2017/10/15

最近観た映画メモ「遠すぎた橋」他

遠すぎた橋(1977年)
大列車作戦(1965年)
レマゲン鉄橋(1969年)

今回はWW2の戦争映画。

●「遠すぎた橋」(1977年)
仕事してる人は観たらいいよ。「プロジェクトはこうやって失敗する」の見本オンパレード。読みの甘さ、無謀な計画、希望的観測、現場で現実に直面する中間管理職とズタボロになっていく兵士たち。フリーランスの僕なんか上層部と兵士を兼ねてるから大変w

「失敗」がテーマってことも当時はそれほど印象に残ってなかった。40年もたつといろんな経験してるから、身につまされる。いい映画だw 「成功した作戦」を描く映画より「失敗した作戦」のほうがはるかに参考になるんじゃないか?

「空挺部隊が5つの橋を奪取、すかさず地上部隊が一本道を進軍して川を渡り、ドイツ本国へ一気に攻め込んでクリスマスまでに戦争を
終わらせる」という無茶な作戦の失敗を描いた戦争映画(実際には5月までかかったわけで。逆に言うとそんなに戦勝を遅らせたほどの大失敗)。

公開当時、中学3年。タミヤのミリタリーミニチュアに一通り夢中になったしばらく後。初めて「現代のちゃんとした大作映画でドイツ軍を見れる!」ってことで、数人で観に行った。一週間後に僕だけもう一度観に行ったくらい気に入ってた。映画に「一度しか観てはいけない」というルールなどないことに気づいたのだw ちょうど1年後が「スター・ウォーズ」で、こっちも何度も観に行くことになるw

当時は空挺部隊の輸送機の描写やドイツ軍やドンパチを中心に観てただけ。オールスターっても、ホントに顔見せくらいの印象しかなかった。今観ると、ぜんぜん印象がちがう。オールスター全員の個性がめちゃくちゃイイ! 全員カッコイイ! 彼らの演技を見てるだけで大満足レベル。逆にドンパチがジャマなくらいのw

当然だけど「全部実写」!ってことで迫力や重みはすごい。ただ、当時は気がつかなかったけど、マットペイントで飛行機を増やしたり、切り抜き合成で飛んでる飛行機を増やしてるところはいくつもあるのねw よろよろと煙を引く飛行機が木の向こうに消えてドカーンって火柱が上がる横を落ちたはずの飛行機が上昇していくところがちらっと見えたりw あとやっぱ「プライベート・ライアン」や「バンド・オブ・ブラザーズ」通過後だから、撃ち合いとか西部劇程度で物足りないけどね。

あと、「戦争映画としては、敗北とまでは言えなくても失敗した作戦を描くのは珍しいしカタルシスが無い」的に言われたようだけど、考えてみると、「ドイツ軍をやっつけた!勝った!ヤッター!」的な映画だって観たことないような気がするw アリステア・マクリーン的な戦争を舞台にした冒険映画ではあるかもしれんけど。

「普通観てるはずなのになぜか観てなかった映画シリーズ」として古い映画を見てるわけだけど、今回みたいに「子供の頃観たけど今ならたぶん見え方が違うはずな映画シリーズ」も増やそう。

●大列車作戦(1965年)
「遠すぎた橋」を見終わったらお勧めで出てきた。他で配信してないようなのでとりあえずU-NEXTお試し期間のうちに観ておこうと。昔、よくテレビ放映されてた気がするけどたぶんちゃんと観てなかった。

戦争映画かと思って見始めたら様子がちがう。レジスタンス映画だ。めちゃくちゃ面白くて引き込まれるし、画面が異様に豪華というかスケールがとんでもなく大きい。装甲列車の実物大とか駅全体の爆撃シーンとか序の口。監督はこのすぐ後にあの「グラン・プリ」を撮るジョン・フランケンハイマー。白黒なのが惜しい!!

バートランカスター、かっこええ! ナチス将校の人も風格ある。脇役みんなイイし、ゾウアザラシみたいな運転士、最高。フランス人もドイツ人も全員英語だけどw

ナチスが集めたピカソやルノアールなどの絵を連合軍が来る直前にパリから列車で運び出そうとするナチ将校と、妨害するレジスタンスの鉄道員たち。テーマけっこう重い。芸術の価値と人命。

冒頭に出てくるナチスが絵を集めて置いたジュ・ド・ポーム国立美術館。見たことあるなと検索したら、オランジェリー美術館と対になるように建ってるアレか! 「あれも美術館かな?」「いや、何か会社みたい」で通り過ぎたわw まあ、寄ったとしてもナチス収集の名画は無いのだがw 今は現代美術や写真が収蔵されてるらしい。以前は印象派美術館と呼ばれてたそう(オルセーができて印象派は移された)。

フランス国鉄が全面協力したそうで、鉄道マニア的にもいいんだろうな。ポイント切替や列車の切り離しや蒸気機関車の運転操作、脱線の復旧とか、そういうのが山盛り。

●レマゲン鉄橋(1969年)
小学校後半の頃、たいていの有名戦争映画は放映されてたけど、いくつも未見のものがあり、これはその一本。題材としては「遠すぎた橋」のその後みたいなもの。

一つだけ残された鉄橋を撤退に使うためギリギリまで保持したいけど連合軍を止めるため爆破命令が出てるドイツ軍将校の板挟みと、アメリカ軍の先鋒部隊。こちらは一つの橋に集中してるのでわかりやすいし手に汗握る。ベトナム戦争の頃だからか、いや〜な感じが漂ってるのは確か。

中盤まではロバート・ボーンがナチ将校に見えないのが不満だったけど、途中から気にならなくなった。連合軍とドイツ軍、どちらも上がアホで下っ端は大変。それでも必死で戦う。

冒頭の戦車など大量の車両が疾走するところはマジすごい。けっこうスケール大きい。再開発予定地区でロケしたそうで、建物とか爆破し放題。車両もけっこうちゃんとしてる。ただ、「パットン大戦車軍団」とほぼ同じ頃の映画なのに、主人公たちアメリカ兵の描写など異様に古く感じた。「遠すぎた橋」なんかたった7年後なのに現代の映画って感あるのに。

エルマー・バーンスタインのテーマ曲最高! なのに効果音がダメ、、、。異様に単調、というか通り一遍の音素材をそのまんまダビングして繋いで、細かい調整ぜんぜんしないまま放り出した感じ。。w

タミヤのミリタリーミニチュアが流行ってた頃のジオラマとかのお手本というかネタ元って、この映画だな! あちこち「あ、この情景!」って思った。日本公開70年、ブームの頃には最新のWW2大作映画だったから。

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