2020/03/20

最近観た映画メモ「名探偵登場」他

Mr.Boo ミスター・ブー(1976年)
アウトロー(1976年)
名探偵登場(1976年)
アイ・ドリーム・オブ・ワイヤーズ(2014年)

70年代映画の続きと、2014年の「アイ・ドリーム・オブ・ワイヤーズ」。このドキュメンタリー、何かの記事でGyao!での配信を知ったんだけど、3月19日までってことで急遽観た。観終わってからU-NEXTにもあるのを見つけた。こちらも「あと5日で終了」だった。今はないようだけどNetflixやAmazonでも配信されてたらしい。

●Mr.Boo ミスター・ブー(1976年)

これもロードショー誌など買ってた頃にちょっとブームになってて気になってたものの、今までちゃんと観たことなかった。監督でもあるマイケル・ホイの兄弟による香港コメディ映画。3兄弟かと思ってたら、ホイ五兄妹なのね。

兄弟による3作目なのに、シリーズとして一括りにされた上で第1作とされてるって知らなかった。「ミスター・ブー」って人物は登場しない。単にホイ兄弟によるコメディ映画の総称として日本でつけた「Mr.Boo」というタイトルのシリーズ、広い意味では2000年代まで続いてたのね。

いかにも香港のゆるいコメディなだけど、面白かった。声出して笑ったところがいくつも。厨房での格闘シーンをはじめ、大小ギャグの連続。「ピンクパンサー」など欧米のコメディ映画のギャグをそのまんまいただいてたりする。強盗団のボスのシー・キエンって「燃えよドラゴン」の悪役とかカンフー映画によく出てくる人! 「五福星」などでめちゃくちゃ面白かったリチャード・ンも出てる。


サミュエル・ホイ作の主題歌は当時FMラジオから録音したのを気に入ってずっと聴いてた。歌詞は労働者哀歌で、サビの最後の「シェイシェイ」と聞こえる部分、「クソったれ」だったのかw テレビ放映では広川太一郎による吹き替えが良かったらしいけど、字幕版。

●アウトロー(1976年)

クリント・イーストウッド主演監督の西部劇。単に息子と奥さんを殺された農夫の復讐劇かと思ったら、追われる立場になり、どんどん登場人物が増えたり、インディアンの話になったり、込み入った物語になっていく。ちょっと暗いけど面白かった。

ただ、ちょっと拳銃を練習したにしても、いつの間に凄腕ガンマンのマカロニウエスタン的なアウトローとして知られてるってどうなんだろ?w あと、いいパパだったはずだったのに、噛みタバコの唾をそこらじゅうに吐き散らす下品さは必要かなあ。

大統領に会ったこともあるというチェロキー族のチーフ・ダン・ジョージ、ゆったりとした相棒感が良かった。先日観た「ハリーとトント」で留置所にいた怪しい治療師で出てたな。平和を選択するインディアンのボスは「カッコーの巣の上で」でチーフやったウィル・サンプソン! あと、ソンドラ・ロックがハッとするほどきれい。

アメリカ建国200周年記念西部劇とのことで、南北戦争の後遺症と、先住民に対するまなざしが印象的。

●名探偵登場(1976年)

超豪華キャストの名探偵推理もののパロディ。デビッド・ニーブン、ピーター・セラーズ、ピーター・フォーク、マギー・スミス、アレック・ギネス、なんと!トルーマン・カポーティが俳優として出演w 世界の名探偵5人が招待され、予告された殺人が起きる。名探偵たちはどう推理する?な話。

面白かったw 名探偵ものの「こういうところが好き!」「こういうところがアホなんだよなあw」っていう断片の愛のあるオマージュって感じ。肝心の推理もデタラメを積み重ねた上にとんでもないラストにw

トルーマン・カポーティのぶっ飛んだ存在感はすごい。アレック・ギネス、これの次に「スター・ウォーズ」を撮るわけだが、重鎮なのにこんなふざけた役やってたんだw  当時コロンボ刑事で人気絶頂だったピーター・フォークは終始「マルタの鷹」のハンフリー・ボガートのモノマネw

●アイ・ドリーム・オブ・ワイヤーズ(2014年)

モジュラーシンセサイザーの歴史のドキュメンタリー。戦後の音響研究からモジュラーシンセの登場と衰退、復権とユーロラックによる新たな興盛へ、みたいな。いろんなアーティストやシンセ技術者たちが語る。

ここではモーグ博士は初期のヒーローではあるものの、モジュラーシンセもう一方の双璧のブックラのほうが偉いって空気がある。東海岸と西海岸の文化の対比。東海岸は従来の延長の音楽、西海岸は反体制やサイケやヒッピーを背景とした、強烈なノイズが大好きなマニアックな音響変態の世界。スイッチトオンバッハとウェンディ・カーロスを大いにディスってるw しばらくカーロスの話が出てるのに音楽はまったくかからない。もちろん冨田勲なんて一言も出てこない。

あくまで巨大なモジュラーシンセが偉いという価値観w ミニムーグはあくまで低機能な普及版シンセ。ローランドとかの日本製はリスペクトしつつも安物扱い。当時は革命的だったDX7も安物。あとソフトシンセのディスりも出てくる。

ユーロラックという新しい規格により、相互に取り替え可能な各種モジュールが多くの小さなメーカーによって作られるようになり、盛り上がってるらしい。以前、Deadmau5の自宅兼スタジオの紹介ビデオ見てひっくり返ったけど、彼もこういうの好きなんだろうなと思ったら、終盤でちゃんと出てきたw Deadmau5のスタジオに納品されるモジュラーシンセの新品。
https://youtu.be/dBiqFNNfudA

ところで、ブックラのシンセの赤いパネルにLSDを塗っておいて演奏しながら舐めてたみたいな話が出てくるんだけど↓の記事を思い出した。そういうカルチャーだったんだw

「古いシンセをいじってたら、なぜかLSDが付着してて9時間トリップ。ある意味、エレクトロミュージックの歴史の証人?」
https://www.gizmodo.jp/2019/06/classic-synthesizer-lsd.html

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