2019/10/17

最近観た映画メモ「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」他

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2012年)
ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2017年)
アクト・オブ・キリング(2014年)
ゼロ・ダーク・サーティ(2012年)

●ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2012年)
画面は美しいファンタジーで、思わず息を飲む映像が満載。これは映画館で見たかったかも。トラと太平洋を漂流する前の段階がけっこう長く、ほら吹き男爵の身の上話のようで面白い。訪ねてきた作家の取材に答える形式ってのも安心感があるし、リズムもいい。幻想のような漂流話も全部面白かった。で、ラストのアレには驚いた。せっかく面白いファンタジーとして見終わるところだったのに、解釈=救命ボートでの出来事を思い返して考えることを強制されてしまうw 宿題をどーんと渡された気分。上手いなあ。

●ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2017年)
面白かった! マクドナルドを世界的フランチャイズチェーンとして成功させたレイ・クロックの実話。本当の創業者(フォード式に効率的な飲食店システムを作った)マクドナルド兄弟との対立。クロック役のマイケル・キートンがめちゃくちゃイイ。ほぼ独演会状態。力んで演説調になるとやっぱりビートルジュースになっちゃうところが大好きw 兄弟のジョン・キャロル・リンチとニック・オファーマンもイイし、ローラ・ダーンもイイ。野心はあるがイマイチなビジネスマンだったクロックが、全身全霊でマクドナルドのフランチャイズ事業を拡大するも財政的に苦戦。
B・J・ノヴァクのコンサルタントに「ビジネスの本質の転換」を提案されたのをきっかけに次第にダークサイドに堕ちていく。奥さんをないがしろにしてまで。見る側も利益・事業拡大主義のクロックと、品質・良心のマクドナルド兄弟の両方の立場に視点が引き裂かれていく。シンプルに言えば、軒を貸して母屋を取られた話。まあ、兄弟もものすごい巨額で全権利を売ったわけだけどね。ハンバーガー食べたくなったw ところで、監督のジョン・リー・ハンコックは「ウォルト・ディズニーの約束」も良かった。で、クロックは第一次大戦でウォルト・ディズニーと同じ衛生部隊にいたんだって。マクドナルドをオープン直前のディズニーランドに出店する話を本人に持ち込んで断られたそう。

●アクト・オブ・キリング(2014年)
インドネシアで1965年に起きた「9月30日事件」の100万人とも言われる大虐殺、加害者たちに映画を撮らせて当時を再現させるという手法のドキュメンタリー映画。加害者たち(ギャングや民兵)が政府によって不問にされた結果、「祖国を共産主義者から救った英雄」として暮らしているという状況(被害者の多くは巻き添えを食った華僑たち)。事件や政治的状況についてはWikipediaなど参照のこと。主役相当の「元ダフ屋の男」は、大勢に取材した結果「かすかに揺れ動く心」を監督によって発見されたそう。ラストも強烈すぎる。。。

●ゼロ・ダーク・サーティ(2012年)
ビン・ラディン殺害の経緯を描いた映画。前半の執拗な拷問シーンも含め、どちらかというと淡々と事象をリアルに追うというか、そこに居合わせる感じ。襲撃シーンは意外にもたもたしてて、たぶんそれがリアルなんだろう。キャスリン・ビグロー監督の前作「ハートロッカー」のようなヒリヒリ焼けるような感じじゃなかった。CIA分析官のジェシカ・チャスティンの執念! CIAのプロパガンダ映画ではないかとも言われてるそう。意外に作戦実行に及び腰の政府をCIAが説得する形になってる。面白かったとか言う雰囲気じゃないけど、満足。凄かった。

0 件のコメント: