2019/12/08

最近観た映画メモ「第17捕虜収容所」他

今回もともとリストにあったのは2本のみ。観たいときに観たいものを観ると、リストが意味ないw あと、小中学生時代に観た映画をちゃんと観なおすのも「なぜか観てなかった映画を観るシリーズ」に含まれちゃってたけど、「観たはずだけどほとんど忘れてる映画を観るシリーズ」として独立させるほうがいいな。こちらは数が限られてるから数年がかりみたいなオオゴトにはならないだろうw

●類猿人ターザン(1932年)
記号としてのターザンは知ってても一本ちゃんと観たことなかった。ターザン映画はこの時点で無声映画時代から8本も作られてて、ジョニー・ワイズミュラーは6代目のターザン俳優だそう。確かに完璧にカッコイイ。密林にゾウやライオンなど動物いろいろって、たぶんその後のいろんな作品の原形イメージになったんだろうな。面白いかと言えば、そうでもなかった。これの要素を元にグレードアップした作品いっぱい見慣れてるからだろう。実質主人公なのにはしゃぎすぎのジェーンがウザいw 動物たちとの共演は当時の人たちには衝撃的だっただろうな。あと、ポリコレや動物愛護的に
何の配慮もない時代の映画って、僕ら未来人としては「ヤバイヤバイ」感が別の怖さを生むのがおかしい。全体の雰囲気は「キングコング」っぽいと思ったけど、こちらのほうが先なのね。

●マルタの鷹(1941年)
ハンフリー・ボガート主演。ジョン・ヒューストン監督。ストーリーとしては「ふーん」って感じでそれほど面白くなかった。ほとんど室内の会話だけで進むから、メリハリがなく見える。けど、やっぱスタイルがキモ。ハードボイルド的描写のルーツが全部含まれてるらしいのはもちろん、このスタイルをリドリー・スコットが「ブレードランナー」の手本にしたのがよくわかる。依頼人の美女がタバコを燻らせてるところなんか、レイチェルそのもの! デッカードも中折れ帽とトレンチコートのスタイルにするつもりが、スポルバーグに「いい俳優がいるよ!」って勧められて初めてハリソン・フォードに会ったのが「レイダース/失われた聖櫃」のロケ地。インディ・ジョーンズの中折れ帽のまま現れて、「ああ、カブってしまう」とあきらめたそうw ハンフリー・ボガートって大スターなわけだけど、小心者の小悪党な感じが本来の持ち味なんだろうなあ。いつ観たか忘れたけど「ケイン号の叛乱」の艦長とか思い出す。

●第17捕虜収容所(1953年)
ビリー・ワイルダー監督。「大脱走」でよく引き合いに出されるのでタイトルだけは知ってた。ブロードウェイの舞台劇が元で、基本、コメディ。クレージーキャッツが演じて違和感なさそうな捕虜の面々や、太っちょのドイツ将校や収容所長など、けっこう味わい深い(ブーツのギャグがよかったw)。冒頭から捕虜内の密告者の存在が明かされてるものの、あまりにものんきなコメディ。と思ったら、主人公のウィリアム・ホールデン(ドイツ兵と取引さえ辞さない調達屋だがドライすぎて孤立してる)が密告者確定みたいになってから、マジなサスペンス映画になって緊迫感! 面白かった。脱走シーンはあるけど全体的には「捕虜収容所の脱走もの」ではなかった。「スパイ大作戦」のピーター・グレイブスが重要な役で出てる。主題歌、この映画だったのか。「ジョニーが凱旋するとき」という民謡(南北戦争のときつけられた歌詞、「博士の異常な愛情」でも使われてた)。先日観た「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー」で、コーハン作曲のやたら元気の出るw軍歌「オーバー・ゼア」の歌詞に「ジョニーよ銃をとれ」って部分がある。「ジョニーは戦場に行った」(原題「ジョニーは銃をとった」)はこの歌にちなみ、皮肉となってるそう(あの映画の主人公はジョニーではなくジョー)。へー! いろいろつながる。あと、ジェームズ・キャグニーのモノマネも出てきたしw

●海底二万哩(1954年)
カーク・ダグラス主演、ディズニー映画。いろんな作品の元ネタになってるのは知ってたけど、ちゃんと観たことなかった。なるほど、広く影響が及んでるんだなあって確認できた。「悪役がパイプオルガンを弾く」がいろいろ使われすぎて思わず笑っちゃうし。潜水夫の出入り口って「ポニョ」の井戸だよねw ノーチラス号や海中の描写など、ジュール・ベルヌの時代に想像されただろうファンタジックな表現になってて、リアルとはちょっと違う。1954年時点でのレトロフューチャーというかスチームパンクか。ストーリー的に面白いかと言われれば、そうでもなかったけど、全編「興味深い」が勝る。人食い人種が襲ってくるとか、巨大イカとの戦いとか(JAWSの鮫ブルースくんと同じ人が制作したそう)、今となってはコントに見えちゃうけど。歌まで披露するカーク・ダグラス(ギターは弾き真似)、この時38歳。現在103歳で存命中。古い映画を見ててときたまふと感じる「この俳優たちは全員ずいぶん前に亡くなってるんだなあ……」にも例外があるw 「マルタの鷹」にも出てた不思議な雰囲気の俳優ピーター・ローレがまん丸く太ってこれにも出演。監督のリチャード・フライシャーは大作映画で有名だけど、ディズニーのライバルだったフライシャー兄弟の息子とは知らなかった。冒頭でダグラスが侍らせてる2人以外、女性がまったく出てこない! シーフードをdisるのが日本人的にムカっと来たw ところで、大きな勘違いが発覚。「海底2万哩」は、垂直に2万マイル潜航したら地球を突き抜けちゃうじゃん! 大げさなタイトルだなあと思ってきたけど、単に2万マイルの旅という意味だったw

●炎の人ゴッホ(1956年)
カーク・ダグラス主演。小5ときに見たはず(1974年1月14日月曜ロードショー)。ゴッホの基本イメージはやっぱこれだなあ。原作はゴッホを題材にした小説なので、正確な伝記映画じゃないけど。完全にゴッホになりきってるカーク・ダグラスはもちろん、ゴーギャン役のアンソニー・クインがめちゃくちゃイイ。音楽、ミクロス・ローザだったのか! 重厚。こってりした油彩画のような色調の画面がいい。スタジオ撮影や書割りやマットペイント含む、炭鉱や野原や室内など、緻密で驚く。背景の人々も素晴らしい。ヴィンセント・ミネリ監督、「巴里のアメリカ人」のクライマックスの大幻想シーンはすごかったけど、あの手腕なのね。

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