2020/03/31

最近観た映画メモ「ドクター・スリープ」他

IT/イットTHE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年)
ドクター・スリープ(2019年)
セル(2016年)
キャリー(2013年)

スティーブン・キング特集。「IT」と「ドクター・スリープ」を観たら欲が出て、今配信されてる未見のキング原作映画をざっと観てしまおう、の前半4本。JJエイブラムスのドラマ「11.22.63」は長いので今はパス。

●IT/イットTHE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年)

前編は2ヶ月前に見た。27年後、大人になったルーザーズとペニーワイズとの戦い。「これは……いい映画だなあ」って部分と「クドすぎない?」「空回りしてない?」 とかが入り混じってて、全体としては微妙。でも、子供の頃からの「一番怖いもの、封印したいもの、引きずってるもの」を克服する話はたぶんいい映画。

いいなあって部分の大半はやはり、大人になった現在と、子供時代の行き来。原作の大きな魅力のそれが前編に無かった分、後編に全部持ってきたのね。ただ、行き来×人数分なので、やはりちょっとクドい。

いくつかの映画見て好きなビル・ヘイダー。あのメガネが成長してコメディアンになったという設定だけどやはり失礼な馬鹿野郎なままで、どちらかというと悲しいキャラ。コメディリリーフ的には喘息少年だったジェームズ・ランソンがやってる。二人が中心のシーンはほぼコメディw (ビル・ヘイダーがもともと若い頃のスティーブン・キングっぽい顔なんだけど、キング本人も出演してるw)


かと思えば、ロマンチックなシーンや笑っちゃうくらい怖いシーンが忙しく入れ替わるため、どんな構えで観りゃいいのかタイミングずれたりして落ち着かないw 友情を強調しすぎてついていけない部分も。

ペニーワイズの特殊効果はほんとによくできてるけど、映像で見せる怖さって、もう限界なのかもしれない。ペニーワイズやゾンビや老婆、それ自体をどんだけ動きや形を工夫してもあんまり怖くないもんね。びっくりはするけど、むしろ笑ってしまう。限界をわかった上で映画の「シャイニング」の要素をあちこち入れてきたり、楽しんじゃってる感じ。80年代クリーチャーみたいな味を出してる部分もあるね。

記憶に残る記号(赤い風船、黄色い合羽、排水溝、ピエロ、自転車、飛び込み、中華店、誓いの儀式、メンバーそれぞれの個性やエピソード)が数多く入ってて、「シャイニング」や「スタンド・バイ・ミー」などと同様に後々まで引き合いに出される映画になるかもしれんとは思う。

●ドクター・スリープ(2019年)

「シャイニング」の続編。40年後のダン(ダニー少年)と謎の超能力少女の交流、ヴァンパイア集団との戦い。そしてオーバールックホテルへ。父親同様アルコールと暴力に溺れていたダン、克服したはずの依存症に戻ってしまう恐怖も。能力を生かして感謝される仕事はいいね。

あの音楽とホテルが現れると、「いよっ!待ってました!」って感じw 「スカイウォーカーの夜明け」のデススター廃墟と同様、古い観客にとっても約40年ぶりに「あそこ」を訪れる楽しみ。「レディプレイヤー1」にも「シャイニング」の再現あったしねw 明確に「魑魅魍魎が住んでる禍々しいお化け屋敷」になってて楽しいw あと、ヴァンパイアの女ボスのローズが登場した瞬間から萬田久子に見えて困ったw

スティーブン・キングはこの映画は気に入ったらしいw キューブリックの「シャイニング」に寄り掛かりすぎというかサービス過剰な気もするけど、たまにはそういう映画があってもいいでしょ。

キャストの再現もとてもいい感じだった。ジャック・トランスを演じたのは「E.T.」のエリオット少年を演じたヘンリー・トーマス! 昨年「E.T.」の続編みたいなCMに出て話題になってた。
https://www.cinemacafe.net/article/2019/11/29/64689.html

「シャイニング」原作で「忘れてる、、何か忘れてる」のアレは40年前の映画では使われなかったが、続編でようやく生かされた。なにしろ「ドクター・スリープ」の原作小説ではアレは使えなかったはずだから、映画的に正しい利用w

緊迫するシーンで流れる心臓の音みたいな効果音が非常にジャマ! 「はい!ここは怖いシーンですよ。ドキドキしてくださいね〜」って、バカにされてる感。ドキドキ音、最近よく使われるなあ。

劇中で流れた音楽についての記事
https://virtualgorillaplus.com/music/dr-sleep-songs/

あと、ディレクターズカット版にはトイレのシーンもあるのね。こっちも見たいな。
https://screenonline.jp/_ct/17348585

●セル(2016年)

携帯電話を媒介としてゾンビ状態になった人々が襲ってくる世界を生き延びるサバイバル。原作は知らないけど、思いつきのアイディア「携帯電話を手放さないいまいましいやつらをゾンビにしちゃえ」を力技で読ませてしまうキングの短編らしい感じはすごく表現されてた。(短編と思ったら、上下巻ある大長編だったw) っていうか、キングが脚本書いたんだって!

妻子と別れたコミック作家のジョン・キューザック、空港で携帯電話で話してた人たちが突然狂って凶暴になる。逃げる逃げる。途中で行動を共にしたサミュエル・L・ジャクソンとアパートに逃げ帰るまで、ものすごいジェットコースターで、かなりすごかった。その後はそれほどでもなくなるんだけど。

ラスト、なんじゃこりゃって笑ってしまったw バッドエンド的に「ミスト」の二匹目のドジョウを狙ったのかな? お祭り楽しそうw 絵から出てきた赤いフードの男も謎のまま放り出されてるし。

あの歌がフィーチャーされてたw
https://youtu.be/2Z4m4lnjxkY

ジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソンは同じくキング原作の「1408号室」でもコンビで出てるそう。こっちも見るかなと思ったけど配信されてない。よかったw

●キャリー(2013年)

1976年版では不気味少女シシー・スペイセクが超ハマり役だったのに、「キック・アス」の最恐ヒット・ガールのクロエ・グレース・モレッツがキャリー役なんて、、と思ってたけど、「怯えるいじめられっ子のもっさい少女」を完璧に演じてて意外に良かった。母親(ジュリアン・ムーア)があまり怖くなかったのは損(吹き替えはどちらかというとカワイイ声だしw)。

プロムのあのシーンまでは非常に良かったのに、タメにタメたはずの大反撃のテンポが悪くてもったいない(76年版をチェックしてみたら、似たようなもんだったけどw)。あそこにカタルシスを期待してもいいんだよね? あと、念力の表現はフォースに見えない工夫をしないとダメだよなあ。

ラスト、フェイントしやがってw 旧作のラストは強烈だったけど、蛇足的に付け加えられたもの。あのせいで中身がすっ飛んじゃった。2013年版では公開版からカットされた「ラストシーンの後に続くエンディング」があって、それそのまま使ってもそれほど印象変わらないかもw

しかし、プロムっていろんな映画に出てくるけど、アメリカに生まれなくてよかったなあ、って思うw

0 件のコメント: