2019/06/29

最近観た映画メモ「七人の侍」他

ノルマの残りを年代順に観るシリーズ。黒澤明多め。この後は先日発見してリストに追加した1967〜1968年のマカロニウエスタンDVD4枚。そしたらようやく70年代へ。

●生きる(1952年)
黒澤明。志村喬が雪の中ブランコで「いのち短し恋せよおとめ〜」と歌うアレ。「自身の癌を知った初老のダメ役人が奮起し、多くの困難をものともせずがんばって小さな公園を作る」は有名だけど、ああいう構成とテイストになってるとは観るまで知らなかった。コメディタッチなのね。爆笑シーンまであるw 前半の極端にしょぼくれて目がウルウルの志村喬は、あれはゲラゲラ笑って見ていいんだろう。生きる意味を探して、飲み屋で知り合った小説家に連れられて今までしたことのない様々なことやってもがくのもイイ。生命力あふれる元部下の小田切みきとの対比もよかった。誕生会の若者たちの歌の中を階段駆け下りるシーンなんか、あまりに上手くてシビレた。途中でバッサリ決着つけておいて、後は種明かしや説明ってのはどちらかというと苦手な構成だけど、同僚たちに理解が広がっていくのはよかった。元気が出る映画。志村喬、このとき47歳! 役所に30年勤めてきて退職金の話が出てるということは、55歳の定年直前という設定か。やはり年下だw

●七人の侍(1954年)
たぶん3回目くらいか。前回は30年以上前。最初は大好きな「荒野の七人」の原作として、次は「ルーカスやコッポラやスピルバーグたちのお手本」として。そりゃ、そこそこ面白いとは思ったけど、言われてるほどすごいか??って感じだった。今回は、、、
、めちゃくちゃ面白かった!!! 冒頭から侍集め、準備や交流、戦いまで、つまらないところやダレるところが一つもない。今までこの映画の何を見ていたんだろ?ってくらい。いや、なんで面白かったのか理由はわかる。これより以前の昔の映画をいっぱい観たから、それらの映画とどう違うか雰囲気でもわかるのと、決定的なのは「日本語字幕付きで観た」からw 以前観た「どん底」なんか顕著だったけど、登場人物たちが何と言ってるのかよくわからないまま物語が進行していくのはツライ。少なくとも会話が100%理解できてる状態なら、あとはもう視覚的エンターテインメントのみ。構図もよくわかるし、群衆のマッスというか塊としての動きなんかも息を飲む。視線や表情の動きも。演技や感情表現が常に振り切れるくらいの大げさなのはちょっと苦手だけど。まあ、娯楽映画として誰にでもわかって楽しめるようにということだろう。3時間27分と長いから「休憩」で二日に分けて観ようと思ったのに、あんまり面白いからそのまま全編観ちゃったよ。

●荒野の七人(1960年)
こちらも40年以上ぶりの3回目くらい。オリジナルと続けて観たのは単に古い順に観てるからで、偶然です。ちょっとびっくりしたのは、こんなに「七人の侍」そのままだったっけ? クライマックスでちょっとひねる以外、ほぼ同じ。対応する役柄がミックスされたりしてるものの、細かいエピソードやネタやセリフまで。こうなってくると、オリジナルの面白さや重みが際立っちゃう。必要以上に比べなくてもいいんだけど、こちらは軽めの娯楽映画って印象に。好きだけどねw あと、盗賊のボス、イーライ・ウォラックが意外にいいヤツとして描かれてるため、意地で引き返して盗賊皆殺しってのがドッチラケな感じが残っちゃった。。。昔はブリット(ジェームズ・コバーン)がめちゃくちゃカッコイイと思ったけど、九蔵を見ちゃった後では。。菊千代と勝四郎を兼ねたチコ(ホルスト・ブッフホルツ)はうまいこと表現されてたな〜。調べたらブッフホルツってドイツの俳優!

●ロリータ(1962年)
キューブリック。おっさんが高校生の美少女に入れ上げるぬるいコメディ?ポスターから受けるヤバい印象とはずいぶん違う。ストーリーは背徳感で確かにハラハラするけど、実際に行われていることはかなり間抜け。描写も際どいところまで行かず不完全燃焼。ジェームズ・メイソンは普通のおじさんっぽいのに、ロリータに入れ上げるあまりにやってることが全部異常になってしまう。サイコ・コメディと言えるかも。「シャイニング」のジャック・ニコルソンはこんな感じにしたら原作に近かったかもね。ピーター・セラーズは画面に映ってる間は完全に彼の独演会。この2年後の「博士の異常な愛情」にモロにつながるというか、やってることは2本続けてほぼ同じ。キューブリックは「オレはブラックなコメディでイケる!」と思ってたのかも。絵的には後のキューブリックを思わせる撮り方があちこち出てくる。まあ、ものすごく面白くはなかったけど。似たようなテーマの、というか影響下だろう「アメリカン・ビューティー」はめちゃくちゃ面白かったな。

●赤ひげ(1965年)
黒澤明。これも3時間5分(休憩アリ)と長いので心配してたけど、めちゃくちゃよかった。ヒューマニズムで泣かせに来てるわ。中盤、おとよが登場してからはずっとウルウル状態w 三船敏郎の赤ひげ先生は立派な医者ってだけでなく、必要とあれば汚い手も使うし暴力も厭わない(めちゃ強いw)ってキャラクターで、手塚治虫が「ブラックジャック」の手本にしてるな。とはいえ、赤ひげ先生ではなく、加山雄三の保本が主人公。最初はエリート意識丸出しのとんでもないクソ野郎でしかなかった保本の成長ぶりが本当に見もので、身が引き締まる思いw 前半、エピソードがあっちこっち飛ぶ感じがしたけど、原作の山本周五郎「赤ひげ診療譚」は短編集なのね。そこからエピソードをいくつか入れた感じか。後半はドストエフスキーの「虐げられた人びと」が元だそう。声出して笑えるシーンがいくつもあったし、ラストも爽やかでよかったー。ところで、加山雄三が80年にドラマ「ブラックジャック」やったとき、たった15年前の三船敏郎「赤ひげ」が脳裏に浮んだであろうこと考えるとオカシイ。関係ないけど、「虐げられた人びと」のWikipedia見たら、あらすじが長々と3万文字以上も書かれてたw

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