2019/08/29

最近観た映画メモ「サンセット大通り」他

「なぜか見てない映画を見るシリーズ」の落ち穂拾い。やはり古い順に開始。ホントは最近の新しいものから観ようと思ったんだけど、追加した20〜70年代までの古いものはそれほど数が多くなかったため、先に片付けてしまう。

●カリガリ博士(1919年)
ドイツ表現主義のサイレント映画。歪んだ背景は「映画は、絵画が命を吹き込まれたものであるべきである」の考えから。確かに画面がどこを取っても「絵」になってる。アイリスショットで画面を絞り、人物の顔をクローズアップするような効果も「絵」。歪んだ背景のほとんどは表現主義の画家が粗めに描いた書き割りの板なので、映画というより凝った舞台劇を記録したもの的な印象。表現はなるほど了解。まあ、画質が非常に悪くて見にくいけど。ストーリーは一応ちゃんと追えてそこそこ見せるなあと思ったけど、あのラストは! ディカプリオのあの映画はこれが元?

●グランドホテル(1932年)
限られた場所で、同時進行で何人もの登場人物のそれぞれの話が進行したり交錯したりの「グランドホテル形式」の名前の元になった映画(形式としては以前にもあったそう)。トーキー時代になってすぐの作品だけど、すでに今の映画と同じに楽しめるほど手法も技術も成熟してるのがすごい。普通に面白かった。なぜか
「オリエント急行殺人事件」と勘違いしてて、途中まで「あれ?いつまでたっても殺人事件が起きないぞ?」とか思ってたw

●サンセット大通り(1950年)
面白かった! 先日、「本人役はおもしろい」って件について書いたけど、この映画もサイレント映画時代のスターや監督が本人を思わせる役柄で登場する。忘れられた大女優役のグロリア・スワンソンはもちろん、執事役のシュトロハイムも有名な監督だったが問題アリ(極端な完全主義者で制作が破綻とか)で俳優に転身した人だったり、セシル・B・デミルやキートンなどが本人役で出てくる。他にも映画関係者がいろいろ出てるそう。ハリウッド映画界の内幕や影を描いてるわけだけど、ビリー・ワイルダー監督的にたぶん内輪のお祭り的に楽しく撮ってる感がw グロリア・スワンソンは目を剥いたり変なポーズをしたり過剰な演技で常軌を逸してる感すごいんだけど、これは当然サイレント映画時代の演技の再現、つまりセルフパロディみたいなものなんだろう。殺されてプールに漂う男が「なんでこういう羽目に陥ったか?」をモノローグで語る形式も素晴らしい。これって「アメリカン・ビューティー」の元だよね。やはり影響下にあるという「マルホランド・ドライブ」をもう一度見てみよう。

●十戒(1956年)
「ベン・ハー」なんかと同じく中学くらいまでに観てて当然なのになぜか抜けてた「十戒」。ようやく観れた。ちょうど上の「サンセット大通り」に本人登場のセシル・B・デミル作品。自身の「十誡(1923年)」のリメイク。3時間41分w 長すぎるけど、退屈はしなかった。っていうか、後のいろんな作品の影響元になってるのが興味深いし。チャールトン・ヘストンとユル・ブリンナーの魅力全開。歴史物=コスチューム・プレイというんだけど、衣装などホントにコスチューム・プレイって感じ。まあ、今の目で見ると、演技も大げさすぎてちょっと恥ずかしい感じ。結局、アン・バクスターの王女一人に振り回される世界w iTunes映画の高画質で観たんだけど、複写を繰り返す光学合成シーンで画質が甘くなるのがよくわかって面白いw 「ベン・ハー」はこれの数年後だけど、大筋はかなり近い。「高い地位にあったヘブライ人/ユダヤ人の主人公が追放され、大義を得て戻ってくる」。チャールトン・ヘストンは「ベン・ハー」のほうがぜんぜん魅力的。
・1923年の「十誡」、YouTubeに全編(前半が「十戒」で、後半が現代劇の寓話)あるのでちらっと見てみたけど、前半で描きたかったことを33年後にカラーや発達した特撮でもう一度撮り直した感じ。セットや構図などほぼ「十戒」と同じ。十戒を授かるシーンがすごい。スター・ウォーズ的無重力爆発と光の効果。56年版より斬新。電光掲示板的な文字に笑っちゃうけど。
https://youtu.be/wrugGzGaFqg?t=2175
・あと、海が割れるシーンを古くからのいろんな「十戒」関連映画で比較した動画。リドリー・スコットが「エクソダス:神と王」で「十戒」のリメイクを最近やってたとはぜんぜん知らなかった。
https://youtu.be/T4H5tjx2Zpg

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