2020/06/02

最近観た映画メモ「ロッキー2」他

ミッドナイト・エクスプレス(1978年)
ディア・ハンター(1978年)
コンボイ(1978年)
ロッキー2(1979年)

2011年5月からやってる「なぜか観てなかった映画を観るシリーズ」について、もう一度書く。「昔、ロードショー誌など買ってて自分はそこそこ映画に詳しいと思ってた頃にタイトルや内容が気になってたのに観る機会がなかった映画を観る」と、「1990年〜2010年の20年間、ほとんど映画を見てなかった期間を埋める」が主な目的。なので、新しい映画をどんどん観る感じではぜんぜんない。

あとやはり、普通のテレビ番組やアニメをほとんど見せてもらえなく、学校などでタイムリーな話題についていけなかったことの影響。名作映画や近年の話題作などは繰り返し放映されるから、どこかの時点で見ておけばいい「日時から自由な世界共通話題のコンテンツ」って面。毎週放送のドラマやアニメは見れないが、単発の映画ならなんとか詳しくなれるかも。という可哀想な理由w

そもそも、映画や音楽は「最新作がどんどん出てくるが、だんだん古くなり、特に評価がずっと高いままの作品が名作と呼ばれる」のような仕組みをちゃんと理解してなかった。「話題作はたいてい2〜3年ほどでテレビ放映される」も知らなかった。70年代半ばの時点では「現代の映画」と「大昔の映画」という区別しかなかったw  だから、名作や話題作さえ観ておけばOKとか思ってたんだよな。まあ、その感覚は今も続いてるけど。

制作年は「何の影響で、どんな文脈から、どういうタイミングで作られたか」と切り離せない重要なものと今は思ってる。だからこそ、できるだけ順に見てるw

●ミッドナイト・エクスプレス(1978年)

話題になってたけどまったく観たことなかった。アラン・パーカー監督、オリバー・ストーン脚本。音楽ジョルジオ・モロダー。実話ベース。トルコで麻薬を密輸しようとして捕まったアメリカの若者が、暴力と虐待の
刑務所へ。最初は比較的短い刑だったのだが、、、。

面白かった。主役のブラッド・デイヴィス、ちょっとブラピな感じ。その後大きな活躍が無いのが不思議と思ったら、若くして亡くなってるのね。子供とまでは言わないけどあどけなさの残る顔。イメージとぜんぜん違った。ボロボロになっていく演技は見もの。

捕まるの当然じゃん、バカだね〜。アメリカとトルコとの関係悪化とか背景は示されるものの、基本的に自業自得なのに何ぜいたく言ってるの? 一発で死刑の国だってあるんだぞ。とか思いつつ、だんだん洒落にならない地獄の刑務所生活が真に迫ってくる。たいてい、こういう刑務所や収容所ものって、塀の外も中も同じでこれが人生ってものなのだ、的な視点があったりするけど、これにはぜんぜん無いのがキツい。無実の罪で捕まったのならもっと盛り上がっただろうな。

ジョン・ハートがいい役で出てる。刑務所長役のポール・L・スミス、見たことある顔と思ったら、「デューン砂の惑星」のハルコネン男爵の甥!

これが70年頃の真実かどうかは知らんけど、「アジアの、人権無視のひどい刑務所」っていうイメージは、もしかしてカルロス・ゴーンが「日本の留置所はひどい!」って利用したイメージ? 実話ベースだけど、酷めに変更されててトルコが抗議、謝罪することになったそう。

●ディア・ハンター(1978年)

キッツイ映画ってのは知ってたので、なるべくなら観たくなかったw テレビで最後のロシアンルーレットのシーンだけ観たことあるので、結末はわかった上で鑑賞。マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープ。

やはりめちゃキッツイ映画だったw ロシア系移民の製鉄の町の、たぶん幼なじみからのつきあいの若者たちのうちの3人がベトナムへ出征。長い長い結婚式シーンや鹿狩りの後、いきなりベトナム、過酷な運命。壊れていく3人。。

他の仲間たちもいる結婚式や鹿狩りや飲み屋の日常とベトナムやロシアンルーレットとの対比がすごい。最初めちゃくちゃ美しいクリストファー・ウォーケンが。。。披露宴の後、バーにいたグリーンベレーの不吉さ。結婚式の間に忍び寄ってくる不穏な感じが怖い。

賭けロシアンルーレットは命の価値など無いアジアの過酷な状況を象徴するファンタジーみたいなものだろう(確率の問題で何度も勝ち残れないのと、人がぎっしりの狭い賭場で拳銃撃てない)。ミッドナイト・エクスプレス」同様、基本的にアジア蔑視の感じが入っちゃうね。

