2026/03/01

最近観た映画メモ「1408号室」他



以前は2〜3日に一本のペースで観てたから「映画メモ」の投稿頻度が上がりすぎるのを遠慮して、3〜4本のメモを1回でアップしてた。今のように一週間にせいぜい1本くらいなら、映画メモも一本ずつアップしてもいいかもね。と思い始めてる。次回からそうするかも。

●1408号室(2007年) 1:38 アメリカ Amazonプライム

スティーブン・キングの短編が原作。監督:ミカエル・ハフストローム、出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、他。以前観た「セル」(2016年)でもこの二人が出演してた。

ホラー作家のマイクは幽霊の噂のあるホテルを取材してはルポ本を出版していた。ある時、「ニューヨークのドルフィンホテルの1408号室には絶対入るな」という葉書が届く。調べると、その部屋では今までに56人もの客が不審死していた。娘を亡くしたつらい思い出のあるNYに行くのは気が進まなかったが一泊だけと割り切り、支配人が止めるのも振り切って1408号室に宿泊を決行する。次第に恐ろしい体験が始まる……という話。

めちゃくちゃ面白かった! 話題になってたかな? ぜんぜん知らなかった。Wikipedia見たら、製作費約2500万ドル、興行収入約1億3200万ドル。かなりのヒットだったんだ!

「これは現実ではなく幻想」と彼自身も気づいてるのだが、多重の幻想で混乱させられる。「インセプション」の影響かな?と思ったら、こちらのほうが3年早い。そして、ちゃんと、かなり怖い!

大半がホテルの一室でのジョン・キューザックの一人芝居。狭い空間と思いきや、ド派手な超常現象のオンパレード。19年前の映画だけど、映像表現にほとんど破綻がない。「シャイニング」(1980年)のミニミニバージョンって感じもする。邪悪な部屋だし、主人公が作家だし。

娘を亡くしたトラウマが内面の中心にあり、別居してる妻との関係も描かれ、軽薄な怖がらせ映画に終わってないところもいいな。

ジョン・キューザックって、なんとなくコメディの雰囲気があるためか、深刻すぎず、感情移入しやすく、映画に没入できる。サミュエル・L・ジャクソンは出番は少ないけど、役にハマっててお得な感じw

軽い感じの導入部からあれよあれよという間に観客を深みにハマらせる、手の込んだフェイントもある、マジ面白かったです。っていうか、僕のツボにハマったんでしょうけどw

・カーペンターズのあの歌が、これから今までのように聴けないw

・一瞬、「スター・ウォーズ」のパロディが何気なく紛れ込んでるように見えるのだがw

●アートのお値段(2018年)1:38 アメリカ Amazonプライム

監督:ナサニエル・カーン、出演:ジェフ・クーンズ他有名アーティストが大勢。

現代美術の市場。まもなく開催されるサザビーズのオークション。準備に奔走するスタッフたち。アーティストたち、コレクターたち、評論家たち、ギャラリストたち。それぞれの立場から現代美術のあり方、価値、経済面について語られる。

立場が異なる3種類のアーティストが登場。それぞれの発言が興味深い。ジェフ・クーンズはお金に対して過剰なほど前向きに見えるけど、実は興味に基づいて作ってるだけ、と。ジョージ・コンド、マリリン・ミンターたちは経済優先の美術市場に冷静に向き合ってる。

一方、ラリー・プーンズは60年代のブーム以降、市場から忘れられていたこともあり、懐疑的な立場。市場に求められるものでなく描きたいものを黙々と描き続ける。ドキュメンタリー中に再評価のきっかけが訪れるなど、プーンズがこの映画の主役に近い。とはいえ、彼も「市場的に過小評価されているからこそ儲かる!」から、画商によって再評価を演出されたにすぎないんだけど……こわいね。

現代美術に詳しければ常識なんだろうけど、現在のような「現代美術が世界中の金持ちにとって投機の対象として旨みがあり、とんでもない値段がつく状況」は、1973年にNYのあるコレクターが常識や良識をひっくり返して「牛肉でも売るように現代美術を競売にかけたロバート・スカルによるオークション」から始まったそう。オークションで高値で売れた作品は、さらなる値上がりを期待して倉庫にしまいこまれ、誰の目にも触れない。

登場するほとんどのアーティストは「オークション(二次市場)」による高値取引には否定的。プライマリー市場(ギャラリー販売)やセカンダリー市場(オークション)におけるアーティストへのロイヤリティ的支払い(追及権)の話はまったく出てこない。今もそうなんだろうな。

村上隆氏も少し登場する。「現代美術の市場のルールを完璧に理解した上で、その競技にエントリーする」という考え方がリアルに感じられる。その市場で評価されなければ意味がない。もちろん、それは1973年以前の「常識・良識」や、現代美術市場の外にある一般的な「アート」とはかけはなれたものかもしれず、やはり歪んだ世界なのかもしれない。

・高齢のユダヤ人コレクターがすごい。彼もまた高価で取引される美術市場のど真ん中で生きてきた人だけど、語り口がゆったりしてて説得力がある。行動もイイ!

・ラリー・プーンズがラジカセでかけるクラリネット協奏曲は「ベートーヴェンと同時代」の「ウェーベルン」の字幕は間違いで、正しくはウェーバー。Shazamで検索して判明。

●M3GAN ミーガン2.0(2025年) 1:55 アメリカ Amazonプライム

監督:ジェラルド・ジョンストン、出演:アリソン・ウィリアムズ、イヴァンナ・サフノ(悪役AIアンドロイドのアメリア役)。見たことあると思ったら、SWドラマ「アソーカ」(2023年)の宿敵みたいなパダワン!

ジェマが開発したミーガンの技術を盗用して作られた最強最悪のAIアンドロイド、アメリア。謎の勢力に操られ、AI技術関係者を次々に殺害。ジェマと姪のケイディにも危険が迫るが、ネットワークに神出鬼没の存在となっているミーガンのAIに助けられる。ミーガン「体を作ってくれればアメリアを阻止するため協力する」……という話。第一作よりコメディ寄りかな?

うまく作れば、「ターミネーター2」の再来になったのに、惜しい。「第一作の強力な悪役が第二作では味方になる」という意味でほぼ同じ構造。「悪のAIアンドロイドが人類全体の敵」に対し、「ミーガンが主人公たち側についたのに」それがぜんぜん信用できない。どういうスタンスで観ればいいのか混乱するw

なんか、悪のAIアンドロイドを物語の中心に据えるには不安があったのか、娯楽映画として成立するようにいろんな要素を雑多に放り込んだ感じに見える。けっこう研ぎ澄まされたアクション表現は見応えあるけど、ほぼ全部既視感あるし。ミーガンダンスも「これ好きでしょ?」のあざとさが目立つ。

クラウド的存在だったミーガンなのに、体があればいろいろできるからと、とりあえず作ったはずの体。しかし、クライマックスでは唯一無二の大切なものだったようにこだわるジェマ。こんな矛盾をオチにまでもってくるなんて、支離滅裂に見えてしまう。

日本での劇場公開が中止されて話題になったけど、その判断は無理もなかったかも。

0 件のコメント: