オデッサ・ファイル(1974年)
ハリーとトント(1974年)
風とライオン(1975年)
狼たちの午後(1975年)
ようやく70年代中間まで来た。新しめの映画を挟むかもしれんけど、次から76年。
●オデッサ・ファイル(1974年)
これもフレデリック・フォーサイス原作、78年頃のテレビ放映当時、気になってたのに見る機会なかった。ジョン・ボイト主演。ラスボスにマクシミリアン・シェル。フリーの記者の若者が偶然手にした自殺した老ユダヤ人の日記をきっかけに、イスラエルの地下組織と協力してナチス残党の秘密組織オデッサを追いかけることになる。
ベタなくらいにわかりやすく、面白かった。ずっとドキドキだった。ただ、、、、潜入ものとしては無理すぎる感じで、別の意味でヤバイヤバイの嵐。当時36歳っても20代の若造に見えるボイトが中年の元ナチスに変装してオデッサに潜入とか、銃を持って待ち受ける殺し屋に素手で立ち向かうとか、そのへん雑に感じてしまうw よく話題にされるサイレンサー付きリボルバーってこの映画のこと?
オチも、ちょっとずつ匂わせた伏線はあったものの、唐突すぎる。ボイト、なんでこんな必死で追いかけてるんだ?って、もしかしてそうい
うことかな?とは予想してたけど。音楽がなんとアンドリュー・ロイド・ウェバー(いいところもあるけど、浮いた感じのところもあった)。
●ハリーとトント(1974年)
とても良かった。区画整理のためアパートを猫のトントといっしょに追い出された老人ハリー。息子の家に行くも馴染めず、飛行機でシカゴの娘のところに行くつもりが猫のためにバス→中古車で旅をすることになる、ロードムービー。
大きな盛り上がりは無いし、深い掘り下げも無く、淡々としてる。それぞれのエピソードは短く、後を引かない。猫を連れた老人が、いろんな人に出会っていろんな体験をしたり、息子たちや昔の恋人に会ったりなど、人生の走馬灯的なものだったり。世相や社会問題などさりげなく織り込んだり。
72歳のハリーを演じるアート・カーニー、当時56歳だって! 年下じゃないかw 老けメイクだったんだ。娘の役が好きな映画「アリスの恋」のエレン・バースティン。こちらもロードムービーだったな。アメリカの普通の人が普通の範囲で普通の人々に出会ったりするドラマはけっこう好きなんだな。
あと、「鬼警部アイアンサイド」が観たくなったw
●風とライオン(1975年)
ジョン・ミリアス監督、ショーン・コネリー、キャンディス・バーゲン主演。モロッコを蹂躙する欧米勢力を追い払うきっかけにすべく、リフ族の首長がアメリカ人母子を誘拐。セオドア・ルーズベルトが動く。って話。
面白かった。コンパクトな大スペクタクル映画って感じ。とにかくコネリーがカッコイイ。最初はやっぱスコットランド人がアラブ人??とか思ったけど、すぐ慣れた。モロッコの族長一行の話とルーズベルトの話はそれほど密接に絡んでるわけじゃなく、ラストの手紙なんか取ってつけたように感じたけど。
主に、堂々とした首長のコネリーと、自ら戦う強いバーゲンや子供達。あと、そっくりなルーズベルト。それだけでもぜんぜん見れる。あとジョン・ヒューストンも出てて、やっぱ存在感に圧倒される。もちろん、モロッコの広大な風景と。
ミリアス監督が黒澤明大好きで、あちこちにアラブ人をサムライに見立ててアクションつけてるらしい。馬上のアクションなんか特に。
物語的にはどうしても「ストックホルム症候群」って言葉が浮かんじゃうんだけどねw
●狼たちの午後(1975年)
めちゃくちゃ面白かった。アル・パチーノ主演、シドニー・ルメット監督。ポスターのビジュアルから「スカー・フェイス」みたいな荒っぽいバイオレンスものと思い込んでた。クライマックス近くまではほとんどコメディの、ぐだぐだの銀行強盗ものだった。これも「ストックホルム症候群」映画だったりする。
何もかも上手くいかず目が泳いでるパチーノが右往左往w 家族やら母親やらいつも手を焼いてるものが次々に白日の元にさらされちゃって困り果ててるのがすごくイイ。見たくない人生の走馬灯みたいなw
凶暴な雰囲気を漂わせる相棒のサル役のジョン・カザール、だんだん困惑する気弱な少年みたいなかわいらしさが出てくるw
警察やFBIの人も、人質たちもみんなキャラが立っててイイ。特に、ドナルド・サザーランド似の気の強いおばさん良かった。後半で活躍するのは「エイリアン2」のビショップのランス・ヘンリクセン!
ルメット監督の遺作となった「その土曜日、7時58分」も何年か前に観た。こちらも、ずさんで行き当たりばったりの犯罪をやらかして失敗、どんどん予想外の悪いほうへ事態が転がっていき、にっちもさっちも行かなくなる系、めちゃくちゃ良かったなあ。
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