酔っ払いの馬鹿騒ぎの描写が延々続くのが苦手だったけど、ラストではその馬鹿騒ぎが愛おしいものに見えてくる。

3時間を超える「映画」としての風格がものすごい。画面も音楽も。観てよかった、けど、早く他の楽しい映画でこの陰鬱な気分を上書きしたくなったw

●コンボイ(1978年)

劇中でも流れる「コンボイ」という歌の内容というかストーリーに基づいて作られた映画だそう。流行語にもなってたコンボイ(軍団)。巨大トレーラーの大軍団が悪徳警官を蹴散らして疾走する、大迫力の痛快アクション映画ってことで、観たいと思ってたのに未見だった。サム・ペキンパー監督、クリス・クリストファーソン、アーネスト・ボーグナイン、アリ・マックグロー。

トラック運転手のラバーダック(クリストファーソン)と仲間たち。悪徳保安官(ボーグナイン)との小さなトラブルから、ドライブインで警官たちとの大乱闘になり、州境を超えて逃げるうちにトラック仲間がどんどん集まって大軍団に。政治家も利用したくなるほどの大運動となるが、ラバーダックには特に目的はなかったり。それでも仲間を助けたりするうちに、深刻な事態へとエスカレートしていく。。というような話。コメディタッチ。

あれ〜〜?? ぜんぜん面白くない。おかしいな、大ヒットしたはずなのだが。明確な目的もなく破滅へ向かう的なところはアメリカンニューシネマっぽい匂いもあるんだけど、特に背景も描かれずトラッカーたちのヒーローとして登場したラバーダック/クリストファーソンに動機が無いのが苦しい。

「よくわからんけど俺たちのヒーローのラバーダックの軍団に加われるならついていくぜ」って行列になる感じは、「フォレストガンプ」で走り続けるトム・ハンクスにわけもわからずついて走る大勢の空虚な人たちな感じがした。

スローモーションのバイオレンスも、ペキンパーがセルフパロディとしてやったんだろうけど、やっぱおもしろくない。せめて、「ピンクパンサー」みたいに、音声もスロー再生してくれればw ボーグナインはいつもの魅力が全開なんだけど、それもセルフパロディみたいだ。

あと、巨大トレーラーを100台出したら大迫力の画面になると思うじゃん? ところが、大軍団が爆走しようが家屋を破壊しようが、単にトラックが走ってる以上には見えない。撮り方の問題? 無線の使い方も「トランザム7000」のほうがぜんぜんイキイキしてて、「彼らに混じりたい!」だったなあ。

●ロッキー2(1979年)

シルヴェスター・スタローン監督・脚本・主演。第一作もずっと見れてなくて9年前に初めて観た。前作の試合の後半からそのまま続編へ突入。一本の映画の前後編のようになってる。

目の怪我のため引退したロッキーはエイドリアンと結婚し、新しい家やクルマや贅沢なもの買ったりするけど、収入の当てにしてたCM撮影がうまく行かずに無職に。まともな就職はむずかしく、ようやくありつけた肉体労働もクビに。一方、アポロはファンからの誹謗中傷に耐えかねて再戦を企画。ロッキーを挑発して引きずり出そうとする。しかし、、、って話。

シンプルな作りの元気が出る映画として、そりゃもう面白かった。ただ、バカだったり闘志が下がったり上がったりトレーニング始めたり、ちょっと予想通りに運びすぎるかなあ。何百人の子供たちを引き連れてあの階段を駆け上がるとか、ちょっとやりすぎ感も(「ロッキーといっしょに走ったことあるよ」っていう50歳前後のフィラデルフィア出身のおじさんおばさんが数百人いるんだなあ)。

アポロ・クリード、プロだし真面目でちゃんとしたいい人なんだよなあってのが際立つw ぜんぜん悪役じゃない。今回も勝たせてあげたかったなw

「コンボイ」にも出てた前作から出てるエイドリアンの兄のバート・ヤングって、優しいジョー・ペシみたい。

◯ところで、 U-NEXTで「ロッキー5(1990年)」までのシリーズが「あと1日」って出てたので、5まで全部は無理だけど、せめて2だけはと急いで観たのだが、例によって期日を過ぎても普通に配信してる。今まで何本もそういうのあった。先日の「カイロの紫のバラ」も同じく。たぶん、配信の契約の期間とか、ポイント料金の変更まで何日ってことかな?

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