2023/02/08

最近観た映画メモ「ミラベルと魔法だらけの家」他

新し目の3本。

●NOPE/ノープ(2022年)2:10 U-NEXT

映画用の馬を扱う牧場の兄妹。雲間から現れる空飛ぶ円盤状の何か。それを撮影して一儲けしようと試みるが……という話。ジョーダン・ピール監督、ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマーなど出演。

コメディと解説してるレビューもあるけど、基本的にはホラー。スピルバーグの「宇宙戦争」「未知との遭遇」や「ジョーズ」、マカロニウエスタンとかも入ってる。

登場人物たち、なんかちょっと癇に障る人ばかり。撮り方も笑いどころもちょっとずらしてある感じで奇妙。過去の忌まわしい話が現在と交錯するのはとても良い。っていうか、チンパンジーが強烈すぎて他のパートが霞んでしまうけどw

重要な伏線だろうと思われたものがあっさり扱われてる部分がいくつもあって、肩透かしを食う。これも「ずらしてある/オフビート」的なもの?

時間を贅沢に使ったすごい格調高く見たことないような映像が続くのに、軽い悪ふざけみたいなネタも入れてくる。ラスト近くのAKIRA風のアレもノイズ(ピール監督は実写版「AKIRA」のオファーを断ってる)。

今まで、ジョーダン・ピール監督はいろいろ新しい価値観を提示してて、映画界にかなり影響を与えてるとのこと。「ゲット・アウト」はそのうち観てみる。「NOPE」も細かく見ていくと相当いろんな深いことが仕込まれてるんだろう。

・ある有名な日本製品が出てきて驚く。単にプロデューサーがその製品が大好きなんだそうw

●ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年) 1:33 U-NEXT

ほぼ現在のブライアン・ウィルソンのドキュメンタリー。インタビュアーが親友の音楽ライター。リラックスできるようにと、ずっとドライブ中の車内での会話。

ロサンゼルスのなじみの店や思い出の場所をクルマで巡りながら、今までのいろんな話を聞き出す。エルトン・ジョンやブルース・スプリングスティーンなどのアーティストへのインタビュー映像も含む。監督ブレント・ウィルソン(特に親戚とかではないっぽい)。

とてもよかった。いろんなドキュメンタリーや映像とか見たことあるけど、ブライアン、今までで最も明るくていい人な感じ。またかなり太ってるけど、辛そうだったりぼんやりした感じが残ってた頃とは別人のよう。元気に音楽活動を続けてるらしい。

本人の口から当時の話を聞くとブライアンの伝記映画「ラブ&マーシー」の裏付けになってて感動的。ユージン・ランディ医師の洗脳や支配についても、ブライアンは悪い点だけでなく良かった点もちゃんと認識してたりする。

「20年の精神的不調及び引きこもり状態から奇跡的に復活した人の音楽」って意味で、近年のブライアンの音楽はなんとなく「半歩引いて聴く」感じがなくもなかったんだけど、このドキュメンタリーの中で断片的に流れると、本当によくできた美しい音楽なんだなってあらためて思う。ちゃんと聴こうっと。この映画のサントラ盤もある。

●ミラベルと魔法だらけの家(2021年)1:49 Disney+

コロンビア内戦の悲劇を生き抜いた祖母と魔法を授かった一族。ただ一人魔法の才能がない孫のミラベルが、一族の危機を救う、という話。

実はこの映画、8ヶ月ほど前に30分ほど観て中断してた。途中から見始めたらかなり混乱。「ブルーノおじさん」って誰? そもそも一族の人物が多すぎてわからない!

それで最初から見直した。なるほど冒頭の10分で全部説明されてたのか。すっかり忘れてた。ミュージカルシーンの歌に全部折り込まれてる。子供たちの「人が多すぎてわからないよ」に答えて、もう一度おさらいまでやってくれるものの、わかりにくい……。せめて「ブルーノおじさん」がタブーな件をもうちょっと強調しておいてくれないと。

以下、箇条書き

・家族が持ってる魔法の能力、つまり、才能の有無をこんなストレートで残酷な表現で子供に提示していいものだろうか?って心配してしまう。もちろん、「特別な才能がなくてもみんなを幸せにできる」がテーマなものの。

・ミュージカルの宿命。「才能がない」とか嘆きながら踊り歌ってるあなたは、どう見ても歌やダンスの才能あるでしょ、な件w 他、歌と踊りが始まる瞬間のウザ度は実写ミュージカルよりもキツい。

・にぎやかで華やかなシーンのCG画面や動きの密度の濃さが僕のキャパを超えてて、もはや目で追うのが面倒になってくるw 人物の表情や動作、全てが過剰なほど細かく作り込まれてて、「あざとい」と感じてしまうほど。アニメーションの場合、すべて「制作スタッフが時間をかけて精魂込めて表現した結果」なことが伝わってきてしまうから。もう少し突き放した表現のほうが好みかも。。

・後半、これからもう一波乱あるのかと思ったら、プツッとおしまい。残り21分30秒もあるのに! (半分が通常のエンドクレジット、もう半分が各国語版制作のクレジット)。

・ミュージカルが濃密な分、正味のストーリーは多少薄いかも。それぞれのキャラクターの描写だけでも相当楽しめるけどね。

・中尾ミエの吹き替え、上手い!

https://video.unext.jp/mylist/favorite/video?td=SID0075997

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