2020/09/18

最近観た映画メモ「ポルターガイスト2」他

80年代前半映画の続き。

スキャナーズ(1981年)
シーウルフ(1980年)
パラダイス・アーミー(1982年)
ポルターガイスト2(1986年)
ポルターガイスト3 (1988年)

●スキャナーズ(1981年)

浮浪者のような若者ベイルがショッピングモールで騒動を起こして収容される。捕らえたのは彼を超能力者スキャナーズと知っていたルース博士の研究組織だった。世界征服を目指している悪い超能力者レボックに対抗できるのは彼と見込んでいた。戦いが始まる。という話。

デビッド・クローネンバーグ監督の出世作ってことと、エグいビジュアルってことしか知らなかった。ヒゲ面のルース博士がパトリック・マクグーハンだったとは最後まで気がつかなかったw

ちょっと地味すぎかなあ。超能力っても念力とかじゃなく、脳内スキャンとテレパシーで相手を操る的なものなので、見えない。画面的に派手にしにくいのはしょうがない。特殊メイクはディック・スミス。頭部爆発シーンは今の目で見ても凄い! びっくりしたわw けど、直後のテーブル周囲や人々がぜんぜん汚れてなかったりして惜しい。ラストのバトルの血管が浮く表現も当時は新鮮で、大友克洋なんかにも大きな影響与えたんだろう。

テーマ曲の8音がやたら耳に残ったw 誰かと思ったら「ロードオブザリング」などを手掛けてる大巨匠ハワード・ショア。

●シーウルフ(1980年)

第二次大戦中盤。Uボートがインド洋の商船を沈めまくっている。二人のイギリス軍人工作員がポルトガル領のゴアに侵入し、ある商船がUボートの無線基地であることをつかむ。40年も活動してなかったカルカッタ騎兵隊に作戦実行を依頼。選ばれた18人のメンバーは退役軍人の老人ばかりだが、ボランティアでこの作戦を引き受けることになる……という実話ベースの話。

アンドリュー・V・マクラグレン監督、グレゴリー・ペック、デヴィッド・ニーブン、ロジャー・ムーア、トレヴァー・ハワード。

インドのイギリス軍人ってことで雰囲気は「王になろうとした男」にも通じる陽気な感じ。ロジャー・ムーアのパートはジェームズ・ボンドそのまま、ダンディでモテモテ(のつもり)の工作員。エンディングの歌が「007ロシアより愛をこめて」のマット・モンローw

半分コメディ。つまらなくなかったけど、せっかくのジジイ軍団の魅力を発揮できず、なんか一本調子な感じで、クライマックスも盛り上がらなかった。1980年にしてはミニチュア特撮がイマイチ。翌年に同じような画面要素の「インディ・ジョーンズ」一作目が公開されるわけで、古い世代の映画って感じ。まあ、「ジジイが活躍」なテーマ的にそれで正解なのかもしれんけど。

●パラダイス・アーミー(1982年)

怠惰な生活を送っていたタクシー運転手がクビになる。陸軍のCMを見てラクそうだからと親友と一緒に入隊。教官の軍曹に仲間たちと厳しい訓練を受けるが、のらりくらりと調子良くすごす。女性憲兵たちと仲良くなったり。修了式のヤケクソのパフォーマンスが将軍に気に入られてイタリアに派遣されるが、発表前の秘密兵器の車両を勝手に持ち出し……というコメディ。ビル・マーレイが無責任シリーズの植木等みたい。

アイヴァン・ライトマン監督、ビル・マーレイ、ハロルド・レイミス、ウォーレン・オーツ。「ゴーストバスターズ」の前哨戦みたいな映画。ショーン・ヤングが「ブレードランナー」の直前に出た映画だけど、軽い役。あと、なんでこういう映画の音楽がエルマー・バーンスタインw

面白かったけど、ちょっとゆるい感じ。「ゴーストバスターズ」もこんな感じだったような気がする。あの秘密兵器のクルマ、バカバカしくてカッコイイ。監督、「ゴーストバスターズ」のクルマもだけど、こういうクルマ好きなのね。

●ポルターガイスト2(1986年)

悪霊たちに破壊された家を捨て、一家は母親の祖母の家に仮住まい。しかし、不気味な牧師ケインがキャロル・アンを手に入れようと現れ、また超常現象が始まる。霊媒師タンジーナの仲間の祈祷師テイラーが阻止しに一家の元へやってくる。という話。

第一作は大好き。続編のこれも当時観に行った。スピルバーグが抜けてイマイチな続編ということになってるけど、けっこう良かったはず。音楽のジェリー・ゴールドスミスは続投。

キャストは同じで、強力な新キャラも2人。牧師のジュリアン・ベック、めちゃ怖い。祈祷師テイラーは「カッコーの巣の上で」のウィル・サンプソン。あと、長女を演じた女優が他殺されたため、今作ではいなかったものとされてる。このへんからこの映画の呪いと言われるものが始まってる。

前作にくらべると確かにあちこちギクシャクしてるし特撮は雑だし、品格がちょっと落ちる感じはする。しかし、家族愛がテーマなこのシリーズ的には、やはり非常に良かった! ラストなんかウルウルしちゃった。ジョベス・ウィリアムズの怖がり顔はやはり最高w

配信の画質が非常に悪い上に、テレビサイズに左右圧縮されてて歪んでる。DVDは出なかったそうだけど、Blu-rayは2010年に出てるそう。そちらはどうなってるのかな?

●ポルターガイスト3 (1988年)

親戚に預けられて超高層マンションにいるキャロルアンを、ケイン牧師の亡霊が見つけてしまう。家族が出かけてキャロルアンが一人になった夜、ついに襲ってくる、という話。

キャロルアンの子役ヘザー・オルークは続投するが、撮影終盤に病死してしまい、変更した部分があるそう。他に続投キャストは霊媒師タンジーナのみ。主役級の大人は無名俳優かと思いきや、「エイリアン」のヒゲの船長トム・スケリットと「ロボコップ」の相棒ナンシー・アレン。ケイン牧師役のジュリアン・ベックは亡くなったため、別の俳優が演じている(前作の祈祷師役のウィル・サンプソンも87年に病死)。

12歳になったヘザー・オルークが熱演するけど、映画的にはちょっとしんどいかなあ。あと、ビルの内装がやたらそこらじゅう鏡張りで、鏡によるトリックや錯視を使ったシーンが多く、クドいしそれほど面白くもなかったり。中盤、ごく普通のホラー映画みたいに軽薄な若者たちのエピソードでもたせたり。イマイチ。

霊媒師タンジーナのゼルダ・ルビンスタイン、画面に出てくるとホッとするいいキャラクターと思ってたけど、「ポルターガイスト2・3」でゴールデンラズベリー賞のワースト助演女優賞にノミネートされてるのね。

・ところで、アンドリュー・V・マクラグレン監督のフィルモグラフィーで見つけた「チザム」(1970年)。ジョン・ウェインの出てくるこの映画、1975年の日曜洋画劇場で見て冒頭を録音して何度も聞き、ジョン・チザムのこれまでを語るナレーションなんか覚えちゃったくらい。当時たった5年前の新しい映画だったんだ! プライムビデオにあったのでそのうち見よう。

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