22インチと24インチの新しいCintiqが出ましたね。僕的には回転機構を残した22インチがいいな。肘や手首を中心にペンを動かしたときの描線が絵の中の水平になるように、紙をちょっと回して角度をつけておくと描きやすいのですが、それを自然にできるのが回転機構。
24インチCintiqは新モデルのマルチタッチが便利かもしれないのはおいといて、Adobe RGBをほとんどカバーする液晶は魅力的。他のディスプレイは廃止して24インチCintiqだけで作業環境を作ることもできそう。
僕はといえば、昨日、最終的決心のもとにしまったはずの液晶タブレットを再び引っぱり出してきて、30分後にまた片づけた(昨年末、スケッチ専用として買った安い15インチのWACOM DTI-520UB)。通常のペンタブレット=板タブで描いてて思うように描けないとき「液タブさえあれば!」って思っちゃうんだよなあ。それで、せっかく出した液タブをちょっと使って「う〜ん、やっぱ板タブのほうがぜんぜんいいや!」って片づけちゃう。
今回は「最終的決心」の次の次だったので、自分でもアホらしいとは思いつつ出してきたわけです。確認のため液タブと板タブの両方でしばらく描いてみましたが、やはり同じ結論。僕には液タブはそれほど必要じゃない。板タブのほうが便利。と、片づける。
実は液タブを出して片づけてを1週間に一度くらい繰り返す。っていうのをここ数ヶ月、何度も繰り返してるわけですよ〜。この液タブを購入以来、20回くらいやってるんじゃないかな。
液タブはチャッチャカ描けるから、Painterで仕事してたときにはものすごく重宝した。板タブのような遠隔操作を介さないから、板タブの3-5倍速くらいの体感スピードで描ける。仕事で2D絵を描くのがメインの人は液タブあったほうがいいです。「ホワイドンチュー液タブ使わないの?」って感じ。絵を描く仕事のスピードに対する投資としては、激しくお得です。
僕は現在3DCGがメインなのでペンタブでの作業の大半は「操作」。「描く」のはラフスケッチとテクスチャペイントくらい。でも大量に描くラフスケッチ作業がクリエイティブの中では最重要と思ってるので、そこが液タブか板タブかの迷いポイント。
で、液タブでは思い通りに描けるのは確かなんだけど、ツルツル画面は描きづらくて不快。ペンから伝わる摩擦の振動など感触も含めて「描く楽しさ」なんです。ビニールなど各種透明素材を30種類くらい試したけど、満足には至ってない。
描きやすさからツルツル不快を差し引かなきゃいけない液タブ。その点、板タブは摩擦の調整し放題。LIONカッティングマットの感触が気に入ってる。細かい部分を描くときは何も敷かないほうが描きやすいこともあるけど。intuosに何も敷かずにぜんぜん大丈夫の人はツルツルは気にならないと思いますので念のため。
ラフスケッチとかしてて、客観的に見れるのは板タブと普通のディスプレイを使ってるとき。形を描くときも目で確認しながら描くわけだし。液タブでは画面と目が近いこともあって客観的に見づらいし、手クセに引きずられてしまうことが多い。
あと、液タブを使うときはしがみつくような姿勢になりがちで疲れる。それとここ肝心なんだけど、近眼に老眼はいってくると、液タブを使う距離って微妙。全体を見渡すにはメガネが必要だし、作業中はメガネは取らないとキツイ。
もうひとつの理由。24インチCintiqなどでかい液タブ一台で全部済ませられるように環境を整えれば問題ないけど、通常の液晶ディスプレイと並行して液タブを使うと、当然机の上がほとんど占領される上に、ケーブルが何本も余計にのたうつのが耐えられん。机の上には最低限のモノしか置きたくない。
などなど、とりあえず僕的に板タブのほうがいいや、という理由の列記でした。ケーブルがのたうたないiPadやタブレットPCのような独立したデバイスなら、スケッチ用補助として使いたい気持ちはあるけど、大きな液タブは今のところいいや、でした。
・余談1。最近、板タブで描きやすいと感じるのは、Photoshop CS6で無段階ズームが非常に快適なのが割と決め手になってる。ズームが苦じゃないから板タブで腕を大きく動かして描けて快適なのです。
・余談2。ASUS Eee SlateというWACOMセンサー搭載のタブレットPC。リンクの動画を見ると相当魅力的に見える。お絵描き系の人だったらこれ一台で仕事が完結しそう。かつてのタブレットPCが正しく進化してる感じ。Core i5搭載なのでパワーもある。12インチCintiqとほぼ同じ値段でPC内蔵ってことですね。マイクロソフトが発表したsurfaceも良さそうなんで迷うところ。
2012.7.23
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