ソイレント・グリーン(1973年)
ジャッカルの日(1973年)
激突!殺人拳(1974年)
愛の嵐(1973年)
●ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年)
「メリーに首ったけ」でキャメロン・ディアスが「ハロルドとモード」を好きな映画って言うシーンがあって、興味持ってた。
自殺ごっこを繰り返し、金持ちの息子だが青白く生気のない19歳の青年、ハロルド(愛車は霊柩車w)。一方、めちゃくちゃ元気で新しいことを毎日やったり思いついたこと全部やるイカレたヒッピーのような79歳の老婆、モード。二人とも趣味にしてた葬式参列でたまたま出会い、意気投合。恋人になってしまう。
モードが過剰なまでにいきいきしてるのは、どうも○○○ー○○の生き残りらしく、一度死んだつもりで人生を生き直し、楽しもうとしてるらしい。生きる屍だった
ハロルドが「生きること」の意味を教わり、生気を取り戻していく。ベタに言えば、変人で孤独な若者が救われる話というか。
めちゃくちゃ面白かったし良かった。今風に言うと「オフビート」っていうのか、笑っていいのか一瞬戸惑ったりするシーンの連続。爆笑も多いけどw 繰り返す自殺シーンもけっこう真に迫ってるし。いくつも入る挿入歌がすごく良かった。72年って感じ!
モード役のルース・ゴードン、見たことあると思ったら「ローズマリーの赤ちゃん」の超絶ウザいオバチャン! 1977年の「刑事コロンボ」41話「死者のメッセージ」にシリーズ史上最高齢の犯人役で出てるらしい。DVDある。見よう。
●ソイレント・グリーン(1973年)
チャールトン・ヘストン主演の近未来ディストピアSF。1978年のテレビ放映を見逃して以来、ずっと観たかった。しかし、う〜〜〜〜ん、、、ダメだ。「ソイレント・グリーン」と言えば○○ってのは昔から常識なんだもん。オチを知ってちゃ衝撃でも何でもない。
2022年、人口が4000万人で大半が難民状態のため、食料が危機的状況のニューヨークが舞台。ヘストンは警察官で、ある殺人事件を捜査していくうちに……、ってハードボイルド的なんだけど、整備工みたいな服に首のバンダナは何なんだ?w それこそトレンチコートか背広でも良かったんじゃないか? なんか風景も人も汚らしくてゲッソリだった。
当時のリアルな問題=公害や環境破壊の果ての世界を、ハードボイルドスタイルのヘストンが地獄めぐりするってのはそう悪くないはずなのだが。天然というか合成でない自然の食べ物が超貴重品で贅沢品ってのは、「ブレードランナー」でアンドロイドではない本物の動物をペットにするのは特権階級でないと手に入れられないってのに通じる。
オチ部分は原作になく、映画的に盛り上がりに欠けるから付け足された蛇足という説もアリ。だとしたら、メインの地獄めぐりから目をそらされてしまうことになったのは損だったかも。
見せ場はいくつかあったけどね。「家具」と呼ばれる女性のシーンもいいし、エンドタイトルでリフレインされる「ホーム」のシーンはかなり良かった。
まあ、アレはどう考えても縮小再生産になるしかないわけで、実現する意味ないよなあ。
●ジャッカルの日(1973年)
フレデリック・フォーサイス原作、フレッド・ジンネマン監督。エドワード・フォックス主演。これもずっと観たいと思いつつ今まで観れなかった映画。わかりやすく、面白かった。アルジェリアをやむを得ず独立させたドゴール大統領に不満な過激派が雇った殺し屋がパリへ乗り込む。一方、それを追うパリ警察の奮闘。
アルジェリアの話は「望郷」「アルジェの戦い」「シェルブールの雨傘」など最近観た映画でなんとなく知ってたからリアリティ感じた。暗殺に必要なものを周到に準備するさまはワクワクするねw
2時間23分と長め。ちょっとペースが遅くて上映時間を半分に縮めても全エピソード入れられる上に濃くなるんじゃないかなと。あと、エドワード・フォックスがカッコよすぎて合ってないんじゃ?とも思ったけど、にこやかなイイ男が必要に応じて全く躊躇しない殺人者の顔に豹変するのがゾッとするほど怖くて、ああその感じを狙ったのか、と。見た目は穏やかなパリ警察のクロードも、「プロ!」って感じでカッコイイ!
●激突!殺人拳(1974年)
千葉真一の空手アクション映画。タランティーノ脚本の「トゥルー・ロマンス」の劇中の映画館でかかってたアレ。世界中でヒットしたそう。
はっきり言っちゃうと、邦画のこういうのはホントに苦手。ある種の少年マンガ的というか、僕が最も遠ざけてきたものかも。「トラック野郎」とかもそうだった。タランティーノが好きだっていうんなら、観ておくか、だけ。
大筋のストーリーは面白い。「とんでもない悪党の空手使いが、成り行きで石油会社令嬢のボディガードに」って、ワクワクするもん。低予算の中で目一杯観客を楽しませようとネタをどんどん入れてくるのはわかるし、カンフー映画に寄せつつ、日本の空手の魅力を出すという意図もわかるけど、表現が好みじゃない。。格闘シーンのほとんどが狭い室内なので、動きがせせこましくて残念。
よく考えたら海外のマカロニウエスタンやアクションものも大まかにはこういう感じなんだろうな。ただ、白人が演じてたり西部劇とかフィルタがかかってるから、表現としては気にならず、楽しく観れたりする。知ってる顔の日本人俳優だと生々しすぎて醒めちゃうのかも。
●愛の嵐(1973年)
ダーク・ボガードとシャーロット・ランプリング主演。ヤバい映画と聞いてて、ずっと観るのためらってたが、やはりヤバかったw
戦後13年、ウィーンのホテルで働きながら潜伏する元ナチスでユダヤ人収容施設の責任者だった男と、同じく潜伏しつつナチスを裁く裁判に備え、不利な証拠を抹殺してるナチス残党たちの仲間(オーストリアはナチス残党にとってそれほどキツくなく、潜伏しやすかったらしい)。そこへ、収容所時代に弄んだユダヤ人少女だった女性がたまたま現れ、、、って話。倒錯とも純愛ともつかぬ歪みきった二人の世界。
ダーク・ボガード、何本か観たけど、一見おとなしく真面目な感じなのに、とんでもないヘタレだったり変態だったりヒドイやつだったりするのが似合うなあ。ランプリング、キツくて美しい顔の代表。ナチス将校たちの前で歌うシーンは凄みがある。
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