に使ったらもちろん怒られる。本だって同じと認識してましたよ、もともと。
アマゾンがKindle書籍は物体ではなく読む権利だけを売ってると自覚してるんなら、もうちょっと安くしてよね〜。
まあ、作品を所有ってことでいえば、「映画を所有」はビデオで誰にも可能になったけど、演劇は所有できないですね。あと、映画を所有してもたいてい1回しか見ないけど、音楽は何度も繰り返して聴くことになるのを期待して購入する。1回しか聞かなかった曲は「失敗/ハズレ」相当。あと、「鑑賞する権利」ってことなら、「レコード→CD→iTunes」って、それぞれ著作権料払ったのに〜〜!!って僕的問題が書籍にも出てくるかも。
とか言いつつ、iPadでKindleを試してみた。とりあえず無料の宮沢賢治「風野又三郎」を「購入」してみた(風の又三郎じゃないのね)。Kindleアプリに飛ぶリンクがあって、ダウンロードされていきなり読める。こりゃ、確実に本を買うとか読むとかのスタイル変わるわ。
とりあえず、スマホやタブレットを持ってる人は、Kindleのハードウェアは買う必要ないわけだ。Kindle Fireは動画とかも楽しめる普通のタブレットだからiPadなどとかぶる。Kindle Paperwhiteは「字の本」のハードユーザーならタブレットと別に持ってていいかも。
Kindleストアのアートカテゴリに気になってた本「バッファローベル公式フォトブック ベルがいっぱい」があったw 紙の本はさすがに買う抵抗あったけど電子本ならいいかも。紙よりずいぶん安いし。
MacのKindleストアで購入してみた。購入した本はiPadのKindleアプリのリストに入ってて、ダウンロード次第すぐ読める。なるほどこりゃカンタン! どんどん買っちゃいそうだ。
ところがこの 「ベルがいっぱい」Kindle版、非常に、ひじょ〜〜〜〜によくない。っていうか最悪レベル(怒)!! なか見検索で紙の本のページが確認できるのだが、その紙版のページを切り貼りしたようなレイアウト。なんだこれ??? 少なくともデザイナーがレイアウトしたんじゃないと断言できるわ。
Kindleの電子書籍はePubみたいに文字の拡大縮小に対応したダイナミックなレイアウトだそうなので、自在にレイアウトできるわけではなさそうですが、それにしてもこのやっつけ感は何だろう? Wordかなんかに元の本をスキャンした画像を切り貼りしたような感じ。写真が小さい上に、ディザ処理された256色のPNGかGIF画像。なんだよおい〜!! 他の間に合わせKindle版書籍がこういったものでないことを祈りたい。
いきなり食らいましたが、他にもMac版のKindleにアマゾンアカウントの登録ができなかったり、Kindleストアには雑誌が売ってないらしいなど、よくわからないこと山積。また書きます。
余談。ところで、過去に写真集・作品集で憤慨した最悪のケースといえば、落田洋子っていう画家のCD-ROM作品集。濃厚な油絵で女性的な軟らかいタッチのグラデーションやマチエールが特長の作風なのだが、そのCD-ROM作品集では、それらの作品の全てにきついアンシャープマスクがかけられており、まったくの台無しだった。「ベルがいっぱい」も最悪だけど、救いは「電子書籍」だってこと。もしかしたらまともなレイアウトと写真に変更されたアップデート版が用意されるかもしれない・・・。
2012/10/30
アマゾンのKindleストアが日本でスタートと、読む権利
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