2020/02/17

最近観た映画メモ「ジョーカー」他

「ジョーカー」はじめ、新しめの作品を4本。この後続けてもう3〜4本観る予定。

●ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年)

ピーター・ジャクソンによる、第一次大戦の記録映像をまとめたドキュメンタリー。99分のうち、古い白黒フィルムに着色を施し画質アップ、再生スピードを自然にした部分が約1時間。

イギリス。対独開戦の興奮の中でわけもわからず入隊した下は16〜17歳くらいの少年たちも含め、厳しい訓練を経て最前線へ。膠着状態の戦線。塹壕にたまる泥水の地獄。無理目な突撃で大半が戦死してしまう。終戦で故郷に帰ると無理解に苦しむ。

今まで映画などで断片的に描かれてきた第一次大戦の現実が、リアルに迫ってくる。「西部戦線異状なし」「突撃」「ジョニーは戦場に行った」「戦火の馬」など。今やってる「1917」も観てみたい。

白黒がカラーに切り替わるところがすごい。音響の効果もあって、100年前の出来事が現在にギュウウウ〜〜〜ンってタイムスリップしてくる! こちらが100年前にタイムスリップするんじゃなく! この瞬間だけでも見る価値アリ!


タイトルそのもの。現在と変わらない若者たちが、あの時代に戦場に行って、戦死したまま時が止まってる。何人もの当時を知る退役軍人本人たちのインタビューを使ったナレーション。彼らはそこへ行ったんだ!

イギリス兵士たち、過酷な状況以外では、例によって紅茶が欠かせないアレとか、しごきがなく割とちゃんと扱われてたり、待ち時間はピクニックみたいだったり、捕虜のドイツ兵たちがいいやつが多くて交流したりとか。まだまだ世界最強の軍隊っていう誇りと余裕があったんだろうなあ。

あと、普通に戦場での簡易な食事としてタピオカ出てきたw

●ジョーカー(2019年)

すごかった。こういうズッシーンと来るタイプの映画は好き。スッキリ終わらずに後を引く。ただ、めちゃくちゃ危険な映画。気持ちに余裕がない人はストレートに受け取っちゃう可能性ありそう。この映画が原因の暴動とか起きてないようなので大丈夫っぽいけど。

最初から「特別な映画」感を醸し出すくらいの、ほぼ独演会、ホアキン・フェニックスの怪演。アーサー(ジョーカー)の、現実と妄想のあいまいな感じの怖さ。現実部分などほとんどないのかもしれないし。ひどい社会が生み出した「悪」の根源を手加減なしに精神病や妄想を使って表現するとこういうことになる。

下敷きにしたという「キング・オブ・コメディ」を前もって観ておいて正解だった(デ・ニーロも出てる)。「キング・オブ・コメディ」の元祖の「タクシードライバー」にも通じる。

ただ、僕が今まで観た範囲の他の作品でのジョーカーの「善悪の観念は壊れてるが、めちゃくちゃ賢い」の要素が、ホアキンのアーサーからは感じられないのが惜しい。あと、「笑いだしてしまう病気」は余計だったのでは? ブチ切れてから笑い始めるほうが怖いと思う。

笑い以外にも、指で拳銃の真似などのあからさまなオマージュとか、チャップリンとか、音楽とか、盛り付けが多すぎというかサービス過剰な感じはした。予告編での「スマイル」は良かったけど。

●アポロ11 完全版(2019年)

一般に公開されていなかった70mmフィルムを含む映像で構成されたドキュメンタリー。よくこんな鮮明な映像を撮ってあったなあ! アポロやNASAの映像はもちろん、打ち上げを見に集まった人たちや周囲の街などの様子、1969年の空気がそのまま記録されてる!

7月16日の打ち上げから24日の帰還まで、小学校1年生の僕的には、夏休みの直前からか。打ち上げをテレビで見て絵日記に描いたの覚えてる。月面にアームストロング船長が降りたのは日本時間の7月21日午前11時56分だそうで、これもテレビで見た。不鮮明な白黒映像(っていうか、テレビ自体が白黒だったw)降りる降りないで延々時間かかったと思う。

なんか、1年生の夏休みが始まってプールだセミとりだとはしゃいでたあの時間に同時進行してた歴史的出来事が、こんな鮮明な映像で追体験できるのは素晴らしい!

●アイリッシュマン(2019年)

いつものスコセッシのイヤーな緊張感が延々続く大河ドラマは何時間でも観続けられるとはいえ、長い。3時間半!

主演がレジェンドばかり、デ・ニーロ、ジョー・ペシ、アル・パチーノ、ハーヴェイ・カイテルなど、70代後半のジジイ映画。 中年までくらいの脇役がみんな青二才に見えてしまうw スコセッシも同世代で、なんか同窓会的にやりたい放題で作った感じで変な開放感があるw

老人ホームで暮らす元殺し屋のデ・ニーロが、半生を語る。実話ベース。ペシは比較的おとなしい。ノリノリのパチーノが演じるジミー・ホッファは大統領に次ぐ実力者としてものすごい有名人だったそうで、ジャック・ニコルソン主演で映画化されてたりする。ホッファの失踪は、ケネディ暗殺みたいにずっとああでもないこうでもないと語り継がれてるアメリカの謎らしい。そのケネディ家の裏世界とのつながりも描かれる。

冒頭の「聞いたぞ、お前が、家のペンキを塗ってると」のテロップには驚いた。これは原作のタイトルなのね。マフィアの隠語で「殺し屋だってな」という意味だそう。

デ・ニーロをはじめ、主要キャスト、最晩年のシーンは強度の老けメイクもしてるだろうけど、ILMの特殊効果による若返りにより、若い頃までも普通に演じてる。ただ、顔は20歳くらい若返って見えるけど、体型や動きが老人のままなのが惜しい。若い俳優に演じさせて顔の挿げ替えくらいやれば完璧だろうけど。一箇所だけ、第二次大戦中の20代の・デニーロはそうやったらしい。

スコセッシの映画ではいつも音楽がずっと鳴り続けててやかましいのだが、ちょっと控えめ。逆に、この映画では音楽がまったくない一連のシーンがあり、それが最も怖いところ。

0 件のコメント: