●DUNE/デューン 砂の惑星(2021年)アメリカ 2:35 U-NEXT
1984年のデイヴィッド・リンチ版は当時見に行ったけど、「ビジュアルはすごいけど、よくわからなかった(無理目に短縮編集されたから)」だった。今回、ストーリーがようやくわかった。そういう話だったのかw 当時、文庫本4冊買ったけど一冊目の冒頭くらいしか読んでないし。なぜか「クイサッツ・ハデラッハ」とか「ベネ・ゲセリット」とか「フェイド・ラウサ」とか覚えにくい固有名詞をちゃんと覚えてるのは何なんだろうねw
デューンと呼ばれる砂漠の星アラキスを長年支配し、産出される「スパイス」で大儲けしてきたハルコンネン家が追われ、代わりにアトレイデ家がアラキス入りする。皇帝の命による国替えだが、実は両家を戦わせて力を削ぎ、特に銀河中の信頼を得ているアトレイデ家を滅ぼす陰謀だった。アトレイデの後継息子ポールと妾である母がハルコンネン(と皇帝)の攻撃を生き延び、砂漠の民フレメンに受け入れられるまでの話。
Part2は評判いいようだけど、この一作目はイマイチと聞いてて期待してなかったからか、意外に楽しめた。ゆったりじっくり、堂々のビジュアル。弱っちく見えるポールが実は英雄にふさわしい素質を持ってる表現もよかったし。たぶん、一作目は途中でブツッと終わった感が大きいので、がっかりした人も多かったのでは?
●カモン カモン(2021年)1:49 アメリカ U-NEXT
ニューヨークのラジオ局に勤める独身の中年男ジョニー。ロサンゼルスの妹の夫が精神的不調に陥り入院、9歳の甥っ子ジェシーを預かることになる。ひどくエキセントリックな子供のジェシーはジョニーの手に追えない。しかし、何度かの危機を乗り越え、本当の親子のように心が通じ合うようになっていく……という話。
マイク・ミルズ監督/脚本、ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン。
「人生はビギナーズ」(2010年)と「20センチュリー・ウーマン」(2016年)で、マイク・ミルズ自身の父と母(と自分)をモデルに描き、僕的に両方とも良かった。今作ではミルズ監督が子供を持ったことで子供(と親)を描いたとのこと。
素直に受け取ればいい映画だというのはよくわかる。コミュニケーションを通じての理解。主に有色人種や移民の子供へのインタビュー映像が積み重ねられてて重みが増す。ジョニーが日記のように録音するモノローグや妹との電話も効く。でも……、内面の発露とはいえ、忖度のかけらもなく言い返してきたり、わざとトラブルを引き起こす子供……僕には恐怖映画のようだったw
ホアキン・フェニックスの役的には本当の親じゃないから行き詰まったら最悪の場合逃げることもできるけど、本当の親なら。。みなさん大変なことやってるんですね……。
ところで、子供たちへのインタビュー。今時のアメリカの子供たちってあんなにちゃんと立派に答えられるんだ?あれも脚本かな?
●ヒトラーのための虐殺会議(2022年) 1:51 ドイツ U-NEXT
ユダヤ人絶滅政策を決定したヴァンゼー会議、アドルフ・アイヒマンが記録した議事録を忠実に映画化。実際に会議に使われた邸宅で撮影。監督マッティ・ゲショネック、出演フィリップ・ホフマイヤー他。テレビ映画だそうで、画質がやけに良くて見入ってしまう。
1942年1月20日にベルリン近郊の湖畔の邸宅で行われたヴァンゼー会議。議長はラインハルト・ハイドリヒ。議題はユダヤ人問題の「最終的解決」。三々五々集まってくるナチス高官たち、会議が始まり、休憩を挟み、また会議が続き、個別会談もあり、最終的に全員一致でまとまり、解散、、、という話。
ヨーロッパほぼ全域となる支配版図の拡大。マダガスカル移送計画の頓挫。最大1100万人に及ぶユダヤ人移住/収容に手が回らなくなってきたナチス。地域ごとに行われていた非効率な「処理」の経験から、画期的な効率化について冷静に話し合う真面目なドイツ人エリートたち。
議題が意味することは全員よくわかってるはずだし、実際に手をくだす現場の人間の気持ちも知ってるにもかかわらず、人類史上最も冷酷な議決へ向かう。議論が激しくなるのは各省庁の権限を犯されそうになる場合くらい。「人道的」が意味するのはドイツ人側のみだったり。
全員ナチスなので当たり前なんだけど、「この人だけはヒューマニストなのかもしれない」と思った人がとんでもない冷酷な提案を持ち出して、全員ドン引き……のシーンはすごかった。
議長のハイドリヒはこの5ヶ月後に連合国が送り込んだ部隊によって暗殺されたそう。享年38歳って、若くして出世してたんだ。アイヒマンは南米に逃亡、1960年に捕まって死刑になったのは知ってたけど、こちらも実年齢でハイドリヒより2歳若い!
若くて真面目で意欲的で忠誠心の高いエリートたちにバリバリ仕事させる組織だったからこそ、ああいう暴走になったのかもね……。
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