2019/03/16

最近観た映画メモ「海の上のピアニスト」他

赤い影(1973年)
栄光のル・マン(1971年)
海の上のピアニスト(1998年)
2012(2009年)
BRIAN WILSON PRESENTS SMiLE(2005年)

●赤い影(1973年)
ドナルド・サザーランド主演のちょっとオカルトの入ったスリラー。殺人事件が絡んでるのでミステリーっぽいけど、斜め上な展開で唐突感はある。全編、不安を煽るカットやモンタージュや赤い色がはさみこまれてて、映像としてはかなり怖い。即興で撮られたビデオ作品みたいな感じもする。ロケ先で知り合った作曲家に依頼したという音楽はちょっとクドいw

●栄光のル・マン(1971年)
マックイーンが作りたいように作ったレース映画だそう。「グラン・プリ」と同様、「本物の大会のドキュメンタリー映像+最低限のドラマ」なのだが、降板したジョン・スタージェス監督の「強いストーリーが必要」という助言を無視したせいで一般ウケせず、コケたそう(日本ではヒット)。迫力の点では「グラン・プリ」ほどではない(アレと「ベン・ハー」の戦車競走は別格)。
ところで、会場に集まる人たちやスタッフの準備の様子など、1970年の空気を感じられてとてもイイ。ドキュメンタリー映画「日本万国博覧会」にも通じる、大イベントを多くのカットで描写、地に足の着いたじっくりタッチはすごい好き。マックイーンの肖像権の裁判のニュースは記憶にあるけど、この映画の配給の東和がマックイーン側に無断でタイアップ契約してCMに使われたせいだったそう。

●海の上のピアニスト(1998年)
船で生まれて一度も降りたことのない男の話。とても良かった。「僕らはみんな、彼みたいなもんじゃん」的な、おとぎ話で寓話。ちょっとだけ「名作映画風な強調」が鼻についたけどw 英語なのになんでイタリア映画? それも「ニューシネマパラダイス」にトーンがそっくり。と思ったら! 同じ監督じゃん。やられたw 出てくる主な俳優たちの顔が全部イイ。顔で魅せる映画って感じ。現在と過去を交錯させて感動を呼ぶ作り方は「ニューシネマ」と同じで、アレが好きな人にはピッタリだと思う(僕は蛇足付きロングバージョンを観てしまったせいか、それほど良いと思わなかった)。ところで、コーンを演じた俳優(プルイット・テイラー・ヴィンス)の目が始終ゆらゆらしてるのは、冒頭の「まだ船に乗ってるように揺れている気がする」の表現かと思ったら、Wikipediaによれば、眼球振盪という病気らしい。

●2012(2009年)
リストを作った当時まだ話題作だったので入れたけど、「GODZILLA」「インデペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒ監督ってことに後で気づいて、後回しになってたw 観てみたら、面白かった! 科学的考証とかメチャクチャだけどw マヤの予言どおり人類滅亡の危機が迫る状況の中での群像劇。ジョン・キューザックたちのパートはコメディタッチでありながら、ほとんどジェットコースター的アトラクション。10年前のCGだけど、素晴らしい。終盤クライマックスのモタつき以外はほとんど全部面白かった。娯楽スペクタクル映画!って感じ。「GODZILLA」ではそういうサービスがぜんぶ裏目に出た感じなのかも。

●BRIAN WILSON PRESENTS SMiLE(2005年)
未完成のままだった「スマイル」をライブとして復活させる2枚組ドキュメンタリー。2004年のアルバムはしばらくハマり、このDVDも購入。あちこちつまみ食いしたけど通して観たのは初めて(そんなのばっかw)。88年頃にそれまでほとんど廃人同然に暮らしてたブライアン・ウィルソンが30年ぶりに復活する話は「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」で描かれていたが、その後次第に気力を取り戻し、放置されていた「スマイル」を協力者の若いミュージシャンたちと復元・完成させていく。精神崩壊の原因になった悪夢の作品に向き合い、克服していく様子はそりゃもう感動的。僕なんかはあそこまで繊細ではないけど、何かを作ろうとする人なら気持ちの動きとか共感できるはず。「はっきり言うが、SMIiLEが頓挫した原因は○○○・○○だ」って思いっきり名指しするのは衝撃的w 15年前のブライアン・ウィルソン、老けて見えるけどまだ62歳。彼のドキュメンタリーは他にも何本も観た。暗くて落ち込みそうなものもあるけど、これは元気が出る!むやみに何か新しいもの作りたくなる! 新しい密着ドキュメンタリーが制作中だそう。


そういえば、ジョン・キューザックは「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」で中年になったブライアン・ウィルソンを演じてた。

ところで、ザ・ビーチ・ボーイズ自体はカーペンターズの「Now & Then」の「ファンファンファン」をきっかけにベスト盤を聴くくらいには好きだった.「グッド・バイブレーション」は事務所の先輩がお気に入りカセットに入れてて何度も聴かされたのが1983〜84年頃。サイケな曲調はものすごく古い感じがしてそれほど好きじゃなかった。「素敵じゃないか」もそうだけど、途中でテンポが変わる曲も苦手というか惜しい感があった。で、1990年代半ばにようやく「ペット・サウンズ」にハマッて以降ようやく「グッド・バイブレーション」も最高に大好きになったのだった。今考えてみたら、1984年って、「グッド・バイブレーション」発表の1966年からたった18年だったんだ! 今から18年前は2001年。そんなに昔と感じないw

0 件のコメント: