『「ベイマックス」が天才不在のチーム体勢でもって日本のコンテンツを元ネタにした上で完全に越えてしまった』みたいな記事についてのFacebookエントリーがありました。そこに書いたコメントが以前「パクリに寛容になりました」の補足みたいになったのでふくらませてみました。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20130227140200.html
日本のマンガやアニメその他の文化って、日本の閉じた市場で過当競争やって発酵・熟成して出来てきたガラパゴスもの。世界中に「安い子供向けコンテンツ」として浸透していた下地はあったとはいえ、アメリカのコンテンツ産業が「再発見」してみたら、ものすごくおもしろく使える要素満載だった!ってことだと思う。
最初から世界市場を目指して今までのような熟成が可能かどうかといえば、無理だろうなあ。国家戦略としてコンテンツの輸出に意欲的な韓国は、国内の市場だけではペイしないので世界を市場とするしかないけど、日本だと内需だけで成立できちゃう。それがガラパゴスの原因なわけだけど、今まではそれで熟成できてきた。人口減でそれは通用しなくなるかもだけど。
どこの国のコンテンツも、国内の競争の勝者の一部が海外に出て、我々が目にするのはそういうもの。日本のコンテンツもたぶんそういう形で海外に出てる。最初から海外市場を狙って企画したものが目論見通りに大成功した話ってあんまり聞いたことない。成功したように見えるものもあるけど、そう装った宣伝戦略だったりする。
そういう意味で、国内で勝ち抜き戦を通過してないコンテンツが海外で通用するかといえば、たぶんムリ。まず国内戦をがんばろう。とか言って、僕自身、国内競争をすっとばした「逆輸入」にあこがれたあげく海外の仕事をやってるわけですがw
浮世絵はパースとか西洋の絵の影響受けてるらしいし、ジャポニスムは西洋のアートに影響与えたし、日本のマンガアニメの元ネタは西洋から来てるわけだし。それが町山智浩さん言うところの「キャッチボール」。今、ものすごい剛速球がいくつも投げ返されたところなんで、こんどはこっちの番。
手塚治虫はキャッチ一回分を一人でやったんだよなあ。あと、ボールを受け取ったら長期間、外部の誰にも見せずに発酵させてから投げ返すのが効果的w
「ベイマックス」、この原稿を送った後に見に行く予定。
2015/01/06
ガラパゴス日本バンザイ
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