70年代半ばまで、テレビで見ていた映画には「新しい映画・古い映画」って概念が僕にはほとんどなかった。テレビで放映されるのは60年代の映画が大半だったろうし、うちのテレビ自体がカラーになってすぐくらいだから、「白黒映画=古い映画」って感覚も薄かった。
テレビで見た1958年の「マックイーンの絶対の危機」や60年の「荒野の七人」、61年の「ナバロンの要塞」も、007シリーズも、どれも一様に「現在ではないちょっと昔。たぶん自分は生まれてない頃の映画」だと思ってた。74年頃か、テレビで見た映画の冒頭で「1971年、アメリカ○○州」みたいなテロップが出て、「えっ! たった数年前じゃん。そんな新しい映画もあるんだ!」とか思った記憶がある。
っていうか、映画が今現在も続々と作られているってことに思い至らなかったんだもん。映画館ってものはもちろん知ってたけど、そこでかかってるのが主に新しい映画ってことには気づいてなかった。
76年の正月に「JAWS」を見てから映画に特別な興味を感じるようになって、ロードショウ誌やスクリーン誌を買うようになる。新作映画紹介記事とか出てるから、そこでようやく映画が新しく作られては古くなっていくことを理解した。なので、僕にとっては76年以降が「新しい映画」。
現代へ飛ぶと、90年代後半からくらいが「今の映画」って感じがするけど、レンタルDVDとかで2000年くらいの映画がクラシックって書いてあったりする。今の中学生で映画に目覚めたヤツにとって「今の映画」ってせいぜい2007年以降くらいなのかな?
ところで「マックイーンの絶対の危機(人食いアメーバの恐怖)」。赤い殺人アメーバが人々を襲う安手のSF映画にたまたま駆け出しのマックイーンが出てたってもの。日本公開はマックイーンの人気が確定してからの64年。調べたら72年に水曜ロードショーで放映されている。当時にしてみればたった8年前の映画! 今がその放映時だったら2004年に公開された映画って感覚! 当時は古い映画って感覚はぜんぜんなかっただろうな。時代感覚って「当時の何年前」換算すると面白い!
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