●キューブリックに魅せられた男(2017年) 1:33 アメリカ U-NEXT
キューブリックの運転手のドキュメンタリー、かと思ったら違った。それは「キューブリックに愛された男」(2016年)……まぎらわしいなあ。邦題つけるとき考慮してほしい。「キューブリックに魅せられた男」の原題は「FILM WORKER/映画仕事人」。キューブリックの助手を長年務めた男のドキュメンタリー。
70年代前半に俳優としてそこそこ売れていたレオン・ヴィタリ、「バリー・リンドン」(1975年)の重要な役でキューブリックと仕事したことがきっかけで裏方に目覚める。以来、キューブリックの手足となってあらゆる仕事をするようになる。……というドキュメンタリー。監督 トニー・ジエラ。
関係者の証言も多数。ライアン・オニールやハートマン軍曹役のR・リー・アーメイなどの生前のインタビューも貴重(レオン自身も2022年に亡くなってる)。
・基本的に超有能というだけでなく、すさまじい滅私奉公ぶり。えらいわこの人……。監督の助手というか裏方の全仕事、上映用のプリントのチェック、各国版DVDや宣伝の監修や細かい書類仕事まで、全部やる。キューブリックが頼りにするのわかる。彼の子供たちも仕事ぶりを証言。
・キャスティングやロケハンの責任者としても。「シャイニング」の舞台となるホテルや出演の子供たちを見つけてきたのはこの人! 詳細↓
https://kubrick.blog.jp/archives/52284763.html
●キューブリックに愛された男(2016年) 1:22 イタリア U-NEXT
まぎらわしい邦題って書いたけど、公開はこちらのほうが早い。短いのでついでに観てしまう。
ロンドンに移住したレーサー志望のイタリア人エミリオ。タクシーの運転手をしていたところ、偶然、「時計じかけのオレンジ」撮影中のキューブリックのスタジオからある特殊な小道具を運ぶ仕事を頼まれたことをきっかけに、それから30年も彼の元で働くことになった。(小道具ってアレかな?と思ったら、的中w)
信頼され、運転手としてだけでなくキューブリックの身の回りのこと全て頼まれるようになる。仕事関係から猫の世話まで、無数の指示のメモが読み上げられ、キューブリックの人柄が浮かび上がってくる……というドキュメンタリー。監督 アレックス・インファセッリ。
こちらもとても良かった。映画の専門職じゃない人の話だからと期待してなかったら大間違い。今までほとんどイメージできなかった人間としてのキューブリック。同時に、エミリオ本人や夫妻の物語でもあって興味深い。
・エミリオの家には無数のキューブリック関連のもらいもの。「シャイニング」で使われた絨毯(六角ではないもの)がリビングに敷いてあるw
・この人も、ただの運転手ではなく元々F1レーサーを目指せるほどの有能なんだし、あらゆることをきちんとやり遂げる人なんだろうなあ。
・フェリーニの扱いがw
・働いてる間、キューブリックの映画を一本も見たことなかったというのもすごいけど、最後の最後によくやくいろいろ見て、キューブリックにどれがよかったか聞かれた顛末がオカシイw
●ROOM237(2012年) アメリカ U-NEXT
「シャイニング」に関するドキュメンタリーではなく、「シャイニング」マニアが勝手な思い込み・過剰な深読みで「こういう意味があるんだ」「こういう解釈も成り立つ」などと語る、妄想開陳映画。
それでも、「もしかしたらそうかもしれない」と思わせる部分もあったりして、いろんなこと考える人がいるもんだなあ。つまんないと聞いてたけど、思ったよりぜんぜん面白く見れた。
この映画に解釈や印象をひどく歪められたりに気をつけさえすれば、「シャイニング」を楽しむ方法がまた一つ増えたと喜べばいい。単純に、「シャイニング」の映像をたっぷり見せてくれるし。
コメント欄
関係ないけど思い出した。キューブリックって大昔から巨匠のイメージだったけど、「2001年宇宙の旅」(1968年)でようやく40歳。同い年の手塚治虫が「2001年」の美術デザインを頼まれて断った話が有名だけど、巨匠たちも三十歳代だったのねw
詳しい話が。手塚治虫が関わってたとしても、「2001年」のスタッフに元NASAの人が入って「子供っぽい未来感」から「リアル志向」に路線変更したときにクビになってたかも。
https://kubrick.blog.jp/archives/52391002.html
0 件のコメント:
コメントを投稿