ジャック・タチを観てみた。あと2作観る予定。と、ピクサーも最新作を観るつもりなので、今回と組み合わせが同じになるかも。ジャック・タチ2本とピクサー1本。
(タイトルの後ろの上映時間と配信サービス名、今まで消してからアップしてたけど、消す意味もないのでこれからはつけたままにする)
●ぼくの伯父さんの休暇(1952年) 1:28 U-NEXT
バカンス。みんな汽車で海に向かう。ジャック・タチ演じるユロ氏もオンボロ車でバカンスに出かける。到着した海水浴場の小さなホテルで細かいドジなことやったり騒動を起こすような短いコント(スケッチというらしい)が延々続く。
チャップリンとかのサイレント映画や4コママンガのようなネタをものすごくゆる〜〜くやってるだけで、ストーリーはほぼ無い。ゆるくて退屈かというとそうでもなく、ニコニコしながらあたたかい目で見守る感じ。 (タチは体が大きいため、チャップリンなら軽いドタバタに見えるような動作が、すごいガサツな乱暴者に見えてしまうのだがw)
見終わると、ストーリーが無かった分、リアルな「思い出」みたいに感じるのがおもしろい。
71年前の映画だけど、最近撮られた白黒ビデオ映像のように古さがなく、画面が明るい! フランスのバカンスの原型イメージってこんな感じ? ロケ地って現存してるのかな? 行ってみたい!と思ったら、みなさんそう思われるようで、観光地としてこの映画をネタにしてるらしい。ユロ氏の像もいっぱいある。
第二次大戦から10年もたってない頃って考えるとすごいな。ロケ地は「サン=ナゼール強襲」のSant-Nazerから数kmほどの「サン・マルク・ビーチ」という海水浴場。人々が義務のようにバカンスの習慣をやらされてる感も少々あって変w 僕だったら仕事したくなっちゃいそう。
あまりに明るい風景、カラーで見たかったなあ、、、と思ったら、カラーでも撮影されたけど最終的に白黒が選ばれたそう。あと、壊れたボートのエピソードは「ジョーズ」(1975年)のヒット後に撮影されて1978年版で追加されたそう。むちゃくちゃするなあw
U-NEXTのは英語版だった。とはいえ、会話らしい会話はほとんど無いけど。
●ぼくの伯父さん(1958年) 1:55 U-NEXT
超モダンな住宅に住む夫妻と男の子、妻の兄がジャック・タチ演じるユロ氏。近くのヘンテコなボロアパートに住んでフラフラしてる。モダニズム生活が苦手な男の子は伯父さんのユロ氏を慕ってる。夫妻はユロ氏に仕事につかせたり隣のオールドミスとくっつけようと試みるが、、というような話。
やはりほのぼの系。カラー映像が鮮明で驚く。「〜の休暇」にくらべればストーリーはなくもないけど、やはりサイレント映画のような短いエピソードの羅列。シュールさはアップしてる。
モダニズムを風刺してるようだけど、辛辣ではない。街が新しくなるのもそう悪くないし、新し物好きも愛すべき人間たち、という感じ。対比される古い街の人々もあたたかくてとても良い。子供たちや犬たちもw
会社の秘書や八百屋やホウキのおじさんなどなど、ちょっとしか出てこないけど印象的なキャラクターが満載。アパートの一階の女の子、冒頭と終盤で何歳も違って見える!
・1950年台後半のモダニズム住宅がけっこうカッコいいんだけどね。そのままでは確かに住む気しないくらい冷たいがらんどうだけど、インテリアの工夫によっては。庭もステキw
・ラスト、厄介払いされてるのに本人含めてみんな平和って??
・アカデミー外国語映画賞を取ってる。1958年の時点でこの「劇映画らしくなさ」はハリウッドでは衝撃的だったんだろうな。
・ここ数日間ずっとあのテーマ曲が頭の中に流れ続けてるw
・昔、NHKの少年ドラマシリーズで「ぼくのおじさん」ってのがあった。歌も覚えてる。北杜夫原作。ちょっと前に松田龍平主演で映画もあった。
●私ときどきレッサーパンダ(2022年)1:40 Disney+
ピクサー作品。トロントのチャイナタウンの寺に住む13歳の少女メイは、ある日、感情が昂るとレッサーパンダに変身してしまう体になってしまう。過干渉な母親や仲良し友達、思春期の揺れ動く心などいろいろからめた話。
面白いしめちゃくちゃ良く出来てる。アクションもいいし、「アイドルの歌」があんなに活かされたクライマックスって珍しいかも。娘の成長物語と同時に母親の物語でもあって、それが明らかになるくだりはウルウルした。
レッサーパンダのお腹を黒くしなかったのは「赤」を強調するためだろうけど、動きも質感もよく出来ててかわいい。もしかして、日本のタヌキキャラへのあこがれがある?
中国系のドミー・シー監督の個人的・民族的な想いが詰め込まれてるんだろう。アニメーションの表現は楽しく明るいのに「めちゃ重い」w 明るい表現だから逆に「ズシーン」と来る感じか。「Bao」も背負ってる感があってちょっと重かった。
同人マンガ関連のツイートなどでよく見る、「隠れてコソコソ描いてた恥ずかしい絵が晒される恥ずかしいシチュエーション」って、カナダにもあるのね(描いてる時の表情が最高)w
ピクサーのアニメーション的に、デフォルメされた東洋人の顔って「カールじいさんの空飛ぶ家」のボーイスカウト少年が印象強いけど、ちょっと浮いてる感はあった。ディズニーの「ベイマックス」はちょっと系統が異なるし。今回は主役と一族と他にも大勢の東洋人が出てくるけど、すごい自然なキャラクター感でなじんでて良い。
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