2020/02/22

最近観た映画メモ「翔んで埼玉」他

アド・アストラ(2019年)
翔んで埼玉(2019年)
移動都市/モータル・エンジン(2018年)
スパイダーマン:スパイダーバース(2018年)

評価が定まってない新しめの映画は出来にムラがあるのかも。4本のうち、「翔んで埼玉」がベストだったのは意外w 次からしばらく70年代に戻るわ。

●アド・アストラ(2019年)

ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ。ちょっとだけ出るドナルド・サザーランドは久しぶり。30年前に地球外生命体探索に天王星に行って消息を経った父親が生きてると知らされ、、、って話。表面的にはおもしろくなくはなかった。退屈もしなかった。しかし、う〜んw

SF映画的にはどうしても、「月から火星へ行く途中でちょっと止まる」「ブースターをふかしっぱなし」とか、「宇宙船から宇宙船へピョンと飛んで移動中、天王星の輪を板っぺら一枚でくぐりぬける」は耐えがたいw あと、反物質がすでに利用されてる設定なら、多段ロケットも核爆弾も意味なくね?とか。それでも宇宙の描写が画期的なくらい美しければ印象もちがっただろうけど、めちゃ普通だったし。


・あのジャンプはなんとか可能だろうっていう検証↓
https://fansvoice.jp/2019/12/18/ad-astra-science/

全体は内省的で静かな映画なんだけど、いくつかあるアクションシーンはとても良かった。なのに、冒頭の宇宙エレベーター?の事故なんかも含めて、大半の見せ場がストーリーに直接関係してないって感じかなあ。月面の追い剥ぎって必要か? 救助に行ったら実験動物が、のシーンって必要か? 操縦が凄腕っての必要か?みたいに。

「父と同じ道を辿ってしまってたことに気づいて自分を取り戻す」的なテーマが、見かけの雑音で台無しになってる感。「インターステラー」のようなタイプの映画を目指して失敗した?

……こうしたら面白いかも。30年前に地球外生命体探索に天王星へ行って行方不明になった父親が、宇宙人と組んで王国を作っていた。警告する地球をサージで滅ぼすぞと脅迫。説得・阻止すべくその息子が天王星へ派遣される。途中、月の領土戦争や、実験動物の反乱に巻き込まれたり、開発途中の火星でのエピソードなど、「地獄の黙示録」的な道中もののストーリーにw

●翔んで埼玉(2019年)

めちゃくちゃ面白かった! マンガを実写化した邦画って、基本的に人気タレントの安い学芸会になりがちでガッカリすることが多いのだが、これは素晴らしい!w エンディングまでぎっしりネタが詰め込まれてて、全部笑える。学芸会テイストがプラスに働いたってのもありそう。

原作は設定や説明で笑わせる部分が多いし、ストーリーは尻切れトンボの未完。映画としてよくきっちり面白くまとめた! ビジュアルも完璧。設定を変えたりキャラクターを追加した部分も全部うまくいってるし。

ブラザー・トムが出てくる「現実部分」は余計かなとも思ったけど、ラジオで「伝説」を聴くというフィルタをかぶせることで、馬鹿げた話が無理なく入ってくる効果があるようだ。原作では「あの魔夜峰央がとんでもない不謹慎な冗談を描いてるぞw」っていう前提で読み始めるからスムーズに入れるけど。

唯一、埼玉狩りパトロールの制服がイマイチw 原作はギザギザ模様のショッカー戦闘員みたいでそのままでは使えないのはわかるけど、せめて防弾チョッキの武装警察官みたいにすればよかったのに。

「テルマエロマエ」と同じ監督なのね。テレビやネットでつまみ食い的に観たくらいだけど、本気で冗談やってる感が良かった。そのうちちゃんと観よう。

●移動都市/モータル・エンジン(2018年)

公開前にはずいぶん話題になってたのに、その後まったく聞かなくなった。キャタピラーのついた巨大な街が移動して戦いあう世界。こういうのを「出オチ」というんだろうな。冒頭の戦いは確かに衝撃的だけど、街が動くことにそれほど意味なかったり無理があったりして、すぐにその設定自体はどうでもよくなってくるw

「ハウルの動く城」や「炎の転校生」の大陸学園高校w あちこちに「ラピュタ」も入ってる。っていうか、パズーとシータがラピュタに到着して地面に転がるカットのそのまんまコピーがあったりw

今風なんだろうけど、スチームパンク的っぽく汚してあるのに妙にすっきり清潔な映像。特に人物がキレイすぎなのが気になった。アナ・ファン演じるジヘや人造人間のシュライクなど、マンガ的に超キャラ立ちしてて良かったところもあったけど。

●スパイダーマン:スパイダーバース(2018年)

いろんな並行世界から来たスパイダーマンたち。そこそこ面白かったけどね。

凝りまくったビジュアルは本当にスゴイ! 基本3DCGアニメーションだけど2Dのコミックかイラストのように加工したタッチ。ただし、5分のミュージックビデオならいいけど、2時間弱の映画ではクドすぎて疲れる。ギザギザの網点かスクリーンのようなパターンが強調されるたびにうんざり。フキダシや、ハッと気がついたときのニョロニョロの放射状の線もイヤw

タッチに凝った映像ってのは「作られた映像ってことを意識させないように自然に見えるようにする」の真逆だからなあ。そのへん作ってる側もわかってるのか、タッチの強弱をシーンによって調整はしてるようだけど。

クライマックスがダラダラ長い上に、緊張感を削ぐようなエピソード入れてくるのは本当に苦手。あと、ヘッドホンで観たんけど、会話部分と音楽や効果音との音量差が大きすぎてすごい聴きにくかった。

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