リバティ・バランスを射った男(1962年)
戦う翼(1962年)
頭上の敵機(1949年)
眼下の敵(1958年)
西部戦線異状なし(1930年)
昔の映画ばかり見てると現在と切り離された感が大きくなるw そこで、年内に落穂拾いリストの少なくとも70年代までの映画はクリアしてしまおうってことで、強行シリーズ。
●リバティ・バランスを射った男(1962年)
ジョン・フォード監督。政治家として大成した弁護士ジェームズ・スチュアートが、旧友の牧場酒ジョン・ウェインの葬式にやってきて、どういうわけでこうなったか(若い頃この町に来て悪者リバティ・バランスと対決、政治家になるまで)を語るという話。リー・マーヴィンの悪役がイイ。リー・ヴァン・クリーフが手下役で出てる。暴力が支配する西部に法律だけで対抗する男の話かと思ったらちょっとちがった。面白かったけど、不満もある。役としては必要だけどジョン・ウェインの存在感の大きさが余分w 明らかにジェームズ・スチュアートが主人公なのに、ウェイン主演ってことになってる不自然(登場シーン全部かっこよくてシビれるけどねw)。あと、主要人物は若者たちなはずなのに、老けすぎ。「ジョン・フォード+ウェイン」を前面に出しすぎたためいろいろバランスがおかしくなっちゃってる印象。テーマ的には「やむを得ない暴力の裏付けあっての法律」って、現実そのもの、、でいいのか?ってのもあるし。ところで、デブでヘタレの保安官の表情や演技が左卜全っぽくて、なんか黒澤映画っぽく見えるのがおもしろかった。そういえば、ぜんぜん関係ないけどタイトルがあの悪役俳優ジャック・パランスに似てるため、ああいう悪役が出ると思い込んでたw あとヴァン・ダイク・パークスの「ジャック・パランス」ってタイトルの歌があって大好きw
●戦う翼(1962年)
小学校5年くらいときの1973年7月14日の土曜洋画劇場で観たはず。ラストのシチュエーションなんかはっきり覚えてた。この映画を観てB-17が特別な爆撃機になった。あと「頭上の敵機」も。スティーブ・マックイーン主演ということになってるみたいだけど、マックイーンは悪役というか敵役で、ロバート・ワグナーが主役。原題は「戦争の恋人」。戦争の描写は少なめで、ロバート・ワグナーの恋愛の話が主な内容。マックイーンはワグナーの正反対の好戦的で歪んだイヤ〜なヤツとして描
かれるものの、ワグナーより100倍輝いてるんだけどね。戦争のシーンは少なめとはいえ、本物のB-17を多数使ったシーンはかなりすごい。冒頭で出撃〜帰還まではたっぷり時間を使って描かれてて、見入ってしまう。ただし、ミニチュア撮影のシーンはぜんぜんダメだけど。1962年ならぜんぜんカラーで撮れるはずなのにモノクロなのは、記録映画の素材を挟むためなんだろうな(メッサーシュミットに混じってP-38が襲ってくるよw)。
●頭上の敵機(1949年)
昔観たとしたら1973年5月13日の日曜洋画劇場らしいけど、2ヶ月後の放映の「戦う翼」の印象が強いのは変だな。見なかったのかもしれない。グレゴリー・ペック主演。B-17の爆撃隊の話。全編ハードで娯楽映画的なわざとらしい盛り上げがぜんぜん無く、劇判さえ無い。女性も看護婦がちらっと登場する以外ぜんぜん出てこない。B-17や空中戦は全部実写と記録映像で構成されてて、特撮やミニチュアで一気に安っぽくなる部分も皆無。っていうか、戦闘シーンはおまけで、ほとんどリーダーシップとは何か?的な人間ドラマ。2時間12分もあるけどぐいぐい引き込まれた。グレゴリー・ペックの准将が、隊員と仲良くなりすぎて少々たるんでしまい重大なミスをしてクビになった隊長の代わりにやってきて、めちゃくちゃ苦労してレベルを引き上げるのに成功するが、やはり相当無理をしていたのか。。。的なストーリー。原題「Twelve o'clock high」は、メッサーシュミットが襲ってくる「12時の方向・上」。変な邦題と思ってたけど一応意味は合ってるのか。この映画を元にしたテレビドラマもあったのね。
●眼下の敵(1958年)
これも1974年6月7日のゴールデン洋画劇場で観たはず。「頭上の敵機」と「眼下の敵」はセットなのですw ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス。駆逐艦とUボートのそれぞれの艦長が頭脳と忍耐で戦う様にシビれる。冒頭からすぐUボート発見で手に汗握る戦いに放り込まれ、ずっと緊張が続く。なんちゅうか、相手を殺したり船を破壊するのが目的ではなく、敵の行動を阻止するのが目的なんだよね。チェスか何かのように堂々と戦う理想化された戦争。ただ、堂々って割にはユルゲンスの「5分待ってやる」に乗じてミッチャムが騙し討ちするのはいいのか?とか思っちゃうけど、まあ、彼らの基準ではいいんだろうw ミニチュアの特撮がちょっとイマイチな部分がある程度で、今でも普通に面白く観れると思う。
●西部戦線異状なし(1930年)
大昔の映画だからって舐めたらいかんね。第一次大戦の塹壕戦を描いた映画としては「ジョニーは戦争へ行った」やキューブリックの「突撃」、スピルバーグの「戦火の馬」など観たことある。1930年の映画だからなんとなく牧歌的な戦争描写なんだろうかと思ってたら、とんでもなかった。エグい描写は少ないものの、めちゃくちゃ過酷でリアルな塹壕戦! 流し撮りの機関銃目線、押し寄せる敵兵、白兵戦。そこに放り込まれるのが教師に扇動されて志願したドイツの仲良しグループの学生たち。ほとんど子供たちって感じ。神経や精神を蝕まれる戦場って大昔から描かれてたのね。銃後の無理解や大人たちの無責任を含め、現在に続く反戦映画の主な要素ってほとんどこの映画で完成されてることに驚く。原作は大ベストセラー、アカデミー賞まで取ったこんな映画を観たら、アメリカ国民としては他の国の戦争にまで巻き込まれたくないのが常識になるのがよくわかる。主演のリュー・エアーズはこの映画に出た責任から第二次大戦で「良心的参戦拒否」までやってるそう。名ラストシーンってことでよく紹介されてるラストは、いちおう伏線も張ってあるけど文学的すぎて唐突な感じもする。映像的にもあそこで敵兵を見せちゃダメだよなあ。。。79年にテレビ映画としてリメイクされてて、YouTubeで断片を見ると相当出来が良さそう。ところで、前半はU-NEXT無料で見てたんだけど画質が悪すぎる。それで途中からAmazon有料で観た。ぜんぜん画質がいい。Apple TVもこのいい画質。
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